胸さわぎの夏祭り 1
 Honey 2003/07/31(Thu) No.1978


夏は恋の季節だ…というのは本当らしい。 友達の美都希と、後輩の弘美が七夕の夜に願をかけて、願いが叶ったといって喜んでいた。 2人は晴れて恋人同士。 そんなわけで、幸せのおすそわけに2人は私の恋愛成就の応援をしてくれる事になった。 「とりあえず誘ってみたら?今度の夏祭り」 というみつきの提案で、私と想い人の茜、みつきと弘美の4人で夏祭りに行く事になった。 高校時代からよく4人でつるんで遊んでた。 その頃から、みつきは弘美を、私は茜を好きだった。 茜は明るくて、優しくて、かわいくて、ちょっと控え目だった。 そこがまたかわいくて、今時なかなか出会えないような貴重な存在だった。 学生の頃に作った関係は、いつになっても特別で、胸の奥に焼き付いてなかなか消えない。 だから、結局いつまでたってもこの思いを断ち切れなかった。 それはみつきも一緒だったんだと思う。 だからみつきも、今更ながらに弘美とくっついた。 明日はいよいよ夏祭り…久しぶりに茜に会える。 「皆、元気だった?」 「茜!久しぶり!」 …茜だ。この声… 「涼子先輩☆お久しぶりです」 「久しぶり…茜、変わってないね」 「本当に?嬉しい」 柔らかい笑顔…いとしい… 茜の顔を見たとたん、胸の奥がうずきだす。 「いこっか…」 「はい♪」 久しぶりに皆で会うのがよほど嬉しいのか、茜はニコニコで上機嫌だ。 「彼氏…いるの?」 「いませーん」 「マジで?」 「はい」 「じゃ…好きな人は」 「んー…ずぅぅっと片思いの人はいますよ」 「そうなんだ…で、それは誰?」 「えっ…?」 途中から胸がズキズキして、苦し紛れにちゃかして聞いてみた。 まずかったかな… 「ごめん、困らせたね。そんなつもりはなかったんだ…いこう」 「はい…」 なんだか、しょっぱなから苦しくなってきた… そんなこっちの事はおかまいなしで、あのバカップル2人はラブラブでベタベタ… 「先輩…みつき先輩と弘美すごく仲いいですね…恋人同士みたい」 「…そうだよ」 「え?」 「あの2人…つきあってるんだ」 「…嘘…本当に?」 「うん、本当に」 これは、みつき達と立てた作戦だった。 2人の仲のいい所を見せて、同性でも幸せな恋人同士になれる事を知ってもらおうって。 「驚いた?」 「…とっても」 「どう思う?」 「私は…あの2人が幸せなら、それでいいと思います」 「そっか…よかった」 素直に嬉しかった。
作戦その2…  作戦1が成功した後は、わざとはぐれて別行動する。 作戦通りに、あの2人は西へ、こっちは東へと離れた。 「あれ?はぐれちゃいましたね」 「いいよ…2人きりにしてあげよう」 「そうですね」 本当はね、この後、出くわす事のないように、川を隔てて花火を見る事になってるんだ…茜、嘘ついてごめん… 「浴衣…似合ってるよ…すごくかわいい…」 「…ありがとう」 これは、弘美があらかじめ約束しといてくれた。 浴衣で行こうって。 なんでも、浴衣があの2人の縁結びになったらしい。 よくわからない話だけれど… そろそろ花火が始まる。 人が多くて、歩くのもやっとだ。 「先輩…はぐれないように、手をつないでもいい?」 「あ…うん…いいよ」 心臓が口からとびでそう…って言葉の意味、今ならよく分かる。 たったこれだけの事なのに、茜を好き過ぎて、濡れてきた… 「うー……ヤバイ…」 「なにが?」 「なんでもないよっ…独り言…」 ヒュー…ドーン… 「あ…綺麗…」 「本当だ」 これぞ日本の夏! 花火を満喫☆なんて余裕はなくて、つないでる手に汗がにじんでる。 「茜…手が熱いから…後ろに立ってる」 「え…」 その切なげな顔は、ナニ…? 「どした?」 「なんでもない…」 「その顔は、なんでもないって顔じゃないだろ…ちゃんと言わなきゃわかんないよ…」 みんな空を見上げて花火を見てるのに、茜だけがうつむいてる… 「ごめん…なんか嫌な事いった?」 花火の音がうるさくて、茜の耳元に話しかけた。 「…んっ…先輩…」 「何?どうした?」 「……」 「気分悪くなった?」 結局、黙ったまま何も話さない茜の手を引いて、人がいないベンチの所まで連れてきた。 