SMビアンエッセイ♪

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■4633 / ResNo.30)  1話
  
□投稿者/ 薫 一般人(28回)-(2007/09/24(Mon) 22:56:42)


    『くだらねぇこと思ってないで練習しろっチビ。』


    あたしの頭を楽譜の角で小突く。


    「いだ…」


    そんな奴はあいつしかいない。


    同じバンドメンバーの、リーダー兼ボーカル。


    アキラ(22)


    その容姿は自他共に認める美しさ。
    歌唱力も人より勝っていて、ユキに誘われて入ったらしい。
    皆、アキラを尊敬していた。


    「くだらなくないし。本気だもん」


    『だから、お前はいつまでも下手なんだよ。時間があれば上手くなれると思ってんだろ?』


    「そっ…んなことねぇー!!」


    『まぁまぁ、アキラも許してやってよ!瑞穂も反発しないでな?』


    あたしたちの喧嘩を止めてくれるのは、最年長の、影のリーダー。


    ヒカル(25)


    ギターがマジうまくて、流石長いことやってるだけある。


    ライブの出演とか製作とかヒカルに任せっきりだ。


    『瑞穂、アキラ、ヒカル!お待たせー。』


    スタジオの扉が思いきり開かれ、勢いよく現れたユキ。手には缶ビールが四本握られていた。


    『待ってましたー!』


    アキラはユキからビールを受け取り、タブを起こす。

    プシッ。


    ゴクゴク。


    『ぷはぁーうめぇ♪』


    「『おっさん』」


    三人が口を揃えてアキラに言う。


    週一で、スタジオを借りてあたしたちは練習する。


    あたしは、青春を改めて謳歌しているなって嬉しかった。

    (携帯)
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■4634 / ResNo.31)  2話
□投稿者/ 薫 一般人(30回)-(2007/09/24(Mon) 22:59:18)


    『ライブ決まりました。』

    ヒカルが唐突に言う。


    「本当に?」


    『嬉しくない?』


    「複雑だなー。」


    『チビ、何でだよ?』


    「……」


    バイト終わりに、電話でヒカルに呼び出され喫茶店で落ち合ったあたしに、告げられた報告。


    『瑞穂ねぇー恥ずかしがりやなんだよねー』


    カフェオレに刺さるストローを回しながらユキが答える。



    『マジ?』


    ヒカルが笑いそうな顔で聞く。


    『ダセー。』


    アキラが半笑い、ってか既に笑って言う。


    「うるさい!」


    その瞬間三人は大笑い。
    たちまちあたしは顔が赤くなる。


    『瑞穂カワイイ』


    ヒカルが頭を撫でる。
    アキラが頬をつつく。
    ユキが笑う。


    その空間が大好きで。


    ずっと続くと思ってた。




    ライブを行うと告げられてから、練習は一層ハードで、大学生なあたしは両立が難しかった。それはユキも同じで、弱音などはけなかった。


    アキラはプロになる為にフリーターだし、ヒカルはOLだから、夕方定時終わり。

    練習は必然的に夜になっていた。

    (携帯)
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■4635 / ResNo.32)  3話
□投稿者/ 薫 一般人(31回)-(2007/09/24(Mon) 23:01:04)

    ライブ三日前。


    『瑞穂…話しがある』


    ヒカルが練習終わりに呼び止める。


    ユキとアキラは空気を察知してスタジオを出た。


    あたしはヒカルが何を話したいのか見当もつかなかったんだ。



    「どうしたの?急に。」


    ヒカルが今までに見せた事のないくらい真剣な表情だった。


    『あのさ…瑞穂。』


    生唾をゴクンと飲む。


    暫くの間の後ヒカルは口を開いた。


    『前から言おうと思ってたんだけどさ、うち…瑞穂の事が気になってた。』


    !?



    ヒカル??


    いきなり何を言っているんだぁ?ライブ三日前に言うなんて、メンバー混乱するじゃん!!


