一応実話ですよ。 投稿者:翔手 投稿日:2003/05/05(Mon) 22:13 No.1249 「あのねぇ・・・・」 呆れ果てて、わたしは口を開いた。 「えっ?違うんですか?」 後輩はわたしの以外な反応に素直に驚いてる。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 部活が終わるのが遅くなったので、 今はチャリで後輩を駅まで送っている最中である。 「いつも、いつもすいません・・・」 後輩は本当にすまなそうに後ろの席で謝ってた。 本当に素直で、いい子なのである。 「そんなん気にしなよ。。わたしも好きでやってんねんし。」 と、わたしは軽いノリで言う。 まぁ、実際そうなのだ。 自分自身、2人乗りは好きだし 何より、その後輩の事が可愛いし、好きなのだ。 「ありがとうございます。。」 後輩はそう応える。 いつもの帰りの光景だった。 「んじゃ、ちょっと道外しま〜す。」 と、言いながら裏道に入る。 うちの学校はチャリ通禁止なのだ。 だから大通りをノコノコと走っていくわけにはいかない。 「先輩?」 後輩は何か言いたげに呼んできた。 「はい?」 どうぞ。という感じにわたしは返事をする。 「先輩って凄いイイ人ですよね。わたし、先輩に会えて本当に良かったです。」 唐突にそんな事を言ってくる。 普通ならそのまま大転倒しそうになるが、 この娘がこういう事を言うのにはもう慣れているので大惨事には至らなかった(笑) 「ありがとう。わたしも君に会えて良かったよ。」 と、わたしも素直に返した。 彼女が本気で、そう思った事をそのまま口にしているという事が分かっていたからである。 そのまま、チャリで裏道を走っていくと 裏道なんかにはよくある、まぁラブホが5・6件ある。 いつも、それを無視して(当たり前だが)行くのだが 今日はたまたま、入ろうとしているトコロのカップルを目撃してしまった。 別にだからと言って何もないのだが、後輩が一言言った言葉に絶句した。 「先輩、あそこって何の店ですか?」 -------------------------------------------------------------------------------- 続き: 一応実話ですよ。 翔手 - 2003/05/07(Wed) 00:44 No.1258 「先輩、あそこって何の店ですか?」 わたしは絶句した。 「・・・・・・・・・・・・・・・・。」 何と言えばいいのか分からない。 「雑貨屋さんですかね〜?」 確かに、そのホテルは何だかこじんまりとしていて雑貨屋とか そんなにも見えなくもない。 restとかstayとかの看板さえなければ。 でも、中二にもなったら分かるだろう(汗) 本当に純粋な娘は時として、何よりもタチが悪い。 「あのねぇ・・・・」 呆れ果てて、わたしは口を開いた。 「えっ?違うんですか?」 後輩はわたしの以外な反応に素直に驚いてる。 「じゃあ、あそこ何の建物ですか?」 また、素直に聞いてくる。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ラブホ。」 ぼそっと小声で呟く。 「えっ?すいません、聞こえなかったんですけど・・・」 もう一回お願いしますと、いう感じで聞き直してきた。 「だから、ラブホやってば!!」 わたしは半ばやけくそに言った。 「うわぁ。。ゲロゲロ(おい!!)恥ずかしい〜・・・」 と、後輩は言い、額をわたしの背中に当ててうつむいてしまったようだ。 おそらく、赤面しているのだろう。 色が白いので、そういうのが顔に出やすい娘なのだ。 わたしは運転中なので、実際にそうだったかは分からないが・・・。 それから駅まで、後輩は何も喋らなかった。 「着きましたよ。お嬢様。」 と、ふざけながらチャリを駅の前に止めた。 「ありがとうございます。」 と後輩は一礼した。 礼儀正しい娘なのだ。 「んじゃ、部活今日もお疲れ様。気付けて帰りや〜。」 「先輩も、お疲れ様でした。それじゃ、さよなら〜。」 と、後輩は駅の階段を降りていった。 わたしはその後姿を見送っ・・・・・ 歩き方がおかしい・・・。 明らかに足を引きずっている。 わたしはチャリを止めて、後輩を追いかけ後輩のすぐ前に立った。 「足、怪我してるな?」 わたしは責めるように言った。 「さっきまでは大丈夫と思ってたんですけど・・・」 「な・に・が・大丈夫と思ってた。ですか〜〜?なんで、言えへんの?」 と、わたしは後輩の両方のほっぺたを軽くひっぱた。 「しゅみましぇん・・・」 ほっぺたをつねられて、後輩は謝ろうにも上手く喋れない。 