| 「ちょ・・・・・あの、ここは何処ですか?」
頭を撫でてくれる手が暖かくて、優しくて、気持ちいい、幸せかもなんて考えてたけど、思考と止めて問うた。 すると、涼は手を止めて引っ込ませて、満面の笑みを浮かべる。
「僕の自宅の地下室、ってとこかな」
地下室ーーーーーー少なくとも、涼の自宅はマンションやアパートではなく、一戸建てらしい。
改めて周囲を見回すと、右側に鉄製で分厚い重たそうなドア、そして3段の低いコンクリートの階段、木製の棚が向かい合って置いてあって。 その自分の背後の方には白いシーツが掛けてあるクイーンベッド、そして高いポール。 結構広い地下室だが、壁や床や天上などは、全てがコンクリートだ。
「そんな不安げな顔しないでよ・・・・・・」
涼は何故か、切なげで悲しそうな顔をして立ち上がった。
「実は、僕は梨乃に前に一目惚れをしたんだ。それで、時間が空き次第会いに行ってた。会えば会うほど好きになった。 仕事上、次はいつ会えるかなんて全く分からない状態だし、梨乃のクラスメイトや先輩後輩は、何人も梨乃を狙ってるし。 ずっと傍に置いておきたい、長い時間を一緒に過ごしていたくて。 スタンガンを使って、君を気絶させて車で攫ったんだ・・・・ごめんね。 でも、梨乃のことを愛してるんだ・・・・・・・・」
監禁や拉致なんて、漫画やドラマや小説の中での話だけかと思ってたけど、本当にあるのかなんて呑気に考えた。 話を整理すると、一目惚れしたあたしを愛すが故に、こうなってしまったらしい。
「でも梨乃・・・・・・・「涼、ごめんなさい」
いきなりあたしが言葉を遮ったから、ビックリした顔であたしを見下ろしてる涼。
「あたし、昔に何人かの人と付き合ったの。でも、あたしの束縛とかが激しい、愛が重たいって言って別れてた。 あたしは変わった愛し方しかできなくて・・・・愛してたのにって、毎晩泣いてたんだ。 でもっ・・・・・・・・・・!!!」
自然と、涙が溢れる。理由は分からないけど、とにかく伝えなくては・・・・・・!!!! ずっと、悩んで否定したかった想いを。
「あたしも、涼が好きです・・・・・・!」
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