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Nomal 短編的物語 /薫 (07/09/16(Sun) 22:40) #4600
Nomal 貸出人形館(レンタルドール) /薫 (07/09/16(Sun) 22:42) #4601
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Nomal 貸出人形館のあとがき /薫 (07/09/16(Sun) 23:12) #4613
Nomal NO TITLE /かな (07/09/16(Sun) 23:15) #4615
Nomal かな様へ→その2 /薫 (07/09/16(Sun) 23:15) #4614
Nomal 感想 /LIGHT (07/09/17(Mon) 03:29) #4616
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Nomal 1話 /薫 (07/09/19(Wed) 11:39) #4620
Nomal 2話 /薫 (07/09/19(Wed) 11:40) #4621
Nomal 3話 /薫 (07/09/19(Wed) 11:42) #4622
Nomal 4話 /薫 (07/09/19(Wed) 11:43) #4623
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■4600 / 親階層)  短編的物語
□投稿者/ 薫 一般人(2回)-(2007/09/16(Sun) 22:40:18)


    久しぶりに登場しました。

    初めましての方々ばかりなので、初めましてm(__)m


    薫と言います。


    久々に執筆したので、矛盾やら背景描写下手くそって思われる覚悟で投下します。


    優しく注意などあれば言ってください。


    では。

    (携帯)
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▲[ 4600 ] / 返信無し
■4601 / 1階層)  貸出人形館(レンタルドール)
□投稿者/ 薫 一般人(3回)-(2007/09/16(Sun) 22:42:30)


    『いらっしゃいませ。』


    「貸出人形館(レンタルドール)へ」


    木製の扉を開けば、出迎えるは、黒髪ストレートに栗色の眼をした女の子。


    その奥には、黒色のテンロガンを被った怪しげな人が一人、背もたれのついた、ふかふかの椅子に構えていた。
    腕掛けに手を置き、偉そうに言った。


    『つったってないで、入ったら?貴婦人。』


    栗色の眼をした女の子は、一礼して扉を閉める。そして、私を怪しげな人の前まで、手を引いた。


    『ご要望はありますか?』

    怪しげな人、という表現は性別がどちらか判別が付きにくかった。


    声はそこまで低くないが、顔は中性的とでもいいましょうか。


    どちらにせよ、人に代わりはないのだ。


    「娘の世話をしてくれる方を探していますの。」


    『実の娘の世話を人形(ドール)に?』


    「はい。私は忙しくてあまり構ってあげられないものですから。」


    『では…そこに立っている人形でどうですか?美しいでしょ?』


    怪しげな人が指すのは、先程出迎えてくれた、栗色の瞳の女の子だった。


    「よろしくお願いします。奥様。」


    怪しげな人は、貸し出し料として、500万を要求した。

    (携帯)
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▲[ 4600 ] / 返信無し
■4602 / 1階層)  1話
□投稿者/ 薫 一般人(4回)-(2007/09/16(Sun) 22:44:15)


    峯原千秋(26)

    両親は、大手企業の社長とあって、何一つ不自由なく育った。

    一流の大学に進学後、キャンパスで出会った、今の旦那と結婚。

    後に一人娘を授かり、順風満帆な暮らしをしている。

    しかし、それは表向き。
    千秋は、生れつきのビアンだった。


    男性より女性を愛していたし、両親にバレないように、カモフラージュで男性と付き合うこともしばしばあった。


    何より千秋は世間体を気にするタイプで、いつまでも独り身でいるということは、負け組のような気がしてならなかった。


    結婚後、旦那に内緒でビアンの人妻や、年下の女性と密会しては何度か肌を重ねた。


    娘が生まれてからはすっかりご無沙汰と言うか…。


    家事や育児に追われ、ややノイローゼになってきた。

    旦那は、婿養子のせいで、千秋の父親の仕事を任されていて、家庭の事には眼もくれなかった。


    そんなある日、千秋は何気なくネットサーフィンをしていると、不思議なサイトを発見した。


    『貸出人形館』


    貴方の、要望を何でも叶えてくれます。
    法律に触れる事以外は、貴方の思いのままに扱えます。


    貸出料:500万


    ご連絡はこちらまで。
    090‐****‐****




    何でも叶えてくれる…。


    千秋は生唾を飲み込んだ。こんなうまい話しがネットに流れるはすがない!

    と、すぐに考えを変えたが、この時の千秋はノイローゼにより、正常に物事を考えられなかった。


    千秋はすぐに、連絡をし、三日後に指定された住所へやってきたというわけだ。

    (携帯)
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▲[ 4600 ] / 返信無し
■4603 / 1階層)  2話
□投稿者/ 薫 一般人(5回)-(2007/09/16(Sun) 22:48:58)


    千秋の望みはただ一つ。
    育児を代わりにしてほしい。
    そうすれば、自分は他の女と遊びに行ける。
    旦那に似てしまった娘を千秋はあまり愛することが出来なかった。


    『奥様、お嬢様は何歳ですか?』


    「2歳よ。」


    『お嬢様は夜泣きしますか?』


    「今はあまりしなくなったわよ。」


    栗色の眼をしたドールと呼ばれる女の子は、見た感じは高校生くらいだった。


    けれど怪しい人がくれた、プロフィールには、22歳と書かれていた。


    「あの怪しい感じの人はオーナー?貴方売られていたの?」


    『あの方は、オーナーであり、私たちの親でもあります。あまり詳しくは私も分かりませんが。』


    オーナーの情報も分からないのに、こんな子を借りるなんて…。


    千秋は改めて後悔した。
    もしかしたら、新手の詐欺だったり?この子は家出して来た身寄りのない子だったら?


    不安が次から次へと溢れ出していた。


    『奥様…お嬢様がお嫌いですか?』


    「貴方に関係ないわ。さっ、着いたわよ。」

    (携帯)
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▲[ 4600 ] / 返信無し
■4605 / 1階層)  3話
□投稿者/ 薫 一般人(6回)-(2007/09/16(Sun) 22:52:37)


    芦屋に構えた大きい屋敷が千秋の自宅。
    他のどの家より一際広い土地だった。



    栗色の瞳のドールは大して驚きもせずに、門を見つめる。


    本当に人形のように、白い肌で、艶のある髪。
    抱きしめたら今にも折れてしまいそうな華奢な体。


    千秋はドールに見入ってしまった。


    ドールに声をかけられ、千秋は門を潜り、家へ入れた。


    『貴方は今日からこの部屋で、娘を世話しなさい。
    何かあれば電話して。』


    「はい。奥様。」


    千秋は一通り家の地図と家事、育児の手順を記したメモを渡し、部屋を出た。




    「今日は楽しそうね?何か良いことでもあったの?」

    キングサイズのベッドで一糸纏わぬ姿で千秋は女性と寝ていた。


    『いいえ、ユミに久しぶりに会えて嬉しいだけよ』


    千秋は照れるユミに深いキスをした。


    そのまま、ユミの乳房を柔らかく、時に乳首に軽い刺激を与える。


    「はぁ…はぁ…千秋…もっと…」


    ユミが上眼使いで誘ってくる。


    鎖骨に舌を這い、肩から乳首へゆっくりと撫で回す。

    キツク噛んでみたり、舐めてみたり。


    波のように襲う快感にユミのあそこは疼いていた。


    『相変わらずユミはいやらしいのね。ここ濡れてるよ?』


    千秋はユミのクリに指の腹を優しく乗せた。
    それだけでユミはイキそうだった。


    「やぁ…触ってぇ…。」


    『何処を?』


    「……クリをぉ…」


    『ちゃんと言わなきゃ…触らないわ』


    千秋はクリを指で弾いた。

    「やぁぁん!はぁ…はぁ…クリトリス…ユミのクリトリスを触ってぇ」


    千秋は満足したように、クリトリスを舐めた。
    舌を上下に動かしながら、激しく指を出し入れする。

    ズポッ…ジュル…ピチャ。

    グシュグシュツ…。


    ユミのイヤラシイ音が広い寝室に広がる。


    「ぁああああ。イクー…イッチャウよぉぉー」


    ビクビクっとユミは果てた。

    (携帯)
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▲[ 4600 ] / 返信無し
■4604 / 1階層)  NO TITLE
□投稿者/ かな 一般人(1回)-(2007/09/16(Sun) 22:51:35)
    初めまして!今よんでますよ!
    なんか下がムズムズしてきちゃってます!
    頑張って書いてくださいね!早く先がしりたぁーい!

