SMビアンエッセイ♪

HOME HELP 新規作成 新着記事 ツリー表示 スレッド表示 トピック表示 発言ランク ファイル一覧 検索 過去ログ

■2480 / ResNo.40)  逢瀬の痕23
  
□投稿者/ 雅 一般人(32回)-(2005/09/22(Thu) 12:33:03)
http://id7.fm-p.jp/23/bianmiyabi/
    佐々木は、真里菜の手を引き、商店街の裏路地を抜け、近くの公園へと向かった。

    少し奥まった、屋根のあるベンチへ二人は、腰かけた。

    休みの日なので、子供たちがキャーキャーと声を出し、楽しそうに走りまわ

    っている。


    「真里菜、パン食べてないでしょう。ちょっと飲み物買ってくるから、ちょっと待

    ってて。」


    佐々木は、笑って、すぐ近くの自動販売機へと走っていった。

    真里菜は、嬉しくて涙ができてそうだった。


    (お姉さま・・何も食べてないから、私を気遣って・・)


    佐々木は、レモンティとミルクティを買って、どっちがいい?とたずねる。

    真里菜は、ミルクティを選び、食べ損ねたパンを取り出した。


    「パン、ぺっちゃんこになっちゃったわね。」

    佐々木は、カバンで押しつぶされたパンを見て、ケタケタと笑った。

    真里菜も、それにつられて、笑った。


    「天気いいわねぇ。丁度いい気候だわ・・。」

    レモンティを飲みながら、空を見上げるお姉さま・・。

    太陽の光は、抜けるように白い肌を照らす。

    色素が薄いのか、髪の毛も瞳の中も、かなり茶色に見えた。

    真里菜は、佐々木の横顔を見つめた。


    「お姉さま、とっても綺麗。何だか透き通って消えてしまいそう・・」


    「何言ってんの。」


    佐々木は、うつむいて、照れくさそうに笑った。

    うつむいた時、ほんの一瞬だけど、顔が曇ったような・・、気のせい?


    佐々木は、にやっと笑って言った。


    「ねぇ、そのペッタンコになったパンの味はいかが?」


    「美味しいです。ちょっとパンが詰まってしまって固いけど。」


    真里菜と佐々木は顔を見合わせて、笑った。


    いつまでも、こんな時間が続いたらいいのに・・。


    真里菜は、そう思った。

    (つづく)

引用返信/返信 削除キー/
■2482 / ResNo.41)  逢瀬の痕24
□投稿者/ 雅 一般人(33回)-(2005/09/22(Thu) 13:48:58)
http://id7.fm-p.jp/23/bianmiyabi/
    二人は、公園で少しゆっくりした後、家へと帰った。


