■10961 / inTopicNo.41)  Girl Holic16  
□投稿者/ エビ ベテラン(209回)-(2005/07/16(Sat) 01:33:03) 

「あっ!このビキニかわいい〜♪」 「こっちのがサキに似合うんちゃう?」 「そ、そう?アキがそう言うなら‥照)」 「ほれ、パットも十分入ってるし。サキの乏しい胸にも安心やろ」 「‥‥」 天誅!(アキをつねる) 「痛゛!」 “海行こう” アキからの嬉しいお誘いの翌日、土曜日ー 私達は一緒にお買い物にやってきた。 目的はもちろん‥ かわいい水着♪ だって 水着なんて何年も買ってなかったし。 ‥アキと行くんだから かわいい水着が欲しいんだもん。 7月の百貨店には 色鮮やかな水着がずらりと並び‥ どれがいいかなぁ。 迷う‥ あ! 「この花柄かわいいっ」 それは 白地に大きな緑と黄色の花がプリントされた ビキニの水着で。 少しセクシーな、パレオ付き。 コレいいかも‥ 「ほんまや。かわいいやん」 アキも隣で目を細めてる。 ‥これに決めちゃおっかなぁ ぬふふ。 私がすっとその花柄ビキニに手を伸ばした時ー 「私コレ買うわ」 アキもまた 花柄ちゃんに手を伸ばした。 ‥んが? 「アキも買うの?水着」 てゆーかこのビキニは私が‥ 「うん」 私も水着あらへんもん、とアキは続けた。 「てゆかね、アキ?この水着は一枚しか売ってないみたいよ?」 「‥せやね」 「私これ買おうかと思うの」 意味おワカリ? 「‥私が先に買うって言うたから。私が買うんや」 ‥フガ 「私がアキより先に見つけたんだもん!」 「私が買うねん!」 「私なのっ!」 ‥‥ 水着を引っ張る私とアキの手に にわかに力がこもり。 フガーっ!(サキ) クワーっ!(アキ) ‥‥ 「いんじゃんホイっ」 「じゃんけんポンっ」 最後は仲良くじゃんけんで。 花柄ビキニちゃんは晴れて‥ 私のものに♪ アキはふてくされて 緑色のチェックのビキニを選んでた。 ふふ‥ その緑のビキニもかわいいよ?アキ。 でも‥ 私の花柄ちゃんの方がもっとかわいいけどね♪ ちょっとセクシーな形のビキニ‥ この夏は頑張って着てみようかなぁって思うんだ。 ‥この夏は かわいくいたいの。 (携帯)
■10963 / inTopicNo.42)  Girl Holic17 □投稿者/ エビ ベテラン(210回)-(2005/07/16(Sat) 01:37:30) 水着の買い終えた私達はー 百貨店の地下で夕飯の買い物も済ませ アキの家にやってきた。 二人並んで立つキッチンー 料理の腕は私とアキ、そこそこいい勝負。 その夜の食卓には ガーリックの効いたトマトソースパスタと じゃがいもの冷製スープが並んだ。 「んー美味しいね、アキ」 「そら私の腕がええからや」 「私ですー!」 ‥やっぱりそんなことを話しながら ふたりで囲む食卓。 楽しい♪ 「今日泊まっていくやろ?」 アキに突然言われてー んが‥ サラダの水菜が喉につまった。 「え‥?」 そ、そりゃ泊まりたいけど でもまだ心の準備と お面の準備がアワアワ‥ 「何顔赤くしてんねん、エロサキ」 「あ、赤くないわよ!」 フッ 赤いだろうよ‥(泣) 「残念やけど、今日は私そんなんできひん日やから。心配いらん」 アキはそう言って 私に貸すパジャマを取りに向かった。 ‥‥ あ、ハイ。 女の子にはプールに入れない日や そゆことができない日があるわけで‥ ‥‥ ちょっと残念? エロサキです。 「いんじゃんホイっ」 「じゃんけんポンっ」 夕食の洗い物をかけたじゃんけんでも‥ 勝者:エロサキ 「やったー!」 「くそううう」 アキは自分が出したグーの拳を見ながら かなり悔しそう。 ‥にひひ 「何でアキそんなにじゃんけん弱いの?」 アキの肩を叩きながら イヤミたっぷり効かせて言う♪ 「‥‥」 アキは何か言いたげ顔。 でも 「早く風呂行けっちゅうねん。絶対のぞかへんから安心せい」 そう言ってプイっとキッチンへ向かっていった。 サァァァ‥ 他人の家のシャワーを使うのってー 使い慣れてないことだけが理由じゃなく なんとなく緊張する。 それは 他人の家で何も身にまとわない自分の無防備な姿を曝すという行為や シャワーの後に起こることを考えてしまうからだろうか? ‥今夜は おあずけだけどさ。 ‥エロサキです(トホホ) 私、アキと順にシャワーを浴びて。 二人パジャマ姿でテレビの前に座ったのは 夜の10時を過ぎた頃だった。 (携帯)