    (携帯)
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▲[ 4600 ] / 返信無し
■4606 / 1階層)  4話
□投稿者/ 薫 一般人(7回)-(2007/09/16(Sun) 22:56:17)


    子供部屋に残されたドールは、ベビーベッドで寝ている娘を眺めていた。


    時刻は午後2時。
    お昼を食べさせた後らしく机には容器が散らかっていた。


    『楓(かえで)と言うのね。貴方。』


    ドールは楓に話し掛ける。幸せそうに眠る楓をドールは、またしばらく眺めていた。


    『さて…まずは部屋の掃除をしましょうか。』


    ドールはそれから三時間、部屋のありとあらゆる所を掃除し、整頓した。


    時刻は5時。
    夕食の買い出しに行かなければならない。


    これも千秋からのメモに印されていた。


    ドールは千秋の娘の楓を抱き、部屋を出た。
    楓はドールの腕で静かに眠ったままだった。




    『千秋、せっかく会えたのにもう帰るの?』


    ユミは千秋の腕を自分の腕と絡め、食い止める。


    「家政婦に全て任せきりなの。初日でほったらかしは可愛そうでしょ?」


    『ユミは千秋を待ってたのに…。』


    「また来るわ。」


    ユミのおでこにキスをして車のキーを手に取り、ユミの自宅の寝室を出た。


    外は夕日に包まれ、異様な空間を醸し出していた。


    千秋は、あのドールが気になっていた。
    栗色の眼をしたドール。
    容姿は美しいが、心がないような感じ。
    ドールと呼ばれたって本当は人間。意志を持っている。
    もしかしたら、自宅を今頃捜索して金めの物を奪って逃げたかもしれない。
    早く帰らなければ…。
    千秋はまだあのドールが信じられないでいた。

    (携帯)
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▲[ 4600 ] / 返信無し
■4607 / 1階層)  5話
□投稿者/ 薫 一般人(9回)-(2007/09/16(Sun) 22:59:15)
    2007/09/16(Sun) 22:59:44 編集(投稿者)

    買い出しを終えたドールは、楓をベビーベッドに寝かし、おもちゃを与えた。
    二歳ならたくさん歩きたがる。しかし、夕飯を作らなければならないので、囲いを作り、キッチンに入れないようにした。


    今夜の夕飯はシチューにしよう。
    奥様はお気に召すかしら?楓ちゃんの好物リストにはシチューと書かれていたから大丈夫だよね。


    ドールは鼻歌を歌いながら鍋に火を掛ける。


    何年ぶりだろう、こんな楽しい気持ちになるのは。


    奥様は何時にお帰りになるのかしら?


    その時玄関のチャイムがなった。

    ドールは火を止めて駆け足で玄関に飛び込むと、鍵を開けた。


    扉が開くと、千秋が驚いた顔でドールを見ていた。


    『おかえりなさいませ、奥様。早かったですね。』


    「……えぇ。家が心配になって。それより…与えられた仕事はこなしたの?」


    『はい、奥様。掃除、整頓お嬢様の育児などは5時頃終わり、今は夕飯の支度をしていました。』


    「そう。続けて頂戴。」


    千秋はドールの横を擦り抜け、二階へ昇る。


    子供部屋へ入るとベッドの上で遊ぶ楓が居た。


    ただいま。と一言降らし、頭を撫でてやる。
    楓は嬉しいのか、ママー。と甘えて来た。


    「ママー!何処行ってたあ?」


    「お仕事してきたのよぉ。楓はいい子にしてた?」


    「うん!楓、お姉ちゃんとご飯買いに行ったよ!」


    ドールは、言い付け通りこなしていた。


    部屋を荒らした形跡もないし、金庫も無事だった。


    たった500万で、一人の人間が売られているなんて。

    千秋はだんだん、不憫に思えて来たのだった。

    (携帯)
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■4608 / 1階層)  かな様へ
□投稿者/ 薫 一般人(10回)-(2007/09/16(Sun) 23:02:10)

    早速そのような励ましをもらい、誠に嬉しい限りです゜+。:.゜ヽ(*´∀`)ノ゜.:。+゜

    濡れ場の表現が苦手な為、あまり書けませんが、ストーリー重視ということで。

    頑張ります(^-^)

    (携帯)
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▲[ 4600 ] / 返信無し
■4609 / 1階層)  6話
□投稿者/ 薫 一般人(11回)-(2007/09/16(Sun) 23:03:36)

    夕飯は、ドールと楓、千秋で静かに食べた。


    時折、楓が嫌いな物を残したりすると、ドールは優しく躾ていた。


    本当によく出来た子だ。


    何故ここまで出来るのか千秋はドールに聞いてみた。

    『あたしは、その為に生まれて来たので、理由はありません。奥様に従い、尽くすのが生き甲斐です。』


    「家族はいないの?」


    『当の昔に亡くなりました。今はオーナーだけが身内と呼べます。』


    「レンタルって聞いたけど期間はいつまで?良かったらずっと、ここにいない?」


    『期間は、二年です。それ以降のレンタルは追加料金が必要です。』


    二年…。
    その間は私の人形…。


    「夕食が終わったら、楓を寝かし付けて私の部屋に来なさい。」


    千秋は食べかけの食事を置き立ち上がった。


    ドールはただ、はいと返事をした。
    その眼はとても寂しそうだった。



    夕飯の後片付けを済ませ、早々に楓を寝かし付けたドールは千秋のいる寝室へ向かった。


    コンコン。
    ドアをノックすると千秋が入室の許可を出した。
    千秋の部屋は12畳程ある広い部屋。の割にベッドとテレビ、ソファー、テーブル。それ以外何もなかった。

    『御用件は何でございますか?奥様。』


    「貴方の名前聞いてなかったわね。」


    『名前はございません。お好きなようにお呼び下さい。』


    栗色の眼が濁っているような、悲しい顔をしていた。

    「そう…じゃあ…アカネ。そう呼ぶわ。」


    その途端、ドールは眼を大きく見開き、すぐに笑顔を見せた。


    『奥様が初めてです。名前を付けてくれた方は。』


    アカネは、少し光りが射したような明るい表情を千秋に見せた。


    「アカネ…隣にいらっしゃい。」


    アカネはおずおずと、ベッドに上がる。


    元々着ていたメイド服は、少し汚れていた。

    (携帯)
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■4611 / 1階層)  NO TITLE
□投稿者/ かな 一般人(2回)-(2007/09/16(Sun) 23:06:52)
    想像するだけでビチャビチャです(>_<)展開がたのしみです。

    (携帯)
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▲[ 4600 ] / 返信無し
■4610 / 1階層)  7話
□投稿者/ 薫 一般人(12回)-(2007/09/16(Sun) 23:05:19)

