■9327 / inTopicNo.1) 愛情論 □投稿者/ 八雲(やくも) 一般♪(1回)-(2005/05/08(Sun) 17:16:39)
幸せって? 結婚して子供三人が生まれて、少子化に歯止めをかけるお手伝いをして、孫に囲まれ、縁側で猫を抱っこし、陽なたぼっこするような・・・。 それが幸せなのかね? んまぁ、平々凡々な幸せだわな。ん。 んな、煎餅のぽたぽた焼きのおばあちゃんみたいに、かわいく歳を取れたらねぇ。 幸せでしょ。 君にとって・・・ 幸せって何? 君の幸せに・・・ ボクは居るのかな? (携帯) ------------------------------------------------------------------------------------- ■9328 / inTopicNo.2) 愛情論1 □投稿者/ 八雲 一般♪(1回)-(2005/05/08(Sun) 17:43:15) 「んが!」 トイレでボクは声を出してしまった。 あー・・・。憂欝だよ。最近だるかったんだよな。 この世の何よりも嫌いだ。 なんでこんなもんがあるのか? “生理”ってやつ。教科書には月経とか書いてある。 つまり、妊娠する準備をしていたんだけど、妊娠するような事が無かったもんだから、後始末ってやつ。 それが月一でやってくる。 そんなのボクには必要ないっつーの! 自分で選べれば良いのに。 ボクはオンナだけど、生理必要ないです。男との結婚もしないし。 いっそオトコが良かったよ。 ん・・・。だけどオンナに生まれたことに文句言いたいけど、変えガタイ事実だからなぁ。 オトコみたいに振る舞ってるんだけど、生理だけは必ずやってくる。 ・・・くるな! まぁ、ボクの身体が健康ってこと? ん、そいつはよろし。 とにかく!ボクはこの血塗られた一週間が嫌いだ。 今日はみゆきとのデートなのに・・・。 (携帯) ------------------------------------------------------------------------------------- ■9329 / inTopicNo.3) 愛情論2 □投稿者/ 八雲 一般♪(2回)-(2005/05/08(Sun) 17:52:48) 「くそぉー・・・。」 頭の中で文句を言いながら、それの処置をし、トイレから出る。 そしてため息。 「ふぅー。」 待ち合わせのSATYまで、愛車の50ccカブに乗って出掛ける。 なんとなーく、股とか尻とか変な違和感・・・。 ちくしょー!サイテーな日だよ。 そんなキモチが表情に出たのか? 「ちょっと、まーちゃん?具合悪いの?」 先に待ち合わせ場所に来ていたみゆきが、心配そうに顔をのぞきこんできた。 「いや、そんなことないよ。」 「そう?なら良いけど。ね、たこ焼き食べよー。」 みゆきは笑顔で話す。 ボクは川崎真希(かわさきまき)26歳。 彼女は大森みゆき(おおもりみゆき)35歳。バツイチ。三人の子持ちだ。 ボクらの出会いは一年前の春。いわゆる、出会い系サイト。 みゆきの掲示板にボクがレスしたわけ。 まぁ、そこから恋愛に発展したわけだけどね。 バツイチの子持ちは承知の上だった。好きになるのに理由なんかないしね。 今日はみゆきの仕事の休みと、ボクの仕事の休みが合ったから、久しぶりに午前中からデート出来るんだ。 生理さえ来なければ、もっと楽しいはずなんだけどなぁ・・・。 みゆきに生理だなんて、言えないんだよな。 だって、なんか格好わるいじゃん・・・。 やべ・・・。 ボクは生理になると頭痛くなるし、腰も痛くなる。 だるいな・・・。 気分も身体もだるくなってきてしまった。 なんだよ。しっかりしろよ、真希! がんばれボク! (携帯) ------------------------------------------------------------------------------------- ■9364 / inTopicNo.4) 愛情論3 □投稿者/ 八雲 一般♪(3回)-(2005/05/09(Mon) 16:36:51) 「まーちゃん、やっぱ変・・・。」 