■2927 / inTopicNo.1) 秘密結社I.E.Q. □投稿者/ 薫 (51回)-(2006/04/02(Sun) 20:29:54)
『ようこそ、I.E.Q.へ。』 『お待ちしていました。さぁ、扉の向こうで、主人がお待ちしています。』 『今宵の宴が今、始まります。』 (携帯)
■2928 / inTopicNo.2) 第一章 □投稿者/ 薫 (52回)-(2006/04/02(Sun) 20:31:48) “ピンポーン” それはこのインターホンから始まった。 一人暮らしを始めて、早二ヵ月。 春の訪れを感じる、今日この頃。 里山愛(さとやま・あい)と書かれたプレートがついたマンションの三階の部屋。 いつもは、インターホンが鳴っても、居留守を使う愛が、今日はなぜか、扉を開いた。 『はぁい。』 『里山愛さんですか?』 『そうですけどぉ。』 『じゃあこちらに判子かサインお願いします。』 どうやら郵便物が届いたらしい。 愛は判子を押し、郵便物を受け取った。 部屋に戻り、何かと思い、急いで開けた。 正方形のこじんまりとした箱が見えた。 中を開けると一枚の紙と招待券が入っていた。 『何これー?』 愛はおそる、おそる紙を見る。 紙にはこう書かれていた。 “幸運なあなたへ” この用紙に目を通された貴女はとても幸せな方です。 当社が何故、貴女にこの招待券を送付したかと、言いますと、 この度、我が社で行なわれます、月一イベントにご参加して頂きたくお送りさせて頂きました。 我が社の方針は、日頃現代社会で疲れている貴女を含めた方々に、 心を開放してもらう為に安らぎや癒しなどを常に提供する事です。 日頃、貴女が人には言えないような、悩みなどは全て当社にお任せください。 興味が湧きましたら、下記の番号にお電話か、当社宛てに一報下さると嬉しいです。 それではいい返事お待ちしております。 担当・山部勇一。
■2929 / inTopicNo.3) 第一章・2 □投稿者/ 薫 (53回)-(2006/04/02(Sun) 20:36:11) 愛は、またどこかの会社が手の込んだ勧誘をしているのだろう、 と思い用紙と招待券を箱にしまい、部屋の片隅に放置した。 この箱が、これから愛に快楽と欲望の雨を降らす事など知らずに。 それから一週間したある日。 友人の川岸峰子(かわぎし・みねこ)が愛の自宅を尋ねた。 何でも、悩みがあって愛に相談しに来たらしい。 『峰子が相談なんて、めずらしいわね?』 『うん…。それがさぁ、この間部長にセクハラされてさぁ。』 愛と峰子は同じ部所に配属された同期のOL。 その部所に勤務する、部長は大のセクハラ好きで有名だった。 しかし、上司という事もあってか、誰も通報しない。 愛にはそれが不思議だった。 『警察にいこうよ?セクハラなんて犯罪だよ!』 『それはいや……。』 『何で!?また皆と同じで黙って我慢するの?』 友人の峰子がセクハラされたとあって、愛は声が強くなる。 『だって…あたし部長に弱み握られてるの。他の子もそう。だから皆言えないの。。』 『えっ!?そんな…。』 愛は驚愕した。 部長がそこまで頭が切れるなんて。 これじゃあ、峰子は泣き寝入りするしか……。 愛は自分が何もしてやれない無力さに憤りを感じた。 ふと、愛はこの間、届いた郵便物に目がいった。 “ 日頃、貴女が人には言えないような、悩みなどは全て当社にお任せください。” 一か八か。これに賭けるしかない。 愛は傷ついた峰子に、この間の郵便物を見せた。 少しでも、心が楽になれば、と親切心から勧めた。 峰子もそれに同意し、招待券の入った郵便物を自宅に持ち帰った……。 それから一ヵ月の間、峰子は会社にも出社せず、そして愛が連絡しても繋がらず、音信不通だった。 何かあったのか、と思い、思い切って部長に問い詰めたが、部長の方も音信不通だったらしい。 急に怖くなった愛は、もしかして、勧めたあの会社で何かあったのかもしれない!と思った。 しかし、あの会社の番号や住所が記載された用紙は峰子が持っていて、愛は分からなかった。
■2930 / inTopicNo.4) 第二章 □投稿者/ 薫 (54回)-(2006/04/02(Sun) 20:39:48) そして五月の半ばになった頃、愛の自宅には再び、あの郵便物が届いた。 正方形の入れ物には招待券と用紙が。 用紙にはこの間と同じ説明文が書かれていた。 しかし、前回と違う点が一つあった。 前回は入っていなかった、青い便箋。 愛は唾を飲み込み、開いた。 “里山愛様へ 前回は里山様の大事なご友人を提供して下さりありがとうございます。 今回は貴女にも月一イベントにご参加頂けますよう、心から願っております。” 愛は『提供』の二文字が気になった。 まるで、自分が峰子を商品として送ったような物言いに愛は怒りを感じた。 『峰子を取り戻さなきゃ』 愛は腹を決め、記載された番号に電話した。 『もしもし、里山です。貴社に私の友人の川岸峰子が訪れたと思うのですが…。』 『川岸峰子様ですね?はい、確かに先月ご入社頂きました。その節は当社を推薦して頂きありがとうございます。』 『確かに、ここを紹介したけど、入社って。一体…貴社は何の会社なの?』 『来て頂ければ分かりますよ。是非来て下さい。今月中に招待券をご持参の上、お越しください。』 そう言って電話は切れた。 外部に漏らせないような会社って。 愛は気になり、翌日会社に向かう事にした。
■2931 / inTopicNo.5) 第二章 2 □投稿者/ 薫 (55回)-(2006/04/02(Sun) 20:42:38) 愛は普段通りに朝は自分の会社に向かった。 何気なく仕事をこなしていると、掲示板の方に目がいった。 愛は張り出された紙を見て唖然とした。 川岸峰子 4月15日を以て退職。 『はぁ!?退職?』 つい、声がデカクなり、周りが愛を見る。 愛は恥ずかしくなり、頭を少し下げ、部長に尋ねた。 『川岸が退職って、誰から聞いたんですか?川岸は音信不通で…』 『僕もよく、知らないが会社宛てに、辞表が届いたらしいんだ。 社長も、辞表が郵送で来てびっくりしてたみたいだな。』 『そうですか……。』 愛はやはり、あの会社に確認しなければならなかった。 自分のせいで、峰子をトラブルに巻き込んだのだから。
■2932 / inTopicNo.6) 第二章 3 □投稿者/ 薫 (56回)-(2006/04/02(Sun) 20:44:07) 午後八時、会社を後にし、タクシーに乗り込んだ。 愛は手に汗を握りながら、運転手に行き先を告げた。 徐々に近づいていく距離。 愛は場所を知らないのでいつまでもドキドキがつづいていた。 到着したのは、50階はあるだろう、ビル。 運転手にお金を払い、ビルの回転扉を通り、受け付け嬢に問う。 『招待券届いたので、来たのですが…。』 『はい、里山様ですね?ご連絡は聞いています。どうぞ、最上階の社長室まで、 エレベーターで向かって下さい。社長がお待ちしておりますので。』 可愛らしい受け付け嬢が、エレベーターを指差す。 指示通り愛はエレベーターに向かった。 エレベーターに乗り込もうとした時、この会社の人間が五・六人入ってきた。 現在時刻は午後九時。 こんな夜に、皆残業?と愛は首を傾げた。 そうこうしてる内に、人が徐々に降り、愛だけが最上階に辿り着いた。 エレベーターの扉が開くと、一直線に、社長室が見えた。 その扉の前に黒服の若い男が立っていた。 いかにもボディガード風な感じだ。 愛はその男に尋ねた。 『社長室に入室してもよろしいですか?招待券ならありますよ?』 『ようこそ、I.E.Q.へ。 お待ちしていました。さぁ、扉の向こうで、主人がお待ちしています。』 『主人?社長じゃないの?』 『入れば分かります。さぁどうぞ。』 男はにやり、と笑い扉を開けた。