    てか席外したってことは二人は知ってるのか!


    混乱してるのはあたしだけじゃーん!!


    「えっ……あの……ヒカル?あたし…」


    『瑞穂、落ち着いて聞いてくれ』


    「いや…その…あたし…ヒカルとは…うん…」






    『瑞穂……お前の…肩に前々から居るんだよ』



    「はぃ?」


    『ずっと気になってたんだけど、瑞穂ホラー嫌いじゃん?でも我慢出来ないから……そこの霊と話しさせてくんないかな?』



    …ゾワワワワ…


    そんな効果音がお似合い。あたしの全身に鳥肌が立つ。


    それは突然の告白。
    でも愛を囁くわけではなくて…
    霊の存在を指摘する恐ろしい告白でした。



    「いやぁぁああああああ」

    (携帯)
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■4636 / ResNo.33)  4話
□投稿者/ 薫 一般人(32回)-(2007/09/24(Mon) 23:03:27)


    気がつけばあたしは、ふかふかな感触に包まれていた。


    とうとうあたしは天国か。きっと世界で1番嫌いな幽霊があたしに取り付いているなんて言われたから…。ショック死かな…阿保みたいな死に方だったなー。
    せめて遺言書書いとけば良かったなあ。


    「ヒカルのばかぁあああ」

    『ごめんなぁ瑞穂。』


    あれ?ここは天国じゃないの?


    横目で確認すると、ヒカルが苦笑いで謝っていた。


    『やっと目覚めたね』


    頭を撫でられて実感する。

    あたしは生きていた。


    ヒカルは倒れた後の事を話してくれた。


    『まさか倒れるなんて思わなくてさ…うちが自宅まで運んだんだよ。スタジオから近かったから』


    壁に掛かる時計を見ると、時刻は朝の5時。


    練習が終わったのは、夜12時過ぎだから…。


    「ごめん!ヒカル。あたしかなり寝てたね!」


    慌てるあたしに、ヒカルは笑顔で大丈夫。と返した。

    『とはいえ、寝てないのはやばいから寝るな。仕事9時からだし、7時まで。瑞穂も講義遅いでしょ?』


    「うん。昼から…」


    『じゃータイマーセットしてっと。おやすみ』


    ヒカルはあたしが寝ているベッドに入り込み添い寝状態になってしまった。


    壁際に押しやられたあたしは出るに出れず、体は硬直してしまった。


    アキラ程ではないが、ヒカルも年齢の割に若く見られるし、顔立ちもはっきりとしていて綺麗だった。
    アキラみたくガキ臭くないし、いつも冷静なヒカル。

    (睫毛長い…)


    閉じる瞳から覗かせる。
    吸い込まれそう。
    あたしは、メンバーにも関わらず、鼓動が高鳴っていた。

    (携帯)
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■4637 / ResNo.34)  5話
□投稿者/ 薫 一般人(33回)-(2007/09/24(Mon) 23:05:56)


    …ジリリリリ…


    結局あの後一度も寝れずに7時を迎えた。
    携帯のアラームが鳴っているのに起きる気配のないヒカル。

    きっとあたしが寝ている間起きてて疲れてしまっているんだ。

    あたしは心で詫びながらヒカルを揺らす。


    「起きて…ヒカル」


    まるで端から見ればカップルに見えるのだろうか。


    眠い目を擦りながら、ヒカルはベッドで寝返りを打ち仰向けになる。


    うっすら開いた目であたしを見ると、最悪な一言を発した。



    『おはよう、マイク』





    朝の静かな時間。
    外は鳥たちが鳴き
    秋の朝を感じるかのように肌寒い。
    しかし、あたしの寒さは季節によるものなんかじゃない!



    「ヒカルのばかぁあああ」

    昨日から二度目の叫び。


    『つい…見えるとね?』


    悪戯に笑うヒカルは可愛くて憎めない。
    けどやっぱり怖い。
    しかもマイクって…外人かい!!


