SMビアンエッセイ♪

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■1476 / 親記事)  君と僕の間に
  
□投稿者/ 沙羅 一般人(2回)-(2005/01/24(Mon) 21:07:41)
    自分の中のS性に気がついたのは、女の子と付き合うようになって
    だいぶ経ってからだった。
    『みゅう』と付き合ってからだったと思う。
    深く愛するようになったと思う。
    それからは、好きになって付き合う子とは必ずSMをするようになっていた。

    「SM」を止めて、普通に愛したいと悩んだ時期もあった。

    そんな時、彼女と出会った。

    彼女とは、ビアンサイトのチャットで知り合った。
    PCで仕事をしている時に何気なくチャット部屋を取り、画面を見ていると
    間もなく、彼女が入室してきた。

    『こんばんは』
    『はじめまして』

    いつも通りに挨拶から始まり、年齢や住んでいる場所を話した。
    間もなく、彼女が切り出した。


    『私、自分の身体はどうでもいいんです』


    何と言って良いのか、答えに窮した。
    『そうなんだ』
    それから、彼女は自分の中の強いM性を訴え始めた。
    もちろん、経験も多少あり、その中で後悔もあったと言った。

    『家に帰ってから、アザを見ると、何やってるんだろうって思います』

    彼女は何を求めているのだろう。

    何を探しているのだろう。


    自分のS性について、今までの経験を少し話した。
    彼女はチャットの中で同じ考えを示した。

    『携帯でメールしようか』
    思い切って書いてみた
    『う〜ん・・・携帯は・・』
    『そうだよね。不安だよね。私書箱に書いてくれればいいよ』
    『わかりました』

    そうして、彼女と付き合いが始まった。


    何故に彼女は自虐的なのだろう。

    何を求めているのだろう。

    その訳を無性に知りたい衝動があったのは事実だった。
    彼女に興味を持った自分をわかっていた。

    もっと、彼女の事を知りたい。

    もっと、彼女と話したい。

    私書箱で何回かのやり取りをしたが、自分の欲望を抑えられなかった。

    もっと、もっと、彼女の事を知りたい。


    携帯のアドレスを書いてみた。
    果たして、携帯にメールがくるのか心配だった。
    彼女は警戒心が強く、あまり自分の日常を話したがらない印象を受けたからだ。

    1日が経った。2日が経った。携帯にメールは届かなかった。
    ちょっと、急ぎすぎたかな。やっぱり無理かと思っていた。

    3日目にメールが来た。


    「怖い、不安でいっぱいです」


    短いメールだった。


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■1477 / ResNo.1)  NO TITLE
□投稿者/ じゅごん 一般人(1回)-(2005/01/25(Tue) 00:56:40)
    沙羅さんの作品大好きです!! つづき楽しみにしてます(^O^)今回も頑張って下さいね☆

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■1480 / ResNo.2)  じゅごんさんへ
□投稿者/ 沙羅 一般人(3回)-(2005/01/25(Tue) 08:44:46)
    読んでいただきありがとうございます。「大好き」と言われたのは久しいような気がします。(苦笑)
    うれしいです。頑張って続きを書きたいと思います。
引用返信/返信 削除キー/
■1481 / ResNo.3)  君と僕の間に 2
□投稿者/ 沙羅 一般人(4回)-(2005/01/25(Tue) 08:49:50)
    彼女と携帯でメールのやり取りが始まった。

    最初のメールで彼女の中にネットの世界に強い不安があるような気がした。
    僕は、何か、嫌な思い出があるのかと勝手に解釈した。

    彼女の不安を取り除こうと、自分の事を詳しく書いた。
    住んでいる場所や仕事の内容。現実の日常を書いた。

    彼女は、それに答えるように自分の事を少しずつ話し始めた。
    一人暮らしで事務系の仕事をしている。
    毎日が同じ事の繰り返しでストレスがあると書いてあった。

    ストレスかぁ・・・。ストレスがあるからM?・・。
    じゃないよなぁ・・・。
    僕は、携帯の液晶を見ながらため息が出た。

    携帯のメールにはSMの事は書かなかった。
    本当は色々と聞きたかった。でも、あえて、書かなかった。
    体が目当てと思われたくなかったし、会ってもいないのに書けないと思った。

    しばらく、彼女との何気ないメールのやり取りが続いた。

    その日も、いつものように彼女に「おやすみ」とメールをした。
    「おやすみなさい」と返信のメールを受け取り、ベットに入った。

    僕は、何故か、なかなか、寝付けなかった。
    何回か寝返りを打ちながら目を閉じていた。

    いきなり携帯のメール音が鳴った。

    こんな時間に誰だろう・・・。
    仕事のトラブルか・・と嫌な気分で、携帯に手を伸ばした。


    メールは彼女からだった。



    『愛で傷つくなら、愛じゃなくてもいい』



    急に目が覚めるのを感じた。

    ベットから体を起こして、すぐに返信した。


    『今すぐに行く。』


    電話番号も一緒に書いた。

    彼女は電話番号だけを書いたメールを返信してきた。

    着替えながら電話をした。
    彼女は想像通りの声のような気がした。

    「ごめんなさい。ごめんなさい・・・」
    彼女は、電話の向こうで謝ってばかりだった。

    彼女の家を聞いたときには、僕は玄関を出ていた。

    玄関の鍵を閉めて

    僕は走り出していた。


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■1499 / ResNo.4)  君と僕の間に 3
□投稿者/ 沙羅 一般人(5回)-(2005/01/30(Sun) 08:29:45)
    タクシーを降りて、彼女に教えてもらった建物を探した。
    あるビルが目に止まった。

