■アトリエ □ケイ
「京本先生!」 その日も最終講義のあといつものとおり2年生の吉原真理奈が教壇に駆け寄ってきた。 真理奈はいつでも熱心に講義を聞き、必ず質問をしにくる今時珍しく勉強熱心な大学生だ。 居眠りとあくびを繰り返し、出席日数だけを稼ごうとする大多数の学生を思うと本当に真理奈は貴重な存在だ。 来年は私のゼミに入ってくれるのかなと微かな期待を持っている。 「京本先生、今日の講義でまた質問なんですけれど」 研究個室へと戻る廊下を一緒に歩きながら真理奈が質問をしてくる。 小首をかしげた真理奈、肩先で揺れるウエーブの掛かった髪は薄茶色にブリーチされて、目はくりっと大きい。 メイクも服装も今時の学生らしくバッチリと決めているが、遊んでばかりの学生のような下品さが無い。 確か実家は大手企業の社長だと言っていたっけ・・・持って生まれた上品さなのかな。 金持ちの一人娘らしくちょっと強引で我侭なところも有るけれど全体的には素直で可愛い子だ。 「先生??先ほど仰っていた集団における心理傾向の事ですが、先生?」 「はっ、ご、ごめんなさいね。ちょっと考え事しちゃって。もう一度質問してくれる?」 私はすっかり真理奈に見とれていたらしくて、質問を全然聞いていなかった。 「先生、困っちゃうなあ。もう心ここにあらずって感じ。明日はもう週末ですもんね。もしかしてデートですか?」 真理奈はクスクスと苦笑いしながら茶化して言う。 「デートなんて、そんなの無い無い。ごめんなさいね。きっとちょっと疲れてたのよ。それで、質問何だっけ?」 そんな頓珍漢なやり取りをしながら私と真理奈は私の研究個室へと辿り着いていた。 いつも勉強熱心な真理奈の質疑応答は長くなるので、私の部屋でお茶を入れながら応じる事になる。
「・・・なるほど、解りました。これで質問したいことは全てです。京本先生ありがとうございました。」 真理奈の質問の一つ一つに答え、真理奈が満足する頃には30分程経っていた。 インスタントのコーヒーとクッキーを挟んでの質疑応答は毎週末、金曜日の夕方の恒例の行事となっていた。 真面目な質疑応答が終わって雑談にはいると 真理奈の様子もくつろいで向学心に燃える学生の顔から普通の女子大生の可愛らしい表情に変る。 私とはいくつ離れているんだろう・・・やだ、15歳も違うんだ・・・若いなあ・・・ 「京本先生って、恋人いないんですか?」 「え?どうして?」 突然の不躾な質問にちょっとビックリ。 「あ、ほら、さっき、デートですかって言ったら妙に即答で無い無いって。先生ほど素敵な人がまさかって思って。」 「それがねー。残念だけど居ないのよ。ほら、こんな仕事してると堅物だって思われちゃうでしょ。 それに内緒だけどうちの心理学の教授たちってあのとおりおじ様ばっかりだし。」 私が内緒と称して耳打ちすると真理奈はキャーキャーと笑った。 「うん、うん。解りますよ。おじ様達には先生は勿体無すぎ!ダメダメ。私も許さないもん。」 真理奈は私のおじ様発言がツボにはまったようで、偉い教授達のおじ様ぶりを一つ一つ数え上げ、散々笑い転げてやっと収まった。 箸が転がってもとは言うけれど、若さが弾けているようで内心羨ましくも思う。 「あ、そうだ、先生、そしたら、もしかして今週末って、あの、失礼ですがお暇なんですか?」 「え?暇って言えば暇だけど。そうね、うん。急にどうして?」 真理奈に突然プライベートな事を続けて聞かれてちょっと慌てた。 「あ、急に済みません。いえ、それが、うち、今週末から1ヶ月、家族が誰も居なくなっちゃうんですよ。 父と母がバカンスだとか言ってスコットランドに行っちゃうんです。 ほら、私一人っ子だから、一人で暮らすの初めてで・・・その、ちょっと寂しくて。 