■10964 / inTopicNo.43)  Girl Holic18 □投稿者/ エビ ベテラン(211回)-(2005/07/16(Sat) 01:42:18) 「この色かわいいね」 お風呂をあがった後ー 私は部屋のテレビの上に置いてあった マニキュアの小瓶を発見。 「やろ?こないだ雑貨屋で見つけてん。ペディキュアで使ってる」 アキは裸足の右足をくいっと上げ キラキラとラメの入った薄いゴールドの爪を見せてくれる。 「綺麗な色‥」 私が言うと。 「塗っちゃろか?」 アキはにやっと笑って立ち上がり テレビの上の小瓶を取った。 ベッドに座った私の足を軽く持ち。 床に座るアキが 少し冷たい、くすぐったい感覚を残しながら 柔らかなハケでゆっくりと、私の爪に色をつけていく‥ こんなことを人にしてもらうのは初めてだし。 私が少し視線を落とすと お風呂あがりのサラサラ髪が頬にかかるアキの顔が見える。 髪の間から 真剣な眼差しで私の爪に向かうアキの目がのぞいて‥ ‥‥ こういうの かなり緊張します‥ 一本一本 丁寧にマニキュアを塗ってくれるアキ。 手持ちブタさん‥ 間違えた 手持ちぶさたの私は。 「今日も暑かったね‥」 「来週海行く日も晴れたらいいね‥」 そんな会話を振ってみるけれど アキは 「んー‥」 「そだねー‥」 マニキュアを塗るのに真剣で。 私のドキドキを抑えてくれるような会話はない。 ドキ‥ アキ 優しいね‥ 抱きしめたくなっちゃうよ。 「できたで」 アキが手を止め 「綺麗に塗れた♪」 嬉しそうに笑う。 あ‥ 「かわいー」 私が思わずつぶやくと 「おそろいやな」 アキも華奢な足をすっと上げ 私の足の隣に並べた。 「ふふ‥」 同じ24cmサイズの 私とアキの足。 指の形も 爪の大きさも 私達はほとんど同じ。 それが何だかおかしくて それがすごく愛しくて。 「ふふ‥」 “アキとおそろい” ピッー テレビのスイッチを入れ 画面に目を遣るアキ。 私もベッドを降りてアキの隣に座り 「ん?」 アキが顔を横に向けた時。 チュ‥ アキの頬に キスを落とした。 「ありがと、アキ」 少しだけ甘い 二人の夜が更けていく‥ (携帯)
■10970 / inTopicNo.46)  Girl Holic19 □投稿者/ エビ ベテラン(213回)-(2005/07/16(Sat) 17:48:16) おしゃべりを楽しんでテレビを観て。 時刻は深夜1時ー 「ふわぁ‥」 アキと私のあくびが重なって。 「寝るべ」 「うん‥」 ふたり仲良く洗面台の前で歯磨きくちゅくちゅ 寝る準備。 狭いシングルベッドで二人寝るのも嬉しいなー‥ なんてニヤけていたら。 「布団敷くでー」 アキはクローゼットの奥に置いてあった来客用の布団をごそごそと取り出してる。 ‥ブー 「いいじゃん。ベッドで一緒に寝ようよアキ。」 狭くたって‥ 平気だよ? するとアキはキュっと眉をしかめ。 「はぁ?何でやねん。めっちゃ狭いやん」 布団もいっこあるんやから別々でええやんー だって。 ブーブー‥ 分かってないなぁ、女ゴコロ ‥ってアキも女の子か。 「だめ?一緒に寝るの‥」 上目遣いで頑張ってみたけれど アキはスタスタ布団のセッティング。 ブー!! ‥今まで泊まりに来た時は もちろんこうして別々の布団とベッドだったけどさ。 もうね そのさ‥ 恋人同士なんだし? 一緒に寝たいなーなんて思ってたのにボソボソ‥ ってちょっとアキ 何もう寝ちゃってんのよ〜!! アキは敷いた布団にコロリもぐってしまい 「電気消してー」 なんてピラピラ手を振ってる。 「え‥?アキ私が布団で寝るよ?」 住人はアキなんだし‥ 「‥たまには地べたで寝るのって楽しいやん。だからサキにベッドやる」 アキは私に背中を向けて横になったまま 「おやすみー」 だって。 ‥ふふ 優しいクセにシャイなんだから。 そういうところ 好きだけど‥。 部屋の電気を落とし 私もベッドに横になった。 ふぅ‥ 暑かった一日だけど 部屋の中はエアコンで除湿されてて心地いい。 かわいい水着買えてよかったな‥ 来週海行くの楽しみだな‥ おそろいのペディキュア嬉しいな‥ 今日の一日を振り返って。 静かな寝息をたてるアキの存在をそばに感じながら ゆっくりと深い眠りに落ちる。 落ちてく‥ ‥‥ 落ち‥ 落ちれません(泣) 寝れません(泣) 目が冴えてるんですけど? アキちょんぺ‥ (携帯)
■10971 / inTopicNo.47)  Girl Holic20 □投稿者/ エビ ベテラン(214回)-(2005/07/16(Sat) 17:56:06) 眠れぬ‥ 暗い部屋にも目が慣れてきて 天井も見飽きたブー‥。 寝返りをうってアキを見る。 私に背を向けた体勢のまま 枕を抱きしめるようにぎゅっと抱え、規則正しく肩を上下させてるアキ。 ‥‥ 寝て‥るよね? 「(アキー)」 ‥‥ 応答ナシ。 はぁぁ 寝ちゃったか。 私、昔から修学旅行とか友達との旅行とか 必ず一番最後まで寝られない人なの‥(悲) 退屈だぁ〜! んーっ と両腕を伸ばした私の指に ふっと柔らかい感触。 あ‥ アキの髪に 指先が触れていた。 