■2933 / inTopicNo.7) 第三章 □投稿者/ 薫 (57回)-(2006/04/02(Sun) 20:46:48) 扉の向うには、大きなデスクに座る女性が見えた。女性は愛を見るなり、近づいた。 『初めまして、I.E.Q.の社長を務めさせております、相沢春菜(あいざわ・はるな)と言います。 里山さん、来てくれて嬉しいわ。』 容姿は比較的美形で、スーツ姿がよく似合っていた。 愛は相沢に問う。 『ここに、川岸峰子が入社しましたよね?』 『ええ、里山さんのご紹介で。彼女、すっかりここが気に入って、入社したいって希望されてたわ。』 『そうですか。川岸から音信不通になり、心配で見にきたのですが、この会社は何をしているんですか? こんな夜遅くまで、たくさんの人が働いていますね。』 『うちの会社は、現代社会で疲れたお客さまを最高の癒しと快楽を提供するプレゼンターなの。』 『具体的に言うと、川岸さんも含めた悩める小羊ちゃんに、愛を与えてあげるの。』 意味が分からない。 愛?小羊?何を目的にこんなデカイビルが? 峰子が無事なのは分かったけど、転属するくらい、いい会社だったの? 『口で言っても分からないと思うから実際に見て頂くわ。その方が分かりやすいでしょ?』 そう言って相沢は大きなテレビ画面のスイッチを入れた。 そこに映し出されたのは、各フロアの一室、一室全て映っていた。 その部屋では、愛が今まで見たことがない、会社の風景だった。
■2934 / inTopicNo.8) 第三章 2 □投稿者/ 薫 (58回)-(2006/04/02(Sun) 20:49:26) ピシッ、バシッ。 鞭が飛びかう音がスピーカーから流れる。 また、ある部屋では、赤ちゃんプレイを行なっていたり、まるで、ここは淫乱な風俗店のようだった。 『これは…』 愛は言葉を失った。 社長は構わず話始めた。 『ここで、皆癒されたり、快楽を得て、明日への活力を補給している人がたくさんいる。 普通の風俗店なんかより、うちは格段にレベルの高い癒しの空間よ。 しかも、女性限定を対象にしたね。 社員の中には男性もいるけど、あれは運営において、必要な人材だから。気にしないで。 里山さん、貴女も色々疲れがたまっていそうね?私が直々に癒してあげるわ。』 相沢はそう言いながら、奥の扉を開けた。 扉の奥にはダブルベッドが置かれていた。 『ちなみに、この会社、表向きは安眠布団を制作しているのよ。このビルの地下に工場があってね。』 相沢は愛を見つめながら、愛のスーツの上着を脱がせていった。 『えっ…ちょっと!何するの?』 『いいから黙ってなさい。』 突然の命令口調に愛は息を飲んだ。 初めて会った、女性に犯されそうになるなんて……。 この会社も人間も皆、何かがおかしい。 愛は急に恐怖感を覚えた。 しかし、その恐怖はすぐに快楽へと変わっていった。 『ひゃあぁん。』 愛の勢いのある喘ぎ声に相沢は口元を上げて笑う。 すかさず、相沢は先程責めた乳首を舐める。 『気持ちいいでしょ?』 相沢の問いに答える余裕すらなく、肩で息をしていた。 愛は体中が熱くなるのを感じていた。 もう、何もかもが、よくなっていく。 愛の目に映るのは、妖しい雰囲気を持つ女社長が、愛をその細い指で責め立てる姿だった。
■2935 / inTopicNo.9) 第三章 3 □投稿者/ 薫 (59回)-(2006/04/02(Sun) 20:50:58) 『気持ちいい…あっ、あぁぁん。』 愛の奏でる歌を聴きながら相沢はスーツのスカートを下げ、下着も下げた。 『ねぇ、里山さん?次は何されたいの?』 『…………。』 恥ずかしさで何も言えない愛を見ながら軽くため息をついた。 『たくっ。お前も子猫も素直じゃないんだから。』 ズンッ――。 突然電撃が走る。 愛の蜜壼にか細い二本の指が奥を突いた。 入れては出してをしばらく繰り返していると、愛は程なくして果てた。 『はぁぁ…はぁ、はぁ。』 『気持ち良かったでしょ?次からはもっと素直な子にならなきゃ、快楽は与えないから。』 『はぁ、はぁ。誰が、こんな所に居続けるとでも?』 愛は冷静さを取り戻し、相沢に挑発的な眼を向ける。 相沢も、鼻でフンっと鳴らし、愛を見た。 『まだ、素直じゃないのね。私がなぜ、貴女の家に招待券を送ったと思うの?』 『は?知らないから。』 『淫乱な娘に該当する人だけに送ったのよ。貴女は、毎夜、毎夜AVを見てたでしょ?そして自慰をしてた。違う?』 そう、愛は相沢の言った通り、彼氏の居ない寂しさを紛らわせる為に、毎夜いやらしい行為を楽しんだのだ。 『何故、知ってるかって?言ったでしょ、うちは安眠布団を制作してるって。 布団の中に盗聴器を仕込むのなんて、簡単なのよ。 うちの布団売り上げ伸びっぱなしだから、たくさん、淫乱な娘を発掘出来たわ。』 『あんた、それ犯罪じゃんか!!狂ってるよ。』 『何と言われようが、私のやりたいようにするわ。 ここを知られたからね、貴女は私の従順なペットになるのよ。』
■2936 / inTopicNo.10) 第三章 4 □投稿者/ 薫 (60回)-(2006/04/02(Sun) 20:52:53) 愛の人生は大きく変化する。 相沢も含めたこの、I.E.Q.によって……。 『ペットって…意味分かんない……。帰る!!』 愛はそう言ったが、一糸纏わぬ姿なのを思い出しスーツを探したが、周りには見当たらなかった。 『ペットに服は必要なくてよ?』 『返して!!それと…峰子も帰してあげて!!こんな所に大事な友達置いていけない!』 半分泣きそうになるのを堪え、愛は相沢に懇願した。 しかし、相沢の冷たい眼を見て、愛はたちまち何も言えなくなった。 『主人に逆らう悪いペットは、きっちり教育してもらう事ね。』 パチン―と、相沢は指を鳴らし、黒服の男を呼んだ。 『この淫乱な小娘を般若の所へ。』 男はうなずき、愛の首に、相沢から手渡された首輪をはめた。 そして首輪に繋がれた長い鎖を持ち、愛を引っ張った。 (いや!!どこに行くの?離してよ!!) 愛は心の中で叫びながら、体を動かそうとしなかった。 しかし、男の力に適うはずもなく、無常にも引きづられていった。
■2937 / inTopicNo.11) 第三章 5 □投稿者/ 薫 (61回)-(2006/04/02(Sun) 20:54:45) 黒服の男は無言で、ひたすら、長い廊下を歩いていた。 裸体の愛は、他の人が通らないか気になっていた。 (こんな恥ずかしい姿を見られたくない!!) そう思いつつ、黒服の男についていくしかなかった。 それから、エレベーターに乗り、32Fのボタンを押した。 無言が続く中、エレベーターの中で初めて黒服の男が口を開いた。 『里山さんですよね?手荒な真似してすみません。』 黒服の男が急に謝ってきてびっくりした。 何か腰が低い。。 『いきなり何?』 『今からお連れします、部屋は、いわゆる、拷問部屋です。 コードネーム・般若様が里山様をしつけます。般若様は大変気が短いので、話し方には十分気を付けて下さい。』 『般若?コード・ネーム?何なのよ、この会社は。』 『すみません。僕が言えるのはここまでです。さっ、着きましたよ。』 エレベーターの扉が開くと、男はまた元の冷たい顔に戻っていた。 親切心からか、はたまた、同情からか。 忠告には驚いたが、中にはいい人間もいるんだな、と少し心が救われた気がした。 部屋に着くと、男は鎖を離し、次の黒服の男に手渡した。 『さぁ、中へ。』 部屋の中はまだ暗く、明かりが奥の方で微かに、揺れていた。 愛は拷問部屋と聞いて身が固まっていた。 これから何が始まるのか? 先程の相沢のような優しい愛撫はもう望んではいけない。 きっと痛みが襲うに違いない。
