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Re[16]: 義姉×2
Honoka

9月の半ばの週末、まだ暑い日が続いていた。
今日は生徒会の会合がある。
だから生徒会室へは寄らず、今日は私一人で先に帰る。
クラスの友達と雑談しながら教室を後にした。
いつもの日常だった。

靴に履き替えようと下駄箱の靴を取ろうとして手を伸ばした指先に何かが触れた。
次の瞬間、掌にひんやりとしたなにかがぶつかってきた。

「!」

思わず一歩後ずさりして飛び出してきたものを凝視した。
床の上で小さな蛙が怯えたように跳ねていた。
すぐ脇で友達が顔を引き攣らせている。

蛙か…。
また誰かの嫌がらせなのだろう。
小さく溜息をついた。
蛙は怖くなかった。
小学校の頃、近所の男の子達と一緒に公園で蛙や虫を追いかけて遊んでいたから。

コンクリートの床で跳ねる蛙を逃がしてやろうと、
視線で追いかけ、両手を伸ばした。
子供の頃を思い出し夢中になる。

そっと両手で包んだ掌の中で跳ね回る小さな生き物。
汗で汚れた体操服の入った袋の隅にそっと押し込む。
立ち上がり振り返ると、さっきまで一緒だった友達の姿が消えていた。

一人で校門へ向かう途中で姉の言葉を思い出した。
   『学校で何か有ったら私に教えてね。』


10/15 18:32
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