「どうした急に…」 「だって…」 「だって…何?」 茜の瞳から、涙が静かにこぼれ落ちた… 「ちょっ…茜?」 突然の涙に動揺してしまった。 「なんで泣いてんの?どこか痛い?」 「うん…」 「えっ!?どこ?」 「…ここ」 茜は私の手を掴み、心臓の辺りに触れさせた。 「マジで?心臓いたいの?」 「違う…胸が痛いの」 思わず生唾を飲み込んで、ほのかな期待をしながら茜にたずねる。 「…なんで?なんで胸が痛いの?」 「…だって…あの2人はあんな幸せそうなのに…私は手をにぎる事さえできないなんて、切なすぎて…」 ズキューン…とハートのど真ん中にかわいさ命中… 「茜…嬉しかったよ…手をつないでくれて」 「え…?」 ここまできて、もう後には引けない。 当たって砕けてもかまわない… 「茜を…前からずっと好きだった…」 「先輩…」 茜はまた泣き出した。 「今度はどうした?」 「嬉しい…」 「え?」 「私、涼先輩にずっと片思いしてると思ってた…」 「…それって」 「両思いだったんだ…私も涼先輩が好き」 ヒュルル…ドーン… 2人の気持ちが一つになった瞬間、ひときわ大きな花火が、新しいの恋人同士の誕生を祝うように花開いた。 「やっったぁーっ!」 「先輩…」 ガッツポーズかましてたらみつきからメール… 『どんな感じ?』
胸さわぎの夏祭り 2  Honey 2003/08/01(Fri) No.1994 「ほら、弘美…『作戦大成功!』だって」 「うわぁ…よかったじゃん!」 「よし、次の作戦、いきますか!」 「そうしますか♪」 そして私と弘美は最終作戦決行の為に、打ち合わせてた場所に向かった。 涼も茜を連れて来る事になってる、あの場所に… 「茜…久々に神社の出店、いってみようか」 「はい…」 茜の手を引いて、川のむこうにある神社へ向かう。 下駄の音だけが響いてる… 「足…大丈夫?」 「少し、痛いかな…」 怖いくらいに作戦通りに進む… 確かにこれだけ歩けば痛くなるだろうけど… でも、秘密の最終作戦って何だろう… 「到着☆お店は少し休んでから回ろうか…」 弘美に言われた通りに、裏の境内の見える、木の陰の石垣に腰掛けた。 「あっ…先輩…あれ」 「何?…えっ…あっ…マジ?」 振り向くと、境内の陰で、熱いキスを交わすみつきと弘美… 『やられた!これがあの、秘密の最終作戦か…』 こんなのみたら、最終目標のキスまで、いきたくもなるよ… 『いい?涼先輩、茜は控え目だから、少しずつ慣らしてから先に進むんだよ…でも、ゆっくりすぎてもダメ!という事で、最終目標はキスね!』 っていう策士弘美の言葉の真意に、今ようやく気がついた… 「弘美…2人とも、こっち見てるよ…」 「うん…」 「こらっ…それは予定にないだろっ…」 弘美は調子に乗って、Tシャツの中に手を入れてきた。 「ん…いいの、このくらい刺激があった方が…」 「そんな事いったって…キワドイって」 「だって…外で人に見られてこんな事するなんて、なかなかできないよ?」 「弘美〜…恥ずかしいよ…」 「だって…もう、とまんないもん…」 弘美って、結構大胆… 「先輩…これ以上みちゃ、まずいよ」 「うん…そうだ!小川で足を冷やしにいこう…」 やりすぎだろ!?と思いつつ、小川へと向かった。 『小川についたら、浴衣が汚れないようにって、茜を膝に座らせて、後ろから抱きとめてあげるんだよ。  後はそんだけくっついちゃえば、自然な流れでいけるハズ!』 やけに細かい弘美の指示を思い出しながら、実行した。 「茜…こっちおいで」 「先輩…優しいね…」 「いや…浴衣がね、汚れるから…さ」 チャプン… 2人して冷たい小川に足をつける。 「…気持ちいい」 「そだね…」 虫の鳴き声までも、2人の気分を盛り上げてくれる。 「…涼先輩」 「ん?」 「…キス」 「え…?」 「さっきのあの2人のキス…羨ましくなっちゃった…」
