■ノーマル・アブノーマル  
□hime

  短大の卒業旅行の夜でした。
「ゲイの無修正DVD持ってる。夜にみんなで見ようよ」
 と青葉が言うから、みんなで楽しみにしてたわけ。
 でも、青葉ったら、中身の確認をしてないのよ。
 一人で見るのが恐いって。
 そしたら、それがゲイはゲイでも女同士のゲイ。
 レズビアンの無修正だったの。
 一同、ギャーって叫んで、最初はやめてやめて状態。
 だってもう、アメリカのそういうのって、全部丸出しな女がスポーツみたいに快楽を貪ってるでしょ。
 で、また、性器がえげつないの。
 自分にもあんなのがついてるのがイヤになるくらい。
 で、最初はみんな嫌がってたけど、性具とか出てくると、
「あれ何?」とか、「あんなのが入るの?」なんて、興味津々で観始めてた。
 結局二時間近く見たのかな。
 みんなはおそらく、好奇心と興味だけで見てたんだと思う。
 性的にはほとんど興奮してはなかったと思う。
 だって、女が女のあそこをグチャグチャ言いながら舐めてるシーンなんて、普通ならグロでしかないし、一人の女の顔に女達が次々とオシッコを浴びせるなんて、言語道断。
 そんなシーンのいちいちで声を上げそうになるくらい興奮したのは、たぶん私くらい。
 だと思ってた。
 ところが、二人部屋に戻ったら、里奈が、
「私変なのかなぁ。さっきのビデオ、異常に興奮した」
 何て言うの。
 私も嬉しくて、
「変じゃないよ。私だって興奮した」
「したよね」
 そう言って、ちょっと真剣に見つめあい、軽いキス。
 で、舌が絡み合い、胸を触り合い、もどかしいとばかりに全裸になって絡み合い、ビデオの中で女達がしていたように互いの秘部を舐めあって……
 しまいには、お風呂でお互いがオシッコするところを見せ合いながら、
「私たち変態だね」
「うん。変態だよ」
「変態で良かったね」
「うん。変態で良かった」
 こうして、私たちのズブズブドロドロな関係が始まった。
 

 思えば男が欲しいと思ったことなんか無かったし、銭湯が恥ずかしくてたまらなかったのも、私が女を性的な対象として見ていたからだろう。  それにしても、女の子の指、いや、この場合、里奈の指がこれほど心地良いとは!  里奈はオナニー歴十年だとかで、まさに女の身体を知り尽くしていて、乳首を触ってジーンって感じていた程度の私とじゃ大人と子供だった。 「今日はローション持って来たの」  初めて私の部屋に呼んで、キスした後、里奈が言った。 「ローション?」 「そう。こういうことにつかうローションよ」  里奈はそれを指先に取り、私の……  初めひんやりとした感触があって、信じられないほど滑らかに指が動き……  熱く、ジンジンとした感覚が身体を浸し、声が……  声が……声が……  まるであのビデオの淫乱女が巨大な人工ペニスをくわえ込んであげてたような声が……  前の時、里奈に舐められて感じたけど、そんなものじゃない。  そこをローションで責められながら、身体中を触れられると、どこもここもが性器になったように感じまくる。  くすぐったいんでもなく、じれったく、拘束されるようで、解放され、苦しそうで、苦しいわけでもなく、  とにかく、もどかしい良さに包まれて何も出来ず、身体がふわっと浮くような麻痺。  そして麻痺。  麻痺、麻痺、麻痺。 「これが逝くってことよ」 「すごい」 「もう一度逝く?」 「お願い」  指の動きに身体が反応してビクッとなる。  もう何も考えられない。
 あるとき、里奈が、 「ねえ、あのビデオ、もう一回見て研究しようよ。青葉に貸してって言ってよ」  なんて言い出して、 「え〜やだよ。青葉に誤解されるじゃない」 「誤解じゃないじゃない」 「それはもっとイヤだよ」 「青葉もさ、実は私たちと同じかも。同類を探してあのビデオを見せたのかも」  それはちょっとドキッとする指摘だった。  実は青葉には「それっぽい」雰囲気があって、前には授業中、ジッと見つめられたこともあったから。  さらっさらの栗色の髪を肩で揃えた、ちょっとフェレット系の顔がニコッと笑み、私はどう返したら良いのかわからず凍り付いた。  それからずっと気になる女の子ではあったけど、まさか告白ってこともなく、あの夜のDVDなのだった。  そんな青葉にレズビアンのDVDなんてを借りられるわけもない。
