| 私は都内にある『青井高等学校』に教師を勤める25才、若林優花(ゆか) この学校に来て、早二年。ようやくここの学校にも馴染めてきた。 初めてこの学校に来た時は周りの先生に気を遣いすぎて、ストレスが溜り、うまく仕事をこなせなかった。その為、周りの先生には怒やされ、緊張のあまり、また失敗をしてしまう、悪循環を一年間繰り返していた。 二年目になると、ようやく新米教師から抜け出し、一人前の教師になれた。 生徒からは男女問わず好かれていた。 『やっと、私にとって居心地の良い学校に感じるわ。』 学校のトイレの鏡の前で、伸びをし、教職員室のドアに手を掛けた。 もうすこしで朝礼が始まる時間ギリギリに入った。 周りの先生と仲良くなったとはいえ、まだまだ、気疲れしてしまうのだ。
『若林先生、お早ようございます。』 朝礼が済み、一時間目の授業の用意をしていると、隣の席に座る田辺先生が声を掛けてきた。 『お早ようございます。今日もお互い頑張りましょう!』 田辺先生は隣のクラスで担任をしている。 学校では、教師一、美人で生徒受けがいいと、よく耳にする。 推定年令、二十代後半、そろそろ、三十路に入るみたいだ。 こないだ話た時に、結婚が出来るか、心配していたから。 かくゆう私も、先の事が不安だった。 私は、生まれてからこの方同性にしか好意を持てず、経験も女性以外ない。 男性との性的な関わりが嫌いなのだ。 『ええ。頑張りましょう!気合いですよ?授業は若い子が相手だからね。』 田辺先生は私の肩をぽん、と軽く叩き職員室を出た。
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