■レ。ザム ルーズ
□SEVEN 2004/04/18(Sun)


1994年12月。 街はクリスマス一色に染まっていた。 私は女子高時代からの親友と待ち合わせしていた。 場所は何時ものレデースBARである。 親友と言っても昔からの関係であり身体の関係も当然ある。 いやあったというべきなのか?短大を卒業した私たちは別々の会社に就職した。 彼女は営業職、私は事務職と仕事も違い、お互いの時間も作れなくなってしまいました。 そんな彼女から(イブには、会えないかもしれないから今日、何時ものBARで会わない?)との連絡を受けた。 (ひさしぶりだね、わかったよ。まってるからね。)と待ち合わせをしたのだ。 やがて、30分程が過ぎようとした時に彼女が現れた。 片手にはお洒落な包装紙に包まれたワインを持ってきている。 彼女に聞くと(多分、貴方も飲んだ事のないワインだからね。 お部屋でゆっくり楽しみましょう。)といわれ(うん。)と答えるしかなかった。 再会を祝して、シャンパンで乾杯をし、暫くお互いの近況を話し会いながら、お酒を楽しんだ。 程なくして、(でようか?)と、彼女が耳打ちをし(うん。)と答える私。 TAXIに乗り込み、彼女の部屋へ。 彼女は包装紙はそのままのした状態で器用にワインのコルクを抜く。 (香りも風味も蘇るまで時間の掛かるワインなのよ)と、彼女、その間ね、と。 いきなりのキスだった。 あれよあれよという間に彼女に服を脱がされ下着姿にされ、 目隠しまでされ、長いキスを交わし、いよいよベッドへとつれていかれた私。 (キャンドルサービスをしてあげるね)と彼女が言うとブラジャーを捕られ、あらわになったであろう乳首に蝋燭を垂らされた。 (あっあっ熱いいいああーっつあー) (大丈夫よ気持ち良くなるから、私に長い間連絡もしなかったお仕置きよ)と彼女(ごめんなさい)としか言えない私。 彼女はまだ責めて来る。 それは二人の空白の時間を一気に埋めるに相応しい責めだった。 暫くし彼女は唇が切れそうな程薄いクリスタルのワイングラスと例のワインを注ぎながら、説明をした。 1983年のワインは不作だった。一ヶ所をのぞいて。フランスのブルゴーニュを除いて。 彼女はこうつつ”けた。 愛を告白する時はカロンセギュールがつかわれるが違うワインをえらんだと。 ブルゴーニュの名醸シャンボールミュジー二。を、選んだと。 飲んでみておどろいた。 さすがに美味い。 感動の味だった。 彼女は包装紙を外した。 ラベルに、レザムルーズと下のほうに書いてあり、ワインは瓶の底からかなりの量が残っている。 (もったいないと思うでしょうがこれは澱なのよ、逆に言えばこの澱がこのワインを造ったのよ。  人生は儚いかもしれないよ。でもワインを楽しむ余裕はほしいよね。  この、澱の様に時間のたった私達もやり直そうよ)と彼女黙って頷くだけの私。 今は、彼女と楽しく暮らしています。 レザムルーズとは、(恋人たち)と言う意味だそうです。 彼女からの精一杯のメッセージそれは、もう一度恋人としてやり直すだけでわなく、 いつまでも恋人としていたいと言うシンプルで、重みのあるメッセージだった。 今でも、記念日に飲んでいます。 1983年シャンボールミュージー二ーレザムルーズ。 皆様も一度、試してはいかがですか?(恋人たち)の味を。 FIN
■contact  □SEVEN 2004/04/19(Mon) 初めまして、私がは最近携帯電話や、PCでビアンサイトを探しログインしお友達を作っています。 今日もあるサイトにログインしました。そこで、ある女性の意味深な、募集の仕方に興味が沸きました。 そのメッセージとは、(作品第一番に関係のあるワインを探し、写メが好みの子とお付き合いさせていただきます)とありました。 私は彼女にまず写メを送りました。 (綺麗な方ですね。好みです。私とおつきあいして下さい。  ワインの謎が解けましたらメールを下さい。サイトのメッセージは消去いたします。) と言うメールが届き彼女の写メも届いた。 美人であるが見覚えのる顔なのだ。 (どこだろう?)と考えながら趣味である音楽を聴いた時に彼女と、彼女の指定したワインがわかりすぐにメールをしました (ワインの謎も解けました、いつお会いできますか?)