[]-8005/レス
Re[6]: 浄魔師弓香の受難
水無月

再び意識が戻る。

ここは、病院?

思考能力が回復すると、ここが馴染みのある病院だと気づいた。

「やっとお目覚めかい。今回はてこずったよ」
聞き覚えのある声はここの内科医、鈴木ひかる先生。
男みたいな話し方だけど女性。仕事中は味もそっけも無さそうな雰囲気だが私服の彼女はそんじょそこらの芸能人より魅力的、だけどあたしはこの先生が少し苦手。

あたしはどうなっていたのか恐る恐る聞いてみる。

「あの可愛い娘さんと二人揃って恥ずかしいお汁垂れ流してひっくりかえっていたんだとさ。サキュバス相手に不覚をとったねあんた」
「美雪ちゃんがサキュバス?」あたしは驚いて尋ねた。
「違う、その美雪ちゃんにサキュバスがとりついて悪さしたんだと」
「でもサキュバスは男を食い物にするよね?」あたしが再び疑問を口にすると
「シスターによるとたまに女に欲情する変り者のサキュバスがいるんだとさ」ドクターは苦笑いしながら答えた。

「じゃああたしたちを救援してくれたのはシスターカレン?」
「あのおばあちゃんが荒事できるわけないだろ、実際に救援したのはおばあちゃんの弟子のシスター。感謝するならあたし個人ではなく教会に献金してと言ってたよ。
それから美雪ちゃんといったっけ?あの娘さんにはシスターカレンのロザリオを見に付けてもらう。それで暫くはあんなことは防げるはずだ」
あたしは安堵した。
「いろいろあるけど美雪ちゃんは許してあげな。彼女も被害者だよ」
「もちろんですよ」あたしは答えた。

「今夜はここに泊まっていきな。意外にあんた消耗してるよ。
替えのショーツはそこの引き出しに置いといたよ。車はディーラーに預けてあるってさ。」

ようやく安心したあたしにドクターは爆弾発言をかましてきた。
「あ、今のあんた。オムツつけてるよ、あれだけお汁垂れ流していたからしゃーない。看護師に文句は言わないように」
下腹部に目を移すとたしかに、
あたしは顔が真っ赤になった。
ドクターはそんなあたしを見てクスクス笑った。
だからこの先生苦手なんだ。

シャワーを浴び、病院から借りた寝間着を着てベッドに潜り、照明を落とす。あたしは少し考えた。「夢の牢獄」ならばあれは悪夢と言えるけどあの快感は夢で片付けられない生々しさがあった。
あたしの身体にはあの快楽が刻みつけられたのかもしれない。
それは浄魔師としてのあたしに障害になるのだろうか。
青葉の会は戦えなくなった浄魔師を捨てるようなことはしないし表稼業の技量にも自信はある。生活の心配はない。
でも浄魔師仲間が苦戦してるときにあたしが何もできないことになったら申し訳ないと思う。
今回の事件のダメージが残らないよう、神様、支えてください。
そう祈るうちに眠りに落ちていた。


06/11 23:29
編集 削除
<前のレス
7999の続き・感想
8005に感想を書く
次のレス>

Menu 初頁
Child K-Tai