[戻]-5513/親
後輩の悪戯
暁
キーンコーンカーンコーン・・・・・
学校中に、1日の終わりを告げるチャイムが鳴り響く。
それと同時に、各教室から生徒が雪崩のように騒ぎながら出て来た。
「優美!今日は部活に来るの?」
「あ、うん。行くよぉ♪」
たくさんの生徒が出て行く中、高校1−Bの教室で2人の少女が話していた。
白河 優美と、王塚 紗希である。
2人は吹奏楽部に所属しており、小学生の時からの親友である。
中学も、一緒にこの女子校である中高一貫校を受験し今に至る。
*
「こんにちはぁ〜」
ガラガラガラ・・・・とドアを開けて、2人一緒に音楽室へと入る。
何人かの先輩や後輩たちが、楽器を取り出し、準備をしていた。
「あ、白河先輩、王塚先輩!」
そんな中、後輩である中学3年生、伊口 奈緒が、トランペットを持ちながら
走り寄ってきた。彼女はトランペットの担当なのだ。
「奈緒ちゃん、どうしたの?」
優美が、自分の担当する楽器であるフルートを取り出しながら聞いた。
「さっき飛鳥先生が呼ばれてましたよ?放課後に視聴覚室に来るように、って、
おっしゃってました」
飛鳥先生とは、2人の担任の女教師である。
「えぇー!今日は私、先輩とデートなのにぃ!!」
紗希はクラリネットを振り回して猛抗議した。
実は紗希は、美術部に所属している高校3年生の、富永 亜矢子先輩と付き合っている。
女子校なので、こういうカップルは結構多い。
「亜矢子先輩、最近忙しくて、ようやくデート出来るのに・・・・・」
高校3年生といえば、大学受験がある。その為、亜矢子先輩も忙しいのだろう。
優美は、そんな紗希を不憫に思い、
「分かった、私が先生に何とか言っておいてあげるから、先輩と楽しんで?ね?」
「本当!?優美大好き〜!」
「もう!王塚先輩、富永先輩に怒られちゃいますよ?」
優美は、後でこの時に紗希を行かせてしまった事を、後悔するようになるのだ・・・。
10/21 14:11
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