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■5768 / 親記事)  (削除)
  
□投稿者/ -(2009/04/30(Thu) 22:34:52)
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■5781 / ResNo.1)  喫煙所
□投稿者/ 葉 付き人(53回)-(2009/05/02(Sat) 22:32:51)
    2009/05/02(Sat) 22:35:17 編集(投稿者)

    あれ、何だよ。消されちまった。


    詰まったんだろ。よくある事さ。
    紙なら捨てりゃいい、PCなら消去すりゃ済む。ネットは厄介だな。


    えらい災難だ。濡れ場もなしに、あたしら贔屓されてなくね?


    また書くってよ。


    知ったこっちゃねえや。

    (携帯)
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■5782 / ResNo.2)  奈落・1
□投稿者/ 葉 付き人(54回)-(2009/05/02(Sat) 23:36:23)
    姉は血を吐く、妹は火吐く、可愛いトミノは宝玉(たま)を吐く
    ひとり地獄に落ちゆくトミノ、地獄くらやみ花も無き


    これを三回読んだら死ぬよ、と教えてくれたのは誰だったか…思い出せない。
    「三回読んだら、じゃなくて、暗記したらだったかな…分かんない」
    思い出した。綺麗な巻き髪の、ぱっちりした瞳のあの子だ―――名前は思い出せない。聞いていなかったのかもしれない…どっちでもいいか。
    あたしは物覚えが悪く、何事も皆からワンテンポ遅れがちなため、おつむが足りないとよく言われた。そう言ったのは親だったか、学校の先生だったか、友達だったか…忘れてしまった。


    暗いなあ。
    どこだか分からないけど、ここは暗い。
    狭いのか広いのかも分からない。そんな真っ暗闇の中、あたしはもうずいぶん長い事、ここに座り続けてる。
    上を見上げると、そこには淡い光が見える。
    …きれいだな、とぼんやり思う。ここまでは届かないけれど、ほのかに青く揺れる光は夜の水面のよう。深い海の底や井戸の底から水面を見上げたら、こんな感じなんじゃないかなあ。


    誰に見咎められるわけでもないのにきちんと正座して、あたしは上を見上げ続ける。
    そうしていると、何かを思い出せるような気がする。


    何か、とても大切な事を。

    (携帯)
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■5785 / ResNo.3)  奈落・2
□投稿者/ 葉 付き人(55回)-(2009/05/03(Sun) 00:28:15)
    玄関の引き戸を開ける音で、来たなと思った。
    「朝刊くらい取り込めよ、中で腐乱してるかと思うじゃねえか」
    「―――さっきまで留守してたんだよ」
    振り返るのも面倒だと居直る肩に、固いものを押しつけられる。反射的に手をやると、細かい産毛がざらりと触れた。
    「食べ頃なのになんで掘らないんだよ、田舎住まいは悠長だねえ」
    「―――おい」
    ひと抱えもある筍を台所へ持ち去ろうとする背中に声を投げる。だが、裏の竹林はよその土地だと言っても耳を貸すような女ではない。
    「アク抜きに使うのは重曹だったか石灰だったか―――そういや、六は?」
    「仕事で日帰り出張、白藤堂の客んとこ」
    「―――は」
    暖簾の間から顔だけ寄越し、環はからかう。
    「珍しく寛大じゃんか、お姉様……筋金入りの純タチに大事な大事な妹を預けるたあ、雪でも降るか」
    「あんたに預けるよりゃ安心だ、それに…」
    私は座布団を折り、先刻までそうしていたように畳に横たわる。
    「女斬りも持ってった。いつものあれだろ」
    「あ―……」
    環は訳知り顔で首を引っ込め、台所の棚をガタガタいじり始める。
    「一度、使ってみたいんだよなあ―――あの冷たい目にポン刀、色悪の極みで濡れてくる」
    「直接目を見てあれにAV出ろと言ってみろ、叩き斬られるぞ」
    「悪うござんしたね、AVで」
    歯切れのいい啖呵が返ってくる。
    「こちらとら、親父様の遺産で優雅に文筆業なぞやれる身分じゃござんせん―――玉石混合どころか石オンリーの飯の種でも量産しなきゃあたちまちお陀仏、そんな悲しい身の上でしてねお姉様」
    私は耳を塞いで寝返りを打つ。
    気色悪いからお姉様とか呼ぶなと言っても、生まれた日付はそっちが先だと反論しても、乾いた笑い声しか返って来ないのは分かりきっていた。


