| 部屋に帰り、風呂に入り、用意された夕食をとっていると、レイカの『明日は鞭よ』という言葉が甦ってきて、さんざん逝きまくったあとなのに、また期待に胸とあそこが高鳴った。 小さい頃からなぜか鞭は憬れだった。 憬れの人、もちろんそれはみな女性だったけど、素敵な先輩だったり、同級生だったり、とにかく好きな人から優しく叱責されながら鞭打たれてみたい…… もちろん痛いのは嫌いだけど、そこには何か甘美な心の交流がありそうな気がしていた。 優しい鞭の嵐に耐えながら、許しを請い、思いっきり泣いてみたい。 明日はそれがかなうのだろうか…… それにしても夫の裏切り…… 夫にとって二千万というお金がどういう意味を持つかはわかってるつもりだし、死にかけの新山社長に最後の楽しみをあげてもいいかな、とは思う。 なんだかんだ言って、私も実は楽しんでいるんだし。 ドアがノックされた。 出てみると、看護婦の一人だった。 ああ、ついに新山社長も死んだのだな、と思った。 「違うんです」と看護婦さんは私の考えを察して言った。「個人的なお願いがあって来たんです」 私は「美咲」というその看護婦を部屋に入れた。 「どうしたの?」と私は聞いた。 美咲はモジモジしながら、何も言わない。 さっきは私の胸を揉みほぐしながら、唇を何度も重ねたのに。 「続きが……私は中途半端だったから」 美咲はやっと、絞り出すように言った。 私は申し訳なくて、 「私、実は、女の子とは初めてだったの……」 「いいんです。わかってます。抱いて寝てくれるだけで良いんです。私、腕の中で勝手に逝きますから」 「そんなの悪いよ」 「いいんです」 美咲は私の腕に身を投げてきた。 あまりのいじらしさに私は美咲を抱きしめ、ベッドに押し倒した。 「勝手に逝くなんて、ダメ。私が逝かせてあげる、何度も」 美咲はうつむきながら、 「嬉しい」と言った。 生まれて初めて他人のその部分に触れ、舐め、味わい、女を逝かすことの快楽を知った。 さんざん逝った後なのに、美咲の舌が触れただけでまた私は逝った。(続くよ)
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