そのままそっと手を伸ばし アキの髪をくりくりと指でもて遊ぶ。 洗いたてのアキの髪は。 何度私がくりくりしても すぐにサラサラとその位置を元に戻す。 柔らかい髪‥ ちょっと犬っぽいかも。 ふふふ‥ 耳のあたりの髪で遊んでいると あ‥ 髪の下にアキの耳がのぞいた。 ピアスホールが2つあいた アキの耳。 ‥にひ にひひ。 どーしてもどーしても イタズラがしたくなっちゃって。 もそもそ‥ 私はベッドを出て アキの布団にこっそり移動♪ そーろり そーろり‥ 起こさないように細心の注意を払って‥ 布団をめくってアキの隣に横たわった。 ‥‥ ミッチョン成功 えへ。 朝起きたらびっくりするかなアキ? ここで寝てやるー。 私の目の前には、 アキの背中 アキの髪 アキの耳と‥ アキの首筋。 ドキ‥ 襲ったりなんてしません。 けどけど? アキの背中から腰のあたりに腕を回し そっと抱きついた。 わっ‥ 華奢ー! 私の腕が巻きついたアキの身体は 思っていたよりずっと細くて‥ アキと私は体型もほとんど同じだと思ってたけど。 ううむ‥ 悔しい事実判明。 胸はアキの方が少し大きくて(少しです!) ウエストは私の方が少し大きいらしい(ほんの少しです!) ‥‥ アキを抱きしめて思う。 女の子の身体って すごく心地いい。 それだけじゃなく なんかすごく ドキドキするね‥ (携帯)
■10972 / inTopicNo.48)  Girl Holic21 □投稿者/ エビ ベテラン(215回)-(2005/07/16(Sat) 18:00:45) 女の子の身体って すごく心地いい‥。 アキの 女の子の身体に。 私 「ハマっちゃいそうだよ‥」 思わず声になってしまい。 あわ‥ 恥ずかしー// ‥‥ アキの背中に顔をつけ 目を閉じた。 ずっとそばに‥いてね?アキ。 その時ー 「‥‥やで」 アキのハスキーな声が小さく響いて。 え? 目をあけると。 アキの背中がくるっと回り 向かい合う形で、アキに抱きしめられた。 んー‥ 抱きしめられたっていうより 抱きつかれた、かな(笑) ふふ‥ 私の首に手を回し 顔をうづめてくるアキ。 「起きてたんだ?アキ」 腕を回し アキを強く抱きしめる。 「‥寝とったのにサキが起こしたんやろ」 アキは少し照れていて。 ‥こういうの ゾクゾクする。 ‥‥ 意識的に アキの小さな耳に温かい息をかけるように、囁く。 「かわいいね、アキ」 耳に息がかかったからかー アキが身体をぴくっとよじらせた。 ‥こういう 攻め? 女の子を攻めるって‥ すごいドキドキする。 静かな部屋ー 聞こえるのは私達の鼓動と エアコンの風の音だけ。 「‥私もやで」 私の胸元で アキの小さな声。 「ん?」 何が、アキも? 「私も‥。サキにハマりそうやー言うてんの」 アキが少し顔を上げ 私を見つめる。 あ‥‥ 鋭さと 幼さと 危うさと 優しさが交差する、 アキの瞳。 ‥‥ 初めてだった。 誰かに見られるだけで ‥‥‥ ‥‥ 濡れてしまうなんて。 深いキスを交わし パジャマの上からぎこちなく互いの肌を求め合う。 「ん‥」 初めて聴くアキの甘い声は 私を高ぶらせるには十分で。 アキはそうゆうことできない日だったから‥ 途中で終わったけれど。 私にとっては色んなことが新鮮で 初めての夜だった。 一番感動したのは アキの隣で目覚めた朝。 「ん‥」 愛しい人に手を伸ばすとー つるつるすべすべのアキの頬。 朝起きた時 隣の人に髭がないってー 気持ちいいよね? (携帯)
■10976 / inTopicNo.50)  Girl Holic22 □投稿者/ エビ ベテラン(216回)-(2005/07/16(Sat) 23:28:07) 幸せーって何だっけ何だっけ‥ そんな唄があった。 幸せって 思いこみの賜物ー 私はそう思ってた。 好きな人に愛されることー それが幸せの要因だとしても。 それは自分が 好きな人に愛されてる‥ そう思い込むからであって。 “彼氏できて幸せ〜” そんな風に浮かれる友人を見るたびに私は 「‥‥」 そうそう 思い込みこそ幸せなんだよねー。 なんて 冷めた真実を心の中でつぶやいてたっけ。 なのに‥ 恋愛って本当に恐ろしいもので。 アキと付き合うようになった私は 『幸せだな‥』 それが口癖になっていた。 思い込みなんかじゃない アキに愛されていること。 それがすべての真実でー 本当に幸せだって そう思ってた。 私の『幸せ』を聴くたび 「‥色ボケ」 アキはそう言って笑ったけれど。 毎日交わすようになった別れ際のキスや。 アキからの電話 アキからのメール‥ 色んなことが私に幸せを痛感させ。 いつのまにか私の中は アキでいっぱいになっていった。 仕事中も 友達との食事中もー アキのことばかり考える日々。 アキ中心で回る 私の生活。 