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Re[13]: 義姉×2
Honoka

始業式の後、皆を避けるように生徒会室へ向かった。
目の前にあるのは6月のあの日と同じ扉。
躊躇い無くノックすれば中から姉の声、僅かに開けた扉の隙間から滑り込むように部屋に入る。
すぐ閉めて背中で扉に凭れ掛かりほっとため息を零した。
あの時は緊張したこの部屋、今は私の逃げ込める場所だった。

「ちょっと騒ぎになったみたいね。すぐに静かになるから暫くの我慢ね。」

姉が扉に手を伸ばし内側から鍵を閉め、耳元で囁く。

「これで唯と二人きりになれた…。」

姉が扉のほうへちらと視線を向け、私の手を引いて窓際へと誘った。
生徒会室で姉と二人。今日は始業式だけなので宿題は無い。
放課後の校庭で陸上部がランニングを始めていた。

「唯、愛してる。」
「だめ、お姉さん。ここ学校だから。」

そっと抱きしめてくる仄かな姉の薫り。
柔らかな腕に包まれて、困ったように身じろぎする。

「大丈夫よ、誰も来ないから。ここは私の個室みたいなのもの。」
「でも…。」

窓の外は長閑な放課後の時間、校門へ向かうみんなの小さな後姿。

「ひッ。」

滑る舌先に耳朶をなぞられて小さく悲鳴を上げた。

「好き…。」

視界の端で揺れる金色の髪、吐息が首筋を撫でて来る。
白い指先がブラウスのボタンを一つ、また一つと外し始めていた。
生徒会室に微かに響くエアコンの音に鼓動が重なる。
早くなる呼吸とあわいの奥の期待。

夏の終わりの日差し、校舎の向こうに入道雲が白く輝いていた。
何もかもが眩しかった…。


09/18 16:04
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