    「お姉さま・・。」


    「ん?」


    「お姉さまのところへ行ってもいいですか?」


    佐々木は、笑って言った。


    「いいわよ。」


    真里菜は、嬉しくてたまらなかった。たった壁1枚と言っても、真里菜にとって

    その壁はとても遠く感じた。

    お姉さまの肌の温もりをずっと感じていたい・・。


    真里菜は、そのまま佐々木の部屋へと入った。

    真里菜は、部屋に入るなり、佐々木に抱きついた。

    佐々木は、そっと真里菜の髪を撫で、真里菜にキスした。


    「お姉さま・・。抱いてください。」


    真里菜は、身体に身につけているもの全てを脱ぎさった。


    「ほんと、いやらしいコ。ウフフ」


    佐々木も、脱いで裸になり、真里菜をベッドにゆっくりと押し倒した。


    「真里菜。私を一生忘れないように、身体に刻み込んであげる。」


    佐々木は、真里菜に手錠をかけ、身動きが取れないようにした。


    全身、隈なく舌を這わせ、至る所に噛み跡をつける。


    「アァァ、お姉さま」


    痛みが身体を走り抜ける。でも、感じるの・・お姉さまを・・感じる・・


    乳首を吸われ、舌先で先端をつつかれ、舐めながらいきなりきつく噛まれる。


    真里菜はたまらず、声を上げる。


    佐々木の右手は、真里菜の背中を弄り、お尻、そして股間へとのびていった。


    「もう、こんなに濡れて・・。」


    佐々木は、冷蔵庫から、練乳を取り出した。


    少し高いところから、練乳を真里菜の乳首へと垂らす。


    「アアァン」


    その冷たさが、敏感になった乳首を刺激する。


    「私、とっても好きなのよ、練乳。」


    佐々木はそう言って、練乳に塗れた乳首を、丁寧に舐めだした。


    チュッパ、チュッパ 真里菜の乳首を吸う音が部屋に響きわたる。


    「アァァァン、気持ちいぃ」


    「美味しいわよ。真里菜」


    真里菜は、腰を動かし、奥の疼きを感じている。滴る蜜・・。


    「腰をこんなにくねらせて・・いやらしいわ」


    「だって・・お姉さまの愛撫って、気持ちよすぎる・・」


    佐々木は、いきなり真里菜の股を開いて、顔を近づけて覗きみる。


    「ほんと・・。もう流れてるわよ。お尻のほうまで、真里菜の愛液。。」


    「恥ずかしいから、そんなに見ないで・・」


    「この格好だと、もっと恥ずかしいかしら?」


    佐々木は、真里菜のお尻を浮かせて、足を持ち上げ、股を広げたまま股間を真里菜

    が見えるように押し上げた。


    「お姉さま。。」


    佐々木は、真里菜を支えたまま、真里菜の股間に、練乳を垂らした。


    「アァァァァン」


    佐々木はにやっと笑って言った。


    「自分のあそこを舐められているのを見るって感じるわよ。」


    佐々木は、そう言うと、真里菜の股間に垂らされた練乳を舐めだした。


    「アァァァン、ハァハァ気持ちいい、アァァァーン」


    「目を開けて、自分のされていることを見なさい」


    佐々木は、ますます激しく、真里菜の敏感になった突起物を音を立てて、

    舐めまくる。


    「真里菜の蜜と混ざって、最高よ。美味しいわ・・。ハァァン」


    真里菜は、真ん前で広げられた自分の股間の草むらに顔を埋め、舌を出しながら

    舐められ・・時折、歯を立てられる・・

    私の表情を楽しむかのように、お姉さまは、私を見ている・・


    「ハアハァ、お姉さまァ、もう、イきそうです、アァァァン」


    「ハァハァ、まだダメよ。」


    真里菜の身体はくねり、佐々木は、動かないようにしっかりと支えている。

    腕の手錠が、真里菜の動きで、カチャカチャと音がなる。


    佐々木は、ディルドをつけて、真里菜に覆いかぶさりキスした。

    愛液を絡ませ、ディルドの先で、真里菜の草むらの大きく充血した突起物を弄る。


    「アァン、お姉さまァ、はやく、はやく、ください、アァァーン」


    ヌプ・・ズブズブ・・


    「アァァァン、お姉さま」


    真里菜は、ディルドの感触に喘ぎ、叫んだ。

    佐々木は、ゆっくりとディルドで真里菜の中をかき回し、リズミカルに

    腰を動かす。

    真里菜は、全身仰け反らせて、感じるスポットを集中的に攻めてくるディルド

    の快感の波に、酔いしれた。


    「ハァハァ、愛してるわ、真里菜」


    「アァァァァァン、お姉さまァ、イッちゃうぅ、アァァァァァー」


    真里菜は、果てた。真里菜の全身からは、汗が噴出している。


    佐々木は、真里菜の唇に舌を絡ませた。


    「さぁ、今度は、私を気持ちよくさせてちょうだい」


    ベッドと手首を繋ぐように手錠をかけられていた真里菜の顔の上に

    佐々木はディルドをはずし、またがった。

    佐々木の露になった、草むらの間から、愛液が滴っている。


    「お姉さま。。こんなに濡れて」


    「真里菜の感じるところを見ると、こんなになるのよ。。」


    真里菜は、目の前に近づけられた草むらに、ゆっくりと舌を這わせた。


    「アァァ、いいわよ、真里菜」


    真里菜は、お姉さまを喜ばせたい・・そう思って愛しく、ゆっくりと舐めあげる。

    段々と、草むらの中央の突起物が、大きくなってくるのがわかる。


    チュー、チュッパ、チュッパ


    「アァァ、気持ちいいわ、そこ、イイ、アァァ、もっと吸って、真里菜」


    真里菜は、突起物をさらに強く吸いながら、舌を使って、刺激する。


    佐々木の上半身をくねらせ、髪を振り乱して、自分の乳房を弄りだした。


    「お姉さまも、ほんといやらしい・・」


    佐々木は、真里菜の顔に股間をすりつけ、喘いだ。


    佐々木は、悶えながら、真里菜の手錠を外し、真里菜の股間を広げ、


    自分の股間を、真里菜に擦り付けた。


    「アァァァン、気持ちいいわ」


    真里菜も佐々木も、お互いの大きくなった突起物を激しくこすり合わせ、どんどん

    エクスタシーに近づいてくる。


    「ハァハァ、お姉さま、イクゥ、アアァァァァァー」


    「アァァ一緒に、一緒にイクわよ、真里菜」


    佐々木と真里菜は、ほぼ同時に果てた。


    (つづく)

