[戻]-1877/親
【 可愛い後輩 ─1─ 】
美弥
─放課後の部活の時間─
今日は寝技を中心に稽古をすることになった。
3年部員は新入部員の1年生に、2年部員は2年部員同士で稽古をつけることになった。
1年部員が「お願いします!」と各3年部員の前で礼をする。
私は緋奈に稽古をつけることになった。
緋奈は数少ない女子部員の中でも、1番小柄で柔道着が似合わない(と言うと緋奈は頬を膨らませて怒るけど)ような子。
入部してきたときから何故か慕われてて、私も緋奈を可愛がっていた。
緋奈が「お願いします!」と寄ってきて、畳に座り込んだ。
私は緋奈の上に乗り、緋奈の細い首に腕を回しながら『腕を首から回して、この襟を握って…』
それから、『足の角度はこ90度に…』と言いながら、小さな緋奈の体に体重をかけた。
小さな緋奈の体を気遣って、緋奈の顔色を伺いながら。
『相手の頭は畳に付かせないように引き上げて…』と腕に少しの力を入れて、緋奈の頭を畳から引き上げた。
「んっ…!」小さい声だったけど、緋奈の声が漏れたことは聞き逃さなかった。
緋奈の顔に少し近寄り『重たかった?』と聞くと「ち、違っ…!」、緋奈の顔は少し赤くなった。
体を少し持げて『どうした?』と聞くと、「んっしょ…っ…」と体を起こしてきた緋奈は、さっきより赤くなった顔で
「もうっ!耳元で喋らないでください!」なんて言って頬を膨らませた。
緋奈の声は、少し高いけど甘ったるい。
頬を膨らませて恥ずかしそうに笑ってる緋奈が可愛く見えた。
『緋奈、耳が弱いんだ?』、イタズラっぽく緋奈の耳元で囁いた。
緋奈の耳の穴に息を吹きかけるように意識しながら囁いた。
「先輩…っ…!」緋奈の指先に力が入ったのが、私の道着を握る緋奈の手から伝わってきた。
でも、周りの部員の目もあるのでこの辺で可愛い後輩イジメもやめようと思って
『ほら?ぼぉーっとしないで練習、練習』と言った。
「はい…」緋奈の顔が残念そうな表情をしたように見えた気がした。
※ 私書箱番号「6877」
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03/28 16:06
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