■2940 / inTopicNo.13) 第四章 □投稿者/ 薫 (62回)-(2006/04/03(Mon) 08:32:35) 『ようこそ、般若の部屋へ。今日は来客者が多いな。相沢に逆らっていい事なんてねぇのに…。』 ほのぐらい部屋から浮かび出た、般若という名前の人物は、中世的な顔をしていた。 『般若さん…相沢って何者ですか?あの人がしてることは犯罪ですよ?いいんですか?勝手な事させといて!』 『よく喋る女だなぁ。いいか?お前はここで俺に教育される。 いい子になったら相沢はお前を気に入る。そしたらVIP待遇だぞ?』 『そんなに相沢は権力あるの?』 『お前…何にも知らねぇんだ。』 般若と名乗る男っぽい女は、今回は特別だ、とか言って説明してくれた。 ―まず、I.E.Q.は裏組織であること。 このビルで、癒しを受けられる女性は、どれもセレブで、政治家や女優など顔が知れた著名人ばかりらしい。 だから、少しくらい犯罪的な行動をしても、もみ消すくらい簡単に出来る。 警察とも繋がりがあるらしい。 次に、このビルに所属する社員には階級があって、相沢や般若を含む人間は上級と言ってVIP待遇が与えられる。 その下は、二流レベルで、主に、風俗商売の経営などを任される。 三流は地下で布団製造を任される。 こうした階級は全て、相沢の機嫌一つで決まる。 『だから誰も相沢には逆らわない。』 『何それ。じゃあこんな会社に入社しなきゃいいじゃない!』 『誰も最初からこんな会社だとは思わなかった。 普通の会社だと思ったらいつのまにか、相沢の巧みな話術とテクで簡単に堕ちちまった。 相沢は根っからの女王様だ。』 『辞める事は出来ないの?』 『辞めれたらとっくの昔に辞めてるさ。 権力がある人間を敵に回して、次にどこが雇ってくれる?全部手を回されてあっという間に無職だ。』 (そんな…相沢ってすごい奴なんだ。あたし、とんでもないものに巻き込まれた…) 『さぁ、お喋りは終わりだぜ。これから教育して相沢のペットになれるようにしてやるよ。』
■2941 / inTopicNo.14) 第四章 2 □投稿者/ 薫 (63回)-(2006/04/03(Mon) 08:35:53) 般若の顔つきが、Sに変わった。 般若は愛の首輪に付いている長い鎖を手に取り、引き寄せる。 自然に四つんばいの格好になった。 『淫らな女は好みでな。どうする?特別に選択権を与えてやる。イキ地獄か、ムチ地獄か。』 『どっちも嫌よ!ねぇ、あたしと手を組まないかしら?きっとあなたとなら、相沢に勝てる気がするわ。』 愛は般若に問い掛けた。しかし、般若は眉間に皺を寄せ、愛のあごを持ち上げた。 『まぁだ、分かんねぇのか?クソ女。俺は雇われた身だ。 そしてここの待遇は気に入ってんだよ。何でペットにもなれねぇカスと手を組まなきゃならねぇんだ。』 般若はそう吐き捨て、壁に掛けてあった、薔薇ムチを手にとった。 ――ビシッ、バシッ。 ――あ゛ぁぁぁー。 悲鳴に近い苦痛の叫びを愛は上げた。 最初は背中へ。次に大事な秘部へと。 体中が真っ赤になり、とうとう、百回を超えた。 『へへっ。お前さぁ、いい加減泣いたらどうだ?そしたら俺の気持ちも変わるかもだぜ?』 般若はぐったりした、愛の髪を掴み問う。 しかし、愛はただ、般若を鋭い眼差しで睨むだけだった。 『可愛くない奴。お前をここでおとなしくさせなきゃ、俺のランクが下がるんだけど?』 『知ったこっちゃ…ない。』 そう言い、愛は気を失った。 『はぁー。気を失うまで我慢すんなっての。助けてくらい言えないかなー?』 般若は独り言をぶつぶつ言いながら、愛をベッドに運んだ。
■2942 / inTopicNo.15) 第四章 3 □投稿者/ 薫 (64回)-(2006/04/03(Mon) 08:47:38) …………CODENAME・HANNYA Please respond.(応答願います) 拷問部屋に機械音で、般若を呼んでいた。 般若はため息を一つ付き、部屋の壁に掛けられた電話の受話器を取った。 『はいよ。相沢さん何すか?』 『相変わらず口の悪い子ね。』 電話の主は相沢だった。相沢はフフっと笑い続けた。 『どう?その子少しはおとなしくなったかしら?』 『あー…それが手強くて、今失神してるからベッドに寝かせたんすわ。』 『そう?あなたがてこずるなんて、珍しい。もし、まだ反抗するなら、子猫ちゃんの人生壊すわよ?って伝えて?』 『はぁー。分かったすよ。どこまでも恐ろしい人やね。』 『じゃあ。』 電話は切れた。 般若は受話器を戻し、愛の寝ているベッドに向かった。 寝ている愛をしばらく見つめ、頭を一撫でする。 『可哀相にな…ノンケなのに、目をつけられちまってさぁ。』
■2947 / inTopicNo.20) 第四章 4 □投稿者/ 薫 (67回)-(2006/04/03(Mon) 21:56:49) ――んん……。 愛はうっすら意識を取り戻した。 周りはまた薄暗く、明かりが微かに揺れているだけの冷たい部屋だった。 『目覚めたかよ?』 声のする方へ目を向けるとコーヒーカップを片手に持ち、薄ら笑いを浮かべた般若がいた。 愛は自分の置かれた状況が段々分かり、不意に体中に痛みが走る。 『痛い……。』 『ちゃーんと手当てはしたぞ?』 まるで悪ガキのような言い方で愛に微笑む。 Sの般若はどこにもなかった。 『あっ、伝言。相沢が、お前がこのまま反抗したら子猫ちゃんの人生壊すらしいよ?意味分かんないけど』 子猫…峰子!? はっ、と気付く愛。 急に血の気が引いた。 『峰子!!川岸峰子が今どこにいるか知らない?』 愛は起き上がり、般若に聞く。 その顔は必死だった。 『知らねぇよ。一々、覚えてらんねーよ。』 般若の襟元を掴んだ愛の手を荒く離した。 眉間に皺を寄せながら、般若は壁についてある緑のボタンを押した。 その瞬間、サイレンが鳴り、あっという間に愛は黒服の男たちに囲まれた。 『俺じゃあ手に追えないから、姉貴のトコ連れていけ』 黒服は頷き、愛を数人の男たちが部屋から連れ出した。 『姉貴は俺より怖いぞ?おとなしくしてろよー。』 般若が大きな声を出し、手をふった。 愛は般若を睨み付け、部屋を後にした。
■2948 / inTopicNo.21) 第五章 □投稿者/ 薫 (68回)-(2006/04/03(Mon) 22:02:05) 黒服の男たちに次に連れていかれたのは、45Fの奥の八畳程度の部屋だった。 その部屋の中央に大きな椅子に座った、足の長い女がいた。 スリットの入ったスカートから見える足は白く、美脚というのに相応しい。 黒服の男は愛を女の前に差出し、部屋から出ていった。 (今度は何されるの…もう嫌だぁ。。。) 愛は精神的にも肉体的にもボロボロだった。 『ようこそ。ひどい体ね。般若がやったのね、可哀相に。』 女は愛に近付き、背中に付いたムチ跡を指でなぞった。 『ぁあああ。』 痛いのと少し気持ちいいのが交ざり、何とも言えない刺激を生んだ。 女は口元をあげながら、愛の目を見た。 『愛ちゃんだっけ。お名前は。何でそんなに反抗するのぉ?』 女は疑問そうな顔をして、愛の答えを待つ。 『だって…こんなこと、間違ってると思うし。。』 『正義感に満ち溢れているのね?でもね、世の中それじゃあ損するわよ?』 愛の目をキリッとした目が掴んだ。 女の視線を外す事が出来ない。 『うまく世を渡るには、常に周りを見て、相沢さんのような方に付いていく事が大切よ? おとなしくしていれば痛い思いをしなくていいのだし。』 女の言うことには一理ある。しかし、愛にはそれが無性にはらただしかった。 『般若から聞いたわよ?友達さん、連帯責任負わされそうなのよね?あなたのせいで。』 愛の胸がズキッとする。 自分が招いた不幸の輪廻に峰子までも巻き込んでしまったのだから。 『助かる方法は相沢に従う事。それか……月一イベントに参加するか。』 『月一イベント……?』 女によると、月一回、会社の常連客を招いて、人身売買をやっているらしい。 セレブな女性が、可愛らしい女の子たちを自分の家に住まわせ、自由に使える、夢のような話。 こっちからしたら、最悪な話なんだろうけど。 『相沢さんに飼われるか、まだ見ぬ、熟女に飼われるか。二つに一つね。』 どちらも“飼われる”に違いない。 どちらにしても、完全に助かる訳じゃない。 ならば、相沢に飼われた方がよっぽどマシだ。 『腹をくくったのなら、私はすることないわ。今すぐ相沢さんの所へ行きなさい。』 『あの…最後にお名前を聞いてもいいですか?』 愛は女に振り絞った力で聞いた。 女は“朱雀”(すざく)と答えた。
