| 午後八時。 優花は例のホテルにいた。一度はここから逃げ出した。 再び、優花は田辺の手に掛かる。 喉がひどく渇く。唾を飲み込み、田辺の姿を待つ。 寒い手をこすりながら、息を手に掛ける。 しばらくして、前方からヒールで歩く音がした。 田辺だ。
『優花さん、寒いのにこんな所で待っていたの?部屋に入っていれば良かったのに。』
『真由美様の前に、あたし何かが、先に部屋には入れませんから。』
ここに来る前に、田辺からメルアドを教えるように言われ、その際に田辺は優花に自分の事を真由美様と呼べと命令した。
『フフ。可愛い事を言うのね。さっ、早く部屋に行きましょうか?あっ、その前に。』
真由美がバッグから黒の首輪を取出し、優花の首にはめた。
『似合ってるわよ。もう逃げられるのはごめんよ?』 『そんな事はもうしませんわ。あたしは真由美様の奴隷ですから。』
『そう、それでいいのよ』
(携帯)
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