それが大人にとって良いことか悪いことかー それくらい私にもわかっていたけれど。 アキを好きになってく気持ちを止める術は 私にはなかった。 何がそうさせたんだろう? アキという人自身の魅力は勿論だけど “女の子と付き合う” という初めての経験も大きかったと思う。 街中でこっそりつなぐ手 人目を忍んで交わすキス‥ そんなことも私にとっては 気持ちを高揚させるスパイスでしかなくて。 思った通りー 私はあっという間にアキにハマっていった。 でも‥ 好きだからこそ 幸せだからこそ 生まれる不安もある。 失う不安を感じるたび “それが恋愛だよ” そんな使い古された言葉を 自分の中で消化した。 そんな時いつも私を救ってくれるのは やっぱりアキの笑顔で。 「明日海やでー。楽しみやなぁ!」 ‥ふふ 「うんっ明日は海だね!」 やっぱり私は 幸せでしかなかった。 (携帯)
■10977 / inTopicNo.51)  Girl Holic23 □投稿者/ エビ ベテラン(217回)-(2005/07/16(Sat) 23:32:06) ガタンガタン‥ もうすぐ。 このトンネルを越えたら左手に もうすぐ見える 海が見え‥ 「海やあぁぁぁ!!」 ‥ふふ トンネルを抜けるとそこは 真っ青な海だった。 「見えたね、海!」 「にゃははー」 二人がけの電車のシート。 隣に座る私達は そっとおでこをくっつけ合って 嬉し笑いを噛みしめる。 海デートの日曜日ー 朝早く起きて電車に飛び乗った。 水着や着替えの入った 少し大きなカバンを抱えた私達。 アキはカーキ色の膝丈パンツ 私は白のスカートで。 足下はもちろん‥ サンダルでキメた☆ 海までは2時間弱の電車の旅ー 海が見える左側の座席を陣取って アキと私は浮かれっぱなし‥ 「海なんて久しぶりやー」 キラキラ光る海に目を細めるアキ。 「大阪にいた時は行かなかったの?」 「ん、行ってへんなあ。小学生以来や」 アキは遠い記憶を辿るように 頭を傾けた。 ‥にや 「そうなんだー♪」 「‥何で嬉しそうやねんサキ」 「だってー」 だって‥ 恋人と来るのは初めてってことでしょ? それが嬉しいの! 膝の上に置かれていたアキの手を きゅっと握る。 なのにアキは 「見られるやろ‥」 そう言ってパッと手を離してしまう。 ブー‥ 何よ アキのバカっ。 そりゃ見られるかもだけど‥ そりゃそうだけどさ‥ プヒ 知らないっ。 私は膨れて窓の外を見る。 「‥‥」 「‥‥サキ助」 アキは手に持っていた長袖シャツを 私達のヒザとヒザの真ん中にふわっとかけ。 くいっ‥ 私の右手を取ると シャツの下に引き寄せた。 ア‥キ? ‥‥ シャツの下で しっかりつながれた手と手。 ふふ‥ 「ねえアキ?」 「ん?」 だんだんー 海が近づいてくる。 「アキのベスト夏ソングって何?」 アキは私を見てにやっと笑うと‥ 『せーのっ‥』 『Endless summer nude!』 アキと私の声が ぴったり重なった。 暑い夏の日のテーマソングは 私達が大好きな、アノ唄にしようー (携帯)
■10978 / inTopicNo.52)  Girl Holic24 □投稿者/ エビ ベテラン(218回)-(2005/07/16(Sat) 23:36:00) ー何か企んでる顔 最後の花火が見えた瞬間‥ー 駅を降りると 潮の匂いがして。 ー浜には二人だけだからって 波打ち際を走る Tシャツのままで泳ぎ出す‥ー 私達は 青い海へと走り出した。 ー5秒に一度だけ照らす 灯台のピンスポットライト 小さな肩‥ー 買ったばかりの水着を着て。 肌に感じる 熱い熱い夏の砂。 ー神様にも バレないよ 地球の裏側で‥ー 「アキ‥」 「サキ‥」 バッシャーン!! 「冷たい〜」 「キャハハー」 「気持ちいい〜」 夏の海ー 私達は‥ ーそうさ 僕ら今‥はしゃぎすぎてる 夏の子供さ 胸と胸絡まる指‥ー 熱い太陽と 妬けた砂。 青い海の中で 絡み合う肌‥ 「ふふ‥」 「にゃは」 「楽しいね」 「楽しいなぁ」 灼熱の太陽をいっぱいに受けてはしゃぐ私達はー 夏の子供だった。 「ちょっと休もっか」 太陽が南の空に一番高く上った頃ー 私達ははずむ息を抑えて ビーチに敷いたシートの上に横たわった。 「アキ、焼けたね」 ふふ‥ アキの白い肌は 日焼け止めを塗っても7月の太陽には勝てないらしく。 赤くなったアキの鼻を ちょんとつついて私は笑う。 「んー‥」 「んんー‥」 遊び疲れた身体を休め 眩しい日差しに目を閉じていると‥ ‥‥ん? くん くんくん‥ サキのブタ鼻作動。 アキの鼻もぴくぴく動いている‥ どこからか漂ってくる しょうゆの焦げた香ばしい匂い。 出ドコロは‥ あれだー!! 黄色い看板にー “焼とうもろこし” のドでかい文字。 いい匂ーい‥ (行く?) (行っとく?) アキと目を合わせてニヤっと笑い。 熱い砂を踏みしめながら 私たちは焼きもろこし屋台へ歩いた。 「2本くださーい」 アキがお財布を出しながら声をかけると。 「はーい」 店の奥から 若いお姉さんが出てきて。 ‥ヒュウ うまく吹けない口笛を 鳴らしたい気分。 そのお姉さんは‥ わお 美人さんだあ♪ (携帯)
