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Re[1]: 浄魔師弓香の受難
水無月

桜の季節
あたしはこの市内の大きな川沿いの桜並木が好き。
地元の桜祭りの野外演奏はあたし、早瀬弓香の好きな表稼業の仕事のひとつ。
野外なので伴奏は電子ピアノだけど、春のそよ風があたしたちの音楽を
遠くまでさりけなく運んでくれるような感じが好き。

桜にちなんだ曲を数曲披露する。
酔っぱらいも次第にあたしたちの演奏に聞き入ってくれる。

気がつくとやけに熱い視線を送る少女がいた。
年齢は十代前半だろうか。春らしい桜色のワンピース、細いが女性らしい身体になりつつある彼女は、実は伴奏のピアニストの娘さん。

一回目のプログラムが終わった。
特設舞台の裏で伴奏の美紀子さんとともに主催者からお茶をいただく。
美紀子さんの娘さん、美雪ちゃんもいつの間にか来て一緒にお茶をいただく。
ツインテールの髪が春の風に揺れる。
まだ幼い身体だけど女性らしい色香も出てきた。
女のあたしでも抱き締めたくなる可愛い娘さん。
さすが美紀子さんの娘さん。
「桜祭り楽しい?」と美雪ちゃんに話かけたら、
「美味しいたこ焼きのお店見つけたよ」と答えてくれた。
「食べ過ぎには気を付けなさい」と美紀子さんがいうとペロッと舌を出しておどける。

この娘に初恋の感情を抱く男の子、多いんだろうな。
そんな事を考えているうちに二回目のプログラムの時間がきた。
あたしたちは再び舞台にたち、演奏を始める。

このときあたしは予想できなかった。
美雪ちゃんが災厄を運んでくることを


06/11 08:47
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