■お世話係
□omame

 聞いていたのは女の子たちのお世話係ということだったけれど、実際には「お世話」をされていたのは私だった。
 女の子たちの仕事が何なのか、うすうすは気付いていたけれど、口には出さなかった。
 たぶん、嫌な客を取らされた後なのだろう、私への接し方が乱暴だったりするからすぐわかる。
 この玲奈ちゃんも、私の控え室に入って来るなり、大粒の涙をポロポロ流して私に抱きつき、いきなりベッドに押し倒して、唇を重ねてきた。
 危ない、と思った。
 前にもこういうことがあった。
 男に酷いことをされた後、同じことを女の子にして気を晴らす……
 あの時はペニバンでアナルを犯された。
 アナルでなどイケルはずがないのに、イクまで許さないと言って、しつこくしつこく。
 ベッドに大の字に縛られているので逃げ場もなく、もう、このまま死んでしまうのではないかと思うくらいの長時間、私は犯され続けた。
 私はイッタ振りをした。
「イッタの?」
「うん。良かった」
「じゃあ、もう一回、イキなさい」
 それからが本当の地獄だった。
 突かれ続けた腸が妙な蠕動を起こし始め、猛烈な便意が襲ってきた。
 便秘、というほどではないけれど、三日くらいお通じがないところで、いきなりだった。
 けれど恥ずかしくて告げることも出来ず、私は一人、身もだえして苦しんだ。
 脂汗が全身を滑光らせたのを、よがっているのと勘違いしたらしい。
「イイのね、こんなのがイイのね」
 そう言って、その時の女の子は腰を使いまくった。
「ごめんなさい、もう駄目、トイレに行かせて」
「駄目、もう一回イキなさい。さっきイケたんでしょ」
 イッタ振りはバレていた。
 完全に懲罰モードに入っている。
「これが入ってる限り、出せないよ〜」
 そう言って、グイイと押してくるとき、苦しみは何倍にも増え、まるで、それが口から出てくるかのような圧迫感が感じられ……
 耐えられない……
 そう思った瞬間、私を貫いていた槍がいきなり引き抜かれ、栓を抜かれた私のそこからは……
「なんてザマなの」
 私のそこから固形物が飛び出すたび、その女の子は笑い転げた。
 異変に気付いたスタッフが来てくれて私は助け出され、その女の子はクビになった。
 私は辞めようと思ったけれど、特別手当をかなり貰って続けることにした。
 あの時と同じ雰囲気を、今日の玲奈ちゃんからも感じたのだった。
 危ない……
 私は本能的に逃げようとした。


 月に一度の「パーティ」と称するイベントを仕切るのも、この玲奈ちゃんだった。  その「パーティ」では、私は全裸でSMベッドに大の字に拘束され、8人の女の子から良いように嬲られるのだった。  もちろん、各自が好きなようにやるのではなく、すべて玲奈ちゃんが仕切っていた。  最初は女の子たちの唇と舌だけが私の身体の隅々までを清めていく。  乳首とアソコとアナル以外を……  そして私の唇は、常に誰かの唇でふさがれ……  この状態が2時間も続くと、身体は芯から火照って、もうなりふり構わず「触れて! 感じる部分に触れて!」と叫びたくなってくる。  それを見透かしたように、玲奈ちゃんは「さあ、おねだりしてご覧」などと耳元で囁くのだった。  悔しい。  絶対におねだりなんかするもんか。  そもそも私はレズビアンじゃないし。  これも、こういう店で働く女の子たちのケアとしてやっているだけ。  私は男とのセックスが何より好きなの。  さんざん突き回されて、最期にドクドクと脈打ちながら萎えていくのを感じるのが何より大好きなの。  でも、でも……  もう駄目…… 「お願い、触れて」 「どうしようかなぁ」 「お願い、もう、どうしようもないの」 「まず、どこに触れて欲しい?」 「……乳首」 「エッチねぇ」  玲奈ちゃんはこれ見よがしにゴム手袋をして、業務用のローションを垂らすのだった。  その意味は…… 「止めて、お願い止めて」 「好きなくせにぃ。死ぬほど感じさせてあげるから」  そして私のアナルにいきなり……  アナルセックスではイケないし、感じたこともないのに、玲奈ちゃんの指だけは別だった。  アナルから子宮口を揉み込むのだという。  最初は圧迫感に声も出ない。  開く口を女の子の唇が閉じに来る。  あああ、乳首も、アソコにも、全てに女の子の口が……  もう、何がどうなっているのかわからない。  とにかくイク、イク。  一つの絶頂が、次の絶頂を呼んで、山が連山になり、連なって連なって、いつまでも降りてこない。  