■10979 / inTopicNo.53)  Girl Holic25 □投稿者/ エビ ベテラン(219回)-(2005/07/16(Sat) 23:41:01) 焼きもろこしのお姉さんは。 海で焼けたのかな? 綺麗な小麦色の肌と、金色に近い髪。 そして‥ 「ありがとうございまーす、800円です!」 すぐそこの本物の太陽にも負けない キラキラな笑顔が印象的だった。 お姉さんは網の上のもろこしを2本 手際よくくるくると薄い紙に包み。 「はいどうぞ」 にっこり とびきりのスマイルを見せてくれる。 ‥海と 太陽みたいなお姉さんの笑顔。 アキも私も嬉しくなって。 「ありがとー」 二人でお礼を言って ちょうど800円を手渡した。 もろこしをかじりながらビーチへ戻る途中ー 『んー‥あのお姉さんどこかで‥』 私が考えていると。 「今のお姉さんな。どっかで会ったことあるような気がするねん‥誰やったかなぁ‥」 アキはもろこしをかじりながら 小さく首を傾げる。 ‥!! うそっ! 「わ、私もなの!私もどこかで会ったような気が‥」 って思ってたの! 「誰やったっけなぁ」 「ええと確か‥」 アキと私 う〜んと小首を傾げ。 ‥‥ つち。 つち‥ つちだサン? ‥違うな。 つちやま‥ つちの‥ つち あ〜何だっけー! ぷるぷると頭を振る私の横で。 「かわいいお姉さんやったなぁ‥」 アキは鼻の下を デレデレーっと伸ばし。 ‥‥ にやにやしてやがる! こぬやろめ‥ フガー!! (浮気禁止ー!) アキの首ねっこを引っ張りながら ビーチへ戻る途中。 私はもう一度振り返って 遠くなった屋台の方を見た。 あ‥ 高い空には大きな太陽ー そして ビーチのもろこし屋さんにも。 もうひとり 太陽みっけ☆ お姉さんはやっぱりにこにこ笑顔で 他のお客さんの相手をしていた。 ‥ふふ またどこかで 逢えるといいな。 いつかどこかで 逢えるかな? 少し不思議な 真夏の海での出来事だった。 (携帯)
■11011 / inTopicNo.58)  Girl Holic26 □投稿者/ エビ ベテラン(221回)-(2005/07/17(Sun) 22:14:35) 子供の遊びの時間は どうしてあっという間に過ぎてしまうんだろう。 太陽はみるみる西の空へと傾き 時刻は夕方4時。 ビーチの海水浴客たちは帰る準備を始めー 「帰ろっか」 「うん‥」 楽しかった海の一日も もうすぐ終わり。 着替えを済ませて 駅に向かう。 ホームは 海を楽しんだ人で溢れかえり。 私達も やってきた電車に乗り込んだ。 ガタンガタン‥ 車窓から だんだん遠ざかっていく海の青。 ‥‥ 私は ‥‥‥ どうしようもなく寂しくなった。 夏の一日の 終わり。 明日からも夏は続くこと 明日からもアキとの時間は続いていくことは わかっているのに‥ 幸せな時間のあとには 寂しさがつきまとう。 不意に まぶたが熱くなり。 ‥‥ 涙が こみあげた。 アキに気づかれないよう 私は唇を軽く噛んで窓の外に顔を向けた。 ‥‥ ガタンガタン‥ あっという間に海は姿を消し。 “次は‥駅‥駅” 電車が止まったのは 駅ビルや高層マンションが立ち並ぶ 都会の風景。 ‥‥ また明日から仕事か‥ 考えていたら。 「降りるで」 アキが私の腕を引っ張り。 え‥ プシュー 電車の中の人波をすりぬけるように手を引かれ 私達は開いた扉からホームへ降りた。 「ア‥キ?」 どうしたの? 降りる駅はまだ先だよ? 駅のホームー 発車を待つ電車の脇で 向かい合う私とアキ。 アキは掴んでいた私の腕からすっと力を抜くと‥ 「泊まろう」 ん、と俯いて。 「今夜は海が見えるところに。泊まろ」 優しい声で繰り返した。 ‥‥ いったん引いていた涙が 再び熱を持ち始め。 あ‥ いつのまにか 私の頬をぬるい涙が伝った。 「泣くなやーコラ。コドモちゃうんやから」 アキが笑って私の髪をくしゃっと撫でる。 「泣いて‥ない‥もん」 「まだ終わらへんで?」 ‥‥ 「楽しい夏は、まだまだ終わらへん」 私たちは反対側のホームへと歩きだした。 この夏を この夏の一日を 終わらせたくなくて。 (携帯)