引用返信/返信 削除キー/
■2492 / ResNo.42)  逢瀬の痕25
□投稿者/ 雅 一般人(34回)-(2005/09/23(Fri) 02:33:58)
http://id7.fm-p.jp/23/bianmiyabi/
    真里菜は、幸せだった。

    一緒にイかせていただける・・甘い至福の時間・・。

    佐々木は、真里菜を抱きしめ、そっと真里菜の額にキスした。


    「私を忘れないでね・・真里菜」


    「そんな忘れる訳ない・・お姉さまの事・・どうして?」


    佐々木は、真里菜を愛そうに見つめて微笑んだ。


    「ただ、言っただけよ。」



    その日、真里菜と佐々木は、裸のまま抱き合ったまま眠った。



    朝、7時、真里菜は佐々木に起こされた。


    「そろそろ起きないと会社遅刻しちゃうぞ」


    真里菜は、ハッと目が覚めた。

    そうだ・・夕べお姉さまのとこに泊まったんだった・・。

    真里菜は、慌てて着替えた。

    ふと手首を見ると、まだ紅黒いアザがくっきりと残っていた。


    「真里菜、気をつけてね。」


    「はい。慌てて用意しなきゃ。じゃ、帰ります」


    真里菜はにっこりと笑って佐々木の部屋の扉に手をかけた。


    その瞬間、佐々木は、真里菜をぐっと引き寄せて、キスした。


    「じゃ、いってらっしゃい。」


    真里菜は、嬉しそうに佐々木の部屋を出た。


    真里菜は、家へ帰ってシャワーを浴び、慌ててドライヤーで髪を乾かして

    化粧した。

    あ・・もうこんな時間・・早く行かないと遅刻しちゃう・・。


    真里菜は、家を飛び出て、走って駅へ向かった。


    (つづく)
引用返信/返信 削除キー/
■2493 / ResNo.43)  逢瀬の痕26
□投稿者/ 雅 一般人(35回)-(2005/09/23(Fri) 03:04:00)
http://id7.fm-p.jp/23/bianmiyabi/
    真里菜は、仕事中も、時折佐々木のことを思い出していた。

    長袖のブラウスの袖から、手首のアザを見つけると、佐々木を

    思い出し下半身が、しっぽりと濡れてくる。

    デスクの椅子の中で、誰にも気づかれないように、スカートの横チャックの中に

    手を忍ばせ、草むらに触れてみる。

    (私・・こんなに淫乱な女になってしまったのね・・我慢できない・・)

    佐々木の言いつけ通り、パンティもブラもつけていない・・。

    誰が、それに気づくだろう・・。

    それだけでも、真里菜は興奮した。

    今日もお姉さまに逢いたい・・

    真里菜は、早く帰りたい・・1日そればかり思っていた。


    午後5時、定時のチャイムが鳴った。

    真里菜は、そそくさと机の上を片付けて、家へと急いだ。

    お姉さま・・・今日は何時くらいにお帰りかしら・・

    そうだ。お姉さまに夕食を作って差し上げよう・・。

    真里菜は、家の近くにスーパーに寄って買い物を済ませ家へと帰った。


    午後8時

    夕食のハンバーグを作り終わって、佐々木の部屋のインターホンを押した。

    返事がない・・。

    お姉さま、今日は残業なのかしら・・。


    午後10時を過ぎても、佐々木の部屋の電気が灯ることはなかった。


    真里菜は、何だかとても不安を感じた。

    お姉さま・・何かあったのかしら・・。

    朝方まで、真里菜は、佐々木を待っていたが、戻ってきていない・・。

    真里菜は、主人をひたすら待って、待ちくたびれた飼い犬のように、そのまま

    眠ってしまった。


    (つづく)
引用返信/返信 削除キー/
■2496 / ResNo.44)  逢瀬の痕27
□投稿者/ 雅 一般人(36回)-(2005/09/23(Fri) 17:43:03)
http://id7.fm-p.jp/23/bianmiyabi/
    カーテンから差し込む光で、真里菜は目が覚めた。