とメールをし彼女はすぐにでも会いたいとの返事があったので、 3時間後に彼女の指定したホテルに行く約束をし、ワインショップで彼女の指定したワインを購入しホテルの部屋へ向かいました。 彼女の指定したワインに間違いはありませんでした。 彼女は物凄くお洒落な方なのに異常に左手の爪が短いかたでした。 そして、私の想像どうりSでした。細い指ですが、どこか、節々がしっかりとした指で何時間も責めつつ”けられました。 シンフォニーの様にメリハリのある責めに我を忘れ気が付くと私は彼女の奴隷になっていました。すすんで成ったのかもしれません。 1年の半分以上を海外で過ごす彼女は身の回りの全てをさせる奴隷であり彼女が欲しかった様です。 私は彼女の付き人になり身の回りのお世話から夜の相手までをお世話致すことをちかいました。 ワインはオーパスT1991です。 オーパスTはこの年と翌年のごくわずかしか日本に入って来ませんでしたがフランス産ワインで無い為に過小評価されたワインとして有名です。 彼女はバイオリニストです。 左手は弦を抑えるために右手に比べ短くし手入れをするのです、オーパスTとはクラッシックの作品第一番と言う意味です。 メリハリのあるシンフォニーの様なFULLBODYの様なワインです。 人により感性が異なる様にワインもまた千差万別なのです。 どんな形であれ最高のパートナーに巡り会えたのも(運命)なのかもしれません。 バイオリンの曲ではありませんがショパンの(ノクターン)(夜想曲)とオーパスTは定番になりました。   FIN
■RED □SEVEN 2004/04/20(Tue) いつのころからだろう、女の子の色は赤色で象徴される様になったのは。 ランドセルや、トイレの入り口、など典型的である。 それでかもしれないが私は、赤色は象徴的にしか好きになれず自分は黒色を身につけ、 恋愛の対象として赤色の似合う女性が好きになっていった。 私はSだから、赤い首輪とロープの似合う色白の子に惹かれてしまう。 ワインも当然、赤ワインが好みになっていった。 良く行くBARのバーテンが女性でどう見てもMネコの女性であり色白で好みなので、 なんとかしたいと思い閉店2時間前に行き彼女のお勧めのワインを飲み話をきりだした。 (どうして、このワインをすすめたの?)すると、 (いつも赤ワインを好んで飲んでいらっしゃいますし、 このワインはあまり有名ではありませんが私の好きな1本なので試して頂きたかったのです。  それに、お店が終わってからお話したい事がありますので、こちらのBARで待ってていただけますか?)と、 彼女はあるBARのライターをさしだしたので、 (わかった、待ってるね。)と、言い残しワインを飲み干し彼女の指定したBARへ向かう。 そこは、私も何度か訪れたことのあるビアンBARであるが、 STAFFには初めておとずれたことにしてもらい彼女に話をし易い環境を整え彼女をまった。 暫くして彼女はBARにやって来て、同じワインをオーダーしこう切り出した (お客さんてSタチさんですよね?  じつはずっと告白したかったのですが私はMネコでご主人様を探しています、よければお付き合いして下さい)と彼女からの告白である。 私は(私の方こそ、告白したかったから。ありがとう。出ましょうか?)と彼女を自宅に誘ったのだ。 彼女はやはり色白で赤い首輪とロープの似合う子だ。 私のS心を刺激してたまらない。 ロープで強調された乳房も見事で、秘所は自分で剃毛をしてるらしく、少女の様だ。 とにかく焦らしを中心に責め彼女の口から、誓いの言葉を言わせ自分からオネダリしないと逝かせない事を告げ淫乱なMネコに仕上げた。 出会いも突然だったが別れも突然だった。 彼女の乗った電車が事故に遭い彼女は帰らぬひとになった。 私と彼女の愛したワインはラクリマクリステー(キリストの涙)と言うワインだ、 名も無いこのイタリアのワインは私の中かから、彼女の命日以外には飲まないように封印したのだ。 今、新しい彼女は居ます。が、このワインは彼女のためにのんでいません。 キリストの涙。と言うワイン。 あまりに突然でインパクトの強い彼女にピッタリのワインだから。 もう二人では決して飲まないと決めたワインと彼女の思い出です。 2004年4月10日。 FIN