うちに帰るのが寂しいんです。大学生にもなって幼稚でしょう。 でも、先生みたいな素敵なお姉さんが居てくれたらなって、子供の頃からずっと憧れだったから・・・」 「そうだったんだ。それは寂しいよね。私も親元離れて独りになったときはとても寂しかったわよ。」 真理奈は何だか急に心細げな子供のような表情になっていた。 まるで今にも泣きそうな。 「あの・・・雪絵先生、うちに泊まりに来てもらえませんか?・・・あ、あの、ごめんなさい子供みたいで。 両親には大丈夫って言ったんだけど、やっぱり寂しくてうちに帰れないんです・・・。1日だけでも・・・」 真理奈の子供みたいな表情を見て断れる事ができるだろうか。 私は泊まりに行ってあげると答えてしまった。 今思えばこれが過ちの全てだったのに。
真理奈は私が宿泊を了解すると飛び上がるように喜んではしゃぎ、 夕方車で先生のマンションへ迎えに行きますからと言っていそいそと出ていった。 良く考えたら学生の家に突然泊まるなんて妙な事になったなと思い、携帯に電話して遠慮しようかとも考えた。 でも真理奈の子供のような不安げな顔を思い出したら、1日ならと付き合うことにした。 着替えやらなにやら宿泊に必要そうなものを揃えるとすぐに真理奈から迎えに来ましたと電話が入った。 駐車場に降りていくと真理奈が乗っていたのは高級外車。 さすが社長令嬢なんだと思っていたら、車が着いた自宅はもっと凄くてびっくりしてしまった。 都心にありながら門扉から母屋の玄関までの長いアプローチ、丁寧に造られたガーデン、豪奢な建物・・・ なんだか庶民の出の私には落ち着かないような家だった。 今日はもうお手伝いさんも帰って週末は私一人なんですと真理奈が説明する。 とりあえず私の為に用意した部屋と称してバスルーム付のベッドルームに案内された。 まるでホテルのスイートルームのよう。 その後真理奈とダイニングに降りるとお手伝いさんの用意した料理が整然と並んでいた。 「雪絵先生、無理言って本当にごめんなさい。でも雪絵先生みたいなお姉さんが本当に欲しかったんです。来てくれて嬉しい。」 夕食後、広いリビングでワインを勧めながら真理奈がにっこりと微笑んだ。 「あら、真理奈ちゃん、もしかして未成年じゃないの?お酒?」 「いいんです。ワインの味を見分けるのもたしなみだって言われて親も公認ですから。」 二人でワインにチーズなどをつまみながら姉妹のようにとりとめの無い話。 本当に真理奈が年若い妹のように思えてしまう。 だんだん酔いが廻ってプライベートな話も出てきた。 「ね、雪絵先生って本当に私の憧れなんです。知性に溢れてるし、スタイル良いし、美人だし、恋人いないって聞いて安心しちゃった。」 真理奈はすっかりくつろいでソファーに寝転がって私の膝枕を決め込んでいる。 「あら、あら真理奈ちゃん、それって誉めすぎだわ。堅物だしね。この年で彼も居ないなんてダメよね。」 「んーん、そんな事無いです。私入学した時から先生に憧れて。好きだったんです。本当です。」 真理奈は起き上がって私の真横にくっついて真剣な顔をして言った。 「私ね、ほら、何ていうかな、小さい頃から欲しい物はおねだりすれば何でももらえたじゃないですか。 お姉ちゃんが欲しいってずっとずっと両親にねだっていたんですよ。でもそれだけは駄目だって。 でもやっぱりどうしてもお姉さんが欲しくって・・・私だけのお姉さんが欲しかったの。ね、先生、いいでしょ?」 真理奈の子供のような言葉は何だか強引で呆気にとられてしまったけど、まだこの時は寂しがりの女の子の我侭と思っていた。 「しょうがないなあ。お酒も飲める大人かと思ったらまだまだ子供なのね。我侭言ってちゃ駄目よぉ。」 私が真理奈の額を軽く小突くと真理奈は少し子供のように頬を膨らませて言い返してくる。 「だって、欲しかったんですもの。冗談じゃなくて本気なんです。そうだ、雪絵先生、私ね、油絵を描くんだ。見せてあげる。」