■11012 / inTopicNo.59)  Girl Holic27 □投稿者/ エビ ベテラン(222回)-(2005/07/17(Sun) 22:18:45) アキと私がやってきたのはー 昼間楽しんだ海から少し高台にある 小さなホテル。 グレーのシンプルな外観だけど エントランスは南欧風のおしゃれな造り。 「ツイン1室1泊で」 アキは手短かにフロントに伝え “905” 部屋番号が入ったカードキーを受け取った。 ‥‥ 泊まるって決めてからここまでの展開の早さ。 明日は仕事だよ? 泊まったりしていいの? アキと話すべきことはたくさんあるんだろうけど。 今は アキが決めた今夜の過ごし方に身を任せたい気分で‥ 私のそんな甘えを。 アキの行動力が 優しくすくい取るように、手を引いてくれた。 カチャー カードキーを差し込み 部屋のドアを開ける。 「んー‥疲れたあ」 アキは腕を伸ばしながら 部屋の中へと進み。 2つ並んだベッドの上に座ると 窓から見える海に目を遣った。 夕方6時ー アキに告白されたあの日のカフェから見えた景色と同じ 夏の海はやっぱりキラキラと輝いていた。 「アキ‥いいの?」 私もベッド上でアキの隣に座り 「明日仕事だよ‥?いいの?」 今さら。 今さら『じゃあ帰る』 なんてことないって分かっていながら。 イエスしか答えのない甘い質問を アキに問いかける。 「‥泣きべそサキ」 アキは私の髪にそっと手を差し込んで。 「帰りたくなかったんやろ?」 こつんと額を合わせる。 「‥‥」 「一緒やで」 「‥‥」 「私も同じ。サキと離れがたかった」 「アキ‥」 すっごい 嬉しいんだけど‥ 「明日のことは明日考えたらええやん?」 「ア‥」 愛しい人の名前を 私が呼び終える前に。 「んっ‥」 唇を塞がれて。 アキの舌が 入ってきた。 「んんっ‥」 “応える”なんかじゃなくて。 アキの唇が 舌が 愛しくてたまらない私も。 舌を絡め 気持ちを伝えた。 くちゅ‥ こういう時に漏れる音は たまらなくいやらしく。 ‥‥ たまらなく人を欲情させる。 先に我慢できなくなったのはアキでー 私は柔らかいベッドの上にそっと 押し倒された。
■11020 / inTopicNo.62)  Girl Holic28 □投稿者/ エビ ベテラン(224回)-(2005/07/18(Mon) 10:44:03) とすっ‥ 柔らかいベッドに押し倒されー 「んっアキ‥」 耳たぶから首すじ 鎖骨から胸元へ アキの唇が下降する。 「やっアキ‥」 素肌にかかるアキの熱い息が ‥‥ たまらない。 「ア‥キっダメだよ‥」 まだシャワー浴びてないよ。 「待っ‥てアキ‥」 これ以上されたら 私止まらなくなるよ‥? すっと。 アキの唇が私の身体から離れー ベッドに手をついた体勢の彼女に 上から見つめられる。 ‥‥ 自分の紅潮した顔や 乱れた服が 恥ずかしい‥。 「サキ‥」 ‥‥ いつ覚えたの?アキ 誰に教わったの?アキ こんな風に 女の子をドキドキさせる声と視線。 誰に‥? 「シャワーなんて‥」 アキのハスキー声。 「シャワーなんて。いらんやろ?」 好き‥。 「あっ‥んっ」 アキが再び 私の身体に愛撫を始める。 今度は唇だけじゃなく 手も、指も、舌も使って。 「は‥んっ‥」 信じられないくらい巧みな アキの行為。 「やぁっ‥アキ‥」 “セックスは焦れったさがすべて” いつか雑誌で読んだことがある。 アキは それを知っていたのかな‥。 アキの愛撫は。 私が欲しいものを 決して最後まではくれない。 いつも寸前でー ふっと快感をおあずけにされる。 だから‥ 「アキ‥お願‥い」 身体は余計に求めてしまう。 「もっと‥」 「‥何が?」 アキは意地悪くー 「何がオネガイなの?サキ」 確信犯のいやらしい視線を 私に向けた。 ‥‥ そんな意地悪したって 今は無駄だよ‥?アキ。 今の私は アキの指をもらうためなら。 何だって言えるんだから‥ アキの首に手を回し 耳元にオネガイをする。 「‥‥‥て。」 淫らな女を演じるのも。 今はたまらなく 刺激的‥ 私のオネガイに。 満足気に笑みを浮かべたアキは 右手の中指を舌ですっと舐めると。 その華奢な指で 私の中に入ってきた。
■11035 / inTopicNo.63)  Girl Holic29 □投稿者/ エビ ベテラン(225回)-(2005/07/19(Tue) 07:50:38) 「あんっアキ‥」 「サキ‥」 「やぁっ‥アキ‥」 服を脱ぐ時間すら 焦れったくて 待てなくて。 スカートをはいたままの私の足の間から アキの指が入ってくる。 「もっと‥」 やっ‥すごい‥ 「アキ、もっと‥」 すごい気持ちいい‥ アキの指は紳士で アキの指は乱暴でー 私はアキの細い指が すごく好き‥ 「あっ‥やあっ‥んっ。んんっー‥」 すごい すごい‥ 気持ちいい‥。 ちゃぷん‥ー ホテルに入ったのが午後6時。 それから2時間後の夜8時ー 私とアキはお風呂にいた。 部屋の割に広めのお風呂に 備え付けのバブルバスの素を入れてー 白い泡の中 二人で浴槽につかる。 