| 7 駅 次の日の朝は いつもよりちょっと早めに目が覚めた 熱いシャワーを浴びると念入りに髪を整えた 服はいつものお気に入りのシャツに決めている あとはメイク ふと 昨日の電話の一言を思い出して パソコンの電源を入れる 新着メール1件 送信者:ミサ タイトル:服装について 本文:今日のデートだけど 下着の着用は禁止します スカートはゆかりが持ってる中で一番短いものにしなさい 上は薄いブラウスかTシャツとします 駅に着いたら携帯に電話するように 一瞬目を疑った まさかそんな・・ ゆかりが持ってる中で一番短いのは 高校の時に着ていたフレアのミニで かなり短すぎるので最近はさすがにクローゼットの奥に仕舞い込んでいた こんなの 下着ナシで着たら・・絶対にみえちゃう どうしよう・・時間が迫ってくる とりあえずスカートを出してはいてみる やっぱりちょっと前に屈むとお尻が丸見えになる 「でも・・ミサ様の命令・・なんだよね・・」 なるべく厚手の柄物のTシャツを選ぶと カジュアルにメイクを仕上げて 部屋を飛び出した 毎日通り駅までの道は 全く別世界だった 風が吹くたびに 身体がびくっと反応して 周囲の視線が気になった かなりのミニなので すれ違いざまに露骨に視線を這わせる男性や 非難と羨望の目で睨む女性もいる そんな視線に晒されながら うつむき加減に早足で駅へと急いだ 駅の改札へ向かう階段 お尻を押さえながら慣れない体勢で急ぐ 「あっ」軽くつまずいて 一瞬スカートが捲れる 「やだっ」 振り向くと中学生くらいの男のコが一人 食い入るようにゆかりのスカートを覗き込んでいた 見られたかも・・そう思うと泣きそうな気分になる 「ミサ様・・もう許してください・・恥ずかしいよぉ」 甘えるようにつぶやき 逃げるようにホームの電車に駆け込んだ 電車の中はもっと恥ずかしかった 中年男性の嫌らしい視線が絡みつく ゆかりの一番嫌いなタイプ いつもならとっくに逃げ出したはずの状態だ 「ミサ様・・許してください 晒し者にしないで・・」 そう何度も心の中で呟きながら 赤くなった顔を伏せてじっと耐えた 目的の駅に着きトイレに入ると 鏡には上気した別人のゆかりがいた いつの間にか シャツの中で擦れた乳首が硬くむず痒くなっている 「やだ なんで?・・どうしよう・・」 自分でもビックリするほど ゆかりのその部分は充血し熱く潤っていた とりあえず きれいに拭くと化粧を整えて改札を出た 待ち合わせの5分前 ロータリーを見渡すがそれらしい人はいない 「どんな人だろう・・」漠然と考えながら 時間が経つのを待った
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