| 彼女で出会って、気がついたことは彼女のことばかり考えてることだった。 土曜日に彼女が部屋に来ると決まってからは、毎日土曜日のことばかり考えていた。 金曜日には仕事に力が入り、くたくたになってしまった。でも、会社からの帰り道に彼女が好きそうな花を買って飾ろうかな、いや、花よりビデオを借りておこうかと考えながら電車に乗っていた。こんなに夢中になって、だいじょうぶか。お前は。と自問自答しながらビデオを借りた。
土曜日の昼近く、携帯に彼女から電話が入った。 「みゅうたんだよぉ。」彼女は自分のことを『みゅうたん』と呼んでいた。最初は耳障りだったが、慣れた。 「何か買って行く?」電話の向こうから雑然とした街の音が聞こえてきた。 「今、どこ?」 「近くだよ。駅を降りたとこ。」 「そっか。何もいらないよ。迎えに行く?」 「うん!来て、来て。」 駅に向かって歩いていると、携帯を持って手を振っている彼女を見つけた。ゆっくり近づいて、笑うと彼女も微笑んだ。 「いらっしゃい」 「うん。来ちゃった。あんまり遠くなかったよ。」 彼女と並んで歩いた。信号待ちをしてる時や坂を歩いている時も彼女は話をしていた。電車の時間や駅の様子。昨夜眠れなかったこと。ずっと、彼女は話をしていた。そんな話しにうなずきながら、僕は彼女の横顔をそっと見た。
部屋に着くと彼女は、はしゃいでいた。 「わぁ、けっこう広い。一人じゃ、広くない?へぇ〜。ここって・・。あっ、トイレだぁ。ふ〜ん。」 「何か飲む?こっちへ座れば?」ソファに向かって言うと彼女は 「は〜い」と言いながら、座った。コーヒーを入れながら彼女を見ると両足を抱えながら座り、周りを見渡していた。 「はい。コーヒーどうぞ。」 「ありがと。」 二人で並んで座り、コーヒーに口をつけた。 ふぅ・・。彼女が軽く溜息をついた。 「どうしたの?」 「ん?う〜んとね・・。へへへ」 また、両足を抱え、体を揺らしながら笑っている。 「どうしたのさ。」つられて笑ってしまった。 「ん?あのね、ホントに来ちゃったなぁって思って」 彼女はコーヒーカップに口を付けながら、悪戯っぽく笑って言った。 「うん。そうだね。」僕はコーヒーカップをテーブルに置いた。
僕と彼女はビアン系サイトで知りあった。チャットで話をし、電話やメールで連絡を取り合った。そして、付きあうことになった。それから、何回か会って、僕の部屋に泊まりに行きたいと彼女は言った。僕は『あぁ、そうなんだ。』と感じながら、軽く承諾した。そして、彼女は僕の部屋に来たのだった。
彼女が、僕の肩にもたれて来た。僕は彼女の肩に手を回し、そっと力を入れた。 静かな時間が過ぎた。 彼女を見る。彼女は僕を見上げた。 ゆっくりと口を近づけた。やさしいキスだった。やわらかい唇の感触を今でも忘れない。顔を放すと彼女は抱きついて来た。背中に手を回し、力いっぱい抱きしめた。 「大好きだよ。ほんとに」 「うん。みゅうも・・」 彼女の髪の匂いが心地よかった。大きく息を吸い込んだ。
愛してる。ほんとに。
彼女に髪にキスをして、首筋にもキスをした。彼女の息がもれた。胸に手を回すとブラウスの下のやわらかい感触があった。ゆっくり手に力を入れ、胸をつかんだ。 彼女の息が荒くなった。 「あぁ・・・」 撫でるように、回すように胸を触った。彼女の体をソファの上に乗せた。すると、彼女は体を倒した。その上に覆いかぶさり、彼女のブラウスのバタンをはずした。 彼女の下着をあらわにすると、下着もはぎ取った。大きな胸は、乳首が固くなっていた。 「はずかしい・・・」 彼女は小さい声で言った。聞こえないふりをしながら、僕は彼女の乳首を口に含んだ。 「あぁ・・・」彼女はすぐに反応した。僕は、乳首を強く吸ったり、舌で転がしたりした。その度に彼女は切ない声で応えた。スカートに手をかけて、スカートを取り、パンティだけになった。脱がそうとすると彼女が言った。 「だめぇ、はずかしいよぉ」 僕は、言った唇にキスをした。そして、全部脱がしてしまった。
焦る気持ちがあったのかもしれない。 はやる気持ちがあったのかもしれない。
彼女は、両足を閉じて目をつぶっていた。そんな彼女を見て、僕は、ゆっくりと手を下ろした。膝を撫でて、太ももを触った。彼女の足に力が入るのを感じながら。
「かわいい・・」僕がつぶやくと彼女が目を開けた。 「はずかしいよぉ・・」 「どうして?はずかしいの?かわいいのに。」 「いや・・・。はずかしいもん。」 「好きだよ。いっぱい。」
次の瞬間、僕の体の奥に何かが生まれた。胃のあたりから、沸き上がるような感覚で、それは生まれた。それを感じながら、僕は彼女の顔を見た。目を閉じている彼女。じっとしていた。
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