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Re[11]: 磔柱の花嫁
水無月

目が覚めた。
ここは病院らしい。
傍らに付き添い用ベッドで弓香が眠っている。
夜明けらしい光が窓から差し込んでいる。
悪夢の時間は意外に短かったようだ。

私は起き上がりストレッチめいたことをする。
しばらくして弓香も目を覚ました。
弓香と視線が合う。その瞬間、弓香は私に抱きついて来た。
その勢いで再びベッドに倒れてしまう。
「さち姉のバカ、肝潰したよ今回は」
弓香は半泣きでいう。
「ごめん、心配かけたね」弓香の髪を撫でながら私は詫びる。
弓香と私、血縁では従姉妹になる。
交通事故で両親を失った弓香を私の実家で引き取り、育てたのだ。
その事故が弓香の浄魔師の資質を目覚めさせたらしい。
最初は余計な雑霊に怯えていたがトラウマのケアが上手く進むにつれて自分の感覚の制御も上手になってきた。
心理的に乱れた弓香を抱きしめ落ち着かせるのは私の役目になっていったがそれは嫌ではなく、むしろ喜びだった。
落ち着くと額をつけて笑ったり、時にはふざけて軽いキスをすることもあった。
顔立ちは似てることもあり近所の人々も弓香が養子であることを意識しなくなっていた。
ただ弓香の背が伸びないのはあの事故が影響してるのだろう。

「さち姉、あまり危ないことしないでね」
うん、慎重になるよと私はいう。
弓香が笑顔になってきた。
軽いキスを交わし、頬と頬をつけて暫く温もりに身を任せる。


11/03 09:06
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