「ほれ、乗り。」 と、わたしはしゃがんで背中を後輩に向ける。 「いえ、先輩いいですよ〜。ゆっくり行けばいけるし・・・」 「乗り(怒)」 「はい。」 と、後輩はわたしに気圧されて大人しく背中に乗った。 「で、いつ怪我したん?」 「多分、稽古中に(私達は剣道部なのだ)一回足ぐねったんでそれだと思うんですよ。。」 まぁた、無理して稽古を続けてたらしい。 どうも、うちのクラブはそういうクラブ馬鹿が多い。 もっともわたしも人の事言えないが。 「頑張るんはいいけどなぁ。まぁ、なってしまったもんはしょうがない湿布貼ろうか。。トイレ寄るで。」 「はい、すみません。。」 湿布やらテーピングやら、わたしもしょっちゅう怪我をするので常に鞄に入れているのだ。 ポテポテ歩いてやっと、トイレに着いた。 この駅はキレイなのはいいが、階段は多いし、改札までは長いしで、 その割に全然人がいない。いても、二人かそこらである。 だからおんぶも出来たのだが・・・・。 「よっと。」 と、わたしは手洗い場と手洗い場の間のスペースに (ここはトイレもキレイなのである。) 後輩を置いた。 ちなみに、間と言っても十分にスペースがあるので余裕で座れる。 「んじゃ、痛い方の足出して。」 わたしは、鞄の中から湿布を取りだしながら言った。 「はい。」 と、後輩は右足を上げた。 スカートの中が見えそうになった。 しかも、場所が場所なので後輩の態勢は両手を後ろについて、 足は開きぎみ、さらに右足を上げている。 何とも変な格好だが、ひどくいやらしい感じがした。 「だーーー!!いや、いいわ。普通に足ダランってしといて。 あとは、わたしがやるから。」 「いや、大丈夫ですよ。」 と、後輩はわたしの考えをよそに、さらに足を上げようとした。 「いや、ちゅうんか君の今の格好すごい、やらしいよ。」 わたしがそういうと、 後輩はやっと自分の格好に気付いたらしく足を下ろした。 「もーー!!すいません。見苦しいもの見せて。」 後輩はそう言いながら自分の頭をポカポカ叩いた。 「いやいや、あんまりにセクシーやったからね。」 わたしはヒョウヒョウと言いながら 後輩の靴と、靴下を脱がした。 -------------------------------------------------------------------------------- 続き: 一応実話ですよ。 翔手 - 2003/05/07(Wed) 23:15 No.1267 「・・・・。ようこんな足で今まで平気な顔しておれたなぁ。」 わたしは驚いて言った。 「はは〜☆ちょっと痛かったです。」 そういうものの、後輩の足は白いにも関わらず、足首は青じんでいて さらにかなり腫れていた。 「ちょっとじゃねぇでしょーがよー・・・。」 と、言いながらしゃがんで腫れている足首に湿布を貼ってやった。 「冷たくて気持ちい〜。先輩ありがとうございます。」 「いえいえ、どういたしましてー・・・。それよりも・・・」 と、わたしは後輩の顔を軽く両手で抑え、自分の額と後輩の額をあてた。 (一応断っておくが、触れているのは額だけである。) 「頼むから、無茶だけはせんとってよ。」 と、小声で言った。 「はい。」 後輩も、さっきまでのヒョウヒョウとした態度を改めて返事をした。 「じゃあ、行こうか。」 手を放して・・・・ その時、後輩がわたしの手の上に重ねてきた。 力は全然入っていなかったが、決して振り払えなかった。 当然、態勢はそのままで額と額を合わせたままである。 「先輩。どうして、いつもそんなにわたしのために色々してくれるんですか?」 声は今にも泣き出しそうである。 「君はわたしの大切な可愛い後輩やからね。それに君の事好きやからね。」 わたしは、普通に答えた。 が、 「先輩、先輩っていつもそうやって好きって言ってくれるじゃないですか。でも、それって本当はどういう意味の好きですか?」 -------------------------------------------------------------------------------- 続き・ 一応実話ですよ。 翔手 - 2003/05/09(Fri) 21:42 No.1276 「どういう意味ですか?」 わたしは驚いて、額を離して後輩の顔を見た。 額ごしにわたしの思いが伝わったのかと馬鹿な事を一瞬本気で思ったからだ。 「いきなり、凄い質問やねぇ。」 わたしは平静を装って軽く微笑みながら、優しく後輩の手を外した。 「君はわたしの可愛い後輩。君はわたしの宝物。最も大切にしたい子。それじゃぁ不充分かな?」 