| 窓から外を覗くと 「あ。降ってきた。」 雪が降り出していた。 クリスマスにはまだ少し早い、12月初旬。 それでも巨大なクリスマスツリーの点灯式の様子がニュースで流され 街のあちこちも、先を競うようにして、クリスマスカラーで彩られ始め ロマンティックな雰囲気が作られる時季。 尚が有給を取って計画した旅行。 この戸建てのペンションも、それに遅れることなく、 玄関にはクリスマスリースが飾られ 暖炉の炎がゆらゆらと揺れる部屋には 電飾が煌びやかに瞬く白いクリスマスツリーが置かれていた。 そして。 その暖炉の前には体にバスタオルを巻いた… 雪。 「やっぱりこのペンションにして正解だったね♪」 そう言って、雪の体に巻かれたバスタオルへ指をかけ、スルリと落とす。 白いガーターと、それとお揃いのガーターベルトだけを身に纏った雪。 照明の類いを消し、クリスマスツリーの電飾と、 暖炉の揺れる炎に照らせれ浮かび上がる雪の姿は それだけで尚を壊してしまいそうな程、美しいものだった。 「凄く綺麗…」 雪の肩を掴み、ゆっくりとキスをする。 啄むようなキスを繰り返し、徐々に深く長いものへと。 「ふぅん…」 口内を支配された雪は、鼻から声を漏らし始める。 「今日は少しきつくしちゃうかも。許してね?」 そう言ってから、尚は雪に赤い首輪をはめた。 下等な動物を連想させる首輪。 それをされる者は絶対の服従を心に誓う。
尚が首輪を使うことは少なかった。 雪を自分に従わせたいと思っている訳ではないからだ。 首輪を付けたからと言って、それは変わるものでもなかった。 ただ、普段あまり使わないせいなのか、 使った時は、いつもより少し、ほんの少し、ハードになる尚だった。 首輪をされた時点で雪もそれを覚悟し…期待していた。 その証拠に、蜜壺からは蜜を垂らし始めてしまっていたのだ。
(携帯)
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