死ぬ死ぬ死ぬ。  逃げられない、快楽の拷問。  何より玲奈ちゃんの指は、妖しく妖しくアナルから子宮を攻め、私の絶叫を絶えさせない。  貪ろうとすると引き、醒めかかると責めてくる。  絶妙の焦らしといたぶり。 「アナル好きなんでしょ、ここ、好きなんでしょ」 「そうです! 大好きなんです、アナル!」 「一番好きな言葉、言ってご覧。お仕置きして、でしょ」 「言えない、そんなこと、言えない」  グイッと更に深く差し込まれ、息が詰まる。  もっと欲しい! 「お仕置き、して! もっと、して!」 「こう、ね」  子宮がグイッとアナル側から押さえつけられる。  ギャ〜〜〜〜  自分でもみっともないと思う奇声を発し、大股開きの膝をガクガクふるわせながら、私はアナルで玲奈ちゃんの指を味わい尽くすのだった。  もちろん女の子たちの唇と舌も……  こうやって一日中、女の子たちは私を貪り、私は快楽を貪って過ごすのだった。
 玲奈ちゃんは絶対に私のヴァギナは触らない。  一度でも男のモノを入れたヴァギナは汚れている、と言って。 「考えられない。自分のいちばん大事な場所にそんなものを入れるなんて」  そう言って、私のクリを舐め上げる。  信じられないくらい長い舌が、敏感な突起を責め立てる。  玲奈ちゃんがノコギリ責めと呼ぶそれは、おそらく舌の根元から先までを、一気にクリの上で滑らせ、往復する作業だ。  それはまさに作業と呼ぶにふさわしい機械的な動作で、愛撫などと言う生やさしいものではない。  これが始まると、「パーティ」もクライマックスに近くなり、女の子たちも自分の今日の相手を見つけて楽しみ始めるのだった。  私は拘束されたまま、ノコギリ責めの拷問に、ただただ絶叫を繰り返すのだった。  機械的な動作と言っても、そこは玲奈ちゃんのすることだから、女の身体の機微や、心理的な責めも加えて決して飽くことがないように責めてくる。  高めては落とし、落としては引き上げ、時には指で優しく愛撫しながら、その舌で私の涙を拭ってくれる。  そして、キス。  キスされながらの絶頂、また絶頂。  そしてノコギリ責め。  女の子たちもまた絶頂を訴える声をあげ始め、その声が収まってもなお、私一人、狂ったように快楽の声を上げ続けるのだった。  本当の、あの恐ろしいクライマックスが来るまで……
 私は縛めを解かれ、四つん這いにさせられる。  何が起こるか、恐ろしさに身体が震える。 「止めて、お願いだから止めて」  心から訴える。 「駄目よ、好きなくせに」  お尻を高々と突き上げ、全てを女の子たちの前に晒す屈辱。  女の子たちは私の顔とお尻を交互に眺め、これから起こることへの期待を囁き合う。  グッ……  入って来た……  玲奈ちゃんの手が……  すぼめられた指の形が……  グエッ……  手首まで…… 「子宮マッサージ、始めるわよ」  ギャァアアァアアア……  快楽なんてものじゃない、これに比べたら、これまでの全ての快楽なんて、子供の遊びみたいなもの。  子宮を直接、直腸側からマッサージされる。  握りつぶしグニグニされる!  ウオーーッと、ライオンのように首を反らせて雄叫びを上げる。  もう、もう、どうしようもない感覚。  耐えるしかない、激烈な快楽。  火のような快楽に、叫びながら頭を振るしかない。  肛門に腕を入れられた女が髪を振り乱して快楽に耐える、そのあまりのあさましさ。  これ以上みっともない、屈辱的な光景がこの世にあるだろうか。 「最後まで観ていくのよ。観られることがこの子のスパイスになるんだから」  そう言って、また、グニグニゴリゴリ……  絶叫しながら、頭の中が真っ白になる。  あああ、中からイク、腹の中から、死にそうなほど深く……  刺激された膀胱とバカになった筋肉が一緒になって栓が抜かれ、絶え間なく羞恥の水が内ももを伝う。  肛門に入れられて、どれほどの時間が経ったのか、一瞬だったのか、二時間だったのか、まったくわからない。  ただ、ただ、叫び続ける。  子宮以外、肛門しか感じられない。  アナルなんて、上品な場所じゃない。  これはもう肛門以外の何ものでもない。  肛門が、感じる。  どうしようもなく、感じる。  ダラダラと流れ続ける羞恥の水に一筋の血が混じるまで、「パーティ」は終わらない。  これは、私が生理になる前の、ほんの一時を狙い澄ましたイベントなのだった。