急に話題が変って驚いたけど、話が変って良かったと内心思った。 見せてあげると言う真理奈の案内で母屋から屋外に、渡り廊下を渡って小さな離れに案内された。 灯りが灯されるとそこはちょっと倉庫のような窓のほとんど無いアトリエで古い蔵を改造したような重厚な造りだった。 中に招かれると入り口の扉を真理奈が閉める。 厚みが10センチは有りそうな重い扉だ。 真理奈が一緒じゃなければちょっと怖いような感じの建物だった。 「私のアトリエなんです。」 真理奈が案内してくれた。 中は結構広くて、あちこちに点々とイーゼルやら画材の入った棚などが配置されている。 大きなキャンバスには全部カバーが掛けてあって絵は見えない。 ちょっとしたソファーや小さなテーブル様々な形の椅子などが一角にまとめられていた。 真理奈が背もたれの高い椅子の方に手招きする。 「ね、雪絵先生、今絵をお見せしますから、ちょっとここに座って。」 妙に真剣な真理奈の表情に何だろうと思いながら座る。 その時、真理奈が後ろから急に私の首に何かを巻きつけた。 あっと思ってそれを取り払おうと手を首にやったが、それは椅子越しに巻きつけられ、椅子の背の格子状の穴に留め付けられてしまった。 「真理奈、何をするの!」 私は慌てて立ち上がろうとするものの、なんと椅子が床に固定されていて立ち上がることすら出来ず、もがくと首を締めつける格好になった。 「雪絵先生、おとなしくして。」 真理奈は余裕の表情で後ろから次は私の右手を捕まえ椅子に縛り付け、次に左手を、 最後までばたつかせていた左右の足もそれぞれを黒い革のバンドでがっしりした椅子の左右の脚に固定していった。 「真理奈ちゃん、ねえ、冗談はよして。何してるの?これ外してくれない?」 首と手足全てを固定して私が全く動けなくなると真理奈は私の正面に廻って私の頬を両手でさすった。 「雪絵先生。やっと私の物になるのね。真理奈嬉しい。」 にっこりと嬉しそうに微笑む真理奈の笑みは少女の残虐さを思わせて一瞬背筋がぞくっとした。 まるで綺麗な蝶を標本に貼り付けたような。 あまりにも突然の事に言葉を失った私の頭を真理奈が撫でた。 「雪絵先生、さっき言ったでしょう。私ずっと先生の事好きだったって。先生の事欲しかったんだって。 嘘じゃないのよ。ね、私の絵、見せてあげる。」
真理奈が運んできたカバーの掛かったイーゼル、次々と並べて枚数は5枚ほど。 全部を並べ終わると真理奈が私に微笑みかけながらゆっくりと一枚ずつカバーを外していった。 油絵や水彩画の裸婦。 あるものは椅子に腰掛け、あるものはソファーに横たわり、あるものは後ろ向きに、 そして天井に吊るされ、最後のものは海老ぞるような不自然な格好で。 どの絵も普通の裸婦ではなかった。革の拘束具で締め付けられたもの、赤い縄で縛られたもの、 不自然にめくられた下着、引き裂かれた着衣、一緒に描かれた怪しげな小道具。 汗に光る肢体、どれもモデルは恍惚の笑みを浮かべている。 その顔は私にそっくりで・・・ 「素敵でしょう、雪絵先生。全部私が書いたのよ。私の宝物なの。でも、これからはもっと大切な宝物が出来たから。真理奈嬉しい。」 あまりの事に一瞬呆然として言葉も出なかった。 が、何とか気を取り直してこれはたちの悪い冗談に違いないと思い直す。 「真理奈ちゃん、ねえ、ふざけるのはここまでにして。先生苦しいわ。これ、取ってよ。」 真理奈は嬉しそうにアトリエの奥から箱やらなにやらかき集めていた。 「雪絵先生、大丈夫。