■2949 / inTopicNo.22) 第五章 2 □投稿者/ 薫 (69回)-(2006/04/03(Mon) 22:06:35) (朱雀さん優しい人だなぁ〜♪) 愛は少し笑顔になっていた。 朱雀は愛に相沢の所まで連れていくと言うので、愛も安心して鎖を渡した。 『愛ちゃん、何笑っているのかしら?フフ。』 『あっ、すみません。。』 朱雀は愛の隣に行き、愛に軽くキスをした。 驚いた愛はキョトン顔をしていた。 朱雀は無言で、また鎖を引っ張りながら前方に進む。しばらくして、エレベーターが見えた。 が、朱雀はそこを通りすぎた。 『朱雀さん?エレベーター過ぎましたよ?』 朱雀は微笑を浮かべ、また奥に進む。 すると、Rest room(休憩部屋)というプレートが貼った部屋に辿り着いた。 朱雀が持っていた鍵で開け中に入る。 愛も自然と入る形になった。 『愛ちゃん、相沢さんの所へ行こうと思ったけれど、今は午前三時。皆寝てるわ。 お客は帰ってるだろうし、社員は寮に戻ってるから、明日の朝に行きましょう?』 『あっ、はい。』 愛が短く返事してる間に、朱雀はスリットのスカートを脱ぎ、上着を脱いだ。 そこには下着しか纏っていない美しい女が現れた。 『朱雀さん…綺麗。。』 まじまじと見つめる愛に近寄り、今度は濃厚なキスをした。 ―チュパ、チュュー。 愛の舌を吸ったり、歯茎の裏などを舐められる内に、愛の秘部は熱いお汁が溢れていた。 『んっ、んー』 頭がぼーっとする。 朱雀のキスが上手すぎて溶けてしまいそうだった。 『可愛いわね、愛ちゃん。相沢さんに手渡すのが惜しいわ。今夜は私のペットになりなさい、愛…。』
■2950 / inTopicNo.23) 第五章 3 □投稿者/ 薫 (70回)-(2006/04/03(Mon) 22:08:23) 初めて呼び捨てにされ、胸がときめく。 (何であたし、こんなにときめいてるの!?) 女だらけの環境の中、愛は自分を見失いかけていた。女に体を触られる事にも、いつしか嫌悪感はなくなっていた。 『さぁ、シャワーを浴びましょうか?でも、その体じゃ染みるわね。大丈夫かしら?』 『大丈夫です。もうそこまで痛くありませんから。』 愛はそう言って、朱雀のブラとパンティに手をかけた。 『あら、積極的ね。フフ。中でもっと可愛がってあげるわね。』
■2951 / inTopicNo.24) 第五章 4 □投稿者/ 薫 (71回)-(2006/04/03(Mon) 22:10:08) 朱雀も裸体になり、二人はバスルームの中に入っていた。 シャワーが勢いよく放出される。 愛はおそる、おそる体にシャワーを掛けた。 しかし、染みるどころか、温かなお湯が気持ち良かった。 不思議に思った愛に、朱雀が答えた。 『般若も愛の事気に入ったのかもね。愛の体に塗った薬は漢方のすごい塗り薬みたいね。治りが早いわ。』 朱雀は嬉しそうに話ながら、愛からシャワーを取り、自分に掛けた。 それから、愛の乳首にシャワーを勢いよく当てた。 『あっ。。あっぁぁん。』 朱雀は片方の手で別の乳首を摘む。 ぐり、ぐりと摘まれる度に愛の秘部からお汁が垂れだしてきた。 『愛…ここ、こーんなにドロドロよ?指が二本入ったわ?』 グチュ、ネチャ、チュ、、 いやらしい水音が響く。 シャワーを止め、朱雀は愛の腰に手を回し、もう片方は秘部を責めていた。 『あぁぁん、あっ、あっ、いやぁ。恥ずかしいー』 『恥ずかしいわりには、どんどん濡れてくるわよ?愛、あなたって淫乱ね。』 朱雀の二本の指が激しく動きだす。 中をグチャ、グチャとかき回す。 時折、奥の方を突く。 『はぁぁん!!ぁああん!やだぁ、いっちゃうー』 愛は叫びながら、腰をよがらせる。 足が震えて、立っているのが精一杯だった。 『イクの?早いわね。でもお楽しみはこれからなんだけど…?』 朱雀はそう言って手を止めた。 物足りなさを感じる愛は、湯気が立つ風呂場で顔を赤くさせて見つめていた。 『さぁ体を洗って出ましょう?』 朱雀は手に泡を取り、自分の体と愛の体に擦り付けた。 それだけで敏感な体は激しい快楽を生む。 ―はぁはぁはぁ。 愛の静かな息遣いを朱雀は聞き漏らさなかった。 『体を洗ってるだけなのにね。フフ。』 恥ずかしさと気持ち良さを残し、二人はバスルームから出た。
■2952 / inTopicNo.25) 第五章 5 □投稿者/ 薫 (72回)-(2006/04/03(Mon) 22:11:37) 部屋は静かで、無意味な騒音や心配はいらなかった。 朱雀があまりにも大人すぎて、まるで愛が子供になったような感覚。 歳はあまり離れていない気もするのに。。 バスルームから上がった、愛を丹念にバスタオルで拭いてやる。 愛もそれにつられて、朱雀の体を丁寧に拭く。 『朱雀さん……あたし……何かのぼせたせいかな?変な気分になっちゃいました。。』 『どんな気分なの?』 『何か……頭がぼぉーとして、それでいて朱雀さんに甘えたいっていうか頼りたいっていうか。。 すみません。でしゃばって。』 『そう?甘えていいのよ? ここから出たら、きっとあなたにとって、自由のない世界だから。存分に楽しみなさい。』 朱雀の一言で、今まで溢れだしそうだった感情が完全に流れだした。 ―うわぁぁん、うっ、ぁあああ。 この会社に入って、初めて涙を許せる人物だった。 『さぁ、ベッドに行きましょう。愛の好きな事してあげる。般若の責めに耐えたご褒美よ。』 朱雀は、愛の手を取り、ベッドへ導いた。 愛も素直に立ち上がり、涙を拭いながらベッドへ入る。 ふかふかの、柔らかいベッドは疲れ切った愛の体を深く沈めた。 『最高級の布団使ってるから気持ちいいでしょ?うちの会社の製品よ。』 『すごいんですね。ちゃんとビジネスもしてて。』 『自由の裏には義務がある、が相沢さんの口癖。自分のしたい事を遂行するなら何だってする方だから。』 『ただの風俗店じゃないって本当だったんですね。』 『ええ。そういう点は尊敬するわ。だから皆辞めようとしない。裏切って良いことなんて一つもないしね。』 愛は少し相沢を見なおした。 ムカつく相手なのに、変わりはないが、少しだけ、皆に好かれている相沢に好意を抱き始めていた。 ムカつく相手なのに……。
■2953 / inTopicNo.26) 第五章 6 □投稿者/ 薫 (73回)-(2006/04/03(Mon) 22:13:11) しばらく話をした後、無言の状態が続き、朱雀は自然に愛の胸を撫でた。 『ご褒美、まだだったでしょ?』 ほほ笑みをかけた朱雀の顔は、美しく、まるでお酒のように酔い痴れてしまいそうだった。 撫でていた手は次第に愛の乳首を掴み、コリコリと親指と人差し指をずらしながら刺激を与えていく。 二分も立たないうちに、乳首はその存在を露(あらわ)にしていた。 ―はぁぁーん、はぁはぁあっ、あっ。 愛の鳴き声に合わせ強弱をつける朱雀。 その巧みな技術に、愛はすぐにでも軽くイキそうだった。 ―あぁあ、ダメ、イッちゃう。。朱雀さん……ダメ。 ―何がダメなの?こんなに感じてるじゃない!素直になりなさい!! ―はぁぁん、はぁぁ。はい……もっとぉ。。 愛のおっ、おまんこぉ…気持ち良くしてぇ……。 ―そうよ、素直に言えばいいのよ。いい子ね。 朱雀は素直になった愛の頬に軽くキスをしてから、秘部に指を一気に三本入れた。 未知の感覚に激しい快感が襲う。 未だ、指を二本以上そこに入れた事がなかった。 ―はぁう。はぁあーーー。朱雀さんー気持ちいいですぅーー。 ―どこが気持ちいいのかしら?言ってごらんなさい。 ―愛のおまんこがぁー、指で突かれて気持ちいいのー。 それを聞きながら、朱雀は三本指を今まで以上にピストンした。 ―ジュン、ズン、ジュル、ズン、ズン、チュピャ。 ―はぁぁぁーん、イク、イク、イッちゃうー!!!! 愛は気持ち良さそうによだれを垂らしながら果てた。