    「明日からは、子供部屋とこの部屋だけを掃除しなさい。」


    アカネは不思議そうに聞いていたがすぐ了解した。


    「それと…夜は必ず私の部屋に来ること。私がアカネを教育してあげる。この家に相応しい家政婦として。」


    『はい。奥様。』


    千秋はそう言い終えると、アカネにキスをした。
    アカネは突然で体が硬直していた。


    千秋は優しくアカネを寝かせると、メイド服の上から優しく胸をしだいた。


    『やぁ…ぁぁ奥様ぁ?』


    「いやかしら?」


    『ぃぇ…奥様が望むならぁぁ。』


    「そうではなくて、アカネはしてほしいと心から思う?」


    『分かりません…でも、幸せですぅぅ』


    千秋は左手で胸をまさぐり、乳首を人差し指と中指で摘む。


    その度にアカネは眼に涙を溜めて感じていた。
    右手で足をまさぐり、徐々にパンティーに近づく。
    蜜壷をパンティーの上から擦る。上下にゆっくりと。次第に激しく。


    『はぁぁん…はぁはぁはぁ。んーんーんー。』


    アカネの腰は揺れて、自ら指を求める。
    もう下着の役目を果たしていないくらい、グショグショになっていた。


    「アカネ…濡れすぎ…いやらしいメイドね?」


    『奥様ぁぁー駄目ですぅ。壊れてぇ…しまぃぃそぅですぅぅ』

    (携帯)
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▲[ 4600 ] / 返信無し
■4612 / 1階層)  8話
□投稿者/ 薫 一般人(13回)-(2007/09/16(Sun) 23:07:11)

    「壊れていいのよ。」

    『はぁぁぁん、イヤで…す…使えなくなるぅ』


    「何が?」


    『奥様ぁにぃ捨てられてしまぃますぅ。』


    「捨てないわよ、安心して乱れなさい。ほらっ」


    千秋はアカネの下着を下ろし、焦らしていた蜜壷に指を一本入れた。


    ヌプッ…ピチャピチャ…。


    「こんなにいやらしい音が鳴っているね。」


    『やぁぁ…ぁぁああああ。』


    ジュブジュブ…グチュグチュグシャ

    淫らな音が部屋に響き、アカネの聴覚を刺激する。


    『はぅぅぅ…はぁ…はぁ…』


    千秋は一気に指を二本に増やし、高速で動かしてやった。


    『あっあっああああーん』

    プシャー…


    アカネのそこからは大量の潮が吹いた。


    「気持ち良かった?」


    『はぃ…何か恥ずかしいです。』


    「女の人は初めて?」


    『前に一度ありましたが、私を気持ち良くさせてくれたのは奥様だけです。』


    『それに…』


    アカネは一瞬を間を置き


    『こんなに幸せな気持ちになれたのは初めてです。たくさんの人に抱かれましたが、何も感じなかったし。』


    「もう怯えなくていいのよ?私はアカネを捨てないわよ」


    『奥様…。ありがとうございます。』


    千秋はアカネの頭を撫でてやり、また深いキスをした。
    アカネもそれに答えるように舌を絡める。


    ガチャ。


    『ママートイレしたいー。』


    寝室の扉が勢いよく開き、アカネと千秋はすぐに離れアカネはシーツを被った。

    「じゃあトイレ行こうね」

    千秋が楓の手を引き、寝室を出る。


    一人残った寝室に、アカネは幸せと満足感でいっぱいだった。
    ゛これから二年間、奥様の元に居られる。゛



    貴方の、要望を何でも叶えてくれます。
    法律に触れる事以外は、貴方の思いのままに扱えます。



    貴方も人形(ドール)を借りますか?



    fin.

    (携帯)
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▲[ 4600 ] / 返信無し
■4613 / 1階層)  貸出人形館のあとがき
□投稿者/ 薫 一般人(14回)-(2007/09/16(Sun) 23:12:47)
    今回は短編的作品なんで短めに書きました。

    長いと、やはり矛盾とか出て来ますしね(;^_^A

    この作品は読み切りですが、要望が強ければ、番外編、続編と書いてみます。


    もちろん他の作品も現在思案中です。


    感想が励みになりますので今後ともよろしくお願いします。 (感想を催促しているわけではないので、あしからず)

    (携帯)
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▲[ 4600 ] / 返信無し
■4615 / 1階層)  NO TITLE
□投稿者/ かな 一般人(3回)-(2007/09/16(Sun) 23:15:11)
    すごくよかったです。私も今読みながらオナしてて潮吹いちゃいましたぁ。
    続編、新しい作品期待してます!

    (携帯)
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▲[ 4600 ] / 返信無し
■4614 / 1階層)  かな様へ→その2
□投稿者/ 薫 一般人(15回)-(2007/09/16(Sun) 23:15:09)
    想像が豊かですね(笑)


    しかしながら、自分の作品は濡れ場がイマイチだし、短いしで、物足りないかもしれませんけど(笑)


    感想ありがとうございますm(__)m

    (携帯)
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■4616 / 1階層)  感想
□投稿者/ LIGHT 一般人(13回)-(2007/09/17(Mon) 03:29:27)
    薫さん!
    どうも、LIGHTです(笑)

    執筆、再開されたんですね。うーん!嬉しいな!

    早速読ませて頂きました。
    あまり人の作品は読まないようにしてるんですが(影響されやすいので笑)、
    せっかくですから、ね(◎*´凵`*))

    描写がしっかりしていますね。LIGHTとは大違いです(笑)
    場面を鮮明に想像出来ました。文章の雰囲気が、すごく好きです。

    これからも、執筆頑張ってください。
    陰ながらですが、応援しています☆

    (携帯)
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■4617 / 1階層)  LIGHT様へ
□投稿者/ 薫 一般人(16回)-(2007/09/17(Mon) 08:22:49)
    2007/09/17(Mon) 11:34:54 編集(投稿者)

    ありがとうございます(´∀`)読んで頂けて褒めてくださって。(笑)


    まだまだ書き方は荒いですが、様々な書き方をしていくので、またお願いしますね。お互い頑張りましょうね(。-∀-)♪

    (携帯)
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■4619 / 1階層)  悪魔な王子様
□投稿者/ 薫 一般人(17回)-(2007/09/19(Wed) 11:37:45)

    それは偶然にしては


    出来た話だと


    後になって気付きました。

    アイツはやっぱり悪魔の子です。


    (今回、一人称が僕と表記される人物がいますが、♀なんで、ご理解下さい。)

    (携帯)
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■4620 / 1階層)  1話
□投稿者/ 薫 一般人(18回)-(2007/09/19(Wed) 11:39:18)
    あたしの住んでる所は、
    かなり平凡で田舎だった。団地に住むあたしは、ご近所さんとは仲が良く、田舎特有の“おすそわけ”
    なんてしょっちゅうで、
    野菜やら果物やら何でも
    交換したり。

    それはそれで、たくさん
    おいしいものを食べられるから、あたし的には満足なんだけど…。

    田舎なだけあって、人口も少ない。

    総人口は多いのだけれど、ビアン人口ってこと。

    出会い系なんて見たって
    あたしの県の人の投稿なんて、たまにしか見つからない。

    華の女子高生が、恋をしていないのはマズイですよ。

    絶対に。


    石川姫乃(16)
    県内の公立高校に、この春入学しました♪
    高校だけでも、華やかに…あたしの希望を託して、県で最も栄えている市内の高校を選びました。
    市内なら、あたしの住んでいる地域より、ビアンの子は居なくても、可愛いノンケがいるはず!!