    「お姉さま・・」

    慌てて、佐々木の部屋へもう一度行ってみた。


    ピンポーン


    ガチャ


    眠そうにでてきた佐々木に、真里菜は嬉しさの余り泣きながら抱きついた。


    「お姉さま・・」


    佐々木はきょとんとした目で、真里菜を見て、そっと頬にキスした。


    「ん?どうしたの?」


    「だって・・だって・・」


    真里菜は、涙で声にならなかった。


    「もしかして、夕べ遅く帰ったから、心配してくれてた?」


    真里菜はコクリと頷いた。


    佐々木は、にっこりと微笑んで


    「夕べは、ちょっと用事があって、遠くまでいってたのよ。ごめんね。」


    佐々木は、真里菜にそういうと、時計を見ていった。


    「もう、そろそろ会社に行く準備しないとダメなんじゃないの?」


    「良かった・・、何あったのかと思って・・・良かった。」


    真里菜は、涙をぬぐって、佐々木に言った。


    「じゃ、帰ります。」


    「夕べはごめんなさいね。今日も遅くなるだろうから・・心配しないで。」


    真里菜は頷いて、佐々木の部屋を出た。


    (つづく)
引用返信/返信 削除キー/
■2497 / ResNo.45)  逢瀬の痕28
□投稿者/ 雅 一般人(37回)-(2005/09/23(Fri) 17:58:58)
http://id7.fm-p.jp/23/bianmiyabi/
    真里菜は、その日、余りの眠さに会社を休んだ。

    佐々木の顔を見れて、安心した真里菜は、同僚に電話して、会社に体調が悪いから

    と言付けを頼んで、そのままベッドに倒れこんだ・・。


    お昼すぎ・・

    真里菜は目を覚ました。

    喉が渇いたので、冷蔵庫からミネラルウォーターを一気に飲み干し、そのままベッ

    ドに潜り込む。


    「・・・・」

    壁の向こうから聞こえるかすかな声・・・


    お姉さま・・・今日会社休んでるのかな・・


    暫く、壁に耳をすませてその声を聞いていた。


    「!」


    その微かに聞こえる声・・


    それは、佐々木の喘ぎ声だった・・。そしてもう一人・・声の低い女性の声・・


    真里菜は、一瞬固まった。信じたくなかった。


    でも、聞こえてくるのは、喘ぎ声の何者でもない・・


    真里菜の目から、大粒の涙がでて止まらなかった。


    お姉さま・・・


    真里菜は、そのまま布団をかぶりこんだ。


    布団の中から、唸るような押し堪えた泣き声だけが響いていた。


    (つづく)
引用返信/返信 削除キー/
■2499 / ResNo.46)  逢瀬の痕29
□投稿者/ 雅 一般人(38回)-(2005/09/24(Sat) 21:42:57)
http://id7.fm-p.jp/23/bianmiyabi/
    真里菜は、1日中布団に潜り込んだまま、一歩も出る気にもなれなかった。

    頭の中でグルグルと、佐々木の喘ぎ声だけがこだましていた。

    考えたくないのに・・・信じたくないのに・・・

    目を閉じると、髪を振り乱し、悶え悦ぶ佐々木の姿がよぎった。


    ウァァァー


    真里菜は、布団の中で叫んだ。

    その妄想をかき消すために・・。



    ギャーーーーーーーっ

    その時、壁の向こうから、悲痛な叫びが聞こえた。

    真里菜は、聞かないようにしようと思った。

    でも、壁の向こうでありながら、はっきりと聞こえる叫び声・・


    お姉さま・・どうしたの?

    何が起こっているの?

    真里菜は、壁に耳をあて、壁の向こうの様子を確認する。

    佐々木の、ギャーという悲痛な声と、泣き叫ぶ声。

    まるで、拷問を受けているような・・


    真里菜は、玄関を飛び出し、佐々木の部屋のインターホンを

    鳴らし、ドンドンとドアを叩いた。

    「お姉さま、お姉さま、真里菜です、お姉さま」


    なかなか出てこない・・

    やっぱりこれは、おかしい・・警察に電話したほうが・・

    そう思った時、扉が開いた。

    そこには、いつもの白いシャツを羽織り、髪が乱れ、ぐったりとした佐々木の姿が

    あった。


    「お姉さま、どうかされましたか?大丈夫ですか?」


    佐々木は無言だった。

    真里菜は、玄関からちらっと奥の様子を伺った。

    ベッドから手を伸ばす、髪の長い女性・・

    一瞬、横顔しか見えなかったが、煙草をふかしていた。

    年齢は、中年女性のような感じがする。

    お姉さまは、大丈夫なのだろうか・・何か脅されて大変な事になってるんじゃ・・


    佐々木は、真里菜に言った。


    「大丈夫よ・・・帰りなさい。」


    扉は閉ざされた。


    お姉さま・・・。

    真里菜は、仕方なく部屋へ戻ったが、気がかりで仕方なかった。

    一体・・・どう言うこと?