 もちろん、生理になったからと言って、この責めが終わるわけではない。  玲奈ちゃんの手が抜け落ちるとき、まさに排便以外の何ものでもない感覚が肛門を襲い、私は脳天まで痺れ上がるほどの電撃的な快楽を味わうのだった。  そして裏返され、女の部分、敏感な芽への攻撃が始まるのだった。  さんざん内側から嬲られ続けたそこは、おそらく、普段の三倍くらいの大きさになっているのだろう。  玲奈ちゃんは、 「大きくなってる。私の指を待ってたみたいね」  そう言うと、ゴム手袋を外した手に、さらにローションをたっぷりとたらし、私のそこへ……  女性の感覚を倍増させる成分が含まれたローションが、丁寧に、丁寧に、襞の奥底まで塗り込まれ、そして遂に、快楽の芽へと……  キャァァアアァアア……  イク、イク、イク、一発でイク。  左手で広げられたそこを、ローションを塗った指が次々と責め立てる。  指の腹でクリクリと潰されたかと思うと、挟まれて右へ左へ……  私はそのたびにのけぞって、ひたすら叫ぶ。  絶妙な指使いは、決して私を満足させない。  満足一歩手前の、それでも強烈で激烈な快楽を与え続けるのだった。 「もっとして欲しいんでしょ」と言われれば頷くしかなく、けれど、底知れぬ快楽の沼に足を取られた不安がどす黒く心に沈んでいるのだった。  女の子たちのキスが私の唇や乳首に浴びせられる。  太ももや、くるぶしにも。  そしてたまらず、また、こんどは天井に向けて羞恥の水を噴き出してしまう。 「もっとよ、もっと。出して良いのよ」  私から出た水で薄くなったローションを更に足して、責めはまだまだ続くのだった。
 玲奈ちゃんが泣いていたのは、そのイベントとは直接関係の無いことだった。 「ごめんなさい」と玲奈ちゃんは切り出した。「あなたに何も相談せずに」  玲奈ちゃんが言うには、例の子宮マッサージのことを産婦人科医に話したところ、 ものすごく興味を持たれて、医者の卵の女子学生たちに見せてやってくれないかと懇請されたのだと。  冗談じゃない!  あんな姿を他人様の前で! 「冗談じゃないわ!」 「お金、ものすごく良いのよ」  私はこの一言に反応した。  実は、私は男運がメチャクチャ悪く、前の前の男、前の男、そして父親が残した借金を、このままだとあと20年は返し続けなければならない。  女の子たちの弄びモノになりながら。  けれど、女の子たちは歳を取ったオバサンを弄びたいだろうか。  自慢じゃないけど、モデル事務所で引き手あまただった私だから、こんな仕事で稼げるのだと思う。  絶世の美女の、絶妙のプロポーションをした女体の、信じられない浅ましい姿を見て、溜飲を下げたいのだと思う。  40のオバサンが肛門に腕を入れられて叫ぶ姿など、本物の醜悪ではないか。  誰も見たいとは思わないだろう。  玲奈ちゃんが告げた金額は、弁済までの利子を加えても、たっぷりとおつりが来るようなものだった。  たった一度、あの浅ましい姿を見せれば、この借金地獄から抜け出せる。  また男に抱かれて、突かれまくって、萎えていくモノをあそこで愛おしみながら、快楽の余韻にひたることができる。  女の子たちからエンドレスで責め立てられるのも終わる。  私は玲奈ちゃんに、 「やるわ」と言った。  契約書をよく読みもせずに……
 女子大の医学部は清楚なイメージだけど、私はやはり女ばかりの雰囲気はなじめない。  ここであれをやるのかと思うと、屈辱で身体が震えてしまう。  いつものイベントの時は女の子たちも裸なのに、今日はみな白衣を着て、しかもノンケの女の子だから、  冷静に、沈着に、科学的に、同性の目で見られてしまう。  私は検査用の貫頭衣の下はもちろん全裸。  でも、仕方ない。  これ一回で全てが終わる。  私は事務の人に案内されてドアをくぐった……  何これ!  治療室とかじゃない!  大講義室!  百人以上入るような部屋に、ビッシリと、女子学生たちが!  それも白衣じゃない!  思い思いに着飾った女の子たちの前で、あれをやるの!  黒板の前には、まるで拷問台のように、産科で座らされるという、伝説の大股開きの椅子が!  まさか、まさか、大股開きであれをやられるの?  反対側のドアから玲奈ちゃんが入って来て、椅子の前でゴム手袋を装着し始めた。 「さ、早く」  事務の人に促されて仕方なくトボトボ歩いて近づくと、椅子の、局部のあたりにビデオカメラが!  私のそこを後ろのパネルに大写しにするつもり?  私はカメラとパネルを交互に眺めた。 「後ろの人は見えにくいですから」  事務の人はこともなげに言った。 「さ、早く座って」  もうどうにもならない。  私は覚悟を決めて台を昇り、椅子に座った。  看護師の女性二人が、私の脚を椅子に固定した。  まだ大丈夫。  服があそこを隠している。  まだ、まだ、大丈夫……  玲奈ちゃんが手袋にローションを落とした。  服がめくられた。  女の子たちの声にならない驚愕の声が上がった。  私のあそこに見入る、独特の空気が伝わってくる。  ヒンヤリとしたローションの感触が……  そして、いつものように、一本ずつ、まるで広げるかのように、指が……