    とにかく片思いがしたい、姫乃でーした♪…っと。



    (何だ、このイモクラス)

    四月当初、初めて教室に踏み入れた時の感想。


    市内=華やか=可愛い子いっぱい


    …の法則は、もろくも崩れたのでした。


    最悪ー(T-T)


    何で、月並みな子ばっかりなわけ?


    てか普通に可愛い感じでいいんだよ?高望みなんてしてないし、ストライクゾーンは広いほうだし…。


    けど、これはないだろう(笑)



    教室では、騒いでる馬鹿な男子も、おしゃべりな女子の姿もなかった。


    皆参考書片手に、ペンをしきりに動かす。


    校則通りに着こなされた制服、頭髪。


    (前髪が眉毛より上だし)

    あたしは、とんでもないクラスに選ばれてしまった。

    (携帯)
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■4621 / 1階層)  2話
□投稿者/ 薫 一般人(19回)-(2007/09/19(Wed) 11:40:55)

    六月。


    クラスに馴染めず、仕方なしに、1番ちゃらけてそうなサキとあたしは毎日つるんでいる。


    サキ以外は休み時間だろうが、昼休みの昼食時間でも片手は参考書だった。


    『まぢやばくないですか?このクラス。』


    『あたしらが、頭良すぎたんだから仕方ない。恨むなら馬鹿になれってこと。』

    サキがしれっと言う。

    これがあたしとサキの初会話。

    席が前後だったのもあって、あたしたちは仲良くなった。


    『あー憂鬱ー。』


    あくびをしながら、お弁当の、たこさんウィンナーを頬張る。


    あたしが入学してから何回目の台詞だろうか。


    『また言った。あんたが、この学校選んだんじゃん。言っとくけど、ここ進学校だからね?』


    『知ってマース。聞きました〜』


    『大体何でここ選んだの?』


    『進路の先生に、市内で1番華やかな所に建っている学校何処ですか?って聞いたらここって言ったから。』


    『何それ!?そんな変な動機で、入学出来たの?あんた、周りのやつに殺されるよ?』


    確かに、あたしの動機は不純ですよ。


    後で知ったのだけれど、この学校、ちょっとやそっとじゃ入学出来ないくらい、レベル高いらしくて…。


    裏口入学なんかも噂されてるんだよねーあたし(笑)

    失礼だけど実力だから(怒)


    それにしても…出会いないなー。


    つまんない。何の為に、二時間かけて通学してるのやら。


    あたしはこの時、すごく憂鬱で、危うく中退しそうだった。
    アイツが現れなかったら、間違いなくあたしは中卒だったなー。

    (携帯)
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■4622 / 1階層)  3話
□投稿者/ 薫 一般人(20回)-(2007/09/19(Wed) 11:42:56)

    六月中旬にそれは突然現れた。


    「自己紹介しなさい。」


    『壱川空(イチカワ・ソラ)』


    名前だけをぶっきらぼうに言い放ち、空いた席に座る。それがまた、偶然にもあたしの隣だったり。


    オーラ的にはパンク系っていうか、髪の毛は若干茶髪混じりでハードワックスでタテられた細い髪の毛。
    襟足だけが、やたら長い。前髪はアシメで。


    …王子様…
    第一印象だった。



    こんなイモッコロだらけの教室に、華が咲いた。
    凜としていて、切れ長の目がクールな感じで。


    本当に女の子ですか?
    って言いたくなる中性的な顔立ち。


    少女漫画を読みあさり、恋に恋していたあたしにとってはまさに理想!!



    『何ですか?』


    頭の中を妄想が埋めつくしていたさなかに、冷たい声が刺さった。


    あたしは、気付けば体ごと、壱川空の方を向いていた。


    『いや、何でもないです。あっ…よろしくね?』


    あたしは恥ずかしさでいっぱいで、どうにかしようと話しかけた。


    『よろしくする気ないけど?』


    壱川空はそう言った。


    教卓の向こうでは先生が、授業の始まりを告げた。




    『かわいそーな姫乃ちゃん♪』


    昼休み、サキは今まで見たことのないくらい笑顔だった。


    そんなにあたしの不幸が楽しいか!!


    『謎の転校生登場だね』


    『何だ?あの態度!何が、よろしくする気ないけど?だよー!』


    お弁当の卵焼きを箸で刺して頬張る。


    『だいひゃいしゃー、とほぉだひぃつくりゅきなひんかねぇー』


    『食うか話すかどっちかにしなよ』


    『ごくっ。』


    『確かに、初対面にして厳しい一言だった。ある意味パンクだわ♪』


    そうだねー見た目も中身も悪そうだしぃー。


    あたしの中では、壱川空は不良少女に位置付けられた。


    全然王子様じゃない!!(T-T)


    『アイツは悪魔だぁー!』


    あたしの学校生活がこれから劇的に変わる事をあたしはまだ知らない。

    (携帯)
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■4623 / 1階層)  4話
□投稿者/ 薫 一般人(21回)-(2007/09/19(Wed) 11:43:57)


    悪魔が転校してきてから二日目。


    あたし以外にも、クラスの女子や男子は壱川空に話しかけていた。


    どーせ、冷たくあしらわれるだけなのに。


    あたしは横目でその様子を眺めていた。



    「壱川さんは何で転校して来たの?」


    『父親の転勤で。こっちの地理、いまひとつ分からないから今度教えて?』


    あり?


    「じゃあ大変だなー!俺が校内案内してあげよう!」

    『ありがとう、助かるよ』

    ありり?


    何だ、今の態度。


    昨日のあたしに取った行動とはまるで正反対。


    目には優しさが溢れ、口調ハスキーな声だけど柔らかい。


    あたし、嫌われてる??


    『どーおもうぅー?』


    サキにあたしはすぐに相談した。


    『嫌われたんじゃない?』

    『サキぢゃーん(T-T)』


    『やっぱ体ごと向けてあんなに見られたら、気分悪くなるっしょ?』


    そうか…やはりそれが原因か!?


    せっかく現れた華だもん!友達レベルにはなりたいもんね。


    あたしは、次の時間に謝る事を決意した。


    4時間目、幸いにも、数学の先生がお休みで自習だった。


    自習とはいえ、皆やっぱり真面目にプリントを取り組んでる。


    あたしは壱川空に謝ることで頭がいっぱいではかどらない。


    4時間目中盤に差し掛かった所で、答え合わせの為に多少クラスがざわつく。


    今なら会話を聞かれないだろう!!


    あたしは、隣に座る壱川空に話しかけた。


    『あのさ…こないだは、そのごめんね。』


    『何が?』


    またあの冷たい目があたしに向けられる。


    『いや、昨日あたし無意識に壱川さんのこと、まじまじと見ちゃってて?』


    しばらく、壱川空はその冷たい目であたしを見ていた。


    (負けるな!あたし!)


