| まもなく〜ホームに電車が参りま〜す。。白線の内側に下がって・・
また一日が始まる。 いつも変わらぬ同じ時間の同じ電車。 はぁ。。と唯はため息をついた。 OLになって2年が過ぎた。 毎日が何の変化もない。 はじめは念願だった1人暮らしの楽しさも、今ではときおり切なくなる。
「あ、いけない!」 鞄に化粧ポーチが入っていないことに気がつき唯は叫んだ。
トイレに置いてきたのかも。。
ぼんやりトイレに入って口紅を塗り忘れていたのに気がつき化粧直しをした記憶がよみがえった。 すでにホームに電車が滑り込んできている。 この電車に乗り遅れると遅刻はしないがかなりギリギリだ。
うーん。。どうしよ・・ 少し悩んだ唯だったが、化粧ポーチを丸々無くすよりマシだとこの電車を乗り過ごして行くことに決め列を離れてトイレまで走っていった。
「あーやっぱり」 化粧ポーチはそのままの状態で洗面台に置かれていた。 唯は化粧ポーチを鞄にしまい込み、ふと鏡を見上げた。
仕事行きたくないなぁ・・ なんか同じ毎日に飽きてきたよ・・
そしてまたため息をついた。 ホームに戻ると電車を待つ長い人の列が出来ていた。
しまった・・これからが一番ラッシュの時間帯だった・・
仕方ないとはいえまたため息が出てしまう。 疲れが残っている会社員の男の人達が時間を気にしつつけだるそうに並んでいる。 密接しあうラッシュの車両なので男性の後ろに並ぶことに抵抗を感じ唯は男性の少ない列を探すことにした。
知らない親父とくっつきたくないもんねぇ〜
いつの間にか唯は一番後ろの車両の方まできていた。 若い年頃の女の子達が数人キャッキャと楽しそうに騒いでいる。
大学生くらいかな・・?
自分とさほど変わらない同性を見つけてほっとした唯はその列に並ぶことにした。 それと同時くらいに電車が来るアナウンスが流れた。
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