| また、あの人が誰かの名前を呼んだ。
あたしには聞き取れない。さっきのとは違う名前のような気がする。 「あっ……あ…」 あの人は優しく、それでも容赦なくあたしの乳首を舌で舐め、どんなに身をよじっても離さない。 「いや……」 その間も背筋を撫で上げ撫で下ろされ、こらえ切れずに立てる膝から大腿にも指が這い、抱え上げられる。 ―――微かな違和感。あたしのお腹の辺りで顔を上げたあの人が、何となく違う顔をしているようで、あたしは目を凝らす。 「やっ―――あ……」 けれどもすぐに下腹のさらに下に顔を埋められ、あたしは物を考える力を無くす。
「……ああ…あ…」 あたしは泣き声に近い声を上げている。 あの人は私の脚を肩に乗せ、怖いくらい真剣に唇と舌を動かしてあたしを喘がせる。 怯えて頭を押しのけようとするあたしの手を握り、身体の脇に繋ぎ留められる。あたしはなす術もなく喘ぐだけだけど、あの人が凄い集中力であたしの反応を感じ取っているのが痛いほどよく分かる。
(なに………?) 下半身から駆け上る快感に身体を仰け反らせながら、あたしは目を凝らした。
(携帯)
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