| 彼は肉を食べていた、今は戦をしているので大好物の酒は止めて置いた、酒のせいでいままで義兄たちにどれだけ迷惑をかけたことか。
「ちっ、うめえ肉だ、こういうのは酒の肴にするもんだぜ」
「張飛様!!今先ほど丞相から連絡がありまして!丞相の姪殿の童僕がこちらに姪殿を探しにこらたそうです、行き違いからのミスなので即急に保護してほしいと」
「あん?なんでだ、こっからなら馬超のほうが近いだろうがよ」
「はあ、そうなんですが意味不明な付け加えが「葉月の満月の子、凛」とだけ」
張飛とよばれる豪傑は勢いよく立ち上がった、顔面は蒼白だったが、顔は笑っていた。
「へっ、孔明のやろうも趣味がわりいぜ、全員出撃だあ!」
「はあはあ・・・・・・・ここは漢中?」
邦様を追いかけて馬を走らせて幾日、もう山をいくつ越えただろう、野宿をし民家を借り、やっとの思いでここに来たけれど、どうしていいか、まったく分からなかった。
「とりあえず、近くの蜀軍のところにいくしかないよね・・・・・・・・・」
取り合えず森からでるため、馬を歩かせると、いきなり馬が足を挫いた、今までの旅で限界だったらしい、私はごろごろと坂を転がった、この時馬に押しつぶされなかったのは幸いだった・・・・・・・。
「・・・・痛い・・・・・・馬・・・・・首が折れてる・・・・・・・・・」
だけど、不幸はまだ訪れた、人間の運は決まってるていうけど、あれうそじゃないかなあ・・・・・・・・・・・。
金属のぶつかり合う音、剣戟、人が死に直面する音、怨嗟、わたしが始めて見た戦場だった。
「ひ!ひぃい!」
私は頭を抱えて走った、ただ戦場を目をつぶって走った、周りでなる蹄の音、走る音、矢が近くに落ちた音がしたとき、私の心臓は止まるかと思った。
「ちっ、ダメか、魏の策略に嵌った、このままでは、全滅するな・・・・・・」
武将らしき人がその言葉を発したとき、私はひどく悲しくなった。
もう、邦様にも鈴ちゃんにも、蓮さん涼さんにも・・・・・・会えない。
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