みゆきが銀だこを食べながら、ボクの顔をのぞきこむ。 「いや、べつに?」 そ、そんなに見るなよ。顔を近付けるなよ。 ドキッとすんじゃんか。 みゆきは童顔のせいか若く見える。ボクと同年代に見られてもおかしくない。 子供も三人いるなんて、誰も思わないだろう。 「み、みゆきさぁ。今日は何時まで?」 ボクはみゆきから目線をそらし、銀だこを頬張った。 「ん?今日はね、みんなパパんとこにお泊りなんだ。明日日曜だし。だから、ゆっくり出来るよ。」 ニコッとみゆきが笑う。 これだ。この笑顔にやられちゃう。 かわいくてさ(;^_^A 「パパんとこ?そっか。」 パパとは、みゆきの元夫。 「久しぶりでしょ?一日中ゆっくり出来るの。いつもは子供たちが学校から戻ってくる前に帰らなくちゃだし。」 「そうだね。君の子供たちと一緒に居るのは楽しいから。ボクは別にかまわないけどね。」 「まーちゃん、子供と遊んでくれるからね。いつもありがと。」 最後の銀だこを“あーん”と言いながら、みゆきはボクの口に差し出した。 まださっきのが口の中に残っていたボクは、急いでモグモグ、ごっくん・・・? 「げ、けほっ!げほっ!」 「あーあ。大丈夫?まーちゃん!?」 思い切りむせた(-"-;) こうゆーときってさ。変なふうに食物は行くもので、鼻がムズムズするのでティッシュでかんでみると、たこ焼きの残骸が出てきたりする・・・( ̄□ ̄;)!! 「うわー。まーちゃん汚い!」 「んが!見るなよ!他人が鼻かんでるとこぉ!」 みゆきは笑いながら、ボクの慌てぶりを楽しんでいる。 結局、あんなに大変な思いをしたのに。最後の銀だこは、みゆきの口の中に入ってしまった。 食べたかったのにな・・・。銀だこのネギマヨ・・・。 ボク3個しか食べてない。 「銀だこってさぁ、10個入りだよね?」 「そうだよ。」 ・・・ということは、ボクは3個。みゆき・・・7個?!(・・?) みゆきは結構大食い。なんだけど全然太ってない。 痩せの大食い。 うらやましいなぁー。 子供三人も生んだ身体じゃないみたいだ。 ------------------------------------------------------------------------------------- ■9384 / inTopicNo.5) 愛情論4 □投稿者/ 八雲 一般♪(4回)-(2005/05/10(Tue) 09:39:09) 「まーちゃん、私、映画見たいんだ。ほら、あの韓国映画。」 最近、みゆきは韓流ブームに乗ってる。ヨン様だとかビョン様だとか。冬ソナとかユンソナとか。 「いいよ。えっと、今からだと・・・。」 ボクは携帯で映画時間を確認する。 「あと30分後だよ。もう行かなきゃ。」 映画館は道路を挟んでSATYの向かい側。車の流れが切れたところで、みゆきの手を引き小走りに道路を渡る。 「危ないよ、まーちゃん!」 だって、横断歩道まで行くと遠回りじゃん。 「大丈夫だっただろ?」 「もー。」 二人で笑いながら映画館に入る。 みゆきがボクの手をキュッと握ってくれた。なんか幸せだなって思ってしまった。 映画は、純愛ストーリーなもんだから。切なくて悲しくて。でも最後は爽やかに終わった。韓流ならではですな。 みゆきは映画を涙ながらに見ていた。 ボク?ボクは涙もろいんです。そして浸りやすいんです。 だから映画終わったあと、なんか胸が切なく苦しくなってしまいました。 「まーちゃん、泣いたでしょ?」 「泣かないよ。」 「うそ。目真っ赤。」 「赤くないよ。」 「まーちゃん、涙もろいからねー。」 ボクをからかうみゆき。 映画の余韻にまだ浸っているからかな?ボクたちの恋愛は純愛なのか?なんて考えてしまった。 何があっても、みゆきを裏切るようなことは絶対にしない! 心の中でぐっと誓う! 「まーちゃん、早く行こう。」 気付いたら、他のお客さんたちは外に出てしまってて。ボクたちだけが席に残っていた。 映画のあと、ボクたちはみゆきのアパートに行った。子供たちが居ないときは、二人でテレビを見たり雑誌を見たり、おしゃべりしたり。