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■6938
/ ResNo.10)
蝶々 6
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□投稿者/ ギン
一般人(8回)-(2012/11/22(Thu) 21:57:27)
「わ・・・・私は・・・・・」
「ま、先輩に選択肢なんてありませんけど。
生憎私には、何もせずに黙ってあげるほどの優しさはないんで。
最初から先輩は私のペットになるって決まってるようなもんですよ」
やっと微笑みを浮かべた後輩は、私の口の端に唇を落とした。
そしてそのまま唇を滑らせ、顎や首にも唇を落としていく。
肌と唇が触れるか触れないかぐらいの距離で移動する唇。
私はそれだけでぞくぞくとした快感を感じてしまった。
「あっ・・・・」
「先輩も乗り気みたいですね・・・・。
だけど、今日はシてあげません。
代わりに明日は空けておいて下さいね?
週末は先輩とお泊り会するんで」
またもやトイレでぼーっとしていた私に拒否権はない。
後輩はここに来て初めてニコリと満面の笑みを浮かべた。
そのままあっさりと離れ、私を彼女から解放する。
「さ、先輩、仕事に戻りましょう!みんなに気付かれちゃいますよ!」
そう言うと、自分だけさっさと行ってしまった。
私はしばらく立ち尽くしたまま動けなかった。
(東雲さんにもばれてしまうなんて・・・・)
今までの生活が、180度回転してしまった。
今日1日で5人もの人にばれてしまった。
これからどうなるかが一切分からない。
(退職した方がいいのかな・・・・・でも・・・・・)
この会社を辞める気には到底なれない。
それに今は就職難の時代のうえ不況。
転職しようにも転職出来る可能性は低い。
きっと辞めてしまったら生活に困るだろう。
辞めたくても辞められなかった。
(とりあえず仕事を終わらせて菖蒲さんたちと落ち合わなきゃ・・・・)
トイレから戻ると、あと30分で終わる時間だった。
後輩は何事もなかったかのようにパソコンに向かっている。
周りの人はラストスパートをかけているようだ。
自分も仕事を片付けてしまおうと、席に着く。
後輩の方を一瞥したが、視線が合うことはなかった。
(もう嫌・・・・最悪・・・・早く5人とも飽きてよ・・・・)
憂鬱な気分で書類をまとめ、パソコンにデータを打ち込む。
その後は、近々自分が出席する会議のための資料を保存した。
丁度保存したUSBを抜き取った時、終わる時間になった。
スピーカーからはそれに合わせてチャイムが鳴り響く。
途端に社員は全員仕事を切り上げ、片付けをし始めた。
「お疲れさまー」
「お疲れさまでしたー」
私も近くの人に声を掛け、会社を後にする。
これから向かうのは、勿論、待ち合わせ場所のレストランだ。
コートの前を留めると、レストランの方向へと歩き出す。
(寒くなったなあ・・・・)
すっかり風が冷たくなり、暗くなるのも早くなった。
これから本格的に冬が始まろうとしている。
もうそろそろ雪が降り始め、もっと寒くなるだろう。
「どこだろ・・・・」
きょろきょろしながら4人の姿を探す。
すると、それらしき人が視界に入った。
イタリアンレストランの前だ。
「お・・・・遅くなりました・・・・!」
携帯から顔をあげたのは、倉本さんだった。
他の3人はまだ来ていないらしく、姿が見えない。
「私も今来たところよ。他の3人はまだみたいね」
微笑んだ倉本さんは、綺麗なお姉さんだった。
美人という言葉が似合うような、そんな容姿だ。
「渡瀬さんは遅くなるかもって言っていたわ」
