[戻]-6052/親
爽やかな風
慈雨
広大な面積の深い森林、コバルトブルーの透き通った湖、澄んだ清々しい青空。
それらの綺麗な自然に囲まれて怪しげに聳え立つ、白い壁と青い尖った屋根の城。
頑丈そうな赤レンガと黒い鉄格子で出来た塀で区切られている。
しかし、そこだけが空気が周りとは違い、暗く神秘的な雰囲気を醸し出していた。
ーーーー魔法学術師。略して魔術師。
研究は懸命にされているが、どんな科学者でも誰でも、未だに解明できない。
もう既に100年以上、人間たちは研究と実験を重ねてきた。
しかし、色々な説があるものの、真実も何も解き明かされてはいない。
彼女たちは『魔術師』と呼ばれる。
特徴は大きく分けて2つ。1つ目は女性にしかその力は使えない事。
もう1つは誰でもその能力があるわけではなく、親の遺伝でもない事。
偶然と運命によって、彼女たちはその能力を死ぬまでずっと、持ち続けるのだ。
さて、話は戻り。
城が校舎であるという変わった学校(もう場所からしておかしい)の名前は、
『私立魔法学術専門夜神学園』。難しい名前なので、よく『夜神学園』と言われる事が多い。
名前の通り、魔術師専門、専用の学園の事で、一般の普通庶民は入れない。
普通の人が暮らす世界とは隔離されたそこは、完全寮制。完全に浮いている場所だ。
簡単にその学園について説明しておこう。
学年は全部で3学年。なぜなら舞台となる『夜神学園』は高等部だから。
初等部や中等部、大学はかなり離れた場所に建てられているが、全て『夜神学園』だ。
同じようなつくりの校舎で、それら4校を結ぶと四角形が出来上がる。
北、西、東、南にそれぞれ建てられているからだ。
クラスは火星・水星・木星・金星・土星の5つ。惑星になぞらえてつくられた。
毎年クラス替えがあり、くじ引きで決められるのだ。
クラス対抗で行われる体育祭や文化祭、音楽祭などのイベントもある。
特にどのクラスがどうたら、という事はない。
魔術師達は基本、2つまでの能力しか持てない。1つか、2つかだ。
2つであったとしても、どちらかが弱く、片方の能力を主に自分の属性とする。
だから、その片方の弱い属性の魔術は普段はあまり使わない。
稀に両方の属性が均等に強い魔術師もいるが。
魔術の属性、と先ほど説明したが、属性は以下のものがある。
火術、水術に地術、雷術、氷術、治術。そして特異術。
特異術とは、他のどれにも当てはまらない属性の魔術の属性だ。
治術は治療の能力で、医者に多い属性である。
他も話の中で分かる人も、字を見て大体は分かる人もいるだろう。
最後にーーーーこれは、魔術師の世界と学園を舞台にした話である・・・・・・・。
07/10 22:46
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