    『あー…あれ。気にしてないけど?』


    嘘だぁ。じゃなきゃあたしにあんな態度取るわけないじゃん。


    言いたいけど言えない。


    『そう?なら良かったぁ』

    『気にしてたの?』


    『えっ??』


    『態度。気になった?』


    『あっ、うん!あたしにだけ冷たいから、てっきり嫌われたかと…』


    『そか。まぁそれはないから安心しなよ。』


    『うん』


    かなーり偉そうな言い方。何だコイツ。
    超感じ悪い。


    『もういーや。』


    『諦めるの?王子様と仲直り作戦。』


    『あんなん王子様じゃなーい!悪魔だ悪魔。』


    放課後、あたしとサキは図書室で、来週までに読書感想分を提出しなければならない為に、その題材になる本を探していた。


    『あんたが王子様ってゆったんじゃん(笑)大体女の子だしね』


    『細かいこと言わないの!とにかく悪魔なんだからー。聞いたでしょ!あたしに対する壱川空の言葉!』



    『僕が何だって?』


    その時のあたしの心境は、雪女に見つかって凍らされた村人Aのような感じでした。

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■4624 / 1階層)  5話
□投稿者/ 薫 一般人(22回)-(2007/09/19(Wed) 11:44:50)

    『壱川空!』


    『呼び捨てですか?姫乃さん。』


    悪魔は、高いところにある本を取るためにある、長いはしごにまたがっていた。

    『じゃあ〜あたしは失礼するね?姫乃ごゆっくり♪』

    サキはそう言って図書室を出た。


    『あらら…置いてかれたね(笑)』


    初めてあたしに向かって笑う壱川空。


    その笑いはクールで、やっぱり悪魔にしか見えなかった。


    『姫乃さん、僕の事悪魔だなんて言ってたんだね?ひどいなー。』


    『ひどいのはどっちよ?あたしには冷たい態度だし』

    『気に食わない?』


    『気に食わない!!』


    『ふーん。僕に好かれたいの?』


    『はぁ!?』


    この悪魔は何言ってるんだ?


    『だって、興味のない人間に好かれたいだなんて思わないでしょ?あんなに必死に謝ってたくらいだからてっきり。』


    悪魔の言ってる事は八割当たってる。
    確かに容姿端麗で、一目惚れしたけど…。


    そんなの、ノンケなんかに言えるわけない!!


    『姫乃さん、僕が好きでしょ?』


    はしごから、勢いよく飛び降りた壱川空は、じりじりとあたしに近づいてくる。

    あたしは無意識に後退りして、すぐに背中に本棚を感じた。


    『自意識過剰なんて止めてよね。』


    『そうかなぁ〜?両想いだと思ったんだけどな』


    はぁ???両想い??



    『姫乃さん分かりやすい』

    顔が真っ赤なあたしに壱川空は顎を掴む。


    『下僕決定(ハァト)』


    『はぁぁぁーっ!?』


    『明日から駅で待ち合わせな。遅刻するなよ。7時半までにこい。』


    『何であたしがあんたの命令聞かなきゃならないのよ!』


    『好きなんでしょ?僕の事。愛してあげるよ』


    既に壱川空の右手は本棚に寄り掛かり、左手は未だに顎にかけていた。

    その瞬間、壱川空はあたしにキスをした。



    !?


    目を見開くあたしに、数秒キスをして離れた。


    『もしかして、ファーストキスだった?』


    図星ですよ。顔赤いですが何か?


    『明日からは、もっと楽しい事してあげるよ』


    耳元で囁く悪魔の声に、あたしのあそこはかなり潤っていた。

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■4625 / 1階層)  6話
□投稿者/ 薫 一般人(23回)-(2007/09/19(Wed) 11:46:47)

    次の日。


    約束通りの時刻。
    あたしはいつもより一時間早く電車に乗り、市内の駅に着いた。


    (何であたし…命令聞いてるんだろう。)


    理由は誰よりも下の口が知っていた。


    『明日からは、もっと楽しい事してあげるよ』


    壱川空の言葉があたしの胸に響く。低い声がやけに気持ち良くて…。


    『ちゃんと来てくれたんだぁ?嬉しいな。』


    振り向くと、今日も悪魔の笑いを浮かべた壱川空が居た。


    『来てって言ったのはあんたじゃん!』


    『うん。とりあえずお前言葉使いから指導だな!』



    『これから、僕の事は空さんか、空様ね?出来る?』

    『何であんたに様なんて言わなきゃなんないわけ?』

    『姫乃…出来るよね?』


    反論するあたしに、空は耳元で怖く問い掛ける。
    背筋がゾクリとするくらいに寒い。
    あたしは頷き、空を見た。

    『いい子だ♪姫乃は僕に忠実でなければならないよ。返事は、はいと答えなきゃだからね。』


    『はい…』


    『まずは初日だから…楽しく会話しながら登校しよっか。』


    あたしと空は手を繋ぎ、歩を進めた。
    一時間早い登校時間に、周りの生徒は誰も居なかった。


    『姫乃は、どんな音楽を聴くの?』


    『邦楽とかかな?』


    その時、右乳首に電撃が走った。


    『イタッ!』


    『ダメじゃん、敬語使わなきゃ。下僕でしょ?』


    『……はい。』


    摘まれた乳首はジンジンと甘い痛みを残す。
    その後も何回か敬語に慣れていない、あたしを空は虐めた。


    学校に着く頃にはへとへとで、あたしは下半身に疼きを覚えた。


    『姫乃、こんなんじゃ明日から大変だなー?』


    『うぅ……』


    『調教されて感じてるんでしょ?』


    『なっっっ!!』


    あたしは顔が赤くなる。


    『さっ、教室に着くよ』


    その後のあたしたちは、
    周りにバレないように、昨日と同じような態度で互いに口も開かなかった。


    昼食。


    『姫乃〜昨日あのあとどうだった?』


    『裏切り者に話す事はありません』


    『だーかーらーごめんってば!』


    サキは手を合わせて謝った。
    あたしは笑いながら、昨日は何もなかったと嘘をついた。
    秘密の調教を邪魔されたくなかったからだった。


    それから毎日、朝一時間早い登校を繰り返した。

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■4626 / 1階層)  7話
□投稿者/ 薫 一般人(24回)-(2007/09/19(Wed) 11:48:50)

    そんなある日。


    『姫乃さん、借りていいかな?』


    昼食の時に、空があたしたちの席にやってきた。


    サキはあたしをいけにえのように空に差し出した。


    空に連れて来られた場所は三階の女子トイレだった。

    三階は実習室ばかりで、普段生徒がこのトイレを利用することはなかった。


    『どうしたんですか?こんな所に呼び出して。』


    『昨日届いたおもちゃの使用テスト♪姫乃、下着取りなさい』


    えっ…おもちゃって…。


    あたしは不安になりながらも、空の言いなりでした。

    『脱ぎました…空様。』


    『綺麗だな…姫乃のおっぱい』


    小さな個室トイレの中で制服のシャツを開け、ブラジャーを付けていないその姿をマジマジと見られてあたしはすっっごく恥ずかしくて…


    『空様…恥ずかしいです』

    ……ピチャ……


    『はぁん!』


    突然空があたしの乳首を舐める。背中には空の右手が支えており、左手をあたしの肩に置いた。


    『静かに…誰か来たらどうする?バレちゃうよ?』


    空の囁きにまたあたしは感じていた。誰かに聞かれたらという羞恥心が、一層体を敏感にする。


    ……チュパペロピチャピチャ……

    執拗にあたしの両方の乳首を交互に嘗めていく。



    『乳首いやらしいくらいに立ってる。可愛い。。』


    空はたまにキュッと乳首を摘んだり、ねじったりする。甘い甘い刺激を与えられ、我慢が出来なくなった。


    『空様…あたし…』


    『なーに?』


    『下が限界で…す。』


    『下って何?ちゃんと言えないの?』


    空はあたしの乳首を思いきりつねる。


    『ぁああん!おまんこ…触ってください…』


    『よく言えたね、そんな恥ずかしい事』


    空の煽る言葉にあそこがじわりと濡らす。


    『本当、濡れまくりだなぁこの淫乱』


    空があたしの何も付けていない、そこへと指を這わせる。
    濡れていてクリトリスの上を指が滑る。そのわずかな振動でさえ、あたしは立っていられなくなる程感じていた。