心配しないで。真理奈上手だから。先生もすぐに楽しくなるわ。今準備するから待っててね。」 私は急に不安に襲われた。 このままでは大変な事になる。 「真理奈、ちょっと、ちょっと待って。駄目よ。ね、真理奈はまだ未成年の学生だし。こんな事してたら駄目。 今やめてくれたらちょっとした冗談だって忘れるから。ね?やめよう。」 私は必死で真理奈に頼んだ。 このままではまずい。 「先生、私もう大人だって言ったでしょう?先生、私の事嫌いなの?真理奈こんなに雪絵先生のこと愛してるのに。」 真理奈が近寄ってきて子供のようにふくれてみせる。 「いいえ、先生も真理奈の事好きよ。でもこんな風にされたら困るわ。ねえ、本当に、お願い解いて。嫌。先生こんなの嫌よ。」 真理奈はゆっくりと近づいてきて私の目の前に顔を寄せた。 「雪絵先生、嘘ついちゃいけませんよ。本当は好きでしょう。私知ってるの。」 真理奈のその言葉を聞いて私は凍りついた。 真里菜は勝ち誇ったように微笑んでそれから私の耳元に息を吹きかけるように囁いた。 「私知ってるのよ。だから私の大好きな雪絵先生を喜ばせてあ・げ・る。」
がっくりと力の抜けた私の耳元に真理奈がクスクスと笑いながらキスをする。 「雪絵先生、私本当に嬉しかったの。大好きな雪絵先生を喜ばせてあげられるって知った時。 私見ちゃったのよ。今度から研究室にあんな小説持ってきちゃ駄目よ。」 真理奈の唇は耳から耳朶へ、革の首輪の縁へと降りていく。 ふと戻ってきて耳朶を噛み、そのうち指先がブラウスのボタンの間から胸の先端へと滑り込んできた。 忘れもしない、たった一度だけ、もやもやする気持ちが押さえきれなくて鞄に通販で買った文庫本を入れて出勤した事があった。 それを研究室でこっそり読んでいた時、真理奈が急に質問をしに訪ねてきたのだった。 焦りとばつの悪さで早鐘のように打つ心臓を止めたくて真理奈を残して数分席を外した。 小説はデスクの下に隠したはずだった。 忘れもしないたった一度だけの過ち。 それがこんな事になるなんて。 真理奈の手が急にスカートの中に滑り込んできた。 私は思わす小さな叫びをあげる。 真里菜は可愛らしい顔でにっこりと笑った。 「ほら、ね。雪絵先生、ここは嘘つけないもの。駄目でしょ、嘘つくとお仕置きしますよ。 それともお仕置きされたくてわざと言ってるのかしら。」 「やめて」 力無く私がつぶやくと真理奈がうなだれた私の顎に手を添えて私の顔を上向けた。 「やめてじゃなくてお願いしますでしょう?先生、やっぱりお仕置きされたいんだ。可愛いわ雪絵お姉さま。」 真理奈は用意した箱を私に見せるようにゆっくりと開けた。 中には怪しげな道具類やら薬品の瓶が整然と並んで入っていた。 その中から真理奈はまず赤いロープを取り出す。 「雪絵お姉さま、私がどの絵を一番最初に描いたかわかる?真ん中の絵なの。うふふ。雪絵先生の秘密を知った日に一気に書き上げたのよ。」 真理奈が指摘した真ん中の絵は水彩画で椅子に座った雪絵が描かれている。 丁度今座っているのと同じ椅子に同じように革のベルトで拘束されて。 真理奈は雪絵の後ろにまわり胸にロープを掛け始める。 雪絵の豊満な胸をブラウスの上から上下に挟むように手馴れた仕草で縛ってゆく。 時々雪絵の髪を掻き揚げて耳元にキスしながら囁いた。 「雪絵先生、素敵よ。ほら、やっぱり赤いロープが良かった。よく似合うわ。」 耳に吹きかけられる真理奈の吐息に思わず背筋が甘く疼いてしまう。