完璧にわたしは逃げていた。 後輩は黙ったまんまだ。 「さぁ、今日はもう遅いし、疲れてるし、怪我してるから帰ろう。 お母さんも心配しはるで?なっ?家に帰ったらおいしいご飯が・・」 「先輩!!わたし、先輩の事好きです。」 わたしは少し気圧されて、ビックリしたが 「わたしも、君の事好きよ。」 と、いつもどうり返した。 が、 「そうじゃなくて、女子同士が好きとか言い合うんじゃなくて!! わたしは先輩の事が、本当に好きなんです。」 「・・あーー。」 わたしは何か言おうとしたが(忘れたが) 「すいません。ホント、迷惑なのは分かってます。 でも、わたし本当に先輩の事が恋愛的に好きなんです。 先輩が冗談でわたしの事好きだと言ってくれたり、 わたしが先輩に抱きついた時とかに、 ハイハイとか言いながら抱き返してくれたりした時、 すごく胸がドキドキしたり、ずっとこのままで居たいとか思ったりするんです。 先輩が冗談で、その気がない事は分かってるんですけど・・・」 ここまで一気に喋ると後輩は少し俯いて言った。 「先輩はわたしの事どう思ってるんですか?」 -------------------------------------------------------------------------------- 続きor感想: 一応実話ですよ。 翔手 - 2003/05/10(Sat) 00:18 No.1277 もう、わたしに逃げる余地はなかった。 と、いうよりもむしろ・・・・・ 「返事をしてもいいけど、きっと後悔すると思うよ? それでもいいんやったらいいけど。」 わたしは静かに言った。 それが精一杯だった。 「・・・・・・・。」 後輩は少し躊躇ってから 「はい。いいです。先輩の口から直接聞けたら気持ちも整理がつくと思うんで・・・。」 初めて少し微笑んだ。 だが、その笑顔には覚悟があった。 「ごめん。わたしは君の事が・・・・」 「好きだ。」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「えっ?」 後輩は本当にハトが豆鉄砲くらったような人・代表例みたいな顔をした。 「だから、君の事が・・・好きだ。」 もう、我慢の限界だった。 わたしは後輩の体を思いっきり抱きしめた。 もっとも、自分の顔を見られたくないというのもあったのだが。 それ以上に、堪え切れなかった。 「先輩・・・。アハハハ。先輩と両思いだぁ。」 後輩は、心底嬉しそうに泣いていた。 よほど、気を張り詰めていたのだろう。 「ハハハ、困ったね。」 「あ〜、でも、ショックだなぁ。」 後輩はわたしの腕から離れながら言った。 「? なにが?」 今度はいきなり何を言い出すのだと思いながら聞いた。 「だって、先輩あと一ヶ月もしない間に引退じゃないですか・・・。 だから、会う機会が少なくなるだろうし・・・。 寂しいな。折角、思いが通じたのに・・・」 向こうを向きながら言う。 その姿にわたしは何とも言えない愛くるしさを感じた。 わたしは、またしても辛抱が足りなくなって後ろから腰に手を回して耳元で囁くように言った。 「大丈夫、まだわたしは居るし、引退してからも3月までの辛抱。 受かったらまた、こっちの方に顔出すから・・・信じて待ってて欲しい。」 そう言ってわたしは、後輩を振り向かせて 後輩の唇に優しく自分の唇を重ねた。 -------------------------------------------------------------------------------------- -------------------------------------------------------------------------------------- 無題 投稿者:翔手 投稿日:2003/05/19(Mon) 01:47 No.1299 彼女に2度と話さないと言われたのは、1年前で。 やっとの事でそれを乗り越えれたのは、つい最近で。 その彼女が突然電話を掛けて来たのは、今さっきで。 その彼女がもう一度やり直そうと言っているのを聞いているのは 今この時でーーーーーーーーーーー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「だって、君でしょ?もう2度と話し掛けるなって言ったんは?」 「うん。」 「わたしがこの1年どれだけ苦しい思いをして、 それを乗り越えたんか分かってんの?」 「うん。分かってる。」 「やったら・・・!!」 「だから、明日放課後6時に2階の選択教室で待ってる。」 