焼けた肩にぬるめのお湯がしみて‥ 「ヒリヒリするー」 「私もー」 ふふ‥ 泡で髪が濡れないように 髪をひとつにまとめてアップにしているアキ。 ‥‥ 普段とはちょっと違う印象で。 やんちゃさが残るアキの顔も 今は何だか大人の女性。 私は密かに ドキドキしていた‥。 ちゃぷん‥ 遊び疲れた身体を お湯が癒していく。 「気持ちいいね」 私が言うと。 「‥さっきとどっちが気持ちイイ?」 アキはすっと顔を寄せてきて 「すごいかわいい声で鳴くんやな、サキ。めっちゃゾクゾクした」 また あの確信犯の視線を私に向けた。 ‥シュボッ(点火) なっ‥ 「アキ〜!!」 は 恥ずかしいこと言うなフガー!// 「お風呂出たら‥」 白い泡を私の鼻にちょんと乗せ アキは続ける。 「お風呂出たら、もっと楽しませてもらうで」 ‥‥ くわわわ‥(噴火) 私をノボせあがらせる 夏の暑さと アキのセリフ。 ‥負けちゃあ いられねえ。 (てやんでい) 「アキだって‥」 アキの鼻に泡を乗せ 私も応戦。 「アキだって、我慢できないんじゃないの?」 私もアキを 愛したいの。 あなたにも 感じてほしいの。 「エロサキ‥」 アキの顔が 少し赤い。 ふふ‥ (携帯)
■11036 / inTopicNo.64)  Girl Holic30 □投稿者/ エビ ベテラン(226回)-(2005/07/19(Tue) 07:55:00) その夜ー お風呂を出た私達は。 軽い夕食を取った後 すぐにベッドになだれこみ。 今度はちゃんと服を脱いで愛し合った。 アキが私を愛し 私がアキを愛する。 互いの甘い声に身体を濡らし また求め合う。 そのやり取りは終わりを知らずー 結局朝方まで愛し合った。 やっぱり私達は 夏の子供だった。 ‥‥ でも どうしてなんだろう。 愛される喜びを感じて 身体にはとめどない快楽を与えられて。 なのに‥ どうして私はアキの腕の中にいながら 不安を感じたんだろう。 アキと過ごすこの夏を 愛しいと思えば思うほど。 不安が大きくなる。 愛するほど 失うことがリアルになっていく。 ‥‥っ アキに抱かれながら 私の目から流れた涙。 「サキ‥?」 心配するアキに この涙の理由はうまく説明できない。 ごめん‥アキ。 なだめられるように 強く抱きしめられて。 私はアキの胸で泣いた。 ごめん‥ ごめんね‥ 謝る私に。 アキは理由を訊くこともなく ただそばにいてくれた。 私達が眠りについたのは朝方3時頃ー 私もアキも いつのまにか深い眠りに落ちていた。 ‥‥ ‥‥ アキ‥ 私 ダメな大人になっちゃいそうだよ。 私 あなたがいないと ダメになっちゃいそうだよ。 ずっと そばにいてくれる? 私だけを 愛してくれる? その約束を 揺るぎない何かで 私に見せて。 私だけを ずっと愛して。 この夏が終わっても‥。 ‥‥ ‥‥ 無意識と意識の狭間で 私が願った言葉たち。 そんな子供じみて 醜い感情を 声にできるはずもなく。 私はただ 隣にいるアキの体温を信じ それにすがるように 眠った。 私は弱いからー 一人でなんて生きていけない。 でも人は 一人でしか生きていけないんだよね‥? アキ‥ 短すぎる 海辺の夜だった。 (携帯)
■11091 / inTopicNo.71)  Girl Holic31 □投稿者/ エビ ベテラン(230回)-(2005/07/20(Wed) 12:25:24) ZZZ‥ か かくーん。 ‥っ!? あ、会社か‥。 自分の頭がかくっと振れる衝撃と (垂れかけたヨダレで‥) 私は我に帰った。 いかん 寝てたか‥。 海辺のホテルでアキと泊まった翌日ー もちろん会社には行かないといけないから。 朝6時前にチェックアウトした私達は 一度家に戻って出勤した。 ホテルから戻る電車で 二人頭をくっつけ合って眠れたのは幸せだったけれど。 ‥‥ しかしまあ あんまり寝てない私達。 今日は猛烈に眠い、わけです。 甘く激しいセックスの翌日って‥(何言ってるんだ私は) 必要以上に眠くなりませんか? んー‥ パチンっ! 頬を軽く叩いて 気合いを入れ直し。 仕事せねば〜!! と。 んお? 隣のアキを見るとー ‥‥ 片手を頬について 顔は下を向いていらっしゃる。 アキの髪は肩に届くくらいだから サラサラの髪が俯いた顔を隠してしまって 表情は見えずー 机の上には何やら書類。 ‥考え事をしているのか。 或いは 考えるフリをして居眠りこいているのか。 むむむー そーっとアキに近づいて 「島田くんっ!」 部長の低い声を真似て耳元で言うと‥ 「ハイっ!寝て‥寝てないデスっ」 アキはガバっと顔を上げ。 眠そうな目を丸くして 「‥‥‥?」 キョロキョロ。 にひっ にひひひ‥ やっぱり寝てたかアキ助め。 してやったりー♪ 私のイタズラを理解したアキは 「(むむむ‥)」 悪い目つきで睨んじゃって‥ まぁコワい♪ しばらくするとアキはPCに向かい カタカタカタ‥。 その数秒後 “You've got mail!” 私のPCにメールが到着。 送信者:島田アキ 本文:見えとるで。キスマーク ‥!! うぞっ!(嘘) 私は慌てて首を隠す。 やだー 朝ちゃんと鏡見たのに‥// 小さな手鏡を鞄から出していると。 ピコ〜ン 私のPCが再びメールの到着を告げ。 本文:ウソじゃい。ちゃんと見えへんところにつけたから安心せい フロム、アキ。 ‥‥ フッ わなわなわな‥ (携帯)
