| 広大な面積の深い森林、コバルトブルーの透き通った湖、澄んだ清々しい青空。 それらの綺麗な自然に囲まれて怪しげに聳え立つ、白い壁と青い尖った屋根の城。 頑丈そうな赤レンガと黒い鉄格子で出来た塀で区切られている。 しかし、そこだけが空気が周りとは違い、暗く神秘的な雰囲気を醸し出していた。
ーーーー魔法学術師。略して魔術師。 研究は懸命にされているが、どんな科学者でも誰でも、未だに解明できない。 もう既に100年以上、人間たちは研究と実験を重ねてきた。 しかし、色々な説があるものの、真実も何も解き明かされてはいない。
彼女たちは『魔術師』と呼ばれる。 特徴は大きく分けて2つ。1つ目は女性にしかその力は使えない事。 もう1つは誰でもその能力があるわけではなく、親の遺伝でもない事。 偶然と運命によって、彼女たちはその能力を死ぬまでずっと、持ち続けるのだ。
さて、話は戻り。 城が校舎であるという変わった学校(もう場所からしておかしい)の名前は、 『私立魔法学術専門夜神学園』。難しい名前なので、よく『夜神学園』と言われる事が多い。 名前の通り、魔術師専門、専用の学園の事で、一般の普通庶民は入れない。 普通の人が暮らす世界とは隔離されたそこは、完全寮制。完全に浮いている場所だ。
簡単にその学園について説明しておこう。
学年は全部で3学年。なぜなら舞台となる『夜神学園』は高等部だから。 初等部や中等部、大学はかなり離れた場所に建てられているが、全て『夜神学園』だ。 同じようなつくりの校舎で、それら4校を結ぶと四角形が出来上がる。 北、西、東、南にそれぞれ建てられているからだ。
クラスは火星・水星・木星・金星・土星の5つ。惑星になぞらえてつくられた。 毎年クラス替えがあり、くじ引きで決められるのだ。 クラス対抗で行われる体育祭や文化祭、音楽祭などのイベントもある。 特にどのクラスがどうたら、という事はない。
魔術師達は基本、2つまでの能力しか持てない。1つか、2つかだ。 2つであったとしても、どちらかが弱く、片方の能力を主に自分の属性とする。 だから、その片方の弱い属性の魔術は普段はあまり使わない。 稀に両方の属性が均等に強い魔術師もいるが。
魔術の属性、と先ほど説明したが、属性は以下のものがある。 火術、水術に地術、雷術、氷術、治術。そして特異術。 特異術とは、他のどれにも当てはまらない属性の魔術の属性だ。 治術は治療の能力で、医者に多い属性である。 他も話の中で分かる人も、字を見て大体は分かる人もいるだろう。
最後にーーーーこれは、魔術師の世界と学園を舞台にした話である・・・・・・・。
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