「・・・・そうですか・・・・」
「ふふっ、そんな寂しそうな顔をしなくてもいいじゃない」
「そ、そんな顔してません」
「あら、無意識?」
「倉本さん、相崎さん、待った!?」
そこに小走りで渡瀬さんがやって来た。
何やら大きめの紙袋を手に提げている。
ロゴを見ると、ある古着屋のロゴだった。
古着屋をよく利用するのだろうか。
「そんなに待ってないわよ、2人とも今来たし」
「そう、そうならよかったー!」
その後、菖蒲さんと海原さんもやって来た。
揃ったところで、レストランに入る。
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■6939
/ ResNo.11)
蝶々 7
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□投稿者/ ギン
一般人(9回)-(2012/11/23(Fri) 00:42:02)
2012/11/23(Fri) 00:43:09 編集(投稿者)
そのレストランは割と有名らしかった。
店内はとても落ち着いた静かな雰囲気。
料理も美味しくて、かかっている音楽もいい。
全てにおいて良かったレストランだった。
有名になるのも頷けるお店だったと思う。
「さて、次行くわよ!」
まとめるのが上手い菖蒲さんが取り仕切った。
車で通勤しているらしい倉本さんの車に乗り込む。
私は渡瀬さんと海原さんに挟まれて座らされた。
レストランでは私だけが無口なまま食事をした。
話すことはないし、何を話したらいいか分からない。
聞かれた質問に答えるぐらいしかしなかった。
「そういえば自己紹介がまだだったわね、相崎詩織さん。
私は渡瀬由美、あとは海原和泉、菖蒲里香、倉本忍」
なぜ私の名前が知られているのかは分からない。
でもとりあえず他の4人の名前を知ることが出来た。
(かといって距離が縮まるわけではないんだけどね・・・・)
まるで私が逃げることを警戒するかのような態度だ。
端に座ろうとしたのだが、真ん中に追いやられた。
レストランでも倉本さんと渡瀬さんの間に座らされた。
常に私が逃げられないようにされているようだ。
(逃げるわけないじゃない、そこまで馬鹿じゃないわ)
だけど逃げたいと思ってしまうのもまた事実。
かえってこうされた方が諦めがつくかもしれない。
依然として4人が仲良さげにしている中で考えた。
「さあ、着いたわよ」
気付いたら、乗っている車はどこかの駐車場に入っていた。
俯いたままだったため、ここがどこなのか分からない。
周りの様子を見るに、立体駐車場ではないだろうか。
倉本さんは見事に一発で車をバックで駐車した。
車が斜めになることなく、真っ直ぐで綺麗だ。
「相変わらずテクニシャンねー」
「やめてよ、変な風に聞こえるじゃない!」
「さ、相崎さん、降りるわよ」
海原さんに腕を引かれ、車から降りて歩き出す。
エレベーターに乗り込み、下に降りていく。
地下にお店か何かでもあるのだろうか。
「さあ・・・・・着いたわよ、相崎さん」
受付らしきところがあるが、相手の顔は見えない。
海原さんが何か券を買い、受付の窓口から差し出した。
お互い無言のまま、今度はカードキーを受け取る。
そして私たちはまたエレベーターに乗り込んだ。
「4階よ」
エレベーター内の“4”の数字が光る。
あっという間に目的地に到着したようだ。
やはり囲まれるようにして歩き出す。
「つーいた」
いくつも並んだドアの内の1つの前で立ち止まる。
風景はどこかのホテルのようで、嫌な予感がした。
(もしかしてここ・・・・ラブホテル・・・・・?)