    妹が―――六道が居てくれれば、と密かに嘆く。
    六道にせよこの環にせよ、私と血の繋がりはないのだが。

    (携帯)
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■5786 / ResNo.4)  奈落・3
□投稿者/ 葉 付き人(56回)-(2009/05/03(Sun) 10:45:02)
    ……縁もゆかりもない団体客の一人と間違われ、角部屋の座敷に押し込められた。
    「ちょっと―――」
    私は違う、と言いかけた鼻先で襖が閉まり、部屋の薄暗さと熱気に不穏なものを感じ取る。
    座敷の狭さと内装のお粗末さから、普段は添乗員や旅行会社の人間にあてがわれる部屋だとすぐに気付いた。
    照明は暗かった。何人いるか定かでないが、二十人はいるだろう。同じ柄の浴衣の背中が並ぶその奥で、見世物は既に始まっていた。


    観客と同じ浴衣姿の女が三人、布団の上で絡み合っていた。
    いや、一人の女に後の二人が絡みついているというのが趣向らしく、一人だけがやたらに幼い。
    「いや……」
    低く押し殺した声が作り物でないのは誰にでも分かる。女―――少女は布団に横座りになり、左右から成熟した女二人に唇を寄せられ身をよじり、浴衣の上から身体をまさぐられている。
    「やだ―――やめて……」
    二人の女に唇と首筋を吸われて少女が顔を仰向けると、私は思わず声を上げた。
    「り………」
    ―――違う。私の見知っている顔ではない。
    何人かに振り返られて睨みつけられ、出て行くなら今だと私は思った。鄙びた温泉宿の枕芸など、嫌悪感しか感じられない。
    だが、私は退出しなかった。
    「いや、嫌……あ…」
    少女は諸肌脱ぎにされ、両脇から乳首を吸われて喘いでいる。やがて一人が背後に回って少女を抱き込み、一人が前にうずくまって脚を開かせ、裾を開いた。
    「ああ……嫌ぁ…」
    居並ぶ誰もが無言だが、部屋の熱気と湿気が上昇する。少女を抱き込んだ女は背後から乳房をこねくり回し、前に這う女は客達に尻を突き出しながら少女の股間に顔を埋めた。
    「……あっ、あっ、ああ―――」
    最後列の私からは高まりつつある少女の喘ぎと、見知った者同士の観客の照れ隠しの忍び笑いや囁き声しか聞こえない。けれども肌を吸う音や、指や舌の立てる濁った音が聞こえるようで、私は顔を背けた。


    再び目を向けると、絡みは成熟した二人の女に変わっていた。
    半裸のまま床柱にもたれかかる少女は未だ忘我の表情で、全身で絡み合い猛り狂う女達をぼんやり見つめている。


    やがて二人の女が相次いで身体を引きつらせ、布団に倒れ込むと少女が動いた。
    少女は細い腕を伸ばし、ぐったりした女達の髪を撫で、頭を抱き寄せた。二人の女をうっとりと身を委ね、少女の剥き出しの乳房に頬ずりした。