■2957 / inTopicNo.30) 第六章 □投稿者/ 薫 (75回)-(2006/04/04(Tue) 12:07:18) 気が付くと、カーテンからは朝日が零れていた。 愛はあの後、果てたまま眠ったらしい。 部屋には朱雀の姿はなく、自分の部屋にいるような感覚だった。 しばらく半分だけベッドから体を起こし、ぼけぇっとしていたら、朱雀が部屋に入ってきた。 『あら、起きたのね。お早よう。ずいぶん寝ていたわ。よっぽど疲れていたのね。』 『お早ようございます。すみません。』 『いいのよ、あなたには昨日刺激的な事が多すぎただろうし。』 (確かに、昨日から気が休まる時なんてなかった。 この居心地のいいベッドで眠る事が出来たのも、朱雀さんのおかげ。 もしかしたら、般若はあたしを助けてくれた? 思い過しなのかな?) 『あと一時間したら、相沢社長が出勤するわ。それまでに、シャワーと化粧を直しなさい。化粧品はそこの戸棚よ。』 朱雀が淡々と説明する。 今日から愛は相沢のペットとして飼われる事になるのだ。 『わかりました。』 愛は了承し支度を始めた。
■2958 / inTopicNo.31) 第六章 2 □投稿者/ 薫 (76回)-(2006/04/04(Tue) 12:09:23) 一時間後、愛は身なりを整え終えた。 そこにはまだ幼さが残る、23才の愛がいた。 普段と何ら変わる事のない顔と、普段では考えられない裸体が、ミラーに映っていた。 愛が支度を終えて数分もしない内に、朱雀は真っ黒な上下のレディーススーツを身に纏い、部屋に入る。 『愛、支度が出来たようね。じゃあ相沢さんの所へ向かいましょう。』 朱雀はテーブルに置いてある首輪を愛の首につけ、繋がっている鎖を手に持ち部屋を出る。 再び、悪魔のような女社長の元へ行くのかと思うとひどく不安だった。 朱雀は無言でエレベーターに乗り込み、50Fのボタンを押す。 相沢は朱雀のように、女神ではない。 そう言い聞かせながらも、どこかでおとなしくしていれば、いつかチャンスが来る事を願っていた。 『愛、相沢さんのペットになりなさい。私は愛の苦しむ姿を見たくないわ。』 エレベーターの中で朱雀が話し始める。 『えっ?』 『般若も私も愛が好きよ。だから…おとなしく相沢さんの傍にいなさい。 きっと裕福な生活が待ってるわ。お友達さんもきっと今幸せな生活を送っているから。』 峰子……。 『……はい。分かりました。』 エレベーターは50Fを指した。 扉が開くと、見覚えのある長い廊下と 一直線に見える社長室。 扉の前まで行くと、例の黒服の男が朱雀にお辞儀をしていた。 黒服は急いで扉を開き、朱雀は愛を連れて中に入る。
■2964 / inTopicNo.32) 第七章 □投稿者/ 薫 (77回)-(2006/04/05(Wed) 10:53:38) 『相沢社長、ペットをお連れしました。』 朱雀は一礼すると、愛を相沢の前に立たせた。 『昨日とはまるで違うようね。昨日の勢いはどうしたの?』 相沢が愛に近付き、肩から胸へ人差し指でなぞる。 『…あっ、相沢様のペットにして下さい…んっ、お願いします。。』 愛はその指に感じながらも必死に答えた。 愛には背負うものが大きい。友人、そして恩人たち。 『フフ、やっとおとなしくなったのね、可愛い子。じゃあ私のペットにしてあげるわ。』 相沢は嬉しそうに、愛に濃厚なキスを降らせた。 甘く、そして決して嫌な思いはしなかった。 ここへ来てから体が異様に感じてしまう……。 相沢の舌が愛の舌を捕まえ、踊り狂っている。 朱雀の時とはまるで違う新しい感じ。 腰が砕けそうになり、立つのもやっとだった。 それに気付いた相沢は唇を離してやった。 『獣のような女が可愛らしい子犬になって…しかも淫乱度がアップしたんじゃないかしら?』 相沢は朱雀をちらっと見て、言った。 『相沢社長に気に入ってもらう為に私たちも全力でしつけましたから。』 『そう?じゃあご褒美をあげないと。朱雀! あなたには今から明日の朝まで、そこにあるバイブを入れっぱなしで生活しなさい。』 『何故ですか?これじゃご褒美ではなくてお仕置きじゃないですか。』 『当たり前じゃない。私のペットと一夜を共にするなんて。それがしつけなのかしら!?』 相沢には分かっていた。 あの休憩室には隠しカメラなどついていないはずだ。 しかし、布団の中に盗聴機が入っている事は朱雀も知らなかったのだ。 『社長すいませんでした。』 『さっさとバイブを入れてこの部屋から出ていきなさい。』 相沢の強い物言いに、朱雀はおとなしく従い、バイブを入れた。 相沢はリモコンのスイッチを強にした。 『あっぁ、しっ、失礼。。します。』 足をくねらせながら朱雀は部屋を出ていった。 『さぁて、愛にはどんなお仕置きをしようかしら?ご主人様以外の女と寝るなんてね?』 相沢は愛の乳首をつねった。 『痛っ!ごめんなさい。。ご主人様、許して下さい。』 愛は必死に懇願する。 それを見て相沢は含み笑いを浮かべた。 『フフ、その眼。好きよ。ぞくぞくする』
■2970 / inTopicNo.35) 第七章 2 □投稿者/ 薫 (79回)-(2006/04/06(Thu) 16:11:58) 相沢はまず愛に、正座するように指示した。 そして、相沢は足の高い椅子に座り、愛の口元にパンストを履いた足を差し出す。 『最近、仕事がたまってて、歩きっぱなしなの。お前の口で癒してもらうわ。』 相沢は容赦なく愛の口の中に指をねじ込もうとする。 愛はかんねんしたように、相沢の足の指を舐めはじめる。 まずは親指から、徐々に人差し指、中指、薬指と丹念に舐めていく。 パンストは愛の唾液で湿りを帯びていた。 ピチュ、ピチャ。 卑猥な音は愛自身の耳を犯し、やらしい気分にさせる。 まるで催眠術のように操られた愛は相沢の指をおいしそうに舐めていく。 全ての指を舐めつくし、愛は相沢に許しをこう目をする。 『どうしたの?そんなに私に愛して欲しいの?どこまでも淫乱なのね。 でも今から私は会議なの。残念ね。愛、そこのベッドに行きなさい。』 相沢に指示された通りに愛はベッドへ寝そべる。 愛の両手を頭の上にマジックテープで固定する。 次に、両足を開かせ、左右のベッドの足に紐を結び付け、足を閉じれなくしてしまった。 『私が戻るまでこれを塗りなさい。』 相沢は戸棚からビンを持ってきて、中身を指ですくい、愛の乳首、秘部、アナルに塗り付けた。 愛は訳が分からなかったがその効果はすぐ現れた。 『あっ……何だか熱い。』 『何が熱いの?』 相沢が乳首にデコピンする。 『ああぁあああー』 愛の体に電流が走る。 そう、相沢が愛に塗ったのは媚薬だった。 塗ればたちまち、体は愛撫を欲するのだ。 『そのまま、うめいてなさい。おとなしく我慢するのね!!』 相沢は軽い身仕度済ませ、社長室から出た。 愛には疼いた体を慰める事が出来るはずもなく、ただ悶絶としたものが体中に走る。 足を擦り合わせたくても、両足は開かれ出来ない。 焦れったい苦痛に愛は叫びをあげていた。