 けれど借りるときのことを考えると、愛の告白よりもドキドキして、自然と胸やあそこに手が行ってしまうのだった。  だから里奈が、 「借りてきた」  なんて、軽い調子で言ったときには、少し失望して、ちょっとだけ嫉妬もした。  でも、私たちはドキドキしながらDVDをプレーヤーにかけた。  この間のものとは明らかに様子が違っていた。  天井からの鎖に大の字に拘束されているのは明らかに小柄な日本人女性だった。  ゴムのマスクをされ、口にはボールを噛まされているので、正確にはわからなかったけど。  白いワンピースの裾が揺れ、綺麗な膝が見えていた。  女が三人入って来た。  明らかにサディストとわかる恰好で、鞭をもつのが二人、一人はハサミを持っていた。  ワンピースの腰の部分にハサミが入れられた。  声にならない声が、明らかに抗議の意を表していた。  腰も激しく振られ、ハサミを持つサディストは少し戸惑いの様子を見せた。 「ちょっと離れてなさい」と鞭をもつ一人が言った。 「大人しくさせて上げる」  そう言って、生け贄のワンピース女の尻に鞭を振り下ろした。  ボスッと鈍い音しかしなかったけれど、生け贄の様子から、それが相当の激痛であることはわかった。 「さあ、行くわよ」  鞭を持つ女二人は、まるで餅つきのように、交互に生け贄を打った。  生け贄の身体は次第に硬直し、声さえ出なくなった。  残虐な餅つきが終わったとき、生け贄はがっくりとうなだれ、肩で激しく息をしていた。 「さあ、これでわかっただろう。諦めなさい」  ハサミを持つ女は今度はワンピースの裾から縦に向かって切り裂き、腰で切り落とした。  生け贄はパンティだけの姿になった。 「そうだ。ここからは自分でやってもらおう」  そう言って、サディストのリーダーらしい女は生け贄の拘束を解いた。  足首、手首と一つずつ拘束が解かれると、パンティだけの下半身を庇うように、生け贄はその場にしゃがみ込んだ。 「マスクとパンティと、どっちかを脱げ」  リーダーは冷たく言った。  生け贄は明らかに戸惑って、頭を振った。  さらっさらのこの髪!  そして、マスクをしていても隠しきれないフェレット系の美貌!  里奈も気付いたらしく、私たちは顔を見合わせた。  青葉!
 生け贄の女はマスクを脱いだ。  やっぱり間違いなく青葉だった。  泣き崩れた顔は震いつきたくなるほど哀れで美しく、この様子を見ながらオナニーすれば何度でも逝けるのではないかと思われた。 「さあ、立ちな。これからが本番だよ」  無残に切り裂かれたワンピースの裾でパンティを隠しながら、青葉は立ち上がり、三人に促されて、奇妙な木馬のような家具の前に立った。  その木馬には手足を拘束するためと思われる枷がついてあり、ちょうど股間が当たる場所には三つの突起が飛び出していた。  一つは突起と言うよりはゴムの洗濯ばさみのような形。  もう一つは明らかに人工ペニス。  そしてもう一つは渦巻き状になった細い棒。  リーダーはリモコンをらしきものを二人に渡し、自分でも木馬に向けて操作した。  人工ペニスが奇怪に歪みながらピストン運動を始めた。  残りの二人が操作すると、洗濯ばさみは激しく振動しながら空を挟んだりひねったりし、渦巻き状の棒はねじれながら回るのだった。 「いや、イヤです」  青葉は自分の運命を察したかのように後ずさりした。 「イヤなら良いんやで。その代わり、五百万、耳を揃えて返してな。たった一回、こうやってビデオ出演するだけで五百万やで。普通ありえへん。  本当なら風俗で働いてもらうところなんやで。さあ、私らはどっちでもかまわへん。さ、覚悟を決めたら、パンティ脱いでそこに立ちや。あとはウチらがやってやるさかい」  青葉は再びしゃがみ込んで泣き始めた。  五分以上泣き続けた。 「これはもう、あかんな。中止や」  リーダーがそう言った瞬間、青葉は立ち上がり、 「下半身は映さないで下さい」  そう言って、パンティを脱ぎ、小さくたたんで足下に置いた。  その仕草にもグッと来た。  青葉はそのまま木馬を抱いた。  女達は青葉の手足を木馬に拘束し、動けないことを確認すると、例の責め具を一つずつ、下半身に装着していった。  