| 男性の部下を従え、テキパキと現場を仕切る岬は、絵に描いたようなキャリアウーマン。 スマートなファッションも身のこなしも、仕事同様に隙がない。 のりとプレスのしっかりきいたシャツに仕立ての良いスーツ。 襟元からのぞく細く白い鎖骨。 ほっそりした手首には品の良い時計、シンプルな指輪をひとつだけした美しい手。
由希は思わず岬にみとれてしまう。 あんなふうになりたい・・・。彼氏はいるのかな?どんな人だろう。
ただの憧れだった上司が、由希の支配者となったのはいつだろう。 上司に仕える忠実な部下。 それだけではない。 心も、身体も、わたしの全てはあの人のもの。
あの日、偶然が起きなければそうはならなかったかもしれない。 いや、わたしの本質は、どうやっても見透かされていたのかもしれない。
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