胸さわぎの夏祭り 3  Honey 2003/08/02(Sat) No.2014 「あ、うん…そだね」 こんな時、どうすればいいんだろ… 「先輩は…」 「え…?」 「してくれないの?」 「…いいの?」 茜はこくんとうなずいてる。 嘘みたいだ…本当に作戦成功!目標達成!…夏の神様!恋愛の神様!弘美様様! 「…ありがとうございます」 「何?」 「神様に感謝してた」 「ぷっ…」 「あっ…笑ったなぁ!…その笑顔は反則だぞ…かわいすぎ」 やっとキスのゴールテープに到着… 「ん…せんぱい…」 やばい…よすぎて…もう濡れてきた… 「あー…」 「ん?」 「癖になりそう…」 「ふふ…」 「すごく感じるよ」 弘美のやつ…わざとあんな入れ知恵したなっ! 『浴衣のたもとって、抱き締めた時に、手を差し込めるようになってるの知ってる?』 あの小悪魔めっ! 何が焦らずゆっくり進めだ!おかげで意識しちゃってよけいに悶々する… 「先輩…どうしたの?さっきからモゾモゾしてる」 「いや…なんでもないよっ!ははは…」 はぁぁぁーっ…辛い… 「先輩…手を…」 「え?」 「手がね…」 「うわぁぁっ…ごっ、ごめんっ!」 胸を触らないように意識するあまり、茜のおしりを思いっきり掴んでた! 「先輩…何か変だよ」 「はぁ〜もうやだ…実はさ…」 これ以上不自然な茶番を続けられなくて、みつきと弘美が恋愛成就に協力してくれた事を全部うちあけた。 「ふふ…そうだったんだ…じゃあ2人に感謝しなきゃね」 「うん…スッキリしたぁ…」 やっとぎこちない時間から解放された。 「涼先輩って、かわいい☆」 「なんだよ…こういう性格なんだからしょーがないだろ…からかうなっ!…んっ」 茜に抱き締められて、キスされた。 うわっ…なんだこれっ… 「先輩…好き」 「茜…」 あ…ヤバイ…マジで…イキそう… 「あっ…茜!」 「ん?」 あ…あっ…あっ… 「うっ…あっ…んっ」…あ〜あ… 「イッちゃった…」 「え?」 「いや、だから…イッてしまいました…」 「…キスで?」 「はい」 「あれだけで…?」 「はい」 「本当に?」 「はい。…興奮しすぎかなぁ…ごめん」 「先輩…やっぱりかわいい…」 …誰だ、茜を控え目だといってた奴はっ! こんな道端に押し倒されて、襲われてるんですけど?…マジですかっ? 「っ…だからっ…茜っ…そんなにしたらくすぐったいってば…」 「…好き」 「茜ちゃんのっ…いじわるっ…」 なにやら遠くで動く、怪しげな影2つ… 「あいつら…」 「ふふ…大胆ね」 「弘美が言うなよ」 「今日はありがとう」 結局みつきと弘美に2人で御礼を言って、茜と帰る事にした。 「弘美も大胆だけど、茜も結構大胆なんだ」 「そう?…好きになって長かった分、爆発しちゃったのかもね…ふふふ」 「お〜こわい…その笑顔の下で一体何をたくらんでるのかな?」 「何でしょうね」 「結構…エッチだし」 「そう?」 「うん。キスうまい」 「私ね…先輩のそういう子供っぽい所がかわいくて仕方ないの」 「私にかわいいなんて言うの…茜だけだよ」 「本当に?」 「普通は、かっこいいとかだな」 「見た目はね☆」 「茜にはかなわん!」 あーだこーだ言いながら、茜の家に着いてしまった。 「じゃ、またね」 「先輩…帰っちゃうの?」 「え…寄ってくの?」 「…ダメ?」 「さっきのは…あれは本当のHじゃないよ?…あんな所では、とてもできないから何もしなかったけど…」 「けど?」 「このまま2人になったら…なんかしちゃいそうだし…」 「…うん」 「うんって…」 埒があかない… 「じゃ…ほんの少しお邪魔します」 話しが噛み合わないまま部屋に入った。 「先輩、飲み物ビールでいいよね?」 「おぅ!サンキュッ」 グビグビ…ぷはーっ☆ 「うまいっ!」 「クスクス…相変わらず、いい飲みっぷり」 「はぁい☆茜は?」 「私はワイン♪」 濃い色の赤ワインをグラスに注ぎ、おいしそうに飲んでる。 「おいしい?」 「はぁい☆最高♪」 嘘だ!渋そう… 「飲んでみる?」 「うん」 渋いの苦手だから、赤ワインはあまり飲まないけど、おいしそうに飲んでるの見ると、つい飲みたくなる。 「はい…」 「え…あ…」 ゴクン☆ 口移しで飲まされた。 「どう…?」 「うん…おいしい…」 「もっと欲しい?」 「うん…もっと欲しい…」 そのまま床に倒れ込んだ…冷えたワインが喉元を通りすぎていく イヤン☆ 口移し(*^_^*)