    「お祓いしてよー」


    洗面所で歯を磨くヒカルにあたしが、後ろから声をかける。


    『うちにお祓いなんて出来ないよ』


    「そんなー」


    ガックシ。


    今のあたしの効果音。
    膝から崩れ落ちる。
    じゃあ、あたしは得体の知らないマイクを肩に乗せて生きなきゃなんないわけー!?

    (携帯)
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■4638 / ResNo.35)  6話
□投稿者/ 薫 一般人(34回)-(2007/09/24(Mon) 23:07:03)


    『楽しいんじゃね?』


    アキラがハンバーガーを頬張りながら言う。


    ヒカルの自宅を出て、ヒカルは会社へ向かい、あたしは大学に向かうはずだった。


    「楽しくないし!」


    『いいじゃん、マイクと仲良くすれば。なー?マイク!』


    霊感のない、アキラはあたしの肩にわざと視線を移し問い掛ける。


    来るんじゃなかった。
    憂鬱な気分で講義を受ける気分ではなかったあたしは、大学をサボり寝ているアキラを呼び出した。


    今日はバイトがないから、ゆっくり寝れたのに。と文句を言うアキラにあたしはハンバーガーを買ってあげたのだ。


    「とにかく!あたしこんなんじゃ練習にも集中出来ないよ!」


    アキラに涙目で訴えて見る。


    が、無駄だった。


    『マイクをボーカルに加入して、ツインボーカルでやろっか♪』


    この脳天気女は。


    「もういー」


    あたしは立ち上がりファーストフード店から出た。
    アキラもすぐに追い掛けてきた。


    「こないでー」


    『どこ行くんだよ!』


    「家帰る。」


    『家族いないのに?』


    「一人暮らしなんだから最初からいないし。」


    『だから…マイクと二人きりで過ごすの?』


    あたしの足がピタリと止まった。
    マイクと二人きり?


    それだけは嫌!!


    「シャワー浴びたいのに。。」


    『俺んち来ます?』

    (携帯)
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■4641 / ResNo.36)  7話
□投稿者/ 薫 一般人(35回)-(2007/09/27(Thu) 17:26:46)


