| 早めにホテルに着くと、隣の駐車場に車を止めて鍵を抜いた。 そして、入り口へと向かう。
汚れや曇り1つないガラスで出来た自動ドアを入ると、白い石で出来た床を進む。 突き当たりの廊下にロビーがあり、用件を手早く説明して鍵を受け取り、中へと入る。
前もって予約しておいた6階の部屋に行き、そこでドレスに着替える。 髪を緩く巻いてウエーブを作り、赤いルビーと青いサファイアのピアスを2つずつつけた。
靴を赤いハイヒールに履き替えて、3階の会場、大広間へと向かった。
パーティーは立派なあごひげを生やした社長の言葉で始まり、今はみんなで楽しく話しながら食べたり飲んだりしている。
詩織も知り合いと話したり、今回招かれたらしい会社の人に挨拶を済ませたりしていた。 そして、ふとカクテルが飲みたくなり、話していた太った初老の男性と別れて部屋の端へと向かう。
そこでは今日のために招いたという、とあるバーの人が直接作ってくれるらしい。 そのバーは美味しい酒と、美味しいつまみで評判の最近出来たバーらしい。 詩織も気になってはいたため、並べられた脚が長い椅子に座って注文した。
「あれ・・・・・?詩織ちゃん?!」
そう名前を呼ばれ、驚きつつも相手を見ると、何と由貴がいた。 確かに、結婚式のあの夜にバーを経営していると言っていたが・・・・・。
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