まったりしたりして過ごす。 「ねぇ、みゆきのファーストキスっていつ?」 「はぁ??」 「聞いたことないから。」 「っていうか何の前触れもなく。焦るよー。」 「なんで困ってるの?」 なんとなく聞いてみたくなったんだ。恋愛映画見たあとだからかな? そういえば、みゆきの過去の恋愛ってそんな詳しく聞いたことなくて。 「・・・高校1年のとき。そんときの彼と。」 「ふぅーん。初体験も彼?」 「はぁ?なんでそんなこと?」 なんか、みゆきの過去の彼氏に妬いてしまった。もう終わったことなのにね。 「ね、いつ?」 わざと意地悪く笑って聞いてみた。 「そうだよ。」 恥ずかしそうにみゆきが答える。 「ふぅーん。彼女もいたんだよね?」 みゆきは女子校出身で、同級生と付き合ってたって、聞いたことある。 「いたよ。彼氏と別れてからだよ。っていうか!なんでそんなこと聞くの?」 「べつに。みゆきのこと知りたいから。もっと・・・もっと・・・。」 ボクはみゆきの顔をのぞきこみ、そのまま押し倒した。 また意地悪く笑ってみた。 「まーちゃん・・・。」 「元彼や元カノに妬いちゃうなぁ。」 そっとみゆきの頬にキスを落とした。 「まーちゃんが聞いたんでしょ?」 「妬いちゃうけど、みゆきのこと全部知りたい・・・。」 またみゆきの首筋にキスを落とす。 みゆきの弱いとこ。 みゆきの口から吐息が漏れる・・・ (携帯) ------------------------------------------------------------------------------------- ■9437 / inTopicNo.8) 愛情論5 □投稿者/ 八雲 一般♪(6回)-(2005/05/12(Thu) 23:18:56) 「まーちゃん・・・」 完全にボクはみゆきを支配下においた。 いつもこんなカンジでイチャイチャが始まるのだけど・・・。 「ねぇ、元彼とさぁ、パパとさぁ、ボクとさぁ。誰のキスが一番?」 「なんでそんなこと聞くの?やっぱ朝から変だよ、まーちゃん。」 「ん?なんでかなぁ?」 みゆきの額、頬、鼻、首、、、ゆっくりとキスを落としながら、みゆきに尋ねる。 なんでそんなことを聞きたくなったのか?ボクにもよく分からない。 ただ、男女の恋愛模様を描いた映画を見たあとだから。自分とみゆきの恋愛と重ね合わせていたこと。 自分とみゆきは、同性の恋愛・・・。 そんなことに、何か切なさのようなものを感じていたのは確か。 ・・・男女の恋愛とは違う。 みゆきは結婚もしてたし。男女の恋愛を知っている。世の中の常は、男性と女性が結ばれること。 同性は結ばれる? ボクはオンナだけど、同性が好きで。 ボクには性別は関係ないんだ。 男にも女にもなりたくない。 男女の恋愛を知っている、みゆきにとってボクはどんなんだろう? ボクには生理が来るんだ・・・。 ボクはオンナ・・・。 劣等感のような、ズンと重くなる気持ち。 「ねぇ、ボクは女なんだぜ?」 「知ってるよ・・・。なんで?」 「男じゃないんだよ。」 「どしたの?」 「いや・・・。」 ボクは再びキスを始めた。 ボクらは布団の上に移動した。 ゆっくりとみゆきの服を脱がせていく。 みゆきのキレイな肌が露になる。 みゆきの胸へとキスの雨を降らせる。 「ん・・・はぁ。」 こらえきれずに漏れたみゆきの声・・・。 ボクは舌と唇とを使い、みゆきの上半身を愛した。 ・・・みゆきはいつものように、ボクに身体を任せてくれる。 「ねぇ、ボクのことずっと好き?」 「んん・・・。好きだよ。」 「どんくらい?」 「すご・・・く・・・。大好き・・・。」 唇で愛撫をしながら、みゆきに尋ねる。 ため息まじりに、みゆきは答えていく。 過去の人にも同じことを答えたの? ・・・みゆき? ズン・・・と心が重たい。 (携帯) ------------------------------------------------------------------------------------- ■9460 / inTopicNo.9) 愛情論6 □投稿者/ 八雲 一般♪(7回)-(2005/05/14(Sat) 14:17:52) 「ねぇ、ボクのこと、ずっと愛してくれる?」 