下半身を映さないどころか、すべて生々しい程にアップで、映されていた。  それぞれクリトリス、ヴァギナ、アナルを責める器具が埋め込まれた様は、何か変な生き物の生態実験か何かと思われた。 「映さないで下さいね」  青葉からは見えないのだろう。  映さないどころか、ねじり棒の埋め込まれたアナルの襞の一つ一つまで大写しになっていた。 「じゃあ行くよ。二時間耐えられたら、五百万、ちゃらにしてやる。本当に耐えられへんようになったら、『お願いです。殺して下さい』言うんやで。わかったな。ほな」  奇妙な道具たちが動きを始め、青葉の絹を裂くような声が上がった。  そこからは下半身のアップと、苦悶に歪む青葉の顔が並べて映し出され、どこをどう操作されるとどのような表情をするのかが一目瞭然でわかるのだった。  クリトリスが責められるとまるで産卵する鮭のように口を開いて度の過ぎる快楽を訴え、  人工ペニスが体内を鞭打つと歯を食いしばって耐えながら時折怪鳥のように絶叫して絶頂を知らせ、  そしてアナルがゆるゆると責められると今度は無言で涙を流し気絶したかのように脱力して、そこに特殊な絶頂が訪れたことを知らせていた。  そしてこの三つの様々な組み合わせ…… 「さあ、遊びはここまでや。五分休んで、三ついっぺんに最高出力いくで」  五分が経ち、明らかにこれまでとは違った運動が下半身を襲い、青葉は拘束された身体を硬直させながら、十分ほど意味の無い叫びを繰り返して耐えたものの、その後は 「お願いです。殺して下さい」を絶叫して、それでも一時間許されず、次第に青ざめていく顔に、リーダーが、 「これ以上やると、死ぬな」  と言って、責めは終わった。  責め具から下ろされた青葉はぐったりとして立っても居られず、下半身を隠すのも忘れてその場に寝転がった。  ビデオはここで終わった。  興奮しきった私たちが互いの身体を貪りあったことは言うまでもない、よね。(続くよ。感想待ってます) 
「ああ、あれ? ただの演技よ。ただのバイト。ごめん、間違えて変なもの見せちゃってごめんね」  青葉は何の羞恥心も感じていない様子で私たちに言った。 「言っとくけど、下半身は別の子のだからね。絶対に下半身は映さないでって約束だったから」  そうなの! と私たちは声を揃えた。 「やだぁ、あたりまえじゃない。他の子で撮ったビデオを見ながら、表情とかを作ったの。  アナルはさすがに難しかった。触ったこともないし。最後はただ叫んでればいいから楽だったけど」 「でも、あんなのに出て、大丈夫? 親とか、知り合いとか……」 「あれはプライベートフィルムなの。お金持ちのマニア一人のために一枚だけ作ったものなの。だからその人が人に見せない限り大丈夫」 「他にもそんな仕事、やってるの?」 「月に一本ね。毎月買ってくれるらしいの、そのマニアの金持ちが」  この、ただ可愛いだけと思っていた青葉がそんなバイトを、しかも定期的に……  私たちは息を飲んだ。 「ねえ、あなたたちも、やらない? このバイト」  え? 「一緒に出てくれる子を探してたのよ、実は。秘密厳守だから大丈夫よ」  私の中で何かがざわめいた。  見ると里奈は呆然として、私と同じざわめきに心をゆだねているのがわかった。
「女の子が女の子を性的に虐めるってシチュエーションが好きらしいのね、その依頼者。 でもサド役の女の子がレズビアンでも本当のサディストでもないから、殺気がなくてワンパターンなのよ、わかるでしょ、何となく」  確かにそれは感じた。  けど、だからといって、私たちもそれは同じで…… 「私ね」と青葉はイタズラっぽく口元をゆがめて言った。 「女の子を虐めてみたいのよ。思いっきり。とくに、あなたたちみたいな」  そう言って、青葉は私と里奈を交互にジッと見つめた。 「あなたたちのような、ちょっと澄ましたカップルを交互に虐めて本気で泣かせてみたいの。もちろん、性的によ」  私は頭がクラクラして何も言えなかった。 「私」と口を開いたのは里奈だった。 「ビデオのバイトしたい」 「あなたはどうする?」  青葉が言い、里奈も私を見つめた。 「やって、みる」  そういったとき、私の膝はガクガク震えてた。
