| 香織とは同じ部活に入った。文化部だけど割りと活動が盛んな部だった。 それからというもの、香織と私は一緒に行動するようになった。 私はすごく幸せで、もう心の奥底から彼女を愛した。 自分で自分を慰めるときも彼女を抱くことを想像して快感の頂点に達することはいつものことだった。 彼女には、一生この気持は伝えないだろうと思っていた。
だが高校二年のとき、彼女になんと彼氏が出来てしまった。 香織からそのことを告げられたとき驚きとショックで目の前がうねうねと曲がり始めた。 『彼は私の男性恐怖症も全てを愛してくれるって約束してくれたの。』 嬉しそうに微笑む彼女に私は何にもいえなかった。 ただ一言。 『おめでとう。大事にしてもらいなよ。』
それからというもの、彼女は彼氏といる時間が増え、私といる時間は減った。 部活にもなかなか顔を出さなくなりしだいに一緒にいなくなった。 たまに会って話しをする。 (このままの距離がちょうどいいのかな・・・。) そう考えている矢先のことだった。 『采、ちょっと相談あるんだけどいい?』 香織の声を久しぶりに聞き、体がうずく。 『いいよ。どうしたの?』
『ちょっとここじゃあ・・・。今日私の部屋こない?』 香織の部屋。よからぬ想像をする自分に嫌気がさした。 ちょっと間をおいて返事をする。 『いいよ。放課後いくよ。』
―キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン―
放課後がやってきた。 『おまたせ。』 『あっ。采待ってたよ。』 香織がかわいい顔で出迎えてくれた。
『じゃあ、いこっか!!』 久しぶりに彼女から腕をからませてきて部屋に向かった。
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