[]-7988/レス
Re[2]: 義姉×2
Honoka

陽炎に揺れる道、これから学校へ通う道。
その先にある新しいマンション。

「はい、これ部屋の鍵。私たちの部屋は最上階よ。」

最上階でエレベーターを降りれば、其処にメイドが二人。私たちの荷物を確認していた。
マンションにしては大きなドアが一つだけ。周りを見回しても他に入り口が見当たらない。
どうやら最上階全部が私たちの部屋らしい。

「お帰りなさいませ、お嬢様。」

深々と頭を垂れるメイド達。
どう反応して良いかわからず固まる私。

「ただいま。」

ありふれた日常のように姉が答える。
姉に手を引かれ、ドアをくぐった。


ドアの向こうは大理石張りの広い玄関。
奥からピアノの音が小さく聞こえた。

姉に引っ張られるようにして恐る恐る足を踏み入れ、きょろきょろ見回す。
貧乏人丸出しだったかもしれない。
だって、新しい家は玄関から既に超高級ホテルのように豪華だったから。
そんな私をくすくす笑う姉。

玄関を抜けた先のリビングはびっくりするほど広く、隅に置かれたグランドピアノが小さく見えた。
と、聞こえていたピアノの音が止まった。

「いらっしゃい、唯ちゃん。」

ピアノの向こうで立ち上がったのはライサお姉さん。

「こんにちは、宜しくお願いします。」

硝子細工のような繊細な美しさを漂わせた美人。
姉のほうが肉付きが良いぐらいだ。
妖精のような美しい顔が微笑んでいた。

「別荘は楽しかったかしら?」
「はい。」
「イリーナに可愛がってもらった?」
「ぇ?」

一瞬で耳まで真っ赤になって俯く。
ライサお姉さんが小さく笑っていた。
すぐに横から姉の声がした。

「唯、シャワーを浴びましょ。もう汗でべたべた。」

姉に腕を掴まれ、早くと急かされる。
ライサお姉さんがピアノの脇で小さく手を振っていた。

05/06 13:58
編集 削除
<前のレス
7986の続き・感想
7988に感想を書く
次のレス>

Menu 初頁
Child K-Tai