    暫く、真里菜は、壁から向こうの様子を伺った。

    それからは、声の低い女性の声がして、何やら会話しているようだった。

    その後、しばらくすると、ドアのパタンと閉まる音が聞こえた。

    あの女性・・帰った?


    真里菜は、暫く様子を伺って、佐々木の部屋へと向かった。


    ピンポーン


    インターホンを鳴らした。


    ガチャ


    扉から出てきたのは、

    佐々木ではなく

    さっきの、ベッドにいた女性だった。

    (つづく)

引用返信/返信 削除キー/
■2501 / ResNo.47)  素敵なノベル♪
□投稿者/ アイ 一般人(1回)-(2005/09/25(Sun) 03:09:44)

    こんな萌えるお話初めてですー期待してます

引用返信/返信 削除キー/
■2502 / ResNo.48)  逢瀬の痕30
□投稿者/ 雅 一般人(39回)-(2005/09/25(Sun) 04:24:41)
http://id7.fm-p.jp/23/bianmiyabi/
    「暫く戻ってこないわよ」


    その女性は、冷ややかな目で真里菜を見つめた。


    「あの・・どこへ行かれたんでしょうか?


    「貴女、いったいあの子の何なの?恋人?友達?」


    真里菜は、返答に戸惑った。


    何て答えたらいいのか分からなかった。


    「ちょっと中へ入りなさい。」


    部屋の扉は閉ざされた。


    真里菜が部屋に入ると、部屋は乱れ、煙草の煙で充満していた。


    ベッドに目をやると、シーツが乱れている。


    真里菜は目を伏せた。


    真里菜は、ソファに腰かけた。その女性は、ベッドに腰かけ、煙草を吸い出した。

    その女性は、歳は、40代後半か・・結構若く見せてはいるが、首筋の具合から

    そのぐらいの歳かな・・と真里菜は思った。

    結構、綺麗な人だったが、かなりキツそうな感じの人で、金光りした、宝石の散り

    ばめられた時計や、大きな石のついたギラギラした指輪からして、成金ぽい感じ

    がした。

    いきなり、その女性が、真里菜に尋ねた。


    「ねぇ、貴女サーヤの何なの?」


    サーヤ・・お姉さまの事、サーヤって呼んでる・・。


    真里菜は、黙っていた。


    その女性は、ちらっと真里菜を見て言った。


    「サーヤから離れなさい。その方が貴女のためよ」


    「どうしてですか?」


    真里菜は、すぐ女性に聞き返した。


    女性は、真里菜に煙草を勧めたが、真里菜は断った。


    「はっきり言うと、私の所有物だからよ」


    「それ、どういう意味ですか?所有物って」


    女性は、にやっと笑って真里菜を見た。


    「あの子は、お金で買った私の所有物なの。だから、もう近づかないでほしいの

    よ・・」


    その女性は、口ごもった。

    真里菜は、その女性の目をじっと見つめた。

    暫く考え込むようにして、真剣な眼差しで、真里菜に言った。


    「正直に答えて。サーヤは、貴女を抱いた?」


    真里菜は、黙ったままだった。

    女性は、察したように、真里菜に言った。


    「貴女だったのね・・」


    その女性は、肩を落として真里菜に言った。


    「サーヤはもう時間がない子なのよ」


    時間がない?それはどういう意味なんだろう・・


    「その説明では良く分かりません。もっと詳しく説明してください。」


    その女性は、目の前にあった飲みかけのコーヒーに口をつけた。



    「サーヤが生きている時間が余りないってことね。」


    「・・・・・」


    「私も、それを聞いたのは、1ケ月前だったかしらね・・」


    その女性は、固い表情で、ゆっくりと話だした。

    5年前、親の借金の為に、SMクラブで働いていた所を、その女性に借金1億円

    を清算してもらい、女性の奴隷になった事。

    その後、両親は行方をくらまし、消息が分からなくなった事。

    親族も、借金が原因で疎遠になってしまって、頼る所が一切ないという事。

    3ケ月前、体調を壊しぎみで病院に行った所、すい臓ガンで既に手遅れ状態

    だったこと。

    最近、痛みがでてきて、かなりキツイ薬を服用して、それで、何とか生活できてい

    ること。


    真里菜は絶句した。

    お姉さまが、ガン?