■2971 / inTopicNo.36) 第七章 3 □投稿者/ 薫 (80回)-(2006/04/06(Thu) 23:47:25) あれから何時間たっただろうか…時計の針が進む音がどこかで聞こえる。 時計のある場所など確認する余裕もなく、愛の秘部からはとめどなく、愛液があふれる。 『あぁぁー、触ってー。。』 叫びすぎて声も枯れてきた。 相沢に届くはずもない事は百も承知。しかし叫ばずにはいられないほど、焦れったい気持ちが出てくる。 早く、早く触って。。 頭の中はそればかりで、口からはよだれが垂れ流しだった。 もはや、愛の中で相沢に逆らう事など頭になく、相沢は愛の中で絶対的な存在になっていた。 その時、社長室の扉が開かれた。 『愛、今帰ったわ。媚薬の効果は絶大ね、フフ。』 『相沢様ー触ってくださぁーいーぃぃー。』 泣きべそをかきながら必死にこう。 もう、耐えられなくなっていた。 『あなた、泣けばいいと思っているのかしら?』 『違いますぅーうっうっ。』 『仕方のない子ね。』 愛は相沢が触ってくれると思い、涙を流しながら、期待に胸を膨らましていた。 しかし、相沢は軽く、その期待を裏切った。 『これでもつけておきなさい!!』 ブーン、と機械的な音がなり、秘部にはバイブを。 アナルにもバイブを入れた。 そして乳首にはローターを貼りつけた。 全身に人間の温かみを感じない、冷めた機械がよどみない快感の波を押し寄せた。 ――あ゛ーご主人さまのがいいーーー。 『何てわがままなのかしら?これはお仕置きだと言ったでしょ?』 相沢はスーツからボンテージに着替えながら話していた。 『これから私は部下の所へ行くからそれまでに十回はイキなさい。いいわね!』 相沢はまた部屋を出た。 愛の喜びと悲しみが交じった声を背にして。
■2972 / inTopicNo.37) 第八章 □投稿者/ 薫 (81回)-(2006/04/07(Fri) 08:48:27) 相沢はエレベーターを使い、32Fに到達する。 向うは昨日愛が最初に入った拷問部屋だった。 『般若……おとなしくしてた??』 薄暗い般若の部屋には般若自身が、天井から鎖で両手を上に吊されていた。 『あがぁぁざぁがぁぁわぁぁぁーーー。』 般若の口にはボールギャグが入っていてうまく喋れなかった。 『……はぁー。おとなしくなったかと思えば。。』 全裸で吊された般若に相沢は容赦なくムチを浴びせた。 『おまえといい、朱雀といい、泥棒ネコ姉妹がぁ! いいか?私の子猫に恋愛感情抱く事は規約違反じゃないのか!?』 そう、般若と朱雀たちが入社して、ここの実態を証された時、最初に交わした約束だった。 『ああ゛ーーすぃぁまぁぁぜぇんんんー』 話している最中も相沢からのムチが飛ぶ。 『そのくらいにしたら?春菜さん♪』 いつのまに、部屋に入ったのか、黒いジャケットに白色のパンツを履いた、猫っ毛の女がいた。 『般若ちんも反省してるよね??』 般若は首を縦に大きく揺らす。 『紅哉(コウヤ)。。』 相沢は切なげな目で見ていた。 『でもね、規約は規約よ。守らなかったのだからそれなりの罰を与えなきゃ。 それに、もし私のペットが般若や朱雀の方を取ったら、許さないわ。だから今の内に……。』 『それは飼い主がしっかりしていればIt is unquestionable.(問題なし) それに、般若たちなんかに取られるようなら、春菜さんも相当落ちたね。』 『くっ……。紅哉、あんたも随分な口を聞くじゃない!』 『そうですかぁ?別に馬鹿にしてるわけじゃない。今でも春菜さんを愛してますし♪』 『何を言ってる…』 相沢が言葉を言い終わらぬ内に紅哉は相沢の口を塞いだ。 『本当だよ?春菜。』 相沢は紅哉を振り切り、部屋を出ていった。 明らかに戸惑いを隠せてはいなかった。 『ククッ…。僕のハニーはウブだなぁ。ねぇ般若?』
■2976 / inTopicNo.38) 第八章 2 □投稿者/ 薫 (82回)-(2006/04/07(Fri) 16:34:58) 『くはぁっ!!ゴホゴホッ…紅哉、すまねぇ。。』 『Is reserve unnecessary?(遠慮はいらないよ?) 気にするな。僕のハニーは少々独占欲が強いから手荒な真似するのさ。許してくれ☆』 紅哉は吊されていた般若を下ろし、ボールギャングを外した。 裸体の般若はクローゼットの中からTシャツとズボンを取出し着衣した。 『許すも何も、俺が悪いんだ。』 『確かに規約違反。しかし、恋ってのはいつ始まるか分かんないのが良いんだよ♪』 『相変わらずキザだな。紅哉は。。』 般若がため息を一つ付いたのを見計らい、紅哉は『ところでさ』と切り出した。 何?と般若は返す。 『僕と手を組まないか?お互い損はしない。 朱雀と般若には愛を、僕には春菜を手に入れるチャンスだ。』 『なぜ、相沢を?紅哉の恋人なんじゃないのか?』 『春菜は変わってしまった。。昔は僕も愛してくれたのに、今では春菜のお気に入りのペットの世話係だ。 それでも、春菜の傍に居られれば、と思っていたけれどもう我慢の限界だ。 春菜を僕の手中に収めるにはあの、愛ってペットを排除するしかないんだ!!』 『そんな事をしたって、また新しいペットを連れてくるだろ。今までだってそうじゃないか。』 『次はそんな隙は与えないさ♪僕の女だ、僕が管理してやる。』 『さすが相沢の恋人だ。お前ら相当歪んでるよ。』
■2991 / inTopicNo.39) 第八章 3 □投稿者/ 薫 (83回)-(2006/04/08(Sat) 17:55:47) 紅哉にうまいようにやられた相沢は顔を赤くして長い廊下を歩いていた。 (紅哉……。いや、今は愛が先だわ) 足早に廊下を歩き、社長室に戻ると、よだれと愛液まみれの愛がいた。 ――あぁぁん、あっ、あ、あ、あ、あぁぁーー!! 丁度一回果てたようだ。 『何回イッた?』 相沢が近寄り、愛に問う。愛は五回と返した。 『約束は十回よね?あと五回イッタら触ってあげる』 相沢はくるりと背を向け、またスーツに着替えた。 そうした後、デスクに向かい、何やら書類を見ていた。 その姿を横目に愛は機械に犯されていた。激しい快楽の波は、何度も訪れる。 隣にご主人様がいるのに触ってもらえない、もどかしさにまた愛は快感を覚えた。 ――あぁん、うぅーんーーんーーーー!!あぁぁ!! また一回とイク。 もう愛を止める者などいない。愛自身でさえ、拘束により止められなかった。 約三十分後、ベッドの上でぐったりしている愛がいた。 『あら?電池切れたのね。フフ、愛、疲れた?』 さすがにぐったりしているらしい。 微かな息しか聞こえない。 相沢は愛にキスをしてみた。 『ご褒美よ。しばらく眠りなさい。』 拘束具を外して相沢は言う。 それを聞き、愛は静かに眠った。 すぐに深い寝息が聞こえてきた。 『好きよ。愛。』
■3009 / inTopicNo.40) 第八章 4 □投稿者/ 薫 (84回)-(2006/04/10(Mon) 18:55:49) 『具体的にどうするのさ。』 般若が紅哉に問うた。 『まず第一に、ペットである愛に、接触する事だ。』 『接触?』 『Yes!!愛が相沢に情を抱いたかどうかを確認する為さ。情が移ると、愛を動かしにくいからね』 『もし情が移ってなかったら?』 『次はFriendを餌におびきよせる。 後は般若と朱雀が愛を監禁するなり連れ去るなり好きにすればいいさ。』 『簡単に言うなぁー。でも姉貴は相沢を慕ってるぜ?そうそう、ここを離れるとは思えない。』 『じゃあ般若だけでも連れ去ればいいじゃないか。 朱雀がどうあれ、般若!君は愛が好きなんだろ?独占したいだろ?』 『したい……。』 赤面の般若の肩を叩き、『決まりだな』と紅哉は言った。 その後、紅哉は般若と綿密に相談していた。 『よし!それじゃあまた後日、話し合おう。』 般若はうなずき、紅哉は部屋を後にした。 その話を聞き耳立てている人物が居る事も知らずに…