    アキラの家は、市内の中でも1番高いマンション。
    家賃もマンション自体も。

    アキラはエレベーターに乗り込み、9というパネルを押す。


    『家族だれもいないから。』


    フリーターの癖に、ここに住めるんだから、実家はお金持ちなんだろうなって思った。


    『入って』


    生活感のない、四角い部屋には、テレビとベッドとステレオ。


    ベッド周辺には二冊音楽雑誌が落ちていた。


    「意外にきれーい」


    『A型ですから』


    古いギャグをかますアキラを軽く無視して、あたしは浴室を覗く。


    『ちょ…勝手に見るなよー』


    浴室もあたしのマンションより広くて羨ましかった。

    『バスタオル置いとくぞ。服俺の貸すし。』



    見とれていたあたしにそう告げて、洗面所を出る。


    お言葉に甘えてあたしは、シャワーを浴びた。
    アキラの気遣いと、この部屋の広さに気を取られ、すっかりマイクの存在なんて忘れていた。



    「気持ちかったぁ♪」


    シャワーを終えて、部屋に戻る。
    アキラは誰かと電話していた。
    あたしは適当に床に座り、バスタオルで、ぐしゃぐしゃと頭を拭く。


    『じゃあ待ってる』


    アキラは携帯を切りあたしを見た。


    『ユキから。大学休むなら連絡しろだって。』


    忘れてた…。
    ユキ怒ってるだろうなぁ。

    『ちなみにあと三時間したらユキ様がお見えになるらしいから。』


    今は9時だから…正午には来る。
    ユキの取った講義は昼前に終わるのか。


    あたしはジワジワと来る不安を口にした。


    「アキラ…あたし体調不良ってことにしといてよ」


    『いや、もう言ったし。マイクのせいでサボったって。ユキ様はかなりお怒りだったよー』


    終わったorz


    ユキは昔から、曲がった事が嫌いなんだ。
    だから、幽霊ごときで大学休むなんて、許されない。ユキは怒ると誰も止められなかった。


    アキラもその被害者。
    幾度となく叱られ、ユキ様と呼ぶようになった。


    「裏切り者!」


    アキラに叫ぶ。


    『自業自得だろ?』


    確かに。。
    元はと言えばサボったあたしが原因ですね。
    しかもヒカルにもサボった事言ってないし。


    ダブルで叱られるなあ。


    『とりあえずさーマイクは俺らには見えないんだし。怖がらなくてよくね?ヒカルが来るまでは手も足も出ないし。俺寝るわ』


    アキラはベッドに横たわり背を向けて寝る。


    あたしは正午まで何をしようか、ボーッとしていた。

    (携帯)
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■4642 / ResNo.37)  8話
□投稿者/ 薫 一般人(36回)-(2007/09/27(Thu) 17:28:21)


    正午。


    結局ダラダラとテレビを見ていたあたし。
    アキラの部屋のインターホンが鳴る。


    ユキの登場だ。。


    『はーい』


    ワントーン低い声でロックを開ける。




    『おはよー瑞穂チャン』


    あからさまに怒ってる。


    「おはよーユキチャン。じゃあ、あたしは帰るね♪」


    『待てい』


    玄関から擦り抜けようとしていたあたしの首根っこを掴むユキ。


    苦しくて逃亡を諦めた。


    『あのさーマイクか何だか知らないけど、大学はちゃんと来るのが常識でしょ?』


    「だって…ヒカルが悪いんだもん。いきなり言って。」


    『相変わらずヒカルのせいにするの好きだねー』


    後ろからアキラが声を掛ける。


    『だよねー瑞穂、ヒカルに突っ掛かるよねー』


    『『もしかしてデキテル?』』


    デキてねぇよ!!


    『怪しい事はたくさんあったよなー』


    アキラが思い出しながら笑い出す。


    「何もないから!」


    『じゃあさ、何もないならヒカルんとこ泊まりなよ。』


    ユキが唐突に提案する。


    『どうせ自宅帰ったってマイクとの共同生活になるだけだし、ヒカルは霊感あるから、何かあれば守ってくれるじゃん?』


    『いいねーそれ♪ついでに恋も芽生えたり…ぶはっ』

    アキラが言い終わるうちに鉄拳を食らわしてやった。

    「急に決めないでよ!あっちだって困るだろうし」


    『別にいーよん♪瑞穂とお泊り嬉しいな♪』


    いつの間にかけたのか、ヒカルが受話器から答える。


    こうして、あたしとヒカルのお泊り生活が始まったのでした。


    …ライブまで後二日…

    (携帯)
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■4643 / ResNo.38)  9話
□投稿者/ 薫 一般人(37回)-(2007/09/27(Thu) 17:29:29)

    午後6時。


    ヒカルが定時で上がるまで、あたしたちはアキラの家で大貧民をしていた。


    5時を過ぎたので、いつものスタジオに向かう。


    あたしは一旦家に帰りベースを取りに戻った。


    ユキとアキラは先にスタジオへ向かう。


    秋の夕方は好きだ。
    微妙に涼しい風が吹き、子供の声が聞こえる。
    どこかの家から夕飯のいい匂いが流れていて…。
    秋は楽しい。散歩に最適な季節だ。


    一人自宅へ向かう道中、そんな事を思っていた。


    プップー。


    大きな車のクラクションにびっくりする。


    振り向くと、車の運転手はヒカルだった。


    『どこ行くんだー?』


    「ベース取りに!自宅!」

    『乗って。送る。』


    ヒカルは手招きして呼ぶ。

    ユキたちに冷やかされて、何だかぎこちなくなってしまう。


    助手席に乗り込み、シートベルトを掛ける。


    車は勢いよく発進した。


    『あんな、スピードで歩いてたら遅刻するよ?』


    「ごめん、考え事してた」

    『マイクの事?』


    「そんな外人忘れてた。」

    そうだ、ヒカルにはマイクが見えるんだ。
    またあたしは鳥肌が立つ。

    『大丈夫。マイクは悪い霊じゃないし。』


    そんなの関係ねぇ!!


