| 彼女の毛を剃られた敏感な部分。
僕は彼女に近づいて、抱きしめた。
全てをさらけ出すとは、こんな事なのか・・。 僕がため息をついた時、彼女は言った。 「勝手にして怒ってる?呆れてるの?」 「いや。そんな事はない」
僕は強く否定した。彼女が傷つかないように。
「私は・・。私は、いくら身体を虐められても不安なの。 不安で怖いの。どうしたらいいか判らないの。 どうしたらいいの。どうすればいいの。」
僕は黙って抱きしめる腕に力を入れた。
彼女のM性は、満足することがないのかもしれない。 いや、「満足」と言う言葉が当てはまらない。
彼女の愛情は深く、自分の愛情をどう表現してよいか 彼女自身が分からなくなっているのかもしれない。
僕は・・・。僕はどうすればいいのだろう。 中途半端な愛情、中途半端なSM。
日頃の心地よさだけを求めていたのか。
彼女は、僕から離れると、僕の前で足を広げた。
僕は息を呑んだ。 全てが丸見えになっている彼女の敏感な部分を見ながら。
彼女は、そんな僕を見ながら、自分の敏感な部分を指で広げた。 「ここにお仕置きして下さい」
はっきりとした口調だった。 何も躊躇いのない潔い口調だった。 僕は圧倒された。
僕のような中途半端なSは彼女には向いてないのか・・。 そんな考えが、一瞬頭を過ぎった。 でも、そんな事を言ったら彼女が悲しむ、きっと。 そして、そんな彼女がどんな行動に出るか想像ができない。
こわいな・・・・。
正直、そう思った。 そんな考えを止めるように頭を振った。
僕は、彼女に手招きをして、ソファに手を置いて言った。 「こっちに座ってごらん」
彼女はちょっと戸惑った素振りを見せたが素直に従った。
ゆっくりと立ち上がり、裸の彼女はソファに座った。
僕は、彼女の前に座り直した。
「もう一度。もう一度、言ってごらん。今、行った事を。」
覚悟を決めていた。
とことん、彼女に付き合おう。 たとえ、どんな将来が待っていようとも。
僕は、彼女を好きになった。
そんな彼女が愛情を求めている、きっと。
今までの愛し方じゃ、不安なんだ。
不安が吹き飛ぶくらい、痛いくらいに愛情をくれてやる。
それが、お前の望みなんだろ、痛いほど愛してやる。
僕に迷いはなかった。
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