 スタジオの控え室でコスプレ用の安っぽいセーラー服に着替えると、私たちは三人で撮影室に入った。  監督もスタッフも女性で、 「大丈夫、緊張しなくても良いから」  と口々に言ってくれた。  私と里奈は天井から下りた鎖に両手を上に上げた形で拘束された。  ガチリ、とギアが上がるたびに手は上に引っ張られ、かかとがやっと付く程度にまでなった。 「はい、アクション」と監督が言った。  鞭を持った青葉が里奈に歩み寄り、スカートをまくり上げ、裏腿をピシリと打った。  打つ音に少し遅れて、里奈の叫び声が上がった。 「痛い、本当に痛い、やめて」 「そう、本当に痛いの?」 「痛い、やめて」  青葉はその声には答えず、鞭で返した。  十回、続けざまに打たれ、里奈はついに泣き始めた。 「痛いの、やめて。こんなのあんまり」 「やめて欲しいの?」 「やめて、もう耐えられない」 「じゃあ、あなたの大好きな美紀にお願いするの。このままの格好でオシッコしなさいって。美紀がお漏らししたら、鞭は勘弁してあげる」  なんてこと!  なんてことを言うの?  カメラが二台、私の顔と下半身に寄ってきた。 「ねえ、美紀」と泣きながら里奈が言った。 「オシッコして。助けて」  そんな、そんなこと、出来ないよ。  恥ずかしいし、こんな体勢では出来ない。  でも撮影に入る前、脱水症状起こしちゃいけないからって、青葉から、ほとんど無理矢理にイオン飲料をがぶ飲みさせられて……  もしかしてそれって……罠?  青葉は里奈のスカートを再びまくり上げ……  ギャーッと里奈は叫び、 「お願い、美紀、オシッコして。助けて」  青葉はまた冷酷な笑みを浮かべ、里奈を打った。 「もうダメ、もう耐えられない! お願い、お願い美紀」  そんなこと言われたって……  カメラがグイッと寄ってくる。  助けよう、と思ったけど、どうやって出したらいいんだよ。  力を入れるんじゃなく、抜くと、生暖かいものが脚の内側を伝った。  靴下にまで滲みていくのが感じられた。  カメラが寄ってくる。  終わった、と思った。  何かが終わった。  青葉がやってきた。  私の髪をグイッと掴み、無理矢理、唇を奪われた。  驚いたけど、羞恥の奔流は止まらない。 「私ね、お漏らししてる女の子とキスするのが夢だったの」  ネットリとした唇と舌が私の口を貪り、パンティの中の奔流の微妙な刺激が加わって私は逝った。 「はい、カット。OKです」と監督が言い、青葉は離れた。  潤んだ目が私の下半身を眺め、残忍な笑みを作った。  すぐにスタッフさんが来て、バスタオルで下半身を覆ってくれた。
 軽くシャワーを浴び、バスロブをまとって控え室に戻ってくると、青葉と里奈の話し声が聞こえた。  それも尋常な様子ではなかった。  里奈が一方的に青葉をしかりつけているのだった。  しかもその内容たるや…… 「さっきのは何?」  と里奈は詰問した。 「アドリブよ」 「アドリブぅ? アドリブであなたは他人の彼女にキスするの?」 「演技ですから」 「いいえ、演技には思えなかったわ。あなたはあの子の口を貪ってた。あなた、ノンケって言ってたわよね」 「そうよ。女の子になんか、なんの関心も無いわ」 「嘘おっしゃい。女の子になんの関心も無い女が、なんでお漏らししてる女にキスなんか出来るのよ」 「依頼者は、そういうのを望んでるから」 「ほーう、依頼者が望んだら、あの子のオシッコでも飲んでみせるわけね」 「それが仕事だから」 「仕事仕事って、自分だけが仕事してるような気にならないでよ。ほら、ここ、こんなに腫れ上がってるのよ。手加減ってものを知らないの?」 「ごめんなさい」 「次のシーン、今度は私があなたを打つわ。それであの子にまたオシッコして貰う。で、それをあなたが飲むのよ」 「そ、そんなこと出来ない」 「やるのよ。でなきゃ、あのDVD、学校に送りつけてやる。そしたらあなた、間違いなく退学よ。卒業を前にしてかわいそうにね」 「それだけは、やめて」  青葉は泣き始めた。  私はもうたまらなくなって、二人の前に出て行った。  驚いたことに、二人は抱き合い、しかも互いのスカートの中に手を入れているのだった。  あまりのことに、私はまたドアの前のロッカーの影に身を隠した。  二人は私のことに気付いていないみたいだった。 「感じたんでしょ、お漏らしする女にキスして」 「そんなことない。