 固定マイクが私の口元に置かれた。  喘ぎ声まで増幅してみんなに聞かそうと言うの?  絶対、声なんか出すものか。  グッ、玲奈ちゃんの指がアナルを貫いて、中へ。  揉みほぐしてる。  アナル側からGスポットを……  絶対に声は出さない。  耐える。  自在な動きで、指が二本に増えたとわかる。  アナルの中が、熱い。  声が、声が…… 「お尻で感じてるの?」  女の子たちの囁き声が聞こえる。 「え? 普通に変態でしょ」 「ありえない」 「あの濡れ方は変態でしょ」  そして、玲奈ちゃんの手が入って来た。  もう耐えられない。  アァアアアァァァ……  マイクで増幅された自分の喘ぎ声を聞く。 「子宮マッサージを始めます」  玲奈ちゃんが言い、ついに、地獄の責めが始まった。 「近くで見たい方は、どうぞ」  事務の人が淡々と言い、女の子たちが集まってくる。  冗談じゃない、と思うけど、どうしようもない。  ウオオ、と身体をのけぞらせて耐える。  女の子たちが集まってくる。  大股開きに固定され、肛門に腕を突っ込まれ、その快楽に酔いしれる女の姿を見に。 「子宮口をゆっくりと揉みほぐします」  ギャアァアアア……  良すぎるの、良すぎて、死にそうなの……耐えられない…… 「ホントに良いんだね、こんなのが」 「私、無理。あんなことするくらいなら死ぬ」  同性の、冷たい目線。  そして、なぜか自分の手が胸と、あそこへ。  オナニーを始めた私をさらに蔑みの視線が苛んで……  ああ、最悪、最悪だわ。  でも、最高!  私ってこんな変態だったんだ。  すでに濡れ濡れの蜜壺から天然のローションをすくい取り、もうカチカチになった芽を自分でなぶる。  イクイクイク、死ぬほどイク!  見て!  こんな私を見て!
 肛門を犯され、自分でも自分を汚して、しかも二回、羞恥の水を噴き上げ、  そのたび女の子たちの嘲笑と蔑みの囁きを聞き、私はもう何も考えられなかった。  そして玲奈ちゃんの手が引き抜かれる時、私はまた、自分でも信じられない悦びの声を上げた。  これで終わる。  全てが終わる。  そう思ったとき、この講義を受け持っている女医の声がした。 「それでは実習に入ります。赤城さん、井本さん、井上さん、ゴム手の用意をしてここへ」  実習って何? 「よろしくお願いします」  そう言って、一人の女の子が私に挨拶し、大股開きの向こうへ……  グッ、何よ……  まさか……  この乱暴な…… 「最初は子宮がわからないと思うので、私がこっちからフォローしますね」  そう言って、玲奈ちゃんは新しいゴム手袋をつけ、あれほど汚れた場所と言っていた、私のヴァギナに……  入ってくる、入ってくる。  傍若無人に!  手首まで入ってくるのがわかる!  女の子の手も!  極限まで広げられた二つの穴!  止めて! 止めて! 裂けちゃう! 「これ、わかりますか」 「わかります、親指です」  何これ!  女達が私のお腹の中で触れあってる! 「少し上に子宮があります。下ろしますね」  何やってるのよ!  ギャァァアアアアァア……  子宮口を、Gスポットを、自在な指が、ヴァギナと肛門と、両方から責め立てる。 「こうですか?」 「そう、もっと強くしても大丈夫よ」  大丈夫じゃない!  もう声も出ない。  三度目の噴出。  それが女の子の髪にかかり、露骨に嫌な顔をされる。  それでも止まらない。 「あと78人、全員がマスターするまで、毎週ここで実演するのよ」  聞いてない! 「ちゃんと契約書にはそう書いてあるんだから」  もう何も考えられない。  毎週、女の子たちの目の前で、こうやってその手に身をゆだね……  私はあまりの幸せに、また指が乳首と……
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