■3020 / inTopicNo.42) 第九章 □投稿者/ 薫 (85回)-(2006/04/13(Thu) 23:27:15) 数時間が経(た)ち、辺りは夕闇に照らされていた。 目を覚ました愛は、自分に繋いであった拘束具が外されている事に気付き、相沢の優しさに少し触れた気がした。 こんな形でここに連れてこられて、二日目。 最初こそは相沢をひどく憎んだが、峰子も無事だと知り、安堵感からか、相沢に興味が出てきた。 それはまだ、好きとかの感情ではなく、一人の人間として、相沢を見るようになった。 そこに怒りはもうなかった。 ―コンコン。 社長室の扉を叩く音がした。 愛はベッドから下りて、奥の部屋から出て、扉に近づいた。 開くと、般若の部屋へ連れてもらったあの黒服だった。 『お目覚めですか?里山様。』 この会社に来て初めて優しい言葉を掛けてくれた人。再び、声が掛かり、愛は嬉しかった。 『あっ、はい。』 『そうですか。では、この服に着替たら、また部屋から出てきて下さい。』 そう言いながら、黒服は愛に洋服を渡した。 洋服に目を通すと、ジーンズに薄手のセーターだった。実にラフな格好だ。 愛は素早く着替え部屋を出る。 黒服は頷き、愛を手招き、前を歩いた。 『あの…今度はどこに行くんですか?』 『紅哉様の所です。紅哉様は我が会社の四天王です。 成績優秀の朱雀様、気性は荒いですが、部下からの信頼が厚い般若様。 そして、クールで少しキザですが…相沢社長の側近の紅哉様です。』 『もう一人は!?四天王なんでしょ。まだ三人しか聞いてないわ。』 『もう一人は……三人のリーダー格にあたる、飛龍(ひりゅう)様です。 飛龍様は、相手により態度を変える事が得意で世渡り上手なんです。 しかし、人間的には欠陥品と言われています。いい噂は聞きません。』 そんな人間がリーダー? よほどの権力家か、はたまた、誰かからの重圧が掛かっているのだろうか。 なぜ、般若たちはそんなリーダーについているの? 愛は混乱していた。 『ここです。僕はここまでなので里山様、どうぞお入りください。』 『ありがとうございます。』 愛は軽く会釈して、扉を開いた。
■3148 / inTopicNo.46) 第九章 2 □投稿者/ 薫 (90回)-(2006/05/14(Sun) 09:30:30) 「失礼します」 一礼し、あたしは中に入る。 そこにはきれいな顔立ちの人がよく、社長とかが座ってそうな椅子に腰掛けていた。 般若の部屋とは違い、壁は一面真っ白で天井にはシャンデリア風の電気、豪華な毛皮のソファー。 どこかのホテルのスイートルームを思わせる雰囲気だった。 「君が愛ちゃん?初めまして☆僕は紅哉って言います。今日は話があって呼んだんだ。まぁそこに座って。」 ソファーに座り、紅哉を見る。 スーツ姿の紅哉はまるで、本当の男性に見間違える程、男性的だった。 「愛ちゃんは相沢社長が好きかい?」 「…は?」 「通じないかな?相沢に恋愛感情を抱いているか?って聞いたんだけど」 「あっ…それはないです。一人の人間として興味はありますけど。」 「そっか。じゃあここを出たいと思ってる?」 「それは…出来ることなら。相沢社長に興味はありますけど、やっぱり普通の生活がしたいし。」 「俺が外に出してやろうか?」
■3164 / inTopicNo.48) NO TITLE □投稿者/ 薫 (91回)-(2006/05/17(Wed) 07:55:22) 「ねぇ、朱雀。愛を好きなんだろ?」 「突然どうしたの?」 朱雀の部屋で般若は、ソファーに座り質問する。朱雀は化粧を落としながら聞き返す。 「じゃあ相沢は?どちらが好き?」 朱雀は目を丸くしながら笑う。 「フフ、何を心配しているの?私は相沢さんが好きよ。愛も、もちろん好きだけれど、度合いが違うわ。」 「じゃあ…愛を俺のものにしてもいい?」 今度は大きく目を開き般若を見た。 そしてキツい顔つきになった。 般若は少し朱雀から体を離した。
■3165 / inTopicNo.49) 第九章 3 □投稿者/ 薫 (92回)-(2006/05/17(Wed) 07:55:46) 「ねぇ、朱雀。愛を好きなんだろ?」 「突然どうしたの?」 朱雀の部屋で般若は、ソファーに座り質問する。朱雀は化粧を落としながら聞き返す。 「じゃあ相沢は?どちらが好き?」 朱雀は目を丸くしながら笑う。 「フフ、何を心配しているの?私は相沢さんが好きよ。愛も、もちろん好きだけれど、度合いが違うわ。」 「じゃあ…愛を俺のものにしてもいい?」 今度は大きく目を開き般若を見た。 そしてキツい顔つきになった。 般若は少し朱雀から体を離した。 「何をする気なの?分かってる?規約違反よ。 あなたはここを追い出されて、愛を守ってあげられるの?職もない、あなたが。」 確かにそうだ。 相沢を敵に回して、生き残った奴はいない。 でも、それは般若だけが裏切ればの話だった。 「そこは…紅哉が何とかするって…言ってた。」 「だから、あなたは子供なのよ。考えが甘すぎる。紅哉が何をしてくれるというの!? 紅哉はただ相沢社長を手中に入れて会社を乗っ取ろうとしてるだけよ?あなたは捨て駒に過ぎないわ。」 「そんな事ないよ!紅哉はそんな奴じゃない!」
■3173 / inTopicNo.52) 第九章 4 □投稿者/ 薫 (94回)-(2006/05/18(Thu) 12:41:17) 2006/05/18(Thu) 12:42:23 編集(投稿者) 般若は信じなかった。 自分を相沢の拷問から救ってくれた恩人であり、友人を疑いたくはなかった。 「じゃあ好きにすることね。私は相沢社長を裏切らない。」 「あー勝手にさせてもらうよ!!」 般若は朱雀を押し退け、部屋を出た…。 「紅哉さん、失礼ですが、あなたの権力とはどれだけのものですか?」 愛は質問した。具体的な策がなければ、安心することが出来ないでいた。 「僕を信じられないって言うのかい?」 「曖昧すぎて、あまりこの話に身が入らないんですよ。」 紅哉は少し顔を歪ませた後、愛に言った。 「相沢を監禁した後、激しい拷問をかけておとなしくさせる。その隙に、君は逃げればいいよ。」 今度は愛が眉間に皺を寄せた。 「やり方がむごいですね。あたしはあまりそういうのは賛成出来ないっていうか。」 「君は頭が堅いね。般若は喜んで作戦に乗ってくれたのに。」 「何で般若が!?」 「君が好きらしいよ?ここから出て、般若と暮らしてやれよ。」 何故いきなりそんな展開に話が進んでいるのか分からないが、一つだけ疑問が浮かんだ。
■3174 / inTopicNo.53) 第九章 5 □投稿者/ 薫 (95回)-(2006/05/18(Thu) 12:48:47) 2006/05/18(Thu) 12:51:50 編集(投稿者) 「般若がここを出て、ふつうに生活出来る保証はあるんですか?ここを出たら職がなくなったりするんでしょ?」 「もちろん、僕が手配するよ。君が出ていく時にはこの会社は僕のものだからね。」 普通の日常からかけ離れた快楽の世界に足を踏み入れた愛たちに、突如現れた救世主。 しかし、愛は、どうも乗り気ではありませんでした。 「それと…君のfriendの峰子ちゃんもここから助けてあげるよ。 きっと、この会社のどこかで働かされているだろうから。」 「えっ!?働いているの?」 朱雀からは、どこかの熟女が引き取り可愛がってくれていると聞いていた愛にとって、今までの安堵感が不安にすり替わった。 「それは朱雀が君のために嘘をついたんだろう。実際この会社では人身売買はされてないよ。 外国じゃないんだ、日本は厳しい。 つまりはヘルス嬢ってとこかな、お客様の家まで行ってご奉仕するんだ。峰子ちゃんもその一人ではないかな?」 「それなら…助けてあげて下さい。あたしが巻き込んだんだし、きっと嫌がっているだろうし。」 「それは君次第☆君が僕の作戦でここを抜け出してくれれば峰子ちゃんも外に出そう。会社も、前の会社に戻してあげるよ。」
■3175 / inTopicNo.54) 第九章 6 □投稿者/ 薫 (96回)-(2006/05/18(Thu) 12:50:59) こんな待遇良く、外に出れたらこれ以上の幸せはないと愛は思った。 しかし、あの相沢は部下に簡単に出し抜かれるような奴ではないような気がした。 愛は紅哉に分かった。と告げ、部屋を出た。 作戦決行は一週間後となった。