私、ノンケだから」 「嘘おっしゃい、こんなに濡れて。あの子のオシッコを飲むって想像しただけで、こんなに濡れてるのね、あっ!」  里奈のなまめかしい声が上がった。  あ、あ、あ、と続けざまに、次第に高くなった。 「あなたこそ」と青葉が冷酷な声で言った。 「こんなになって。あの子は私たち二人のおもちゃよ。最初からその約束でしょ。あの子を虐め抜いてビデオに撮る。それを観ながら私たちも楽しもうって言ったじゃない」 「ああ、そこ、イイ、もっと」 「卒業旅行から、今まで、慎重にことを運んできたんだから……」 「ああ、そう、そう、そこがイイの」  これ以上もう聞くに堪えず、またシャワー室に戻り、今度は涙を洗い流した。
 泣きながら、考えた。  青葉と里奈の企みがなければ私は何も知らずに卒業して、よくわからないままに男とセックスしてたかもしれない。  そうなったらきっと、自分の本当の性向を知ることなく一生を終えていたことだろう。  女の子の指や舌でなぶられる悦びを知ることなく……  それに考えてみれば、青葉や里奈に虐められるのは私の心の奥底の望みじゃなかったろうか。  この涙を悦びの涙に変えればいいだけの話。  私はある種の決意を抱いて、素っ裸にバスロブだけをまとったままの格好でスタジオに入った。  スタッフさんたちが例のグロい木馬を用意しているところだった。 「サイズ合わせ、お願いします」  そう言われ、私は何も考えずにその木馬を抱いた。  手首足首が拘束された。 「そのまま」と青葉の声がした。「そのままでいいわ」  青葉は拘束された私の所に歩んできた。 「さっきの話、聞いたよね」  私は頷いた。 「だったら話は早いわ」  そう言って、青葉は私のバスロブをまくり上げた。  普段は隠された場所に風があたり、そこが丸見えになっていることを知らせた。  青葉は私の後ろに回った。 「イヤ、見ないで」 「だいたい合格かな。もう少しビラビラが左右対称で、アナルのシワがもっと綺麗な放射状に広がってる方が見た目美しいけどね。  色は綺麗なピンクだし、高画質の大画面にも耐えうる下半身よ。ここを責められるあなたの顔と並べて観たいわ。じゃあ、もう撮っちゃって」  カメラがグッと寄ってきた。  苦悶や快楽に歪む私の表情の一部始終を撮るのだろう。 「ヴァギナ、入れるわよ」  人工ペニスがそこに埋められるのを感じた。 「アナルも」  不思議な感覚だった。 「私が」と里奈がリモコンを手に入った。「クリとヴァギナを受け持つから」 「私は」と青葉が言った。「アナルの良さを教えてあげる」  グアッッとみっともない声を上げてしまった。  いきなりクリを摘まれるような激痛に。 「ごめん、いきなりは痛いよね」と里奈が言い、刺激はソフトなものに変わった。  と思ったら、アナルがねじられるような不思議な感覚を伝えてきた。  そして人工ペニスが弱いけれど容赦の無いピストン運動を始めた。  あ、と声が漏れた。  明らかにクリは快楽を伝えてきている。  他はわからない。  愛情も何もない、機械的な動き。  けれど、水が溢れるように、ある一点を境に、その機械的な刺激が猛烈な快楽になって襲ってきた。  ギャーッと、とても快楽で上げるような声ではない叫び声を上げ、 「やめて、やめて、耐えられない、これは……」  クリで逝き、ヴァギナで逝き、逝った頂上が次々に重なって、もう逝きっぱなしの状態になり、もう言葉を発することさえ出来ない。  叫びながら藻掻き苦しむだけ。  青葉と里奈はリモコンをオンにしたまま、私の目の前のベッドに横になり、絡み始めた。  もどかしい、とばかりに服を脱ぎ捨て、互いの秘部に顔を埋めた。  その姿を見て、私の快楽の器官はドクンと波打ち、さらにいっそうの、死ぬほどの快感を返してきた。 「死ぬよ、死ぬよ、このままだと私、死んじゃう」  青葉と里奈はそんな私を眺めながら、貝あわせを始めた。  カメラは四台、二台は青葉と里奈をネットリと撮っている。  そして、おそらく私の下半身の一部始終も収められているだろう。  この一部始終を編集したDVDを観ながら、三人で……  そう思うと、頭は真っ白になり、この機械的な非人間的な快楽を舐めるように味わおうと、私は決意したの。 (終わり。感想待ってるね) 
Back PC版|携帯版