    「本当に泊まっていいの?」


    『うん。瑞穂が嫌じゃなければね』


    「嫌じゃないよ、頼もしいし。」


    『良かったあー♪』


    よくよく見れば、ヒカルは本当に綺麗で大人っぽくて。パンツスーツだからか、出来る女って感じ。


    そういえばヒカルに恋人できたって話聞いた事がないなぁ。


    『瑞穂…着いたよ。』


    またあたしは自分の世界にトリップしていた。


    「すぐ戻るから」


    『当たり前だよ。』


    「…はい」


    あたしは自宅の鍵を手に取り階段を駆け上がる。


    素早く部屋に入り、ベースを手に持つ。


    息切れしながら車に戻ったあたしをヒカルは大爆笑した。


    『体力ないねー』


    「文化系なんで…」


    たわいもない話しをしていたら、あっという間にスタジオへ到着した。
    結局ヒカルに恋人がいるか聞けなかった。

    (携帯)
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■4644 / ResNo.39)  10話
□投稿者/ 薫 一般人(38回)-(2007/09/27(Thu) 17:30:33)


    『よっしゃー残り二日!気合い入れるぞー♪』


    アキラの声で練習はヒートアップした。
    マジでドラムのユキはリズム感最高だし、ギターのヒカルはめちゃくちゃシビレル。
    アキラの声がメロディーに乗って響く。
    あたしはメンバーの中で1番下手くそで…何となくライブが不安になってきた。

    『自信持ちなよ。』


    ユキが練習終わりにビール片手に言う。


    『そうそう、下手なベースで俺は歌わないし』


    アキラが頭を撫でる。


    「ありがとう…頑張ろうね♪」


    『そろそろ出るよー明日は土曜で皆休みだから、ライブハウスで最終リハだから遅れんなよ』


    ヒカルは何だか機嫌が悪そうに見えた。
    けど口調は変わってないし、気のせいかな?


    あたしはユキ、アキラを自宅に送った後、ヒカルの車で一旦自宅に帰り、着替えやら泊まる用意をして、ヒカルの自宅に再び足を踏み込む。


    『疲れたねぇ』


    「ヒカル激しかったもんね♪」


    『何かエロい会話に聞こえるよね』


    「へんたーい」


    ソファーに座りながら、あたしたちは缶チューハイを飲む。


    酔いも回ってか、あたしはついにヒカルに聞いた。


    「ヒカルはさぁー好きな人いないのー?」


    『秘密』


    「なんでぇー?教えてよー」


    『知りたい??』


    「しりたーい♪」


    『瑞穂だよ』


    「…へ?」


    しばらく静かになるあたしたち。


    『実は片思いしてた♪マイクってのも嘘。こうやって泊まりに来る事を見越して嘘つきました。』


    ヒカルから衝撃の告白。
    マイクといい、好きといい、なんなんだー!!


    「騙すなんてひどい!!」

    『ごめんな、回りくどい手使って。』


    「ぶー…」


    『本当にごめん。でも好きってのは嘘じゃない』


    ヒカルはいきなり、あたしを抱きしめる。
    筋肉質なヒカルの力に動く事が出来ない。
    でもあきらかにドキドキしている自分がいた。


    『返事はいつでもいいよ。けど、バンド抜けるとかは言わないでな。皆に迷惑かけれないし』


    そっと離れるヒカル。
    その顔は一瞬切なげで。


    「考えるよ…」


    そんな言葉しか出なかった。

    (携帯)
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