    自動ドアの前に一人の女の子が立っていた。
    早足で近づいて行くと、こっちをじっと見ていた。
    僕は、声をかけてみた。
    「もしかして・・」
    彼女は小さく頷いた。

    寒さで声が出なかったのだ。

    「まさか・・・。ずっと外で待って・・・」
    彼女の体は小さく震えていた。
    彼女は僕の手を取って、自動ドアの中に入っていった。

    握った手は氷のように冷たかった。

    彼女の部屋に通された。

    それまで、彼女は一言も話さなかった。

    暖房の前に彼女を座らせ、自分の上着を彼女にかけた。
    彼女は下を向いていた。
    「何か、暖かい飲み物作ろうか?」
    僕が聞くと、彼女が泣きだした。

    「えっ?どうしたの?寒い?」

    泣きながら彼女は言った。
    「そんなに・・・やさしくしないで・・」

    僕は、思わず抱きしめたくなる気持ちを堪えた。
    彼女の肩に手を置いた。
    「やさしくなんかないよ。普通だよ・・・」
    彼女の肩を撫でながら、僕は言った。
    彼女は、しばらく泣いていた。

    今夜は何も聞くまい、と僕は彼女の横顔を見ながら思った。

    彼女が泣き止むのを待ち、僕は言った。
    「もう、今夜は遅いから、少し横になろうか。
     明日は仕事でしょ?」
    彼女は頷いた。

    僕は彼女のベットに寝る事にためらいがあった。
    ベットに一緒に寝ると抑えられないと思った。

    やせ我慢と言うやつかもしれない・・。

    彼女の部屋にホットカーペットがあった。
    「今夜はここで寝るよ。毛布、貸しくれる?」
    彼女が毛布を持ってきた。
    僕が横になると彼女は側に座っている。

    「ん?一緒に寝る?」
    僕が彼女に聞くと、彼女は黙って頷いた。
    「はい」僕が毛布を上げると、彼女が入ってきた。

    僕は彼女に肩枕をして目を閉じた。

    彼女は身動きせずに、じっとしていた。
    緊張しているのか。と思った。
    「眠れない?」
    僕は、目を閉じたまま聞いた。

    彼女が頷く気配を感じた。
    「寝なきゃダメだよ」僕は笑いながら答えた。

    「・・・エッチしなくていいの?」
    彼女が言った。

    「いいよ、しなくて。」
    僕は、我慢している事を見透かされたような気がして
    早口で答えた。

    「もう、ここには来ないの?」
    彼女の消え入りそうな声を聞いた。

    僕は肩枕した手に力が入った。

引用返信/返信 削除キー/
■2275 / ResNo.5)  君と僕の間に 4
□投稿者/ 沙羅 一般人(1回)-(2005/08/25(Thu) 08:48:32)
    何故、彼女は哀しい考え方をするのだろう
    辛い経験があるのだろうか


    「そんなことないよ。明日・・・。明日、食事をしよう」
    「明日?・・・」
    「うん。明日、ここで夕食を食べよう。何か作ってさ」
    「・・・」
    彼女は、戸惑っている様子だった。
    そんな事は気にしないように僕は一人で話した。
    「何がいいかなぁ。パスタがいいかな。和食でもいいよ。
     材料は買ってくるよ」
    「うん・・・」彼女はつられて返事をしているようだった。
    「じゃぁ、明日に備えて寝よう」
    僕はわざと明るく言った。


    朝になり、体中のきしみを覚えた。
    床に寝たせいだった。
    彼女も目を充血させていた。
    身支度を整えながら、聞いた。
    「今日は止める?早く寝る?次にしようか?」
    「・・・」彼女は首を横に振った。
    「わかった」
    待ち合わせの時間を決めて、僕は一度自宅に戻り出社した。

    昼過ぎから、睡魔に襲われて辛かったが、なんとか乗り切った。

    体のだるさを感じながらも
    僕は、浮かれてる気分があった。

    夕方、パスタの材料を買って、彼女に電話した。
    彼女は、もう、自宅に着いていた。

    彼女の部屋に行き、二人でパスタを作り始めた。
    彼女は、ほとんど話さず、頷いたり、微笑んだり
    緊張しているような横顔を見せた。
    何とか、話をしようとした。

