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Re[1]: 浄魔師弓香の受難その2
水無月

身体はだるい。が、起きないわけにはいかない。
あたしは実は中学教員の免許を持っている。
美紀子さんの紹介で私立の女子校の音楽非常勤講師を勤めるようになったのはつい最近のこと。正規の講師の一人が産休で、その穴を私と外数人でカバーすることとなったのだ。
美紀子さん自身も同じ曜日に非常勤講師を勤めることになり、駐車場スペースを考慮して相乗りで通勤することにした。

お汁で汚れたショーツを洗濯物カゴに放り投げシャワーを浴びる。
シリアルバーをミネラルウォーターで胃に流し込む。
服装と化粧をチェックする。顔色は悪くない。

さほど離れてない美紀子さんの家に車を回す。
美紀子さんと美雪ちゃんが同時に玄関から出てくる。
美雪ちゃんの笑顔がぎごちない。多分あたしの笑顔もぎごちない。
ランドセルを背負った美雪ちゃんは車に手を振るとクラスメイトらしい少女たちと合流して小学校に向かう。
旦那さんはあたしたちの音楽事務所の社長で、これまたあたしたちの車に手を振ると高級な自転車で事務所に向かう。
あたしたちは今日の仕事先、泉華女学院中等部キャンバスまで片道三十分のドライブだ。

「あんなことはすぐには信じられなかったけど」美紀子さんが口を開く。

「美雪とはこれからも仲良くしてあげてね」美紀子さんは言った。
その深い意味を計り損ねたままあたしは答えた。
「美雪ちゃんは刺激の強い夢を見て戸惑っているんだと思います、
もう少し時間がたてば心配なくなるでしょう。
私にとっては美雪ちゃんは大切なひとです。
これからも大切にします」
あたしは努めて明るく言い、美紀子さんも安心したように笑みを浮かべた。

美紀子さんはどういう意味で「仲良くしてあげてね」と言ったのだろう。
常識的には「友達でいてあげて」「お姉さんでいてあげて」という意味なんだろうけど

あの様子だと美雪ちゃんは「夢の牢獄」であたしにしたことを 正直にひかる先生に言ったんだろうし、そうなると美雪ちゃんがあたしに性慾を抱いていたことをおぼろげながら把握しているのかもしれない。
もしかしたらあたしが美雪ちゃんのビアンな恋人になること認めてくれるのかなあ。

06/18 06:08
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