    私は、そっと部屋を出た。

    (携帯)
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■5790 / ResNo.5)  奈落・4
□投稿者/ 葉 付き人(57回)-(2009/05/03(Sun) 22:08:16)
    台所で、鍋がぐつぐつ音を立てている。
    「人んちでAV観るなと何度言ったら―――」
    「AVじゃねえよ。あんたも好きだろ、白蛇抄」
    環はテレビの前に陣取って、スナック菓子を頬張りながら画面に見入る。
    「…何度観ても、この時のルミ子は抜けるねぇ。素でお願いしたいもんだわ」
    「抜く物もない癖に」
    「お互い様だろ」
    投げつけた座布団を投げ返し、環は鼻で笑う。


    「―――『唖蓮』の短編、読んだよ」
    ややあって、振り返らずに環が言った。
    「面白かった。ネタで六部殺しはありふれてるが、六部が宿の者を殺して居座るってのはいい趣向だな」
    「無理して褒めるな」
    相手にせず寝て時間を潰そうと思ったが、そう言えばと口が動いた。
    「深夜にVシネマ傑作選で、あんたの撮ったのが流れてたな」
    「どれよ」
    「八百屋お七が火刑に遭って、死骸を川に捨てられるやつ。ラストが良かった」
    環はなおも振り向かず、
    「メーカーには散々だった」
    と呟いた。


    ―――大体なあ、と同時に声が出た。
    「抜けば終わりのAVなのに、無駄な凝りが多すぎるんだよ、お前のは」
    「お前のは器用貧乏じゃなくて不器用貧乏じゃねえか、下調べも身につかないうちに分かったような講釈垂れやがって」
    そして互いにムッと睨み合い、これ以上は不毛と黙り込む。妹がいれば巧みに割って入る所だが、さすがに三十路に達すれば、どちらにも無駄な体力を使わない分別が出来ている。
    「ところで……」
    不意に環が、思いがけない言葉を投げて寄越した。
    「あんた、今朝方まで名古屋にいたんだろ。宿はどこだった?」
    「はあ?」
    私は眉をひそめる。
    「六と一緒に、大須の佳乃ちゃんとこ―――PS3買ったけど繋げないってんで」
    「骨董屋の本命の? その後は駅近の『西屋』じゃないの?」
    探るような口調に不快感を覚え、私は声を尖らせる。
    「何のお裁きだよ―――六は出張入るし、佳乃ちゃんは堅気勤めだし、そう長居できるかよ。それでスパ銭寄って帰って来ただけ。確かに駅近だけど、そこじゃない」
    「店の名前」
    「東屋」


    環は、無言で私を見つめた。

    (携帯)
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■5791 / ResNo.6)  奈落・5
□投稿者/ 葉 付き人(58回)-(2009/05/03(Sun) 23:05:00)
    ―――厭なものを見た…


    早く帰りたいのは山々だったが、それよりもあの狭い部屋の湿った熱気がまとわりつく感じに耐え切れず、もう一風呂浴びる事にした。
    屋内の大浴場には人影もまばらで湯の音しかなく、それだけでずいぶん気が休まった。
    昼間からあんな見世物とは珍しい…と思い、いや昼間だからこそ他の客に知られにくいのかと思い直したり、結局は「厭なものを見た」としか考えようがなかった。
    身体を洗ってしばらく湯船に浸かり、ふと涼しさが欲しくなって露天風呂に移動した。
    先客はいるようだが、巧みに配置された岩と木々のために気詰まりは感じない。
    日の当たらない木陰で岩に座り涼んでいると、不意にはっきりと声が聞こえた。


    「やめて」
    そして水音。
    目を凝らすと、岩陰に数人の白い背中が見えた。
    私は備えつけの手桶を掴み、岩から降りた。


    湯を引っかけられた中年女たちはバツが悪そうに、それでもしっかり悪態をつきながら出て行った。
    見覚えのある少女は湯の中で身体をすくめ、怯えた目で私を見上げた。

    (携帯)
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■5792 / ResNo.7)  奈落・6
□投稿者/ 葉 付き人(59回)-(2009/05/04(Mon) 00:09:58)
    怖かった。