真理奈は胸にロープを掛け終わると前に廻って鋭いはさみを取り出した。 雪絵のバストに手を掛けるとロープからもっとはみ出すように揉みあげた。 それはブラウスが破れんばかりにきつく盛り上がって張っていた。 真理奈はうっとりとした表情ではさみをブラウスに差し込む。 「雪絵お姉さまのお胸、ずっと見たかったの。たっぷりとして形のいい胸。」 真理奈がわざと乳首にはさみの切っ先を当てると思わずヒィっと情けない悲鳴があがる。 真里菜はシルクのブラウスに少しだけ切込みを入れるとはさみではなく手で一気に引き裂いた。 そして白いブラの中心にはさみを通す。 「雪絵お姉さまのテープカットね。」 真理奈が楽しそうに笑う。 はさみが閉じられると同時にブラはパンと左右に割れ、 ロープで張り出した雪絵の胸が大きなゆで卵のようにプルリと剥き出しにされた。 破り裂かれたブラウス、突き出した胸、どれも水彩画に描かれたとおりになった。 「味見してあげる。この時をずっと待っていたの。」 真理奈が顔を近づけてきた。 「ああ、真理奈、待って、待ってお願い。許して。駄目よ、駄目。真理奈・・・」 私の懇願も空しく真理奈は一気に頂点にしゃぶりついた。 「あああああん」 とうとうたまらず声があがってしまった。 真理奈の舌はまるで別の生き物のようにうねうねとそそり立った乳首をなぶる。 唇がちゅぱちゅぱと音を立てて吸い上げた。 舌で軽くなぞられたり歯を立てられたり、その度に背筋がぶるりと震え身もだえしてしまう。 「んん、ああぁん、真理奈っ、真理奈ぁぁ。」 舌で思う存分雪絵の乳首を弄びながら真理奈の手は雪絵のわき腹や太もも、首筋をさわさわと撫でまわしてきた。 感じるつぼを探し当てると何度も繰り返して身をよじる反応を楽しんでいる。 雪絵の切ない声は留めなくうわ言のように繰り返された。 「雪絵お姉さま、素敵な体。あちこち感じちゃうのね。」 やっと乳房の味見に満足したのか、真理奈が再びはさみを取り出す。 胸以外のところをまだ覆っていたブラウスに少しずつはさみを入れては破り裂いていった。 はさみの冷たい切っ先を探り出した性感帯に当てて腰をくねらせる雪絵の様子を笑いながら見ていた。 「やだなぁ、はさみで悶えちゃうなんて。うふふ。さあ、お次のテープカットをしましょうね。」
それまで辛うじて閉じていたひざを真理奈が掴んで割った。 そして両ひざの上に革のバンドを巻き、椅子の左右に金具で留めた。 タイトスカートが左右に引っ張られてぴんと張ると、その中心にはさみで数センチの切込みを入れる。 ビリビリ、あとは真理奈が手を掛けたらあっという間にへそのしたまで裂かれた。 ベルトの部分ははさみでばさりと切り開く。 もはやまともに残っているのは股間を隠す僅かな布だけになってしまった。 まさか15も年下の真理奈の前でこんな姿を晒すなんて・・・。 真里菜は嬉しそうにニコニコと笑いながら、しゃがんで太ももの間を覗き込んだ。 「あぁ、雪絵先生、凄い、どうしてこんなに濡れてるの?嫌、嫌って言っておきながらおかしいです。 すごーい。まるでパンティにおもらししたみたい。スカートにも染みが出来てる。」 恥ずかしさで私は真っ赤になった。 隠せるものなら何とかして隠したいけれど、手もがっちりと拘束され、ひざは大きく左右に割られて閉じる事さえ許されなかった。 何とかして隠そうと腰を左右に振るたびにパンティがぬるぬるとぬめって小さく音を立てた。 「真理奈ちゃん、ねぇ、もうやめて。お願い・・・」 消え入るような声で訴えると真里菜はクスクスと笑いながら言った。 「雪絵先生、やっぱりお仕置きして欲しいのね。嘘つきだもん。下のお口がこんなになってて、まだ嘘つくんだ。」 真理奈が柔らかい毛ばたきを取り出した。 「いやぁ、んん、あう、やめてっ」 毛ばたきがわき腹を、乳首を、太ももを、頬を、首筋を容赦なく攻めだした。 全身を襲うくすぐったさに椅子が軋まんばかりに身をよじった。 笑いとも溜息とも取れないような悲鳴があがり、呼吸がどんどん苦しくなっていく。 