■3185 / inTopicNo.58) 第十章 □投稿者/ 薫 (99回)-(2006/05/19(Fri) 10:47:20) 「愛はどこ?どこに連れ出したの!?」 「社長、落ち着いて下さい。愛様は今、紅哉様と談笑中です。少し息抜きが必要かと思い、お連れしました。」 「勝手な事をしないでちょうだい!!」 相沢は荒れていた。 まるで大事なおもちゃを取り上げられた子供のように…。 黒服たちはそれをなだめたが、まったくの無意味だった。 「相沢さん、何をそんなに乱れているんですか?会社の社長がそんな事では、部下はあなたから去っていきますよ。」 「飛龍…何が言いたいのよ。私の部下は絶対裏切らないわ。」 飛龍と呼ばれた女は、ガタいのいい、トランス風だった。 金髪にショートで前髪が斜めにカットされていた。 黒いスーツを着こなし、相沢を見下ろしていた。 「どこからそんな自信が出てくるんですか?人の心は移ろいゆくものですよ。 その自信が、後に後悔せぬように、一つだけ教えましょう。部下の中に裏切り者が二名いますよ。」 相沢を目を見開き、飛龍を睨んだ。 「誰かしら?あなたの言うことはあまり信用出来なくてよ?」 「信じると思いますよ。紅哉と般若です。」
■3186 / inTopicNo.59) 第十章 2 □投稿者/ 薫 (100回)-(2006/05/19(Fri) 10:49:43) 「紅哉と般若は、相沢さんの大事なペット…いや、あなたの想い人を奪おうとしています。 紅哉に至っては、この会社を奪おうとしています。」 相沢は自分の心境の変化を飛龍に見透かされた事、そして二人の部下の裏切りに驚いた。 確かに、相沢は愛をペットとしてではなく、一人の女性として愛し始めていた。 紅哉への想いは日に日に薄らいでいくのだった。 そして般若達の裏切りは驚きはしたが、予測の付きそうな事だった。 「それが本当なら、会社全体の危機ね。紅哉にはつい、甘い顔をしていたけれど、ここでこらしめないと…。」 「こらしめる?般若はともかく、紅哉は辞めさせるべきです。一癖ありますよ。」 「あなたが決める事じゃないわ。紅哉はいつ頃動くかしら?」 「ちょうど、一週間後です。それまでは愛を隔離するべきかと。」 「そうね…。」 「しかし…愛をただ隔離するだけなら、愛の方が嫌気がさすでしょう。 ある程度の自由が必要です。俺に良い考えがあります。」
■3187 / inTopicNo.60) 第十章 3 □投稿者/ 薫 (101回)-(2006/05/19(Fri) 10:51:18) 「紅哉と般若は、相沢さんの大事なペット…いや、あなたの想い人を奪おうとしています。 紅哉に至っては、この会社を奪おうとしています。」 相沢は自分の心境の変化を飛龍に見透かされた事、そして二人の部下の裏切りに驚いた。 確かに、相沢は愛をペットとしてではなく、一人の女性として愛し始めていた。 紅哉への想いは日に日に薄らいでいくのだった。 そして般若達の裏切りは驚きはしたが、予測の付きそうな事だった。 「それが本当なら、会社全体の危機ね。紅哉には・C
■3188 / inTopicNo.61) 第十章 4 □投稿者/ 薫 (103回)-(2006/05/19(Fri) 10:56:41) 「それが本当なら、会社全体の危機ね。紅哉にはつい、甘い顔をしていたけれど、ここでこらしめないと…。」 「こらしめる?般若はともかく、紅哉は辞めさせるべきです。一癖ありますよ。」 「あなたが決める事じゃないわ。紅哉はいつ頃動くかしら?」 「ちょうど、一週間後です。それまでは愛を隔離するべきかと。」 「そうね…。」 「しかし…愛をただ隔離するだけなら、愛の方が嫌気がさすでしょう。 ある程度の自由が必要です。俺に良い考えがあります。」
■3189 / inTopicNo.62) 第十章 5 □投稿者/ 薫 (104回)-(2006/05/19(Fri) 10:59:59) 紅哉の部屋を出て、再び社長室に戻るように黒服に指示された。 愛はそれに従い、最上階へエレベーターを使った。 扉が開くと、そこには金髪のショートな飛龍がいた。 愛は少し驚いたが気にせず乗り込み、飛龍はエレベーターを降りた。 その一瞬のすれ違いざまに飛龍は愛に小さな紙を渡した。 愛がそれに気づいたときはエレベーターの扉が閉まり動き出していた。 紙には、紅哉の作戦はもう我々は知っている。 無駄な抵抗はせず、おとなしく相沢さんの側にいなさい。 こちらとしても条件をつけよう。詳しくは相沢まで。 愛は驚き、読み終わる頃には最上階に着いていた。引き返そうにも、扉は開き、前には相沢が立っていた。 「おかえりなさい、愛。どこへ行っていたの?私が居ない間に。」 冷たく、冷めた声が頭に響く。怖い…。 「すいません。紅哉さんに呼び出されてしばらく話をしていました。」 「そう、どんな話をしていたのかしら?興味があるわ。奥の部屋で聞こうかしら。」 そういって相沢は愛の手首を掴んだ。 「っ…痛い。。」 相沢は構わず、社長室とは別の部屋に入った。 そこは普通の応接間のような感じがした。
■3190 / inTopicNo.63) 第十章 6 □投稿者/ 薫 (105回)-(2006/05/19(Fri) 11:02:08) ソファーに隣同士腰掛け、相沢は愛を直視した。 「さぁ、話してちょうだい。紅哉と何を話していたの?」 この人は、全てを知っていて聞いてくるのだ。 否認しても、お仕置きされるのが目に見えている。愛は仕方なく、今回の作戦を話した。 「ふーん。あなたは私を裏切ろうとしたのね。」 「すみません…。」 「いいのよ…私もあなたを縛り付けていたから…それでね、考えたの。 愛は、これから普段通り生活していいわ。その代わり週に二回は私の元へ戻ってくることが条件でね。」 急に相沢が優しく話しかけてきた。しかも、好条件を提示して。 「ほんとに外に出てもいいんですか?それと峰子も出してやって下さい。」 「いいわよ。たとえこの会社が広くても、外の新鮮さに比べれば、息苦しいわよね。 だから逃げたいって想うのよね。。」 相沢はどこか寂しそうだった。。
■3191 / inTopicNo.64) 第十章 7 □投稿者/ 薫 (106回)-(2006/05/19(Fri) 11:04:38) 「紅哉クン、君には呆れたよ。相沢さんを裏切ろうだなんて。」 飛龍は愛と接触した後、紅哉の元を訪れた。 「何を言っているんだ。飛龍さん。裏切るだなんて。」 「俺は全てを知っているよ。この会社で起きる全ての出来事を把握している。 部下の能力やあらゆる情報を俺は手に入れている。嘘を付くのは見苦しいぞ。」 「もし…そうだとして、飛龍さんがそれを阻止して何のメリミットがあるの?」 「今の内に相沢さんには引退してもらわなきゃならねぇ。 あの人は元々この世界に長くは居られないんだ。次期跡継ぎは一人で十分さ。」 「君が俺の邪魔をするなら構わず潰すよ紅哉。」 一枚上手だった飛龍に紅哉はなす術がなかった。それほど飛龍は、頭が切れて、腕がいいのだ。
■3192 / inTopicNo.65) 第十一章 □投稿者/ 薫 (107回)-(2006/05/19(Fri) 11:06:24) それから一週間が経った。 この一週間で秘密結社I.E.Qは劇的な変貌を見せた。 飛龍の意向で、相沢を言葉巧みに操り、会社を手中に入れたのだった。 相沢には別の会社を創設し、新たに布団会社を任せた。 それは相沢なりの愛への一途さを表していた。 それに伴い、朱雀は相沢の下で働く事になり、般若は飛龍の下で働く事になった。 そして紅哉は飛龍の手により、海外に飛ばされ、研修生として布団会社に派遣された。 愛は峰子を外に出してやり、詫びた。 「峰子…本当にごめんなさい。こんなことに巻き込んで。 相沢さんが、うちで働かないか?って言ってるの。今からだったら仕事探すの大変だし。」 「大丈夫よ…少し刺激が強すぎたけれど、私は何とかして仕事探すわ。じゃあね」 やはり峰子は愛を恨んでしまっていた。 相沢が出した条件に、峰子を解放するには、愛が相沢の側にいることだった。 けれど、愛はもう相沢の側に居ることを苦痛とは想わなかった。 体がもはや、相沢なしでは生きていけなかった。 そして、この寂しい心を持った女性を出来る限り癒してあげたいと想ったのだった。。 (携帯)
完