    『ふぅんんん…はぁはぁ』

    『もういいかな』


    そういって、制服のポケットから、バイブを取り出す空。
    卑猥な形のそれは、あたしの口に入れられた。


    『ぁぁあああーいやーふぅんんんーひゃあああああ。』


    振動を強にされて更に喘いでしまう。
    外に聞こえてしまうことすら忘れて。


    空は楽しそうに奥へと突く。


    …グシュニチャグシュグシュ…


    狭い個室トイレの中はあたしのイヤラシイ匂いで溢れ返っていた。


    『姫乃イッて?』


    空が深いキスをする。舌を絡めているのに夢中なあたしに容赦なく、バイブを抜き差しする。


    『ふぐぐぐぅー』


    息の出来ないあたし、苦しくて、でも体は感じていた。


    間もなくあたしはイッてしまった。



    『テスト結果は、合格だな。買って正解だったよ』


    『はぁはぁ…恥ずかしかったんですけど?』


    『それが狙いだけど?』


    『んんん。』


    『姫乃可愛い。愛してるよ。だからもう一回しようね』


    『え!?いや体力の限界が…』


    『僕に逆らうの?』


    逆らえるわけないじゃん。あんたは悪魔なんだから。

    でもこんな悪魔なら魂持って行かれてもいいかも。


    こうしてあたしの高校生活は、壱川空によって淫乱に乱れていくのでした…。


    fin

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■4627 / 1階層)  悪魔な王子様あとがき
□投稿者/ 薫 一般人(25回)-(2007/09/19(Wed) 11:55:21)
    2007/09/19(Wed) 12:25:22 編集(投稿者)

    学校ものだけど、女子校じゃないが、コンセプトです。

    空はツンデレ風キャラにしてみました。

    好きな人に攻められて従うしかない姫乃。

    短編なんで短いですが、楽しんで頂けたら幸いです。

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■4630 / 1階層)  感想
□投稿者/ さゃ 一般人(1回)-(2007/09/22(Sat) 02:54:49)
    とてもよくまとまっていておもしろぃのにエロくてよかったです。

    また読みたいので頑張って下さい。

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■4631 / 1階層)  さゃ様へ
□投稿者/ 薫 一般人(26回)-(2007/09/22(Sat) 14:13:50)
    感想ありがとうございます(^-^)

    おもしろいと言って頂けて嬉しいです(笑)


    次回作も考案してみます。

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■4632 / 1階層)  Ghost Band
□投稿者/ 薫 一般人(27回)-(2007/09/24(Mon) 22:54:19)
    2007/09/24(Mon) 23:09:00 編集(投稿者)


    季節は秋。
    今年の秋は例年より、暑さが長くて9月だと言うのに昼間は30℃を越していた。

    このまま温暖化が続けば、冬は段々短くなるのだろうか。


    長袖から半分出る白い手が好きな、あたしにとっては不愉快だ。


    秋と言えば食欲・芸術・スポーツと、何かを始めたくなる季節だ。


    そんなあたしも、この秋にバンドを組んだ。


    前々からベースを持っていたのだが、個人的に練習するだけで、セッションをしたことがなかった。


    そんなあたしを見込んでバンドに誘ってくれたのが、親友のユキ。


    中学からずっと一緒で何でも話して来た。
    もちろん、あたしが同性愛者なのもカミングアウト済みだ。
    驚きはしていたが、嫌悪感はなかったと、話してくれた。


    そんなあたしたちも、今年で二十歳。


    なんだかんだで成人してしまった。
    中身は相変わらず高校時代のままなのに。


    月日が流れるのは早い。
    今のあたしは、もっと時間が遅く流れて欲しいと願っていた。
    一日48時間くらいは欲しかった。




    (注意)この物語に出て来るバンドはガールズバンドです。


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■4633 / 1階層)  1話
□投稿者/ 薫 一般人(28回)-(2007/09/24(Mon) 22:56:42)


    『くだらねぇこと思ってないで練習しろっチビ。』


    あたしの頭を楽譜の角で小突く。


    「いだ…」


    そんな奴はあいつしかいない。


    同じバンドメンバーの、リーダー兼ボーカル。


    アキラ(22)


    その容姿は自他共に認める美しさ。
    歌唱力も人より勝っていて、ユキに誘われて入ったらしい。
    皆、アキラを尊敬していた。


    「くだらなくないし。本気だもん」


    『だから、お前はいつまでも下手なんだよ。時間があれば上手くなれると思ってんだろ?』


    「そっ…んなことねぇー!!」


    『まぁまぁ、アキラも許してやってよ!瑞穂も反発しないでな?』


    あたしたちの喧嘩を止めてくれるのは、最年長の、影のリーダー。


    ヒカル(25)


    ギターがマジうまくて、流石長いことやってるだけある。


    ライブの出演とか製作とかヒカルに任せっきりだ。


    『瑞穂、アキラ、ヒカル!お待たせー。』


    スタジオの扉が思いきり開かれ、勢いよく現れたユキ。手には缶ビールが四本握られていた。


    『待ってましたー!』


    アキラはユキからビールを受け取り、タブを起こす。

    プシッ。


    ゴクゴク。


    『ぷはぁーうめぇ♪』


    「『おっさん』」


    三人が口を揃えてアキラに言う。


    週一で、スタジオを借りてあたしたちは練習する。


    あたしは、青春を改めて謳歌しているなって嬉しかった。

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■4634 / 1階層)  2話
□投稿者/ 薫 一般人(30回)-(2007/09/24(Mon) 22:59:18)


    『ライブ決まりました。』

    ヒカルが唐突に言う。


    「本当に?」


    『嬉しくない?』


    「複雑だなー。」


    『チビ、何でだよ?』


    「……」


    バイト終わりに、電話でヒカルに呼び出され喫茶店で落ち合ったあたしに、告げられた報告。


    『瑞穂ねぇー恥ずかしがりやなんだよねー』


    カフェオレに刺さるストローを回しながらユキが答える。



    『マジ?』


    ヒカルが笑いそうな顔で聞く。


    『ダセー。』


    アキラが半笑い、ってか既に笑って言う。


    「うるさい!」


    その瞬間三人は大笑い。
    たちまちあたしは顔が赤くなる。


    『瑞穂カワイイ』


    ヒカルが頭を撫でる。
    アキラが頬をつつく。
    ユキが笑う。


    その空間が大好きで。


    ずっと続くと思ってた。




    ライブを行うと告げられてから、練習は一層ハードで、大学生なあたしは両立が難しかった。それはユキも同じで、弱音などはけなかった。


    アキラはプロになる為にフリーターだし、ヒカルはOLだから、夕方定時終わり。

    練習は必然的に夜になっていた。

    (携帯)
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■4635 / 1階層)  3話
□投稿者/ 薫 一般人(31回)-(2007/09/24(Mon) 23:01:04)

    ライブ三日前。


    『瑞穂…話しがある』


    ヒカルが練習終わりに呼び止める。


    ユキとアキラは空気を察知してスタジオを出た。


    あたしはヒカルが何を話したいのか見当もつかなかったんだ。



    「どうしたの?急に。」


    ヒカルが今までに見せた事のないくらい真剣な表情だった。


    『あのさ…瑞穂。』


    生唾をゴクンと飲む。


    暫くの間の後ヒカルは口を開いた。


    『前から言おうと思ってたんだけどさ、うち…瑞穂の事が気になってた。』


    !?



    ヒカル??


    いきなり何を言っているんだぁ?ライブ三日前に言うなんて、メンバー混乱するじゃん!!


    てか席外したってことは二人は知ってるのか!


    混乱してるのはあたしだけじゃーん!!


