| 『まずい…まずいって早く、離れて。』 自分の唇に、椎名の息や唇がかすれかすれに当たる。どぎまぎとし、それだけで熱く感じる。
どうして良いのか、冷たい言葉を投げつける。
椎名が離れていく。その目は、今にも泣きそうだった 『どうして、そんな顔をするんだ… まだ…顔が熱い』
隅に行った椎名を、チラリと見やる。 『まだ…唇に感触が残ってる。もう流石に襲ってこないよな。 疲れた…着替えを済ませて、早く寝よう。』紐に手をかけ、引っ張って解いていく。腰板部分の紐が完全に取れて、白い後ろ足が露になる。そして、前部分の腰紐を引っ張った瞬間
「先輩。」
身体が固まる。 鼓動が速くなっていく。 ―っな゛
バァンッ!! 音ともに、右顔に衝撃が走る。ロッカーに叩きつけられた。 突然のことで、混乱していると椎名は、素早く袴の前部分の腰紐で、伊達の腕を後ろできつく縛る。
椎名…どうして?
「先輩がいけないんですよ。みくびり過ぎ さぁ、可愛い顔見せて下さいね」 顔は見えないが、笑っているのが、分かる。不安と恐怖で、血が引いていく。
後ろから、椎名が抱きしめてくる。 背中に熱が伝わって、熱さが広がっていく。
(携帯)
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