[]-6153/親
夏のハジマリ。


――その日も、雨が降っていた。

7月ももう下旬だというのに1週間以上、すっきりと晴れない日が続いていた。
「あーっもう!いい加減に晴れてくれよ!」
大学から少し離れた、大きな公園の脇に立つマンション。
そのエントランスの前で、長身の女の子がたたんだ傘をぶんぶん振りながら叫んでいた。

彼女は佐久間 空。
名は体を表す、とはよく言ったもの。
「天気のいい日にはほとんどいつも外にいる」と知人からからかわれるくらい青空と戸外を好んでいる。
そして、中途半端な天気の日が続くと、天然パーマのショートヘアに変なクセがつくこともあり、分かりやすく機嫌が悪くなる。
まあつまり、気分屋だ。

マンションのエントランスに敷かれている泥除けにスニーカーをこすりつけ、郵便受けの部屋番号をちらりと確認した。
「えーっと、306?だっけ」
たどたどしく、オートロックの操作盤の数字キーを押し「呼び出し」を押してしばらく待つ。
「はい?」とすぐに声が聞こえた。
「空です」と短く答えると、すぐに目の前の自動ドアが開いた。

11/18 20:34
編集 削除
続き・感想を書く
第1レス(続き・感想)
|前レス10>
レス古い順
▽続き・感想(13)1-10
No6172
夏のハジマリ。12


(12/03 22:16)
No6170
夏のハジマリ。11


(11/30 22:12)
No6169
Re[2]: 夏のハジマリ。


(11/30 21:29)
No6166
Re[1]: 夏のハジマリ。

真里菜
(11/28 11:49)
No6162
夏のハジマリ。10


(11/21 03:49)
No6161
夏のハジマリ。9


(11/21 02:56)
No6160
夏のハジマリ。8


(11/21 02:25)
No6159
夏のハジマリ。7


(11/18 23:02)
No6158
夏のハジマリ。6


(11/18 22:30)
No6157
夏のハジマリ。5


(11/18 21:41)
|前レス10>
Menu 初頁
Child K-Tai