カードキーを差し込み、ドアを開けてぞろぞろと入室した。
入った瞬間センサーが反応したのか、全ての照明が灯った。
明るく照らされたのは、大きなベッドや大きな液晶テレビだ。
奥へと進むと、ガラス張りの広い浴室なんかもあった。
嫌な予感は的中した、ここはどこかのラブホテルらしい。
しかも、普通のカップルが利用するような部屋ではない。
天井からフックやら何やらがぶら下がっているからだ。
それ以外はビジネスホテルなどど大して変わらない雰囲気。
「ふふふ、今夜は5人で楽しみましょうね・・・・?相崎さん」
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■6943
/ ResNo.12)
Re[7]: 蝶々 7
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□投稿者/ たぬき
一般人(5回)-(2012/12/05(Wed) 13:21:46)
変なこと書いてごめんなさい。私のせいですか・・・?続きを楽しみにしています。ずっと待ちます。
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■6983
/ ResNo.13)
NO TITLE
▲
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■
□投稿者/ 郁美
一般人(1回)-(2012/12/25(Tue) 02:37:26)
続き、お願いします_(..)_
(携帯)
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■No6939に返信(ギンさんの記事) > 2012/11/23(Fri) 00:43:09 編集(投稿者) > > > > > > そのレストランは割と有名らしかった。 > 店内はとても落ち着いた静かな雰囲気。 > 料理も美味しくて、かかっている音楽もいい。 > 全てにおいて良かったレストランだった。 > 有名になるのも頷けるお店だったと思う。 > > > > > 「さて、次行くわよ!」 > > > > > まとめるのが上手い菖蒲さんが取り仕切った。 > 車で通勤しているらしい倉本さんの車に乗り込む。 > 私は渡瀬さんと海原さんに挟まれて座らされた。 > レストランでは私だけが無口なまま食事をした。 > 話すことはないし、何を話したらいいか分からない。 > 聞かれた質問に答えるぐらいしかしなかった。 > > > > > 「そういえば自己紹介がまだだったわね、相崎詩織さん。 > 私は渡瀬由美、あとは海原和泉、菖蒲里香、倉本忍」 > > > > > なぜ私の名前が知られているのかは分からない。 > でもとりあえず他の4人の名前を知ることが出来た。 > > > > > (かといって距離が縮まるわけではないんだけどね・・・・) > > > > > まるで私が逃げることを警戒するかのような態度だ。 > 端に座ろうとしたのだが、真ん中に追いやられた。 > レストランでも倉本さんと渡瀬さんの間に座らされた。 > 常に私が逃げられないようにされているようだ。 > > > > > (逃げるわけないじゃない、そこまで馬鹿じゃないわ) > > > > > だけど逃げたいと思ってしまうのもまた事実。 > かえってこうされた方が諦めがつくかもしれない。 > 依然として4人が仲良さげにしている中で考えた。 > > > > > 「さあ、着いたわよ」 > > > > > 気付いたら、乗っている車はどこかの駐車場に入っていた。 > 俯いたままだったため、ここがどこなのか分からない。 > 周りの様子を見るに、立体駐車場ではないだろうか。 > 倉本さんは見事に一発で車をバックで駐車した。 > 車が斜めになることなく、真っ直ぐで綺麗だ。 > > > > > 「相変わらずテクニシャンねー」 > > > > 「やめてよ、変な風に聞こえるじゃない!」 > > > > 「さ、相崎さん、降りるわよ」 > > > > > 海原さんに腕を引かれ、車から降りて歩き出す。 > エレベーターに乗り込み、下に降りていく。 > 地下にお店か何かでもあるのだろうか。 > > > > > 「さあ・・・・・着いたわよ、相崎さん」 > > > > > 受付らしきところがあるが、相手の顔は見えない。 > 海原さんが何か券を買い、受付の窓口から差し出した。 > お互い無言のまま、今度はカードキーを受け取る。 > そして私たちはまたエレベーターに乗り込んだ。 > > > > > 「4階よ」 > > > > > エレベーター内の“4”の数字が光る。 > あっという間に目的地に到着したようだ。 > やはり囲まれるようにして歩き出す。 > > > > > 「つーいた」 > > > > > いくつも並んだドアの内の1つの前で立ち止まる。 > 風景はどこかのホテルのようで、嫌な予感がした。 > > > > > (もしかしてここ・・・・ラブホテル・・・・・?) > > > > > カードキーを差し込み、ドアを開けてぞろぞろと入室した。 > 入った瞬間センサーが反応したのか、全ての照明が灯った。 > 明るく照らされたのは、大きなベッドや大きな液晶テレビだ。 > 奥へと進むと、ガラス張りの広い浴室なんかもあった。 > 嫌な予感は的中した、ここはどこかのラブホテルらしい。 > しかも、普通のカップルが利用するような部屋ではない。 > 天井からフックやら何やらがぶら下がっているからだ。 > それ以外はビジネスホテルなどど大して変わらない雰囲気。 > > > > > 「ふふふ、今夜は5人で楽しみましょうね・・・・?相崎さん」 > > > > >
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