| 2007/11/25(Sun) 18:26:56 編集(投稿者) 2007/11/24(Sat) 23:36:28 編集(投稿者)
気が付くと、無我夢中で椎名に身体を預け、抱きしめていた。 『…なんで?…もう無理だ。椎名。』 すると、椎名が心配そうな顔をして覗きこんでくる。
「先輩?大丈夫ですか?もうしませんよ。終わりです。」
笑顔というより、苦笑いに近かい表情だった。 ただ、頷くだけですます。 まだ、そのまま体勢でいたが 『もう、離れなきゃ。またされるかも…』 身体を離そうとすると、椎名が強く抱きしめてきた。
「先輩、すみませんでした。私…本当に先輩の事が好きなんです!剣道している姿も、怒ってる顔も、匂いも、全部好きなんです! 先輩が思っているより、大切に思ってますっ!」
……私は嫌いだ。
椎名の真摯な顔も何もかもを、目の前で見てそう応えた。 段々と、抱きしめている力が抜けていく。
「先輩…」
その言葉に、身体を離す事で返事をした。 『あんなに手慣れていて、大切も何もないだろ。ふざけるな』 少しふらつく身体を、なんとか立たせて着替えをしていく。 沈黙が流れいき、布の擦れる音しかしない。 『早く帰りてぇ。腰が…ダルいなぁ』 ジャケットに袖を通す。 口を開いたのは、私が先だった。
(携帯)
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