「ん・・・。はぁ・・・。うん、ずっとずっと愛してるよ・・・。」 ボクの愛撫に、みゆきが感じてくれてる。 でもね、みゆき。君の旦那だった人にも同じことを言って結婚したんだよね? 彼の子供を三人も生んで、そして破局したじゃないか・・・。 ずっとなんて、ありえないんじゃないか? ボクとみゆきの間には・・・どんなに愛しても子供は生まれないよ。 だって。ボクはオンナだから・・・。 「ね。。。まーちゃん、もうヤバいよ・・・。」 「ん?どこがヤバいの?」 みゆきが困った表情で笑う。 みゆきはボクの右手を、自分の両太ももの間に持っていった。 濡れている・・・。 「ほしい・・・。」 みゆきは擦れた声でささやいた。 ボクは自分の右手を見つめた。 いつもは“しょうがないなぁ”なんて笑って言いながら、みゆきの求めるモノを素直に与えるんだけど・・・。 ボクの右手の中指、人差し指じゃ・・・。 届かない・・・。 みゆきの元彼や元旦那は、みゆきがほしい場所まで、奥まで届いたんだよね? もっと深く深く、みゆきを愛せたんだよね・・・? 快楽を与えることができたんだよね? 一つになれたんだ・・・。 ボクにはそれができない・・・。 ああ・・・。さらに胸が重たくなる。 ふと、みゆきの使っている化粧水の小さなボトルが目に入った。 ボクは苛立ちと切なさと苦しさまぎれに、そのボトルを手にした。 「これ・・・あげるよ。」 冷たいその容器を、みゆきのソコに押しあてた。 「え・・・!な、なに?」 抵抗するみゆきを抑えつけて、ボクは冷たいプラスチックをみゆきに与えた。 「んん!はぁ!い、いやだよ、まーちゃん・・・。」 「ボクの指じゃ、みゆきを奥まで愛せないんだよ。」 ボクはそのボトルを上下に揺らし、ゆっくりと動かした。 はじめは苦痛に顔を歪めていたみゆきも、次第に快感の表情を浮かべた。 ボクには届かない・・・。 化粧水の容器はみゆきの奥を刺激し、みゆきから溢れる雫はみゆきの快感の深さを語っているようだった。 「気持ちいいだろ?」 ボクは冷たく言い放った。 「い、いやだよ・・・。はぁ!んん・・・。ああ・・・。これ・・・いや・・・。」 「なんで?ボクじゃ、ここまで奥まで届かない。ボクはオンナなんだよ。」 「ちが、ちがう・・・。こんなんじゃ・・・!ん・・・はぁ・・・。」 みゆきは必死にこらえながら言った。 「はあ、はぁ・・・。まーちゃん、まーちゃんがいい・・・!」 はっとして、ボクは手を止めた。 「まーちゃんに愛されたい・・・。」 みゆきはもう一度、はっきりと言った。 ------------------------------------------------------------------------------------- ■11050 / inTopicNo.12) 愛情論7 □投稿者/ 八雲 一般♪(2回)-(2005/07/19(Tue) 17:06:46) 「ね・・・。まーちゃんに・・・愛されたいの・・・。」 息を整えながら、しかしさらに強く、みゆきは言葉を口にした。 ・・・。 自分は一体何をしたんだ。 嫉妬?焦り?苛立ち? 苦しまぎれに、こんな無機質なモノをみゆきの身体に与えて・・・。 「まーちゃん・・・。ギュッて・・・。ギュッて抱きしめて・・・。」 みゆきの腕が背中を包みこんだ。 「オトコだとかオンナだとか・・・。関係ないから。」 みゆきの柔らかい肌、温もり、静かで染み入る声・・・。 「まーちゃんに愛されたいから。まーちゃんを愛したいから。過去でもなく未来でもなく・・・。私は今、川崎真希と結ばれたい・・・。」 みゆきの腕に力が入る。 「みゆき・・・」 涙が知らずに流れていた。 ああ・・・自分は・・・。 こんなにも愛されているのに・・・。 永遠だとか、過去だとか、未来だとか、オトコだとかオンナだとか・・・。 そんなモノに縛られて。 自分勝手な気持ちで・・・。 勝手に苦しんで・・・。 「みゆき・・・、ごめん、ごめん・・・」 (携帯)