暴れると首や手足の革バンド、乳房のロープが食い込んで一層締め付けられた。 「ほら、雪絵お姉さま、正直に本当の事を言いなさい。質問よ、先生。雪絵お姉さまのようは人は心理学では何というのかしら。」 「あああん、あう、は、はぁう。駄目よ、そんな事言えない。」 「素直じゃないのね、先生。でもそんなところが好き。大好きよ。 こうじゃなきゃ面白くないものね。私ね、思いっきり抵抗された方が燃えるの。」 真理奈がニッコリしながらさらにあちこちをくすぐった。 もう呼吸が苦しくてたまらない。 快感とも苦痛ともとれないような発作が全身に広がっていく。 咳き込んだように喘ぎ声がでてあちこちに喰い込んだ革バンドが痛い。 乳首の先を毛ばたきがかする。 敏感に立ち上がった乳首から全身に電流のように甘い疼きが走った。 へその周り、わきの下、太ももの内側、腰・・・真理奈は面白そうにあちこちを毛ばたきの先で撫でまわした。 その度にくすぐったさと快感が渦巻いて何度も何度も大声で悲鳴をあげた。 喉が渇き、全身が軋んだ。 ここぞとばかりに真理奈がパンティの上をくすぐり上げると私は我慢しきれずにとうとう絶叫するように白状した。 「雪絵は、あぁぁ、はうぅっ・・・マゾヒストです。あぁぁぁ。」
真理奈はくすぐる手を止め、満足したように微笑んで雪絵の髪を撫でる。 雪絵の涙をハンカチで丁寧にふき取り、ブラシでぐしゃぐしゃに乱れた髪を整えた。 それからおもむろに自分のブラウスとスカートを脱ぎ落とした。 下から現れたのは革のボンテージの衣装。 可愛らしい真理奈の顔とのアンバランスさがかえって妖艶さを増していた。 「雪絵お姉さま。言ったでしょう。 私嬉しかったんです。大好きな雪絵お姉さまとこうなれると知って。 雪絵お姉さまの事愛してるんです。私だけのものにしたかったの。」 真理奈が抵抗を諦めてぐったりした私の唇にキスをした。 最初はあやすように唇を舐めまわし、溜息が漏れ始めると大胆に舌を差し込んできた。 指先は小さく尖った乳首をさすり乳房をもみあげる。 疲れ果てた私に口移しに水を飲ませるて少し休ませると、真理奈は続きを始めた。 水彩画に描かれているようにパンティの上から赤いロープをきつく喰い込ませて背中と胸に縛り付けた。 感じてしまう部分には結び目がつくってある。 「ね、雪絵お姉さま、私の描いた絵とだんだん同じになってきたでしょう。 思ったとおり素敵だわ。私の描いた絵なんかよりもっともっと素敵。今見せてあげるね。」 そう言って真理奈は部屋の片隅から大きな姿見鏡を持ってきた。 恥ずかしさに目を背けようとすると真理奈が後ろから乳首をつまんできつく押しつぶした。 「見なくちゃ駄目よ。それからね、これから1時間ばかりモデルもやってね。私実物を見ながらスケッチしてみたかったの。」 もう私は小さくつぶやくしかなかった。 「真理奈、お願い、許して・・・お願い・・・」 なによりも真理奈が言うとおり体がすっかり感じてしまっているのを隠せない。 心もだんだん快感に狂わされて傾き始めていた。 真里菜はスケッチの道具を出してきて揃えるともう一度愛しそうにキスをしてきた。 「雪絵お姉さま、まだこの水彩画と全部同じじゃないのよ。最後の仕上げをしてあげる。素直に告白できたご褒美。」 真理奈が怪しげな道具箱から薬瓶を取り出す。 英語のけばけばしいラベルが貼ってある小さな瓶。 直感的にそれが何だか解り、私は慌てて訴えた。 「真理奈ちゃん、やめて。そんなの嫌。駄目、お願いやめてください。お願い。」 「雪絵お姉さま、また嘘ばっかり。駄目だなあ・・・。まあ、初日だから特別に許してあげる。 お願いする事が違うでしょう?ちゃんとお願いしますっておねだりしなくちゃ。まだまだ調教しなくちゃ駄目ね。 大学では雪絵お姉さまが先生でここでは私が先生って事ね。」
