[]-6993/親
女神の島
hime

 もしあの時引き返していれば、とか、もしあの時点で思いとどまっていれば、とかいう節目が人生にはいくつもあるものです。
 私の場合、最初の「もし」は中学入学式での恵里香との出会いでした。
 もし恵里香と席が隣になっていなかったら……
 絶対にこんなことにはならなかったでしょう。

 恵里香は私などとは違い、豪邸から運転手付きの車で送られてくるようなお嬢さんでした。
 しかも目の覚めるような美人です。
 私達はすぐに仲良くなりましたが、私の家に恵里香を呼ぶことは一度もありませんでした。
 学校の帰りに一緒に車で恵里香の豪邸に行き、そこからまた車で送ってもらっていたのです。
 最初のうちは二人の話題も他愛のないものでしたが、やはり年頃の女の子です。
 関心も話題もセックスに移っていきました。
「オナニーってしたことある?」と恵里香に聞かれました。
「ないよ。それって、男の子がすることじゃないの?」
「違うわよ。女の子もするのよ」
「うそ。恵里香は?」
「しないけど……」
「でしょ。そんなの変だよ」
「でも、オナニーってセックスの練習でしょ。やっとかないと、濡れなくて本番ですごく痛いんだって。濡れないと麻酔無しの手術みたいなんだって」
「ちょっと止めてよ、怖いじゃない」
「怖いでしょ。だから、二人で練習しようよ」
「何の?」
「セックスの、よ。もちろん」
 思えばここが二度目の「もし」でした。
 もしここで恵里香の提案を一笑に付していたら……
 私はここにいなかったでしょう。

「オナニーする前には手をきれいに洗いましょうって書いてあるよ」
 少女向けのちょっとエッチな雑誌の記事を恵里香は見せてくれました。
 私達は石けんできれいに手を洗い、ベッドに置いた雑誌を読みながら、パンティに手を入れました。
「クリトリスって、わかった?」
「わかんない。あ、これかなぁ」
「私、まだわかんない。そんなのあるのかなぁ」
「ええっと、クリトリスを柔らかに擦ってみましょう、だって」
「もう見つけたの?」
「わかんないけど……たぶん」
「気持ちいい?」
「全然。やっぱり違うのかなぁ」
「ねえ、ちょっと触らせてもらっていい? 自分のだけじゃわからないし」
「いいよ」
 そう言って、私は恵里香の手を受け入れたのです。
 おそらくここにも「もし」が隠れていたのでしょう。
 私達はオナニーを飛び越していきなりセックスの世界に足を踏み入れたのです。

 それからは「練習しよ」が私達の合い言葉になりました。
「やっぱりムードも大切よね」
 などと、恋人同士のように抱き合い、キスをして、まだ膨らみきってはいない胸を揉みあって切ない声を上げ……
 いつのまにか私が男役になっていて、恵里香をベッドに押し倒すのでした。
 半年も「練習」を繰り返した私達は、もうこれだけで充分濡れてしまっています。
 互いの蜜壺で湿した指で敏感なボタンを柔らかく揉みしだくと、どうしても切ない声が出てしまうのでした。
 そして恵里香は私への愛撫を続けられなくなり、
「ごめんなさい、して……」
 と両手を私に回し、キスしてくるのです。
 私は恵里香が逝くまで柔らかい愛撫を繰り返します。
 その頃の私達は、恵里香が一度逝けば終わりだと思っていましたから、「練習」時間も短く、他愛のないものでした。
 私は逝ったことさえありませんでした。
 恵里香が私の下で逝くのを感じるので充分だったのです。
 この関係が三年近く続き、私達は高等部に進みました。
 制服もブレザーに替わり、少し大人になった感じがしたものです。
 そんなある日、「練習」しながら恵里香が言ったのです。
「ねえ、何か入れてみたい。だって、セックスってそういうものでしょ」
「ダメだよ。処女膜が破れちゃうよ。処女膜は置いておかないと」
「そうだよね。でも、もっと、犯されてるって感じも練習しておかないと」
「お尻にでも入れてみる?」
 軽い冗談のつもりで私は言いました。
「アナルセックスって言葉があるくらいだし。やってみようか」
 恵里香は四つん這いになり、お尻を差し出しました。
 もうそんなことは二人の間では平気になっていたのです。
 私はかねて用意していた避妊具を人差し指につけ、目的のそこに触れました。
 けれどそこは堅く締まっていて、とても外からのものを受け入れるようではありませんでした。
「ダメだよ。入らないよ。力入りすぎてる。リラックスして。好きな子の名前でも呼んでみたら」
「そうよね。●●くぅん……」
 と恵里香はその頃あこがれていた男の子の名前をつぶやきました。
 私も、
「恵里香、大好きだよ。ここに入れさせてくれ」
 と男口調で言いました。
「入れて、お願い」
「いいんだな」
「入れて。犯して。恵里香のアナルを犯して」
 堅いつぼみが少しほどけたような感じがして、意を決して指に力を入れると、第二関節まで一気に入りました。
 うぁぁ……と恵里香は動物のような声を上げてのけぞりました。
「どうしたの? 痛いの?」
「わかんない。どのくらい入ってる?」
「第二関節まで。もっと入れる?」
 ここにも「もし」があったと思います。
 ここでもし引き返していれば……

 恵里香はすぐに指だけでは満足しなくなりました。
 次は避妊具に入れたビー玉です。
 これを、クリトリスを刺激しながら一つずつ押し込んで、二十個も入れたら今度は引き出すのです。
 一個出すたびに、恵里香は声をあげます。
 それは鶏のようだったり、オオカミのようだったり、とにかく人間の声ではありませんでした。
 このころには私もこの「練習」が面白くなってきて、次に入れるものを百均で探したりするようになりました。
 百均はそんな目で眺めるとちょっとしたパラダイスでした。
 恵里香が -->続き

12/28 10:51
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ちせ
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実夏
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女神の島 9 再会

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ゆき
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ゆき
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女神の島6 貝合わせ

hime
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hime
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