[戻]-7401/親
買われた花嫁
hime
年の差なんて気にしないわ。
金さえあれば。
何度かの恋愛に失敗して、もう結婚は諦めていたから、ある意味、妥協かな。
相手は六十のじいさん。
男性機能は辛うじて残ってる程度だけど、私の方が淡泊なくらいだから大丈夫。
金さえあれば良いのよ、金さえあれば。
と、思っていたら、夫の会社は倒産、自宅まで抵当に入れていたから、ほとんど無一文で冬の寒空に放り出された。
夫は会社の残務処理が終わると抜け殻状態、仕方なく、六畳一間のアパートを借りて私が働きに出ることにした。
もちろん夜のお仕事。
夫と知り合ったのも夜だったし。
前の店に頼み込むのも癪で、別の街の店を選んだ。
最初はまあ、見習いということで、初めて店に立った日のことだった。
下品な金のネックレスをした羽振りの良さそうな初老の女性が、目の覚めるような美人を連れて入って来た。
常連らしく、何も言わないのに、ママはブランデーを注いで出した。
それには目もくれず、女性は私の目を見て言った。
「あなた、おいくつ?」
「二十一です」
もちろんさばを読んでいる。
「わかったわ。あなた」と美人の方を見て、「もう今日は帰っていいわ」
美人はニコリともせずに椅子から降り、挨拶もせずに帰って行った。
「若い子はあれだから。いつまでも自分が綺麗でいられると勘違いしてるのね、本当は今だけなのに」
ちょっと困った笑顔を作った。
よく見ればブルドッグに似た豚女だ。
「私だって、若い頃は自分の容姿に自信を持ってたわよ。それで寄ってくる男を振り払い振り払いして……」
豚女はブランデーを一気にあおった。
そして私をジッと見て、言った。
「あなた、いくら?」
意味不明で、返事のしようもない。
「新山様、この子、今日入ったばかりなんです」
と、ママが割って入った。
「だからなんなの?」
「いきなりは、ちょっとご勘弁下さいな」
「だって、この子、顔に書いてるわよ。女が好きですって」
いきなり何を!
「あなた」と新山はママにかまわず続けた。
ママも仕方なくブランデーを注いだ。
「恋愛も結婚も上手く行ってないでしょ」
また困った笑顔を作るしかなかった。
「それはね、あなたがレズだからよ。私の仲間なの」
何の冗談ですか、それは。
「今晩一晩、私と試してみない? あなたは寝てるだけで良いの。絶対に感じるはずよ。あなた、逝ったことある?」
「やめて下さい」とママが遮った。
私はまた困った笑顔を作るしかなかった。
逝く?
なにそれ?
それって、エロ小説とか、アダルトビデオとかの話でしょ?
普通の女にとってセックスなんて義務みたいなもんでしょ。
そんなので感じるなんて、普通、おかしいでしょ。
確かに感じるって女の子もいたけど、で、それが何よ?
「いいわ。今日は帰る。でも、その気になったら、ここに連絡して。いつでも良いわ。二時間で十万円あげる。いいえ、あなたなら十五万円あげる。いつでも連絡して」
店が終わった後、ママは、
「あの名刺、すぐに捨てなさい。あんなの持ってると、ついフラフラ連絡してしまいかねないからね。あの女の相手させられて、一回でボロボロになって、この店にも恐くて近寄れなくなった子が何人もいるの。貴女は若いから、本当の女の変態がどういうものかわかってないの、さ、捨てなさい」
私はカウンターの下から、別の客に貰った名刺を出し、クシャクシャにして灰皿の上に置き、火をつけた。
メラメラと燃える火に、明日必ず新山に連絡しようと思った。
二時間十五万よ。
耐えられます、どんなことにも。(続くよ)
11/29 09:18
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No7424
こんばんは!
美咲
(12/09 01:53)
No7423
Re[15]: こんばんは!
hime
(12/08 17:07)
No7422
こんばんは!
美咲
(12/08 03:39)
No7421
Re[13]: こんばんは!
hime
(12/07 19:47)
No7420
こんばんは!
美咲
(12/07 00:17)
No7419
買われた花嫁12
hime
(12/06 19:59)
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(12/06 19:39)
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(12/06 13:49)
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(12/06 09:09)
No7413
こんばんはC
美咲
(12/06 00:06)
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