真理奈はだだっ子をあやすように雪絵の頭を撫ぜると一度割れ目に食い込んだロープを外した。 興奮した顔で目を輝かせながらそっとパンティを掻き分けて指を忍び込ませる。 「大洪水だわ。雪絵お姉さま。素敵な花園。」 「ああああああああんっ、あぅ。」 真理奈の指先がひんやりとした軟膏をクリの先に塗りつけてマッサージすると思わず大声で叫んでしまった。 真理奈は満足そうに次へ。 先にアナルの周りに、最後に洪水の元となった穴へ。 人差し指にたっぷりと軟膏を塗ってじわりじわりと味わうように柔らかい穴に潜り込ましてきた。 「は、あぅ、あん、真理奈ぁぁ。いやん、ひぃぃ。」 指は上下左右の壁をつついたりさすったり、いろいろ確かめるようにうごめく。 冷たい軟膏がすぐに温まってどろどろととろけていった。 真里菜は満足したのか、すっと指を抜いて微笑み、パンティとロープを元通りに戻した。 「さ、これでこの水彩画と同じになったわ。これから1時間ぐらいデッサンのモデルになってね。じっとしてなくちゃ駄目よ。」 真理奈はいそいそとデッサンに取り掛かった。 その後どうなるか容易に予想がついたけれど、30分も経たないうちに私は音をあげてしまった。 「真理奈ぁぁ、お願い。助けて。痒いの。我慢できない。お願いよ・・・・お願いします・・・。」 「雪絵お姉さま、デッサンするんだから動かないでって言ったじゃない。そんなにもじもじ動いたら困っちゃうなあ。」 真理奈はとぼけて笑ってみせる。熱心に鉛筆を動かして真剣にデッサンしている様子だ。 私はといえば塗り込められた薬の仕業でじっとしてなどいられなかった。 猛烈なむず痒さ。 動かせない体をよじって何とか体の火照りを鎮めようと身悶えた。 その姿は全て正面に置かれた姿見鏡に映ってしまう。 洪水のように流れ出した滴り、突き出した胸。 喰い込んだ赤いロープに痒みを擦り付けようとする浅ましい動き。 なまじパンティだけが残されているから全裸より一層エロチックだった。 聴こえるのはありとあらゆる押さえきれない吐息。 鏡で見た自分の姿に興奮し、真理奈に描き取られる事にまた興奮してしまっていた。 鏡の他に雪絵の周囲に並べられた5枚の絵。 どれも丁寧に描かれ、美しい額縁に入れられている。 中央の水彩画は今現実のものとしてここに有った。 椅子に拘束され、身悶えして快感に恍惚とする姿。 残りは4枚。 確かご両親は丁度1ヶ月留守だと言っていた。 残り4回の週末・・・それが何を意味するかぼんやりとわかりかけてきた。 でも、同時に快感に翻弄されながら残りの4枚の絵に雪絵はすっかり魅惑されてしまっていた。 「・・・真理奈様、お願いします。淫らな雪絵を・・・、雪絵を真理奈様の好きなように調教してください。」 真理奈がデッサンの手を止めてゆっくり近づいてきた。 黒光りする革の衣装が細い体をきつく締上げていてとても綺麗だった。 いつの間に履いたのか、黒いブーツまで身につけていた。 「雪絵お姉さま。大好きよ。愛してる。ずっと待ってたの。私だけのものになってくれるのね。約束してね。」 「はい。雪絵は真理奈様だけのものです。」 真理奈が愛しげに雪絵の唇を塞ぐ。 雪絵も今度は舌を絡めて応えた。 真理奈は拘束をほどいて雪絵の今の望みを叶えてやった。 激しく。 雪絵が満足するまで。 実はその日の真理奈のデッサンには5枚の絵とはまた違ったスタイルが描かれていた。 きっと毎週新たに1枚ずつ増えていくのだろう。 何枚も・・・何枚も。
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