    「えっ……あの……ヒカル?あたし…」


    『瑞穂、落ち着いて聞いてくれ』


    「いや…その…あたし…ヒカルとは…うん…」






    『瑞穂……お前の…肩に前々から居るんだよ』



    「はぃ?」


    『ずっと気になってたんだけど、瑞穂ホラー嫌いじゃん?でも我慢出来ないから……そこの霊と話しさせてくんないかな?』



    …ゾワワワワ…


    そんな効果音がお似合い。あたしの全身に鳥肌が立つ。


    それは突然の告白。
    でも愛を囁くわけではなくて…
    霊の存在を指摘する恐ろしい告白でした。



    「いやぁぁああああああ」

    (携帯)
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■4636 / 1階層)  4話
□投稿者/ 薫 一般人(32回)-(2007/09/24(Mon) 23:03:27)


    気がつけばあたしは、ふかふかな感触に包まれていた。


    とうとうあたしは天国か。きっと世界で1番嫌いな幽霊があたしに取り付いているなんて言われたから…。ショック死かな…阿保みたいな死に方だったなー。
    せめて遺言書書いとけば良かったなあ。


    「ヒカルのばかぁあああ」

    『ごめんなぁ瑞穂。』


    あれ?ここは天国じゃないの?


    横目で確認すると、ヒカルが苦笑いで謝っていた。


    『やっと目覚めたね』


    頭を撫でられて実感する。

    あたしは生きていた。


    ヒカルは倒れた後の事を話してくれた。


    『まさか倒れるなんて思わなくてさ…うちが自宅まで運んだんだよ。スタジオから近かったから』


    壁に掛かる時計を見ると、時刻は朝の5時。


    練習が終わったのは、夜12時過ぎだから…。


    「ごめん!ヒカル。あたしかなり寝てたね!」


    慌てるあたしに、ヒカルは笑顔で大丈夫。と返した。

    『とはいえ、寝てないのはやばいから寝るな。仕事9時からだし、7時まで。瑞穂も講義遅いでしょ?』


    「うん。昼から…」


    『じゃータイマーセットしてっと。おやすみ』


    ヒカルはあたしが寝ているベッドに入り込み添い寝状態になってしまった。


    壁際に押しやられたあたしは出るに出れず、体は硬直してしまった。


    アキラ程ではないが、ヒカルも年齢の割に若く見られるし、顔立ちもはっきりとしていて綺麗だった。
    アキラみたくガキ臭くないし、いつも冷静なヒカル。

    (睫毛長い…)


    閉じる瞳から覗かせる。
    吸い込まれそう。
    あたしは、メンバーにも関わらず、鼓動が高鳴っていた。

    (携帯)
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■4637 / 1階層)  5話
□投稿者/ 薫 一般人(33回)-(2007/09/24(Mon) 23:05:56)


    …ジリリリリ…


    結局あの後一度も寝れずに7時を迎えた。
    携帯のアラームが鳴っているのに起きる気配のないヒカル。

    きっとあたしが寝ている間起きてて疲れてしまっているんだ。

    あたしは心で詫びながらヒカルを揺らす。


    「起きて…ヒカル」


    まるで端から見ればカップルに見えるのだろうか。


    眠い目を擦りながら、ヒカルはベッドで寝返りを打ち仰向けになる。


    うっすら開いた目であたしを見ると、最悪な一言を発した。



    『おはよう、マイク』





    朝の静かな時間。
    外は鳥たちが鳴き
    秋の朝を感じるかのように肌寒い。
    しかし、あたしの寒さは季節によるものなんかじゃない!



    「ヒカルのばかぁあああ」

    昨日から二度目の叫び。


    『つい…見えるとね?』


    悪戯に笑うヒカルは可愛くて憎めない。
    けどやっぱり怖い。
    しかもマイクって…外人かい!!


    「お祓いしてよー」


    洗面所で歯を磨くヒカルにあたしが、後ろから声をかける。


    『うちにお祓いなんて出来ないよ』


    「そんなー」


    ガックシ。


    今のあたしの効果音。
    膝から崩れ落ちる。
    じゃあ、あたしは得体の知らないマイクを肩に乗せて生きなきゃなんないわけー!?

    (携帯)
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■4638 / 1階層)  6話
□投稿者/ 薫 一般人(34回)-(2007/09/24(Mon) 23:07:03)


    『楽しいんじゃね?』


    アキラがハンバーガーを頬張りながら言う。


    ヒカルの自宅を出て、ヒカルは会社へ向かい、あたしは大学に向かうはずだった。


    「楽しくないし!」


    『いいじゃん、マイクと仲良くすれば。なー?マイク!』


    霊感のない、アキラはあたしの肩にわざと視線を移し問い掛ける。


    来るんじゃなかった。
    憂鬱な気分で講義を受ける気分ではなかったあたしは、大学をサボり寝ているアキラを呼び出した。


    今日はバイトがないから、ゆっくり寝れたのに。と文句を言うアキラにあたしはハンバーガーを買ってあげたのだ。


    「とにかく!あたしこんなんじゃ練習にも集中出来ないよ!」


    アキラに涙目で訴えて見る。


    が、無駄だった。


    『マイクをボーカルに加入して、ツインボーカルでやろっか♪』


    この脳天気女は。


    「もういー」


    あたしは立ち上がりファーストフード店から出た。
    アキラもすぐに追い掛けてきた。


    「こないでー」


    『どこ行くんだよ!』


    「家帰る。」


    『家族いないのに?』


    「一人暮らしなんだから最初からいないし。」


    『だから…マイクと二人きりで過ごすの?』


    あたしの足がピタリと止まった。
    マイクと二人きり?


    それだけは嫌!!


    「シャワー浴びたいのに。。」


    『俺んち来ます?』

    (携帯)
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■4641 / 1階層)  7話
□投稿者/ 薫 一般人(35回)-(2007/09/27(Thu) 17:26:46)


    アキラの家は、市内の中でも1番高いマンション。
    家賃もマンション自体も。

    アキラはエレベーターに乗り込み、9というパネルを押す。


    『家族だれもいないから。』


    フリーターの癖に、ここに住めるんだから、実家はお金持ちなんだろうなって思った。


    『入って』


    生活感のない、四角い部屋には、テレビとベッドとステレオ。


    ベッド周辺には二冊音楽雑誌が落ちていた。


    「意外にきれーい」


    『A型ですから』


    古いギャグをかますアキラを軽く無視して、あたしは浴室を覗く。


    『ちょ…勝手に見るなよー』


    浴室もあたしのマンションより広くて羨ましかった。

    『バスタオル置いとくぞ。服俺の貸すし。』



    見とれていたあたしにそう告げて、洗面所を出る。


    お言葉に甘えてあたしは、シャワーを浴びた。
    アキラの気遣いと、この部屋の広さに気を取られ、すっかりマイクの存在なんて忘れていた。



    「気持ちかったぁ♪」


    シャワーを終えて、部屋に戻る。
    アキラは誰かと電話していた。
    あたしは適当に床に座り、バスタオルで、ぐしゃぐしゃと頭を拭く。


    『じゃあ待ってる』


    アキラは携帯を切りあたしを見た。


    『ユキから。大学休むなら連絡しろだって。』


    忘れてた…。
    ユキ怒ってるだろうなぁ。

    『ちなみにあと三時間したらユキ様がお見えになるらしいから。』


    今は9時だから…正午には来る。
    ユキの取った講義は昼前に終わるのか。


    あたしはジワジワと来る不安を口にした。


    「アキラ…あたし体調不良ってことにしといてよ」


    『いや、もう言ったし。マイクのせいでサボったって。ユキ様はかなりお怒りだったよー』


    終わったorz


    ユキは昔から、曲がった事が嫌いなんだ。
    だから、幽霊ごときで大学休むなんて、許されない。ユキは怒ると誰も止められなかった。


    アキラもその被害者。
    幾度となく叱られ、ユキ様と呼ぶようになった。


    「裏切り者!」


    アキラに叫ぶ。


    『自業自得だろ?』


    確かに。。
    元はと言えばサボったあたしが原因ですね。
    しかもヒカルにもサボった事言ってないし。


    ダブルで叱られるなあ。


    『とりあえずさーマイクは俺らには見えないんだし。怖がらなくてよくね?ヒカルが来るまでは手も足も出ないし。俺寝るわ』


    アキラはベッドに横たわり背を向けて寝る。


    あたしは正午まで何をしようか、ボーッとしていた。

    (携帯)
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■4642 / 1階層)  8話
□投稿者/ 薫 一般人(36回)-(2007/09/27(Thu) 17:28:21)


