| その晩の夕飯、雪菜はいつまで経っても顔を出さなかった。 「あゆちゃん。お母様はいつになったら顔を出すの?」 薫子はお付きのメイドに聞いた
「奥様は体調が優れないので夕飯は要らないとおっしゃっておりました」 クスッと笑うと少し寂しそうに
「そう……今日がお母様と初めての食事だったから残念だわ…」
そういうとあゆみが後ろから抱きしめ
「薫子…あの方の何が良いの…あゆの元に戻ってきて…」 この二人は二年前にあゆみが屋敷にメイドとしてきた時から恋人同士だった。 あゆみは薫子の初めての彼女だった。 「あゆ…薫子はあゆの事大好きよ。でもね、もう恋愛感情は無いの」 薫子がそういうとあゆみは薫子から離れた
「食事はもう良いわ。お母様にお食事届けるから用意して頂戴」
あゆみが目に涙を溜めながら頷き、食事の用意をし始めた
(携帯)
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