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冴子は久々の女子会で気兼ねなく酔っている。 みのりは冴子の家に泊まる約束で女子会に参加していた。
冴子と二人の駅からの帰り道、街灯の間隔が遠くなってきた頃冴子が言った。 「みのり、散策してゆこう」 元々冴子の家までの最短ルートをわかっていなかったみのりはあたりまえにうなずく。 線路脇のさほど大きくはない倉庫のあたりにきた時に冴子が言った 「みのり、おしっこは?」 「帰ったらね」 みのりは女子会で緊張していてお酒をセーブしていたので今のところ大丈夫だった。 冴子は返事もせずに歩き出した。 冴子が歩くのについてゆくと倉庫のまわりをくるりと一周した。 みのりはほろ酔い気分が覚めて、肌寒さを感じてきていた。 倉庫の入口手前の駐車場になっている場所へ冴子が行くとそこは一層暗かった。 「みのり、おしっこしたいでしょ?」 さっきと同じ質問だが、冴子の声色があきらかに違う。 冴子がわざともう一度この場所に来たこともあり 「寒いからそうかも」 そう言ってみた。いや、言わされた。 「してみれば?」 薄暗くて良くは見えないが、腕全体で地面を指して冴子が言った。 「ここでですか?」 みのりは敬語になった。 「誰も来ないよ、見えないし」 みのりは何の返事もできずにいる。 「できないならいいよ。帰ろう」 帰ろう、の言葉が切なかった。切なさで思考が止まった。 みのりが返事をするのに十分な間合いの後、冴子は黙って倉庫の外の街灯の下まで行った。 今まで見た事のない視線でただじっとみのりを見ている。 何も言わなければ、何もしなければ、冴子はその視線をクールダウンさせてしまうだろう。 そして踵を返して歩いていってしまうだろう。 きっとその後は何事もなかったかのように過ごすのだろう。。。
「見ていてもらえますか?」 みのりは言葉を発することができた。 冴子はやさしく微笑みながら近づいて来た。ゆっくりと。 だが、みのりは冴子が近づけば近づく程行動には移せない。 行き場のない子犬みないにうろうろしたり、立ったりしゃがんだりしているみのりをただ黙って見ている冴子。
そんなみのりを冴子は後ろからゆっくりと抱きしめた。 しばらくのハグの後、冴子がGパンのベルトに手を置き 「外してあげるから」と、ベルトの金具だけを外してみのりから離れた。 みのりはゆっくりGパンをショーツを下してしゃがんだ。 人気がないとはいえ屋外な事と、冴子の視線で、みのりがしたい事が身体に伝わらない。 冴子が一旦立ち上がると、その瞬間に遅れていた脳からの伝達が伝わり、暖かいものがじわっと出てきた。 冴子がしゃがみ、みのりの顔を見る。 みのりは恥ずかしくて止めたいのだが、もう止まらない。 脳も身体も今まで体感をしたことのない解放感と快感でいっぱいだった。 冴子がやさしく頭をなでてくれたら涙が出た。
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