    正午。


    結局ダラダラとテレビを見ていたあたし。
    アキラの部屋のインターホンが鳴る。


    ユキの登場だ。。


    『はーい』


    ワントーン低い声でロックを開ける。




    『おはよー瑞穂チャン』


    あからさまに怒ってる。


    「おはよーユキチャン。じゃあ、あたしは帰るね♪」


    『待てい』


    玄関から擦り抜けようとしていたあたしの首根っこを掴むユキ。


    苦しくて逃亡を諦めた。


    『あのさーマイクか何だか知らないけど、大学はちゃんと来るのが常識でしょ?』


    「だって…ヒカルが悪いんだもん。いきなり言って。」


    『相変わらずヒカルのせいにするの好きだねー』


    後ろからアキラが声を掛ける。


    『だよねー瑞穂、ヒカルに突っ掛かるよねー』


    『『もしかしてデキテル?』』


    デキてねぇよ!!


    『怪しい事はたくさんあったよなー』


    アキラが思い出しながら笑い出す。


    「何もないから!」


    『じゃあさ、何もないならヒカルんとこ泊まりなよ。』


    ユキが唐突に提案する。


    『どうせ自宅帰ったってマイクとの共同生活になるだけだし、ヒカルは霊感あるから、何かあれば守ってくれるじゃん?』


    『いいねーそれ♪ついでに恋も芽生えたり…ぶはっ』

    アキラが言い終わるうちに鉄拳を食らわしてやった。

    「急に決めないでよ!あっちだって困るだろうし」


    『別にいーよん♪瑞穂とお泊り嬉しいな♪』


    いつの間にかけたのか、ヒカルが受話器から答える。


    こうして、あたしとヒカルのお泊り生活が始まったのでした。


    …ライブまで後二日…

    (携帯)
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■4643 / 1階層)  9話
□投稿者/ 薫 一般人(37回)-(2007/09/27(Thu) 17:29:29)

    午後6時。


    ヒカルが定時で上がるまで、あたしたちはアキラの家で大貧民をしていた。


    5時を過ぎたので、いつものスタジオに向かう。


    あたしは一旦家に帰りベースを取りに戻った。


    ユキとアキラは先にスタジオへ向かう。


    秋の夕方は好きだ。
    微妙に涼しい風が吹き、子供の声が聞こえる。
    どこかの家から夕飯のいい匂いが流れていて…。
    秋は楽しい。散歩に最適な季節だ。


    一人自宅へ向かう道中、そんな事を思っていた。


    プップー。


    大きな車のクラクションにびっくりする。


    振り向くと、車の運転手はヒカルだった。


    『どこ行くんだー?』


    「ベース取りに!自宅!」

    『乗って。送る。』


    ヒカルは手招きして呼ぶ。

    ユキたちに冷やかされて、何だかぎこちなくなってしまう。


    助手席に乗り込み、シートベルトを掛ける。


    車は勢いよく発進した。


    『あんな、スピードで歩いてたら遅刻するよ?』


    「ごめん、考え事してた」

    『マイクの事?』


    「そんな外人忘れてた。」

    そうだ、ヒカルにはマイクが見えるんだ。
    またあたしは鳥肌が立つ。

    『大丈夫。マイクは悪い霊じゃないし。』


    そんなの関係ねぇ!!


    「本当に泊まっていいの?」


    『うん。瑞穂が嫌じゃなければね』


    「嫌じゃないよ、頼もしいし。」


    『良かったあー♪』


    よくよく見れば、ヒカルは本当に綺麗で大人っぽくて。パンツスーツだからか、出来る女って感じ。


    そういえばヒカルに恋人できたって話聞いた事がないなぁ。


    『瑞穂…着いたよ。』


    またあたしは自分の世界にトリップしていた。


    「すぐ戻るから」


    『当たり前だよ。』


    「…はい」


    あたしは自宅の鍵を手に取り階段を駆け上がる。


    素早く部屋に入り、ベースを手に持つ。


    息切れしながら車に戻ったあたしをヒカルは大爆笑した。


    『体力ないねー』


    「文化系なんで…」


    たわいもない話しをしていたら、あっという間にスタジオへ到着した。
    結局ヒカルに恋人がいるか聞けなかった。

    (携帯)
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■4644 / 1階層)  10話
□投稿者/ 薫 一般人(38回)-(2007/09/27(Thu) 17:30:33)


    『よっしゃー残り二日!気合い入れるぞー♪』


    アキラの声で練習はヒートアップした。
    マジでドラムのユキはリズム感最高だし、ギターのヒカルはめちゃくちゃシビレル。
    アキラの声がメロディーに乗って響く。
    あたしはメンバーの中で1番下手くそで…何となくライブが不安になってきた。

    『自信持ちなよ。』


    ユキが練習終わりにビール片手に言う。


    『そうそう、下手なベースで俺は歌わないし』


    アキラが頭を撫でる。


    「ありがとう…頑張ろうね♪」


    『そろそろ出るよー明日は土曜で皆休みだから、ライブハウスで最終リハだから遅れんなよ』


    ヒカルは何だか機嫌が悪そうに見えた。
    けど口調は変わってないし、気のせいかな?


    あたしはユキ、アキラを自宅に送った後、ヒカルの車で一旦自宅に帰り、着替えやら泊まる用意をして、ヒカルの自宅に再び足を踏み込む。


    『疲れたねぇ』


    「ヒカル激しかったもんね♪」


    『何かエロい会話に聞こえるよね』


    「へんたーい」


    ソファーに座りながら、あたしたちは缶チューハイを飲む。


    酔いも回ってか、あたしはついにヒカルに聞いた。


    「ヒカルはさぁー好きな人いないのー?」


    『秘密』


    「なんでぇー?教えてよー」


    『知りたい??』


    「しりたーい♪」


    『瑞穂だよ』


    「…へ?」


    しばらく静かになるあたしたち。


    『実は片思いしてた♪マイクってのも嘘。こうやって泊まりに来る事を見越して嘘つきました。』


    ヒカルから衝撃の告白。
    マイクといい、好きといい、なんなんだー!!


    「騙すなんてひどい!!」

    『ごめんな、回りくどい手使って。』


    「ぶー…」


    『本当にごめん。でも好きってのは嘘じゃない』


    ヒカルはいきなり、あたしを抱きしめる。
    筋肉質なヒカルの力に動く事が出来ない。
    でもあきらかにドキドキしている自分がいた。


    『返事はいつでもいいよ。けど、バンド抜けるとかは言わないでな。皆に迷惑かけれないし』


    そっと離れるヒカル。
    その顔は一瞬切なげで。


    「考えるよ…」


    そんな言葉しか出なかった。

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