胸さわぎの夏祭り 4  Honey 2003/08/03(Sun) No.2035 「あかね…」 「…嫌?」 「嫌なもんか…」 心拍数がはねあがる。 背中に手をまわすと、帯が邪魔してる… シュルシュル… 「あ…」 帯をほどくと浴衣がはだけた。 「本当に…いいの?」 「先輩…シャワーを…一緒に…」 「…うん」 いとしくて力いっぱい抱き寄せた。 「すごく…ドキドキしてるよ…」 「先輩…」 パチャパチャ… 茜を腕の中におさめて2人でシャワーを浴びる。 茜の白い肌の上をお湯が流れていく。 こんなの…どうしよう…もう、ダメだ… 目を閉じて、ゆっくりと手を滑らせた… 「んっ…先輩…」 「……」 ビクンッ… 茜の体が小さく震えた。 胸に触れ、指で優しく乳首をはさむ。 「ごめん…やらしいと思うんだけど…我慢できない…」 「ううんっ…いいの」 「茜…」 アソコがジーンと熱くなる。 向かい合い、激しくキスをした。 「んんっ…先輩…」 「茜が…もっと欲しい…」 そのまま首筋から胸まで口唇を滑らせる。 「あん…」 かわいい…胸がズキズキする… 「茜がいけないんだぞ…誘ったりするから」 「だって…このくらいしないと…先輩何もしてくれないでしょ…」 「え?」 「奥手なのは…先輩の方だよ…」 茜の言葉で何かが切れた… 「じゃあ…こんな事しても…いいの?」 「うんっ…いいのっ」 「…こんな事も?」 「うんっ…いいよ…」 ピチャ…ピチャ…と浴室に淫らな音が響く。 背をかがめて茜のアソコに触れ、顔をうずめた。 目を閉じ、舌先でコリコリとしたクリトリスを転がしながら、指を入れる。 「はっ…あんっ…」 「…嫌じゃ…ない?」 「私…先輩とこうしたかったの…」 「茜…」 茜のアソコはヌルヌルと濡れて、より興奮を高める。 動きを早めてみた。 「んんっ…先輩…そんなにしたら…もう…」 なんてかわいいんだろう… 「ちゃんといかせてあげるよ…」 片足をあげてバスタブに座らせ、乳首を吸ったり舐めたりしながら、アソコを激しくかきまわした。 「はぁっはぁっ…先輩っ…もう…イッちゃう…んっ…あぁっ…」 両手を背中にまわし、ビクビクと体を震わせながら、茜は果てた。 浴室には、甘い息遣いと水の滴る音だけが響いていた。 「風呂上がりの一杯がまたうまい!」 「先輩ったら…」 改めて幸せを噛み締めながら、グビグビとビールを飲む。 「顔…にやけてる」 「えっ…?しょーがないじゃん…茜エッチなんだもん」 「ひどーい!」 「あはは☆冗談!幸せだからだよ…茜…おいで」 おでことおでこをくっつけて、じっと見つめ合う。 「茜が好きだ…」 「私も…」 「大事にするから…ちゃんと交際申し込んでもいいかな?」 「はい」 恭しくキスをして、そっと抱き締めた。 「あの2人に負けないくらい幸せなバカップルしてやる…」 「え?」 「この1ヶ月、さんざん見せつけられてきたからな」 「そうなの?」 「そうなの!」 噂をすれば影… みつきから私に、弘美から茜に同時にメールがきた。 『うまくいった?みつき』 『どうだった?弘美』 「あいつら〜!」 茜はさっさと返信してる… 『最高☆茜』 おいおい… 「茜ちゃ〜ん…」 「だって本当だもん」 いたずらっぽく笑ってる。 「いつからそんなやんちゃになった?」 「秘密☆」 くぅーっ…かわいい… 「この…クソガキめ」 ギュッと抱き締めてキスの嵐をプレゼント☆ 「んっ…そんなにしたら…」 「何?」 「また…欲しくなっちゃうよ…」 「いいよぉ〜何度でも…まかしとけ♪」 「じゃあ、メール早く返信して」 「はい」 「弘美…きたきた」 『うまくイキまくり☆涼』 「やだー♪イキまくりだって」 「どうりで『最高』な訳だ…」 「みつき〜」 「ん?」 「続き…しよう?」 「はい」 「でもちょっと、その前に…」 「なんだぁ?またメール…」 『やりすぎ注意☆みつき』 「!」 『ほっとけ〜!お前がいうな!☆涼』 「ははっ…そうだな」 今年の夏は楽しくなりそうだ☆ 「早く…」 「待てが苦手だなぁ…弘美は」 「だって…」 「…もうこんなになってたの?」 「みつきが焦らすから…」 「いや…弘美がエッチだからだ」 「そんなに…いじめないで?」 「好きなくせに…」 「みつきをね…」 「…ん…」 こうして、思い思いの夜は更けていく。 もしかしたら、暑い夏の夜は、熱い恋人たちのせいかもしれない…
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