■10831 / inTopicNo.2)  出会い  
□投稿者/ 陸 一般♪(2回)-(2005/07/12(Tue) 11:55:37) 

「リクちゃん、リクちゃん、こっちヒロちゃん。」 片付けに集中していて人が来たのに気付かず、 今日から私と同室になる祥子に声をかけられてやっと気付いた。 「えっ、あ、ドウモ」 頭を軽く下げて、ヒロちゃんと呼ばれた子を見た。 ヒロちゃんと呼ばれた子はニコッと笑って、祥子の方を向き 「祥ちゃん、今日一緒にご飯食べよう?」 「うん、いいよ。リクちゃんも一緒に食べようね?」 え、私も…?ハァ〜。 「うん。」 (携帯)
■10832 / inTopicNo.3)  出会い2 □投稿者/ 陸 一般♪(3回)-(2005/07/12(Tue) 11:59:10) 大学に入り、家から通えないので1年の時は一人暮らしをしていた。 そのまま4年間楽しい学生生活を… …になるはずだった。 はずだったのにパソコンが欲しいがために2年から寮生活をすることになった…。 しかも2人部屋(涙) 1人部屋は2人部屋より高い。 だから寮は2人部屋と決定されていた。 祥子とは同じ科でたまに話すから全く知らない人よりましだろうと思い同室になることにした。 (後で失敗だと後悔したけど) 私は2人部屋になったとしてもお互い自由に、 干渉しないものと考えていた。 なのに、何故初対面の人と晩御飯を食べないといけないの……。
■10833 / inTopicNo.4)  出会い3 □投稿者/ 陸 一般♪(4回)-(2005/07/12(Tue) 12:00:51) 「リクちゃんは何で寮に入ったの?」 「あ〜、パソコンが欲しくって。」 あれ?この子名前何だっけ? どこ出身?一人暮らしはどうだった?…etc。 晩御飯を食べている間質問されたり、 祥子とその子が話しているのをボーっと聞いて寮生活で初めての晩御飯を食べた。 まぁ、味は思ってたより美味かった。
■10834 / inTopicNo.5)  出会い4 □投稿者/ 陸 一般♪(5回)-(2005/07/12(Tue) 12:04:22) 「リクちゃん、朝だよ〜。」 祥子の声が聞こえて何度目かで目が覚めた。 「朝ご飯食べよ〜。」 ……はぁあ?7時半!?ありえない。 一人暮らしのときは授業が9時10分からなため8時半頃起きていた。 眠さを我慢しながらメガネをかけ、ベッドから出た。 「朝はヒロちゃんと圭ちゃんが一緒だから起こしてくるね」 朝から元気だこと…名前で言われても誰か知らないし。 部屋の鍵をしめると3人はエレベーターの前で待っていた。 1人は昨日紹介された子、 そしてケイさんを紹介され、朝ご飯を食べた。 その日は2限目からだったため、ご飯食べてもう一眠りした。
■10847 / inTopicNo.6)  予感 □投稿者/ 陸 一般♪(6回)-(2005/07/12(Tue) 18:55:28) 1週間経ち、寮生活に大分慣れた。 顔や名前を覚えるのが苦手な私もヒロと圭とあと2人くらいは覚えた。 寮生活も楽しいと不満はプラマイ0かなと思ったが、 嫌な予感がした。 私はきっと祥子と合わない。 さらに1週間経ち 予感が的中してしまった。 しかも最悪なことに、私はいつもは嫌いなら関わらないようにするタイプだがそれができないことだ。
■10848 / inTopicNo.7)  悩み □投稿者/ 陸 一般♪(7回)-(2005/07/12(Tue) 18:56:02) 「リクちゃん、祥ちゃんとどう?」 部屋に居たくないため夜は点呼まで友達の部屋を転々としていた。 そして最初はあんなにどうでもいい存在だったヒロの部屋にも行くようになった。 「うん、まぁ、普通。」 「ホントに?でも最近元気ないじゃん。」 いつもボケっとしているわりにこういうことには鋭い…。 「……ぼちぼちかな。」 本当は今すぐ出ていきたいけど。 いつも結構ズバズバ言っている方だがこれから最低1年は同室だからと思い我慢をしていた。 だが、限界がきてしまった。 自分が思っていた以上にストレスを感じていたのか、 寝ることが唯一得意なことの私が眠れなくなった。
■10849 / inTopicNo.8)  気付き? □投稿者/ 陸 一般♪(8回)-(2005/07/12(Tue) 18:57:18) ある日の夜中、祥子も珍しく起きていた。 彼氏と電話中で私は部屋を出た。 が、皆はもう寝ている時間なので休養室でボーっと窓の外を眺めていた。 ふと思った。 何故一緒にご飯を食べるだけの存在、 しかも朝だから大して話したことのないヒロの部屋に、 つい足が行ってしまうのか。 一緒にご飯を食べる、ではケイでもいいはずだが、 ケイの部屋には一度も行ったことなかった。 「ホームシック?」 びっくりした。 振り返ると目を細めて笑っているヒロがいた。 「違いますー。」 「じゃあ、何してるの?たそがれ中?」 笑いながら近づいて当たり前のように隣に座った。 「それはこっちのセリフ。何で起きてるの?ヒロ、朝が苦手なんだから早く寝たら?」 「ビデオ見てたの。起きてるならりぃちゃんも誘えばよかった。」 面白かったのに…と、また当たり前のように私のお茶を飲んだ。 「眠れないの?」 「え?………。」 本当にこういう時だけ鋭いんだから。 ヒロと話しているだけで心の中のモヤモヤやドロドロとした部分がすーっと消えていく。
■10850 / inTopicNo.9)  気付き?2 □投稿者/ 陸 一般♪(9回)-(2005/07/12(Tue) 18:58:03) ヒロとは学科も学部も違い、校舎も離れているため学校で会うことはまずない。 だから寮だけしか会う機会ないのに 朝はお互い低血圧なため話さず、部屋にもさすがに用もなく毎日行けない。 しかも、ヒロも祥子のことが苦手らしくヒロが私の部屋に来ることは極稀なことだった。 ヒロの「りぃちゃん」と呼ぶ声。 からかうと予想通りの反応。 ただくだらない世間話でもヒロとなら楽しかった。 数日まともに話していない日が続いた、 りぃちゃんなんてヒロ以外呼ばないけど、からかいがいのある子は沢山いる。 だが他の子とは数日まともに会ってなくても、 話してなくても何とも思わない。 だがヒロには会いたい、話したいという気持ちが日に日に強くなった。
■10851 / inTopicNo.10)  確信 □投稿者/ 陸 一般♪(10回)-(2005/07/12(Tue) 18:58:52) 「…えっ。」 次の授業まで時間があるのでゆっくり歩いているとこちらに向かってくる人を見て驚き、 …ニヤついてしまった(笑) 「あ、りぃちゃん。学校で会うとか初めてだね〜。」 私はこんなに嬉しいのに、「あ、りぃちゃん」って……。 ヒロが私に気付くと私はニヤつきを隠すようにわざと嫌な顔をした。 「ちょっと何でそんな嫌そうな顔するのよ」 思った通りの反応。 「ワァ、ウレシイー」 「棒読みバレバレ。」 何故ケイではなくヒロの部屋に行ったのか、 何故数日まともに話せなかっただけでこんなにも寂しくイライラしていたのか、 ただ、会っただけでこんなにも嬉しいのか、 理由がやっとわかった。 私はヒロが好きだ…。 (携帯)