「だからって・・・」 プッ・・・・ツーツーツー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ まだ外は明るくて でもわたしの心はそうではなくて かと言って対象的と言うわけでもなく ただあなたを待っている あなたとの最後を思い出しながら ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「もう、君に何かしてあげようとか、君と居て楽しいとか、そんな気持ち一切なくなった。」 「・・・どうにもならんの?」 「無理。わたしは君に対してもう、マイナスの気持ちしか残ってない。」 「・・・・・・・・・・全然?」 「全然。」 「だから、もう2度と話し掛けんとって?つらいし、嫌なだけやから・・・」 「・・・・・・・・・・・・うん。」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ガラッ・・・ 扉が開くと同時に わたしの過去の窓が閉まる。 今が来た・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「・・・・・・・・・・・・・。呼び出した癖に遅かったね。」 「ごめん、補習が長びいてん。」 「まぁ、いいけど。で、用件は?」 「昨日言った通りやけど。」 「じゃぁ、なんでここに呼び出すん?」 「面と向かった方が君の好みやろ?」 「確かに・・・。」 「あと・・・」 「?」 「ここやったら、誰も来うへんし、声とかも気にせんで済むやろ?」 「別にわたしは聞かれたっていいけど。すぐ済むし。 答えは いいえ 。 やっぱりあれだけ言われて、じゃ仲直りしましょって一言でそれで復活なんか出きるわけがない。」 「じゃ、どうすればいいの?」 「別に・・・だってどうしようも・・・」 「わたしの事好きにしてくれてもいいよ。それでも駄目?」 「えっ?」 「だから、好きにしてくれていいよ。だって、君、本当はわたしの事好きやろ?」 「何を・・・・・。」 「さぁ、どうぞ。安心してバージンやから。」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ もう日は暮れそうだ。 もう生徒の声も聞こえない 聞こえるのは あなたの声と机が軋む音。 わたしは何をしているのだ・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ -------------------------------------------------------------------------------- 続き: 無題 翔手 - 2003/05/20(Tue) 00:09 No.1303 わたしは何をしているのだ・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ギッ・・・ギッ・・・・ギッ・・・・ 「あっ・・・あっ・・・あっ・・・」 「・・・・・・・・・・・・。」 ギッ・・・・・ギ・・・ギッ・・・ 「ふっ・・、あぁん。あっ・・・はぁはぁ・・・」 「・・・・・・・・・・・・。」 ギシギシ・・・ギッ・・ギギギッツ・・・ 「ぅ・・・。いっ、く・・・・。いっ、いっちゃう・・・・。」 「・・・・・・・・・・・・。」 ギシギシギシギシギシギシギシギシ・・・・ 「う・・、あぁーーーーーーー!!」 「・・・・・・・・・・・・・・。」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 今がとうとう倒れた。 今の息遣いは荒い。 今は・・・・・ 過去と同じだ。 こんなもので倒れるものか ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「ハァハァ、んっ?」 「・・・・・・・・・・・・。」 「ハァ・・・待って・・・・。まだ、脚に力が入らなくて・・・・」 「・・・・・・・・・無理。」 「きゃっ・・・。あっ・・・」 「こうやって、すれば脚の力も何もいらんやろ?」 「でも、床のゴミが体中につく・・・」 「なら、そんなのも気にならんほど良くしてやる。」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「はぁっ、はぁっ、はぁっはぁっ・・・」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 君は、なにを考えている? なぜ1年前とコレほど違う? 何が変わった? わたしか? 君か?