いつの日か 作者:璃緒さん
小春日和の日曜。 マンションの住人はほとんど外出しているようで、 私はのんびりと静かな時間を過ごしていた…。 ラフな服装でソファに座り、 ペットボトルのジュース片手にテレビを見ていた私は 背後に気配を感じて振り返った。 ボーイッシュな女性が本を片手に立っている。 私の恋人で同棲している奈央だ。 私は19。奈央は20。 歳は一つしか違わないけど、すごく大人っぽい。 奈央は、私と目が合うと優しく微笑んでくれた。 そして、私の頭を撫でた。 それが子供扱いされたように感じて私はムッときた。 …正直嬉しいけど…やっぱりちょっと悔しい。 奈央が隣に座り、本を読み始める。 私はささやかな逆襲をするため、 ジュースを近くのテーブルに置いて、 テレビを消した。 突然テレビの音が消えたので、 奈央がふっと顔を上げこちらを見る。 不意打ち。 素早く、優しく奈央の唇にキスをした。 ゆっくり顔を離して至近距離で奈央の顔を見ると、 奈央は驚いたような顔をしていた。 私はいつも奈央にからかわれてばかりだから、 奈央のそんな顔が見れて嬉しかった。 嬉しくて、自然と笑顔になる。 逆襲終了。 私は台所に奈央の買ってきてくれた ケーキがあったのを思いだし、 ソファから立ち上がった。 が、腕を掴まれ進めない。 振り返ると奈央が薄く笑んで私を見つめている。 いつも優しく余裕に満ちた大人の笑顔をする奈緒。 だけどこういうイジワルそうな笑顔をする時は危ない…。 強く掴まれているわけではないが、 絶対振り解けない奈緒の手。 「奈央、ケーキ食べようよ」 引き攣る笑顔で薦めるように、言う。 「後でね」 逃げ道はあっさり閉ざされ、 腕を強く引っ張られた私はバランスを崩し、 奈央に倒れこんでしまった。 奈央は私の体を受けとめ、抱き締める。 抱き締められると、 奈央が好んでつける メンズ物の香水が鼻をくすぐった。 奈央は私の顎を持ち顔を上げさせると、 唇を重ねてきた。 緩く舌で唇を撫でられると、 私の唇は自然と薄く開いてしまう。 そこから舌が入りこみ、 追い詰められた私の舌を絡めとる。 「ん…ッ…」 舌を絡ませ、私もそれにやっとの思いで応じる。 長いキスで頭が朦朧としたところに、 奈央の手が服に入りこんできて私は唇を離した。 「まだ…昼だよ…?」 恐る恐る言った私の言葉に、奈央はクッと笑う。 そしてまた、子供にするように優しく頭を撫でられた。 奈央は私を膝の上に乗せると 背中をまさぐり下着のホックを外した。 「奈央…ッ」 反論する間もなく、 滑り込んだ奈央の手が乳首を弄び始める。 弱い所を何度も刺激され、体が反応しだした。 「やぁ…ッん…」 私は奈央の服にしがみつき、 その刺激に耐えようとした。 奈央の愛撫は、優しく強く乳首を弄る。 私は、弄られる度に 下半身の甘い痺れが強くなっていくのを感じた。 「な、お…ッ…ダメ…」 そうつぶやくと、奈央の手が胸から離れた。 止めてくれたのかと、ホッとする…。 だけど奈央の手は肌を撫でながら下半身へ下り、 私のハーフパンツに潜り込んできた。 「あ……ッ」 手が下着の中にまで入り込んで来て、 私は小さく声を上げた。 細い奈央の手が私の陰部を執拗に攻める。 「ひあ…ぁッ…ん…」 私は喘ぎながら涙に霞む目で奈央を見上げた。 微笑んでる…。 その時の奈央の瞳は意地悪そうに輝いていた。 知り尽くされた弱点を攻め続けられた私は、 奈央の意地悪な笑みを視界に捕らえながら達した。 熱い余韻の残る体から力が抜け、 私は奈央に凭れかかった。 ハーフパンツから手が引き抜かれる。 私は呼吸を整えながら 涙の滲んだ目をゆっくり開いた。 見ると、奈央は私の汁に濡れた手に口付けていた。 舌を出し、濡れた指を舐める奈央を見て 、顔が真っ赤になる。 「奈央…。それ、止めて…」 「何で?」 真っ赤になって俯く私に、 奈央はくすくす面白そうに笑って訪ねる。 …分かりきってるくせに…。 「可愛い…。愛してる…」 とびきり優しい声でそう囁かれると、私は黙るしかない。 大人な奈央、子供な私。 いつかは奈央にもこういう思いを味あわせてやる。 私はそう心に誓った…。
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