    真里菜の頭は、すぐにその全てを把握する事はできなかった。

    その女性は、真里菜の目を見ていった。


    「サーヤを愛してるの。だから本当は、残された時間は、私のものにしたかった。

    でもね・・。あの子拒んだわ。最期まで、ここにいるってね。

    私は、あの子に十分なお金と、自由を与えてあげれるのよ、そして、一緒に思う存

    分サーヤの好きな事をさせて、思い出をいっぱい残そうって思ったわ。」


    その女性は、いきなり立ち上がって窓の外を見た。


    「でも、あの子ね・・イヤだっていったの・・。私に歯向かったのは、今回が

    初めてだったわ。」


    「・・・・・」


    「もしかしたら、私以外に好きな人がいるんじゃないか・・って思った・・」


    その女性は、窓の外を向いたままだった。

    少し寂し気な表情だった。


    「お姉さまは・・お医者様に、あとどの位って言われているんですか・・?」


    「1年持たないって言われたらしいわ・・」


    「・・・・」


    真里菜は、何も話すことができなかった。目から、涙がどんどん溢れてくる。


    「サーヤにとって私は、単なる借金を返してあげる約束を果たしているだけ

    の感情しかなかったのよね・・。悔しいけどね・・。」


    その女性は、振り返って真里菜を見た。その目には涙がいっぱい溜まっていた。


    「サーヤは、貴女を愛してると言った?」


    真里菜は、頷いた。


    その女性は、真里菜をそっと抱き寄せた。


    「私には、サーヤの最期を幸せにしてあげる事はできない・・だから・・

    貴女にお願いするわ。サーヤの傍にいてあげてほしいの。」


    真里菜は、頷いた。

    その女性は、涙をぬぐいながら言った。


    「昨日、薬・・取り上げたの・・。でも、サーヤ・・ここへ戻ってたわ。

    今日も、急に痛みだして・・のた打ち回るように痛がっていたわ。

    多分、今病院に薬を取りに行ったはずよ。病院でもらう薬では、そこまでの痛み止

    める事はできないわ。これ、貴女から彼女に渡してちょうだい・・」


    その女性は、カバンから薬の袋を取り出し、真里菜に手渡した。


    「これは、私が裏から手を回して、海外から手に入れた、かなりの鎮痛作用がある

    薬なの。まだ、日本で薬の承認が降りていないの。普通じゃ、なかなか手に入らな

    い薬なの。これがあれば、少しでも楽だし、少しでも長くここで生活できるはず

    よ。」


    その女性は、上着をはおり、カバンを持って立ち上がった。


    「じゃ、私はもう帰るわ。私から、もうここへ出向いてくる事はしないけど

    貴女から、私に連絡をくれないかしら。サーヤの状態を毎日メールでいいから

    知らせてほしいの。」


    「分かりました」


    その女性は、にっこり真里菜に微笑んで言った。


    「サーヤの事、頼んだわよ。」


    そう言って、小切手と名刺を真里菜に渡した。


    「これは、受け取れません。」


    真里菜は、小切手をその女性に返そうとした。


    連絡代だと言って、その小切手を受け取らず、そのまま女性は去ってしまった。


    (つづく)

引用返信/返信 削除キー/
■2503 / ResNo.49)  アイさん♪初めまして。
□投稿者/ 雅 一般人(40回)-(2005/09/25(Sun) 04:30:24)
http://id7.fm-p.jp/23/bianmiyabi/
    アイさん、初めまして♪
    小説、読んでくださってありがとうございます。
    感想いただけるととっても励みになります♪

    「逢瀬の痕」かなり長編になってしまいましたが、
    頑張って更新していきますので、これからも応援してくださいね♪


引用返信/返信 削除キー/

<前のレス10件 | 次のレス10件>

スレッド内ページ移動 / << 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 >>

このスレッドに書きこむ

Mode/  Pass/

HOME HELP 新規作成 新着記事 ツリー表示 スレッド表示 トピック表示 発言ランク ファイル一覧 検索 過去ログ

- Child Tree -