■SHAWER □SEVEN 2004/04/30(Fri) 今日は彼女の誕生日だ。 お祝いのお酒はやはり、シャンパンだろう。 彼女はなかなか舌の肥えたグルメだから、彼女も飲んだ事の無いシャンパンを用意しました。 彼女のイメージにあわせてセレクトしました。 彼女は約束の時間に私の部屋にやってきた。 彼女は、女性専用のSMクラブで働いているがPLAYはしていないがプライベートでは、Sである。 私と彼女は学生時代からの付き合いでもう、長い付き合いである。 そんな彼女からゆっくり、調教され彼女のペットであり彼女にしか反応しない女になってしまった。 逆に言えば彼女と居るだけでも、話をするだけでも、身体が反応して恥ずかしいほど濡らしてしまう。 彼女が居ないと逝く事もできないし彼女でしかいけない様になったのだ。 もう、彼女なしでは、自分の性欲すら静めることもできない。そんな彼女が目の前でにいるのだ (お誕生日おめでとう)と、言い (ありがとう。嬉しいよ。祝って貰って。)と、返事をくれたのだ。 (乾杯しよう。)と言い、シャンパンを開けた。 マルキドサドと言うシャンパンだ。 サド公爵の名前が付いているために値段は手ごろなシャンパンだけど、さすがに美味しい隠れた銘酒である。 彼女も気に入ったらしく美味しそうに飲んでいる。 (さあ、今日はどう責めようかな?どうされたい?)と、私に尋ねて来る。 (お任せいたします。お願いいたします。)と、挨拶をし、彼女に身を委ねる。 私は彼女を、信頼しているからこそ、身体を預けられ、彼女もまた私を信頼してるから責められるのだ。 SMと虐待は違う。 ある意味究極の愛情表現の一つなのだ。 私は彼女に身を委ね彼女は私を責めることで満足なのだから。 彼女と私はもう離れる事はないだろう。 お互いが最高のパートナーなのだから。 彼女の責めにマンネリと言う言葉は当て嵌まらない。 毎回違う責めなのだから。 勿論、全てではない、定番の責めもある。 だが、何か新しい責めが必ず入っているのだ。 それだけ、大切にしてくれていると思うと我慢もできそれが、快感にかわるのだ。 縛りや、目隠しは当然するし、今日もされた、 (もう、許して)と言っても(まだまだよ)としか言わないが、私の限界を少しつ”つ引き伸ばしている彼女。 今夜もまた、(嗚呼あーー逝かせて下さい)という声を出し失神してしまうまで責めて貰えるのだ。  FIN
■マリアージュ □SEVEN 2004/05/04(Tue) 出会いで、最高に素晴らしい組み合わせの事を(マリアージュ)と呼ぶ。 たとえば、それは、料理とワインだったり、人間だったりする。 結婚という意味で広く使われているからだ。 SとMも(マリアージュ)かもしれません。 一人一人性格が違うようにその組み合わせも天文学的な数字になるだろう。 私、と彼女も、そんな偶然がいくつも重なった結果、相性が良いと判断したから付き合いを初めた。 正解だった、Sとしても人間としても彼女は尊敬に値するから付き合え、 そんな彼女は私を、大切にしてくれ私の限界を伸ばしてくれているからだ。 素晴らしい組み合わせは皆さんも経験はしていらっしゃるはずですよ。 気がついて居ないだけなのかもしれません。 貴方にとって一番大切な事が貴方にとっての(マリアージュ)なのかもしれません。 出会いに無駄はありません。 人の出会いは出会うべくして出会うと信じていますから。 こんな書き方をしたのは一話完結で書いてきたこのシリーズを暫く休み、準備していた、長編を、書き始めるためです。 私はエッセイ通しSMについての持論を形にしてきました。 それは押し付けにしたくありませんしあくまでも、 私の持論として皆様の頭の隅のほんの少しにでも留めておいていただけたら幸いです。 なぜ、SはMを責められ、Mはその責めに耐えられ快感に変えられるのか?と言う事を考えてみて下さい。 そこには、深い、信頼関係と愛情が無いと無理なことなのです。 それは私がエッセイで一環して主張している事でありこれから、作品が変わっても根底にずっとある事です。 いつとは、言えませんが、一話完結のシリーズの再開をお待ち下さい。  FIN
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