    友達は皆、あたしを置いて帰ってしまった。
    友達と言っても名前は知らない。繁華街では愛称でしか呼び合わないし、もともと街で知り合った仲間だった。ほとんど皆、家には帰らず、出逢いカフェやインターネットカフェ、24時間営業の店で過ごしていた。
    あたしはとろいし不器用だから、万引きの役には立たなかった。見た目も綺麗じゃないから色気で稼ぐのも無理だったし、ただ若いだけで重宝してくれるおじさんとかでなければ役に立たず、自分もそういうものだと理解していた。


    だけど、こんな所に置き去りにされるとは思わなかった。
    「怖がらなくていいのよ」
    あたしの髪を梳き、メイクを直しながら二人のお姉さんは口々に言った。
    「あなたは座って、ただじっと見てればいいのよ。そういう出し物なんだから」
    全然違った。
    お姉さん達はあたしに絡みつき、撫で回して裸にした。
    最初は仰天した。気持ち悪くて、泣きそうだった。
    でも、二人がかりで唇を吸われ、胸を揉まれて弄り回されるうちに、あたしは別の意味で泣いていた。
    女のひとにされるのは初めてだった。唇も指も柔らかく、押しつけられる乳房もふわふわしていて、快かった。乳首やあそこに触れる舌も柔らかく、触れられるうちに全身の力が抜けてしまった。


    お姉さん達は優しかった。
    でも、その後で囲まれたおばさん達は意地悪で乱暴だった。
    「あんた、まだ子供じゃない? 人前でよくあんな事ができるわね」
    そんな言葉を嫌味っぽく繰り返され、黙っていると「何とか言いなさいよ」と小突かれ、胸をぎゅっと掴まれた。
    「やだ、乳首勃ててるわよこの子」
    おばさん達はくすくす笑い、次々と手を伸ばしてあたしをまさぐり、お湯の中で弄り回した。
    お姉さん達のような優しさは微塵もない、使い方が分からない機械をいじるような扱いにあたしは身をよじり、鳥肌を立てて抗った。
    「やめて」
    やっと声が出た次の瞬間、おばさん達が悲鳴を上げた。


    あたしはひとつ、思い出した。
    あたしはそこで、あの人に初めて会ったんだ。

    (携帯)
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■5793 / ResNo.8)  奈落・7
□投稿者/ 葉 付き人(60回)-(2009/05/04(Mon) 00:47:48)
    「あんたが西屋にいたんなら、東屋にいた私に会う筈ないだろ」
    私は苛立ちを隠せない。
    「仮に西屋にいたとしても何なんだよ、どうせ撮影に来てたんだろ? わざわざ邪魔しに行くもんか」
    「撮影は夜のうちに済ませて現地解散。スタッフもほとんど残ってなかった」
    そのスタッフの一人が私を見たと言っている、と環はつけ加えた。
    「正確には、後から思えばあんただった、とね。その時は監督だと―――あたしだと思った、と言っている」
    「見間違いだろ」
    私は顔を背けた。
    環とは血の繋がりはない。幼い頃を見知っているというだけだ。
    でも、
    「あの時のあんたの顔ったら」
    と環は未だにからかうが、長く疎遠だった環との再会のきっかけは、私がAVに出ていると慌てふためいた友人からの電話だった。環は当時、監督でも助監督でもなく、女優だった。
    「不思議だよねえ。並べて見るとそうでもないけど、知らない奴は間違える」
    お互いに不本意だが、取り違えられるのは子供の頃から。私がAVに出ていると驚いた友人も、並べて見るまで信じなかった。
    「それで両方の親父が誰だか知ると、空気が凍る」
    どちらの父親も日本画家。ただし、世間の評価は真逆に別れる。


    共通しているのは同時期に、一人の女をモデルにしていた事。
    ただそれだけ。

    (携帯)
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■5794 / ResNo.9)  えっと…
□投稿者/ ふな 一般人(1回)-(2009/05/04(Mon) 02:04:52)
    削除残念です

    (携帯)
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