| 「…だから。何でこの格好じゃなきゃ駄目なの?」 「だって、頭、痛いから雪に看病して欲しいんだもん。」 「それは、分かってる。ちゃんと看病するよ。だから会社も休んでるでしょ?」 「うん。ありがと♪」 「でもね。この格好は関係ないんじゃない?」
それは昨夜の話に溯(さかのぼ)る。 既に零時は回っていたから正確には今日の話になるのだが…
仕事の打ち上げで午前様だった尚は、フラフラの状態で帰って来た。 「ただいまー!雪♪」 「お帰り…て、うわー、酒くさっ。」 「ひゃは♪酔っ払いの尚でーす。雪、だーい好き♪」 「はいはい。靴脱いで…そうそう。もう寝ようね?」 「はーい♪」 雪崩れ込む様に布団に入り…早朝。 「雪ぃ。頭、痛いよー。」 こう見えて、割とお酒に強い尚。 酔いはするが翌日まで残る程、飲んで来た事は今まで一度もなかった。 それに、二日酔いだろうとは思っていたが、吐き気はなく ただ頭が痛いと言いう尚が心配になり、雪は会社を休んで看病する事を決めた。
それから3時間後。 「これで、看病して。」 午前8時を過ぎた頃に、尚から渡された紙袋。 その中身は……
(携帯)
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