    幸いな事にパスタの話題で盛り上がった。
    パスタは何味がいいとか。パスタ店のどんな雰囲気がいいとか。
    他愛もない会話ができた。

    空になった皿を前にコーヒーを飲んでいると
    彼女が黙って下を向いていた。
    「どうしたの?お腹、いっぱいになった?」
    僕は、なるべく話しかけた。
    「うん・・」彼女は短く答えた。
    「ほんと、お腹、いっぱいになったよね」
    会話が続かないな、と思った。


    肝心な事が聞けない・・・。

    なぜ、彼女は自虐的なのだろう。

    なにか、きっかけがあったのだろうか・・・・

    いろいろな考えが頭の中を巡っているとき

    彼女が口を開いた。

    「これから、どうなるの?・・」


引用返信/返信 削除キー/
■2276 / ResNo.6)  君と僕の間に 5
□投稿者/ 沙羅 一般人(2回)-(2005/08/25(Thu) 15:02:02)
    「これからって・・・」
    どう答えていいか迷ってしまった・・。
    変な事は言いたくないし、格好つけた言い方もしたくなかった。
    適当な事を言ったら、彼女が泣きだすような気がした・・。

    「これから・・・、何かが始まるかな」
    正直な気持ちを言ってみた。

    「私・・」
    彼女が口を開いた。僕の顔を見ずに言った。

    「私・・もう、傷つきたくない・・」
    「・・・・・うん」

    「・・・・」
    「・・・・」

    二人とも黙っていた。
    嫌な沈黙ではなかったと思う。

    僕は、彼女の気持ちを、判った気がした。

    何も始まっていないのに・・・・。

    「傷つけようと思って、ここに来たんじゃない」
    「・・・・」
    「うーん・・・。うまく言えないなぁ」
    「・・・・」
    「一時的な感情や遊びで来てるわけじゃない」
    「・・・」
    「逢ったばかりで、信用してくれって言う方がおかしいとおも・・・」

    僕の話しの途中で彼女が立ち上がった。

    僕は、呆気に取られて見ていると

    彼女が、僕に近寄ってきた。

    僕の前に立つと、座ってる僕を見つめた。


    はじめて、彼女に見つめられて気がした。



    彼女が僕を抱きしめた。

引用返信/返信 削除キー/
■2277 / ResNo.7)  こんにちは♪゛
□投稿者/ 千夜-chiya- 一般人(1回)-(2005/08/25(Thu) 17:13:00)
    沙羅さんお帰りなさいっ!!
    本当に本当にお久しぶりです(>_<。)
    お話の続きを再開されたようで、嬉しくてカキコしてしまいました//

    あっ!以前に感想をちょこちょこ書いていた千夜です(^^)
    沙羅さんのお話がとてもスキでずっと読んでました‥//
    また最初から読ませていただきます(U.U*)

    また来ますね☆゛

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■2278 / ResNo.8)  ただいま
□投稿者/ 沙羅 一般人(3回)-(2005/08/25(Thu) 20:30:57)
    色々と仕事も私生活も忙しく、やっと帰って来れました(?)(笑)
    千夜-chiya-さん、覚えてくれていて、うれしいです。
    また、お会いできましたね(笑)
引用返信/返信 削除キー/
■2280 / ResNo.9)  君と僕の間に 6
□投稿者/ 沙羅 一般人(4回)-(2005/08/25(Thu) 21:15:10)
    僕は、彼女の突然の行動に驚いた。

    このまま、彼女を抱きしめるということは
    これから、付き合って行く。

    彼女と一緒に時間を過ごすことを意味する。


    僕は、彼女を強く、強く抱きしめた。

    「・・・・」

    彼女のため息を聞いたような気がした。

    「逢ったばかりだけど・・。好きになった」

    僕は、はっきり言った。

    彼女が僕の肩越しで頷いた。

    彼女が体を離し、僕を寝室に連れていった。

    彼女が、僕の方に向き直った時、僕はもう一度彼女を抱きしめた。

    そして、ゆっくりと、彼女にキスをした。

    軽く、やさしくキスをした。

    彼女は動かなかった。

    僕は彼女の手を取り、手の平にキスをした。

    彼女の体が少し、動いたような気がした。

    もう一度、彼女にキスをした。わざと、やさしいキスをした。

    彼女の心の傷はどんな物なのか想像すらできなかったが
    何とか、忘れる事ができるなら、と浅はかに考え始めていた。

    彼女と抱き合っていると、彼女が言った。

    「・・・私を」
    「・・ん?」

    「私を・・・」
    「うん・・・」


    「私を・・・壊して・・・」



    僕は、彼女の言葉に目を見開いた。

    顔を上げ、彼女の顔を見つめた。

    彼女は、真っ直ぐ僕を見ていた。

    そして、彼女は僕から離れると

    タンスの引き出しから、大事そうにキレイな箱を取り出した。

    僕は黙って見ていると
    彼女が箱を開けた。

    箱の中にはキレイな色をした布が引いてあり、
    その上に順よく、いろいろなバイブやローターのような玩具が
    数種類、並べられていた。


    まるで、子供の宝箱のように・・・。

    僕が黙って見ていると、彼女は言った。


    「機械は裏切らないから・・・」



    僕は、彼女の心の深い淵に立った気がした。

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