■11092 / inTopicNo.72)  Girl Holic32 □投稿者/ エビ ベテラン(231回)-(2005/07/20(Wed) 12:29:23) アキにすっかり騙されて。 ガルル‥(吠) いつか仕返ししてやる! ‥ふふ。 アキに抱かれ アキを抱いた昨夜。 私を襲ったどうしようもない不安は 朝になって太陽の光が消し去ってくれた。 そして。 アキとずっと一緒に時間を過ごすことが 何より私を安定させた。 一緒にいたらいるだけ 離れられなくなるだろうという自覚は生まれてきていて。 ‥‥ 私は少し怖かった。 “依存” 私の感情は そんな重い言葉にリンクするものだったからー。 でも 私を占めていたのは やっぱり幸せだった。 アキはそばにいてくれて 「にゃはは〜」 こうして笑ってくれている。 ‥ふふ だから私も幸せで。 その事実以外は 受け入れたくなかった。 多分それが 間違いだったんだと。 私は後になって気づくことになる。 その日の終業後ー 「んー疲れた」 「帰ろうかー」 私とアキが帰る準備をしていると。 「いたいた!アキちゃんにサキちゃん!」 カツカツとヒールを鳴らし私達に近づいてきたのは。 設計課の先輩ー メグミさん。 服装は自由なこの課において メグミさんはいつもセクシーなお召し物と甘い香水を欠かさない。 ‥イヤな奴かって? とんでもない。 面倒見がよくてすごくいい先輩なんだな♪ 「お疲れ様です、メグミさん」 私とアキが言うと。 「あれっ?何か二人とも焼けてない?」 海帰りの私達の顔を交互に見るメグミさん。 あー‥ てへっ。 「一緒に海行ったんです」 私が言うと。 「彼氏と?4人で?」 メグミさんは首を傾げる。 「はは、まあ‥」 ‥彼女と、2人でです。 私が言葉を濁していると 「あのね、2人にお願いがあるの」 メグミさんが本題を切り出した。 ‥? 「何ですか?」 私とアキ 顔を見合わせて尋ねた。 後になってー この日もっと早く帰っていれば。 メグミさんが私達じゃない誰かにそのお願いをしてくれていればー 私は何度思っただろう。 何度 悔やんだだろう。 (携帯)
■11093 / inTopicNo.73)  Girl Holic33 □投稿者/ エビ ベテラン(232回)-(2005/07/20(Wed) 12:33:33) コンパ〜? 「コンパ‥ですか!?」 「そうなの。どーしても女の子が二人足りないの」 ‥で 私とアキに来てくれと。 メグミさんのお願いはそんな内容で‥ 「今週の金曜なんだけどね。お願いっ!いてくれるだけでいいから」 メグミさんは両手を合わせ 「この通りっ」 ‥‥ アキとこっそり目を合わせ。 ‥ふう(アキサキ) 全然 行きたくなんかないけど。 金曜日なんてアキと二人で過ごせそうな時間だし‥ でも 先輩にこう頼まれちゃ、仕方ないか。 アキは少し肩をすくめて 「わかりました。行きます」 メグミさんに伝えて笑った。 「ありがとー!恩にきる〜」 メグミさんは私達にお礼を言うと。 ヒラヒラのスカートをなびかせ 自分の席に戻っていった。 「‥ふふ」 「しゃーないわな、メグミさんに頼まれたら」 「そだね」 「ちょっと惜しいけどな‥。せっかくの週末やのに」 アキはぽりぽりと頭を掻いたー ‥ふふ。 私もだよ、アキ。 考えていることが同じって 嬉しいな。 「久しぶりだなあ、コンパなんて」 何年ぶりだろ。 「あ?サキそんなハレンチなもん行ったことあんの!?」 「アキはないの?」 ウソー(驚) 「‥ある」 あるんやんけ‥(怒) あ、また関西弁感染った。 ふふふ‥ まだね。 笑えてたんだ この時は。 恋人であるアキと 恋人探しの場に行って。 秘密を二人で共有しながら笑うのも いいかななんてー ちょっとした好奇心があったことも事実。 ‥‥ メグミさんなんて 先輩のお願いなんて。 何も気にしないで 断ればよかった。 後から私は 何度も何度も 後悔することになる。 悪いのは アキでもメグミさんでもなく。 私自身。 アキとの恋愛に。 少しずつ侵されていっている自分の内側と 自分自身の弱さに。 私はこの時まだ 気づかずにいた。 そして それに気づいた時には もう 遅かった。
続く